店主の主張


 このページではヒグチ釣具店のおやじ 樋口弘実が釣りに関わるすべてのことについてと、まったく釣りに関わっていない余分なことについて、自由気ままに意見や思いを述べています。
 釣具店なのに、損得勘定抜きで書くし、契約プロのようなメーカーや一部の人に対するしがらみがない分、まさに真実のかたまりと言いたいところですが、私の独断がほとんどですので、まああまりあてにならないかも…。
 しかも文章の中身以外はなんにも飾りなし。このページまで面倒くさい思いをするのはのはいやだから(さっそく典型的なB型の血が現れている)。
 ということで、読まれる方も自由気ままにどうぞ。



レボMGエクストリームの発売に寄せて  2018年2月28日

 前回このページを更新してからほぼ1年が経過しました。べつにサボっていたわけではありません。その間、いろいろなことを一生懸命やっていました。
 特に、自分が考案した鯛ラババイプレーンの良さを皆さんに知ってもらい、その良さを生かす使い方をしてもらうことに全力を注いでいました。
 今までの鯛ラバとは全く異なる発想から生まれたものであるが故に、先ず、その利点を理解していただく段階で困難を極めました。ですから、バイプレーンの普及を全国規模でやっていくというのは大変なことでしたが、それが自分に授けられた天命だと感じています。天命に背く生き方は、私にはできません。

 自分しか気付かないこと、自分にしかできないことを大切にし、世の役に立っていくこと、そしてそのことを通して自分と関わり、自分を大切にしてくれた人たちを幸せにしていくこと、その思いで日々精一杯生きる!それだけです。

 そうした意味で、今は鯛ラババイプレーンが私の人生のかなりの部分を占めているのですが……
 アブガルシアのスピニングリールについては、2年前、このページで私の思い・考えを詳細に綴りました。
 だから、つい先日最上位機種レボMGエクストリームが発売になった以上、そのことに触れないのは、無責任だと思い、書くことにしました。

 2015年までのアブガルシアのスピニングリールには、高級・高性能リールとして皆さんにオススメできるものはありませんでした。
 その状況が大きく変わったのが、2016年に発売されたレボMGX、PRM、ALXのシリーズからでした。
 その段階で、ダイワやシマノを超えたと思われたのが、キャスト性能の素晴らしさ・ライントラブルの無さとドラグ性能の素晴らしさでした。塩噛みやサビに対する対策もなかなかのものでした。加えて、デザインの良さは伝統として受け継がれており、見た目も3社の中で最も洗練されていました。
 しかしながら、使用中にギア関係やストッパーの不具合が多く発生し、お客様をがっかりさせたことが何度もありました。その点が本当に残念で、私も度々落ち込みました。

 それでも私はアブガルシアのリールを売り続けました。お客様には正直に、不具合が発生する可能性があることを伝えてでも、そうしてきました。
 私は、それもすべて新しいことに挑戦しているが故、通過点として起きていること!ととらえていたからです。
 リールのボティ構造や材質・精度は素晴らしいのです。ドライブギアも良くなりました。ただ、他のパーツや組み立て技術が追いついていない。
 人間でいうと腹筋と背筋の両方をバランスよく鍛えずに、一方ばかりを強くすると、ぎっくり腰になってしまう!いわばそういう状況だと見立てていました。

 チャレンジしない限り、失敗は起きません。キャスト性能・ライントラブルの無さとドラグ性能では、ここまでやれたのだから、近い将来、今トラぶっている箇所も必ず改善される。私はそう予見しました。そして、その考えに理解を示していただき、不具合発生後もアブガルシアのリールを買い続けられるお客さんがかなり居ました。私は、そういうお客さんに心から感謝したいです。

 今、その見立てが間違っていなかった、と思えています。正直、まだ完璧ではありません。シマノの最上位機種と比べれば、ギアやシャフト関係の精度と強度、設計の巧みさでは、依然としてやや劣っているように感じます。でも、かなり改善され、進化したなあ、とMGエクストリームを回して感じました。

 入荷した2000S、2500SH、3000SHを回して感じたことは、2500SHと3000SHの回し出しの軽さ、軽快な操作感、ノイズの無さです。史上最高の軽快な操作感を誇っていたヴァンキッシュをも超えたのでは?と思えるほどです。それだけに、逆に、これだけ軽くスムーズな回転で、大物を掛けたときや耐久性は大丈夫か?と心配になります。
 対して、2000Sはノーマルギアのため、回し出しこそ軽いものの、硬さを感じる仕上がりになっています。シャリシャリ感も多少あります。個体差でしょうか?それとも何か意図があってのことでしょうか?
 普通考えると、サイズの大小で逆の味付けが無難な気がするので…何か意図があってのことのように感じ、私なりに理由を想像しています。
 私の考えをここに書きたいですが、想像の域を出ないことをいっぱい書くのはどうか?とも思いますので、今回は書くのを止めておきます。

 肝心な不具合の有無については、実際にフィールドで使ってみないと分からない部分もあるのですが、2016年のレボ各機種でいろいろあったので、そのせいか?おかげか?かなり店頭で回すだけで見定める方法をつかみました。それで判定した限りでは、今回のモデルは、かなり改善された2017年のレボ ロケット以上にしっかりと造ってある。そう感じています。結果、不具合もほぼ無くなるのでは?そう思います。

 それから…これが一番重要なのですが…今回のMGエクストリーム、とんでもない凄い進化を遂げた箇所が一箇所あります。
 昨年10月の内覧会で触り、今年になってからも問屋の展示会で触り、フィッシングショーで触っていたにも関わらず、その凄い進化に気づきませんでした。
 今日になって初めて気がつきました。盲点でした。バイプレーンの穴の形状と同じように、凄いことなのに、ほぼ100%の人がスルーしてしまう。世の中にはそういうことがいっぱいある!改めてそう感じました。
 それがリールのどの箇所か?これも具体的なことは書けません。私が書くと他社にその情報が筒抜けになってしまうからです。
 土田舎の小さな小売店ですし、リールをたくさん売っているわけでもないのですが、私が書くこと、私がやっていることが皆、気になり、このHPを多くのメーカーや小売店が見ています。
 釣り人のためだからこそ、私の意見に耳を傾けながらリールを造ってくれている貴重なメーカー(ピュアフィッシング)が、私の安易な一文で不利益を被ることがないようにしないと申し訳ないです。

 とにかく、よくぞここまで造り上げてきた!と言える。今の感想はそういう感じです。
 他のメーカーが高級リールの部門から撤退していった中、3万円台のリールを世に送り出してから2年後に、今度は4万円台のリールへとステップアップしてきました。
 そして、出来もなかなかのもので、「よくぞここまで造り上げてきた!」そういう感じがしています。

 早速、私は3000SHを試しにおろし、かなりハードに使って、強度・耐久性がどうか?確認してみようと思います。

 よろしければ、是非皆さんも、買う買わないは抜きにして、店頭にてその進化の度合いをご体感いただければ!と思います。 

 最後に、今後、ピュアフィッシング社にお願いしたいことを一言!
 それは、リールを改良していく際、今までの経験にとらわれ過ぎないようにしてほしい!ということです。これはピュアフィッシング社のリールだけでなく、すべてに通じることなのですが…
 自分の経験を最優先して物事を判断していくと、ものの見方が一面的になってしまい、改良の方向を見誤りがちになるように思います。

 私は、歳をとってきて、自分の経験だけから結論を導き出さないよう、心がけるようにしています。世間一般の人とは真逆の考え方かもしれませんが、そういう気持ちでいないと、より良いものを見定めることはできないし、より良いものを作っていくこともできない。より良い新しいものを作っていく際には、経験が邪魔をする!そのことをひしひしと感じるようになったので、そうしています。

 結論、お客さんがくれる数多くのデータが何よりも貴重だと思うのです。それを理に照らし合わせながら今までと違う角度から分析し、製品にいかにフィードバックしていけるか?これがキーになると思っています。


楠ノ瀬直樹氏と名作ペニーサックA  2017年3月3日

 一時は全国各地でワゴンセール品となり、そのまま消えていきそうだったペニーサックでしたが、やがてその流れに変化が出てきました。
 当時、伊良湖での爆釣に加えて、山口県の下関からも「ペニーサックはよく釣れる。スゴいルアーだ。」という声が頻繁に聞かれるようになっていました。HALの大作氏は、その情報を全国のアングラーや小売店に広めていきました。そのかいあって、いつの間にか、全国のアングラーの間に「そんなにいいのなら、試してみようか」という空気が生まれてきました。もともと優れた性能をもったルアーです。この流れができたことで、ペニーサックは特売品どころか、通常価格でよく売れるようになっていきました。

 それからは、とんとん拍子です。やがて、ヒグチオリカラを発売するようにもなりました。少なめの数量でも好意的に対応してくださったHAL社には、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
 既にその中に、オリカラの定番中の定番になっている「渥美メロン」や「恋路コノシロ」があったわけですが、当時の名前は「マットゴーストライムチャート」と「ハーフミラーコノシロ」でした。しばらくしてこれらに、思い切って「渥美メロン」と「恋路コノシロ」というローカルネーム(御当地名)を併記するようにしました。そういうネーミングを採用しているメーカーや小売店は皆無に近く、まさに冒険でした。最初はお客さんにも戸惑いがあったようですが、お蔭様で、今では皆さん、ローカルネームの方で呼んでくださるようになりました。

 HALからも、ペニーサックの第2弾としてMOKKAが、第3弾としてタングステンが、第4弾としてバプルスターが発売され、ペニーサックの地位はさらに高まりました。そして、ついに、HALとの契約が無いにも関わらず「良いルアーだ」ということで、全国的に有名な泉裕文氏からオリカラのリクエストが入りました。こうして、泉氏個人のオリカラ「イズミジャイアン」が、HALから限定発売されました。ついにペニーサックは、押しも押されぬ名作として名をとどろかせることになったのです。

 このペニーサック成功のベースになったのが、開発者、楠ノ瀬直樹氏のルアービルダーとしての才能と情熱でした。ほとんどの方が知らないと思いますが、実は一度、楠ノ瀬氏がひょこりと当店を訪れてくださったときがありました。アポなしでしたので、びっくりしました。が、嬉しくて感激もしました。当店がペニーサックを力売しているということで、片田舎の小さな店なのに遠路はるばる足をのばして下さったのですから!ただ…中野大輔氏が言われるように、楠ノ瀬氏は、とにかく話しが好きで、しかも長い。このときも、いつもお客さんと長話しをすることになんの抵抗も感じない、そんな私ですら、ビビりました。
 話しがエンドレスなんです。同じネタを何回聞かされたことか!!私が暇なら別に問題ないんですが、やらなければいけない仕事があるのに…4時間くらい拘束状態だったでしょうか。空気を全く読まず、お構いなしです。でも、それが彼らしく、憎めませんでした。そこに、ルアーづくりに対する情熱、釣りそのものに対する情熱を感じたからです。

 「ペニーサックは最初、駄作で、まともに泳がなかった。それを何度も手を加えて、良い動きをするように仕上げていったんだ。」と、何度も繰り返す彼の語りには、ルアー職人としての意地と誇りがありました。
 もしも過去に、こうした彼の努力が無く、できそこないのまま売られていたら?ペニーサックはワゴンセールのまますぐに消えていたことでしょう。ということは、輝かしい過去も、先日の釣果報告も無かった、ということになります。
 すべての好結果は、いろいろな偶然と必然が重なり合って生まれてくるもの!ペニーサックの歴史を振り返るとき、必ずそんな感慨に浸ります。
 そして、私は、釣具店の店主として、誇りをもってペニーサックの素晴らしさを、これからも少しでも多くの人に伝え続け、それを生かし続ける努力をして行かなければならない。
 それが楠瀬氏の熱意に対しての最高の恩返しなるはず!そう思っています。

 最新号(4月号)の雑誌『ソルトウォーター』に、『楠ノ瀬直樹氏の追悼特集』が大々的に組まれています。そのなかには、中野大輔氏が語る「MOKKA誕生の秘話」もあります。是非、ご覧ください。


楠ノ瀬直樹氏と名作ペニーサック@  2017年3月1日

 昨日の朝、シーバスの持ち込みがありました。「夜中に釣れました。ヒットルアーはペニーサック初代の石門ボラです。」(写真とデータは釣果情報のページに掲載しました)
 嬉しい報告。天国に居る開発者、楠ノ瀬直樹氏の耳にその知らせは届いたでしょうか?

 昨年の12月半ばに、HALの大作氏から、一本の電話(突然のとても残念な知らせ)が入りました。「今朝、楠ノ瀬が亡くなりました。」突然死だったそうです。釣具業界は、また1人優れたルアービルダーを失いました。

 思えば、その頃、伊良湖シーバスで、やけにペニーサックが好調で、良型サイズが連発していました。ここ最近は、毎年、飛距離で勝り、汎用性も高いニューシートプス135がランカーシーバスのキャッチ数では、最も多かったのですが、昨シーズンの終盤(12月上旬〜1月上旬の1か月間)は、ペニーサックが断然でした。
 12月3日に、ペニーサック初代の伊良湖菜の花(ヒグチオリカラ)で、87cm 5.30kgのシーバスがキャッチされ、12月12日には、ペニーサック初代の渥美電照菊(ヒグチオリカラ)で、86.5cm 5.42kgのシーバスがキャッチされました。そして最終的には、この2尾が、昨期のLST(ロングスパントーナメント)に登録された総数181尾の中で、3・4番を占めるかたちとなりました。
 シーバスだけでなく、なんとヒラメまで好調で…12月13日に、ペニーサックMOKKAの伊良湖夜桜(ヒグチオリカラ)で、70cm 3.28kg、1月11日に、ペニーサック初代の石門ボラ(ヒグチオリカラ)で、74.5cm 4.22kgがキャッチされました。
 名作の力は偉大で、永遠不滅!それを再び知らしめた、そんな1か月間でした。

 今でこそ、ランカーハンターとして名をはせているペニーサックですが、発売されてしばらくの間は、決して順風満帆なスタートではありませんでした。バスルアーならともかく、シーバスルアーにあるまじき、そのキテレツなフォルムが仇となり、ほとんど売れなかったのです。
 でも私は、キャストし、泳がせてみて、条件さえ合えば、このルアーはかなりイケるはず!と読んでいました。しっかりと水を押していながら、重すぎず暴れすぎない動きの感触。バランスの良い動き+時折見せる左右へのダート。秀逸なところが多々ありました。
 そして、このルアーが火を噴くときがやってきました。かれこれ10年以上遡った12月。雨前の凪の夜、伊良湖岬西磯にて…私が竿頭となる5尾ヒット達成!がそれでした。

 私は確信し、お客さんにペニーサックを薦めました。最初は半信半疑だったお客さんも、徐々に積み重ねられていく他のお客さんの好釣果の影響を受け、「これは釣れる」という思いへと変わっていきました。こうして当店では、ペニーサックが一大ブームになりました。
 しかしながら当時、全国的には、真逆の動きが起きていました。多くの店がワゴンセールの一品として処分し始めていたのです。
 今でもそうなのですが、ほとんどの店が、そのルアーの良し悪しを吟味して売るのではなく、人気があるものを積極的に仕入れて売る!人気が出ないものは仕入れるのを止めて処分する!そういう感じでした。だから、ある店があるルアーを特売品にすると、どの店も同じルアーを特売品にして処分するという図式になっていたのです。そして、その対象としてペニーサックが指名されていました。
 ペニーサックは、その素晴らしさを理解されないまま、世の中から消えていく…これを変えることは難しい、そんな流れができていきました。

 ここから先は、次回、ペニーサックの復活劇へと続きます!


付け足し  2017年2月22日

 新製品関係で書き忘れたことがありました。私が今一番時間を割いている鯛ラバ関係のことです。「鯛ラバ道」のページに書いてもいいのですが、先ずは、こちらに書くことにしました。後日よく似た内容が「鯛ラバ道」にも掲載されるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 鯛ラバのヘッドそのものについては、当然バイプレーン中心になるのですが、ロッドやリールについては、気になるものがありました。

 先ず、ロッドですが、テンリュウのレッドフリップ早掛けモデルを取り上げたいです。正直、絶対的にオススメしたいというわけではありません。というのは、超極端な調子なのです。これ、カワハギ竿では?と思えるくらい、ティプしか曲がりません。メーカー曰く「アタリがあった瞬間にすべてアワセていく竿」だそうです。それを聞いて、ひょっとしたらフックにトレブルを推奨するのか?と思いきや、ストレートのシングルが良いそうです。ではヘッドは?それについては、何もありませんでした。そこまでやるなら、「バイプレーンが最適」とか、具体例をあげて言えるようじゃないとおかしいでしょ!フッキングを一気に決めようとしているのに、ヘッドの力学的特性に目を向けていなくて、大丈夫か?メーカーの今後の発言と展開に注目していたいです。

 一方では、全体的にしなやかなフルソリッドのロッドやティップのみソリッドだけど全体的によく曲がるロッドもありました。こちらはこちらでおもしろいなあと感じました。代表例としては、オリムピックのヌーボパグロ69UL−GS、ショーではなく問屋での展示でしたが、メジャークラフトのフルソリの鯛ラバ用の一番柔らかなモデルなどがそれにあたります。

 そして、これも問屋展示会で見つけた…ピュアテックのロッド。エボラバーZZ。北近畿用として開発という、コンセプトがはっきりしているところがいいなあと感じました。ディープ中心の釣り、丸型リール、ヘビーウエイトのヘッドに対応、といろいろ考えて作られています。伊勢湾口も共通項がいくつかあるし、調子的にもオススメしたい一竿です。

 リールは、アブガルシアのレボ TRVです。これには感動しました。昨年10月に行われた内覧会ですでに展示されていました。そのとき、「だいだいの箇所は良いけど、ドラグの精度がイマイチ。鯛ラバ用としてこういうふうに極めてほしい」と私がリクエストしたのですが…ショーまでに見事に調整してくれてありました。
 リールでそういう対応をしてくれるの、ピュアフィッシングだけです。私がアブガルシアを推すことが多いのも、そういう理由によることが多いです。別に私の意見だから「言うことをきけ!」というわけでは無く、私としては、釣り人のほうをどれくらい向いてくれているか?釣具業界のの未来のためにどうしたらいいか?が重要なのです。

 最後に、一番肝心なフックについてですが、ルアー用フックは、フッ素コーティング一色でした。確かにフッ素コーティングを施すと刺さりやすくなりますが、バレやすくもなります。「悪い」とは言いませんが、ユーザーの皆さんには、一長一短あることを伝えていきたいです。


フィッシングショー雑感A  2017年2月21日

 早速続きを書きます。リールについてです。

 昨年、私はこのページでアブガルシアのスピニングリール、レボシリーズを紹介しました。
 それから1年、大勢のお客さんにレボシリーズをお買上げいただきました。私も現在、3台(MGX2000S、PRM4000SH、2500SH)を使用しています。先ずはその感想から…。
 正直、ほとんどの面で、大手2社(ダイワ、シマノ)を超えたと思います。1・2年の間によくぞここまで性能を高めた!と思いました。ただ、残念だったのが2点。その1つがリールの個体差(アタリハズレ)が大きいということです。お買い上げいただいてすぐに、一部パーツが外れ、お客様にご迷惑をお掛けしたこともありました。これは他社についても言えることなんですが…。組み立て職人のスキルを上げるとか、検品体制をしっかりするなどして、未然になんとかして欲しいというか、そうするのが当然のことだと思っています。
 そして、もう1つ、こちらも個体差と関係があるのですが、レボシリーズの多くのリールに見られたので、別枠で取り上げます。それは、ギアの固着が度々あったという点です。リールに課せられた最大の使命は、ラインを巻き取ることです。ギアが固着し、それが一瞬であれ、ストップしたり、重たくなったりしてしまっては、それをスムーズに行うことができません。これは釣りがスムーズに行えないことを意味しています。販売した1/3位のリールにその症状が発生しました。このことでは、さらに大勢のお客様に大変ご迷惑をお掛けしました。そのリールをオススメした身として、大変申し訳なく思っています。
 そんな状況の中で、救いだったのが、ピュアフィッシング社リペアセンターの対応の誠実さでした。このトラブルに対し、早く無償で対応してくださいました。会社としても対策を講じ、最近製造されたリールについては、ほぼ100%ギアの固着が起きないようになっているようです。実際、最近仕入れたレボシリーズのリールについては、この手のトラブルが無いようです。(但し、理想は、こういう不具合が起きないよう、店頭に並ぶ前に、きちんとテストをしておくべきです!)

 そんな折、今年、レボのNEWバージョンとして、史上最速の巻き上げを誇るロケットが、間もなく発売されることになっています。フィッシングショーでも展示されていましたが、かなりの仕上がりです。担当者から「ギアの固着については、もう大丈夫!」とお墨付きを頂いているので、今までよりも安心して使えそうです。このリールですが、ギア比が1:7.0。過去のスピニングにない超ハイギアです。同じ方向にギアを回転させればいいベイトリールと違い、スピニングリールは回転方向を変えなければなりません。それだけにハイギアになればなるほど、難しい点がいろいろと出てくるもの。だから今までベイトでは8.0のギアがあるのに、スピニングではせいぜい6.0を少し超える程度でした。まあ、すべてにハイギアが有効というわけではなく、私のように、ナイロンやフロロラインを使った夜の釣りがメインの者にとっては、出番が多いわけではありませんが、それは私の話であって…巷で過半数を占めているPEラインを使うソルトゲームやバスのワーミングなどでは、糸ふけを素早くとったり、ルアーを速く回収したりできますから、かなり重宝することでしょう。
 で、このレボ ロケットの凄いところは、超ハイギア故に負荷が強くかかるピニオンギアにアルミニウム青銅が使われている点です。この材質はとても硬く、強度と耐久性がありますが、加工に手間がかかり、高価です。だから、従来のリールでは、ソルティガクラスにしか採用されていなかったのです。それを今回、なんと定価2万円台の小型リールに採用したというのが驚きです。しかもベアリングは全部で11個、うち4個がソルトシールドタイプです。このスペックは、定価3万円後半のMGXと同じです。シマノが数千円のリールにハガネギアを採用したというのも驚きでしたが、私的には、レボ ロケットの方が驚きでした。

 ダイワ、シマノではやはり、モアザンと、ツインパワーXD、エクスセンスが気になりました。その3機種の中で、私的に使ってみたいのは、ツインパワーXDです。モアザンはかっこいいですが、前作からあまり変化がないようにも感じましたし、モノコックボディの3500はさすがに重たいです。これだとソルティガとデザイン以外どう違うのか?よく分かりません。その点、ツインパワーXDは上手に隙間をついてきた感があります。但し、売る方としてはアイテムばかり増えて大変です。ユーザーのためにも、もう少し小売店が売りやすいようにはできないものでしょうか?エクスセンスはヴァンキッシュベースだけにボディが軽くて、回転も軽くスムーズです。でも、高価な割にデザインは…。個人的な好みはあるでしょうが、私的にはいただけないというか、どうしてここまでして無理やりシーバス専用を作る必要があるのでしょう?ライバル企業がやってくるから?そう思えてしまいます。

 ラインで注目したいのが、すでに新入荷で紹介しました。ゴーセンの光るエステル ルミナシャインとよつあみのWX4F1です。WX4F1は、伸び率が違うためうまく組み合わせられないと言われていたPEとフロロを合体させたものです。もしもこれがキャスティング用として使えるなら、風や波に強くて、感度がバツグンのラインになるのでは?ラインの画期的な進化になるかもしれません。

 以上、フィッシングショーで私が気になったものをあげてみました。あくまで私の目線ですし、忙しくて見逃したものも多々あるはずです。その点をご承知おきください。


フィッシングショー雑感@  2017年2月20日

 このページ、久しぶりの更新です。『鯛ラバ道』の更新に追われていて、全然できていませんでした。
 ですが、この時期になるとフィッシングショーがあるので、やはり書かなくては…と思い、久しぶりに更新することにしました。
 但し、今年のフィッシングショーでは、自らが開発した鯛ラバ バイプレーンの販促が最優先でしたので、ほとんどクロスツーブースにいました。そのため、全体的にじっくり見ることができませんでした。ということで、分かっている範囲での感想になりますし、当店で売れそうなものに焦点を絞りたいと思いますので、ご承知おきください。

 ルアーで一番気になったのは、まだプロトの段階ですが、アピアのドーバー140Fでした。メガバスと業務提携してアピアがどのように変わるのか?興味もあります。先日、名古屋キープキャストでメガバスのある社員さん(バスバブル時代に入社された方)と話をしたのですが…ずいぶん変わりましたね、メガハスさん!しかもかなりいい方向へのチェンジです。もう、バブルで浮かれていた頃とは全然違います。しっかり作り込んで、息の長い商品にしていこうという決意があります。ドーバー140Fも今徹底的にテストしているそうです。どのように仕上がるか?期待して待ちたいです。

 次にルアーで注目したいのが、自分が常駐していたクロスツーブースに展示されていたルアー。バイブレーション フェニックスと、ジグミノー エクシア鰹です。フェニックスについては、私もテストに携わりました。最初から飛距離はバツグンだったのですが、泳ぎがなかなか安定せず、ダメ出しをしました。それから改良が加えられて、ようやくかなりいい感じてアクションするようになったので、クロスツー初のバイブレーション(鉛製)として発売決定となりました。一方、エクシア鰹は、クロスツーの優秀な社員、大石さんがデザイン+徹底的にテストをして完成させました。35gと45gがあり、35gは伊良湖西磯等のシーバスにもまず間違いなくイケるはずです。
 今年は、先にあげたドーバー140Fと、フニックス、エクシア鰹が伊良湖シーバスの注目株になりそうです。

 あと、ライトソルト系のプラグやワームが目立ちました。こちらは、入荷次第、「新入荷」のページに紹介していこうと思います。

 ロッドでは、がまかつのティガロが気になりました。Gクラフトほどのパワーと感度は無いですが、軽く、しなやかで且つシャープです。ルアーが楽に飛ばせ、疲れないロッドですね。今までのがまかつのイメージ一新です。

 あと、ロッドでは、宇崎日新が張りの強い攻撃的なロッドをいっぱい展示していました。特にアジングロッドは、やり過ぎでは?と思えるくらいパシパシの調子です。「ゆったり」のイメージが強かった宇崎日新もイメージ一新です。

 今回は、ここまでとし、ラインとリールについてはAで取り上げます。


NEWバイプレーンの発売に向けて  2016年6月2日

 最近、このHPで告知していますように、私が開発した鯛ラバ『バイプレーン』が、この夏、新たに60g〜160gまでのフルラインナップで全国発売されることになりました。当初は、来春発売の予定でしたが、釣りビジョン ギアステーションの収録の関係で前倒しになりました。
 ですから、正直、そのことで、今とてもバタついています。発売までにやらなければいけないことが多々ありますので!!
 その中の1つが、『バイプレーン』のどんな部分が、他の鯛ラバよりも優れているのか?他の鯛ラバにない魅力とは何か?そこらを釣り人の皆さんに分かりやすく解説をしていくことだと考えています。
 そうした思いから、これを機会に、今まで、私が鯛ラバをやりながら、考えてきたことをまとめてみようと思いました。このページに綴っていってもいいのですが、全国発売を控えていますし、せっかくだから、別のページを起こしてみるつもりです。
 すでに実用新案を通しているし、どれだけ手の内を公開しても、マズいことは、ほとんどないハズなので、いつも以上に超マニアックな内容で、鯛ラバの世界の核心に迫っていきたいと思っています。


レボMGX 使用レポートB  2016年5月10日

 またまた前回の続きを書いていきます。
 後、リールの評価として考えられる主なものとしては、デザイン、軽さ、感度、耐久性があると思います。
 デザインと軽さは、使ってみなくても、店で触れてみれば分かります。
 デザインについては、人それぞれ好みがありますから、主観的要素が強くなると思いますが、お客さんの評判としては、全体的にアブ→ダイワ→シマノの順です。アブのデザインは派手すぎないのにオシャレだということで概ね高評価です。それに対して、最近のシマノのデザインはダサいし、外見だけでは、1万円のリールも5万円のリールも同じ価格に見えてしまうと、評価があまりよくありません。私の評価も同じです。
 軽さについては、すでに紹介しているように、レボMGXの軽さは素晴らしく、大変満足しています。
 次に感度ですが、これは評価が最も難しいです。人によって感じるレベルや感じる場面が大きく異なるからです。私の場合、シーバスやマダイの前アタリ(ルアーやフックに触れる前のアタリ、ルアーに近づいた瞬間)は分かることが度々ありますが、メバルのような小さめの魚の前アタリは分かりません。そんな私ですが、最近は、今まで感じられなかった新しいアタリを感じられるようになりました。ラインを通して手元に伝わる感触が硬くなるというものです。普通のアタリが(ハムッとか、モゾッとかいうアタリすら)全く出ないくらいメバルが上手にワームをくわえてじっとしているときに、そういう特殊なアタリが出るように思います。メバルがワームをくわえることで、ワームの揺らぎが消えるため起こるのでは?と考えています。
 PEラインよりも感度で劣るフロロラインを使っているからかもしれませんが、今までそれが分かりませんでしたが、リールとロッドを替えたら、かなりの確率で分かるようになりました。リールは当然MGX2000Sで、ロッドはアレスのベルダンディ ガンマです。ロッドを替えた効果が一番大きいでしょうが、リールもプラス効果をもたらしていると思います。いずれにせよ、今回のレボは硬いギアを使っていますし、ギアの噛み合わせもしっかりしているので、ノブはEVA製ですが、感度は悪くないと思います。
 ということで、EVA製のノブについても、滑りにくく感触がとてもいいので、気に入っています。
 最後に耐久性ですが、こちらはもっともっと使ってみないと、なんとも言えません。ダイワやシマノの場合、ほとんどのスピニングリールで最初におかしくなるのは、ラインローラー周辺です。ダイワのマグシールドやシマノのコアプロテクトにより、耐久性は向上しているはずですが、それでも数年経てば、かなりの確率でダメになります。そんなとき、重要なのが、アフターサービスの対応です。正直言って、ダイワやシマノは概ね対応が遅いです。その上、高額リールになると、とんでもない修理見積額を提示されることが多々あります。
 その点、ピュアフィッシングの対応は、親切で迅速です。修理代金も、よっぽとのことが無い限り、高額請求はされないと思います。そこらへんは助かります。後は、ソルトシールドベアリングの耐久性が通常の防錆ベアリングよりもかなり優れているのか?ギア・シャフト関係やラインローラー周辺の強度・耐久性は十分か?そして、マグネシュウム合金ボディが内部腐食することはないか?などが気になります。これらの点については、また分かり次第随時お知らせしていきたいと思います。
 では、最終評価を…。
 前回予告したように、メバリングを釣りのメインに考えるということで、重量のあるセルテートやツインパワーではなく、価格は少し安いですが、敢えて良く似た色合いのルビアスやストラディックCI4+を比較対象と考えます。
 先ず、キャスト性能、ライントラブルの少なさ、ドラグの性能と使いやすさでは、レボMGXが一番だと思います。デザインもレボMGX。軽さは、3機種、ほぼ互角。感度は、レボMGXについてのみ判定すると、水準以上というところまでは言えます。
 ギアの噛み合わせと回転性能については、ルビアスが一番巻き心地が軽く、安定しているように思います(私は、こちらも昨年から使っているので、ほぼ正確な評価のはず)。レボMGXも通常、巻きは軽いですが、一時的に回転不良が起こる可能性が高いというのが、大きなマイナスです。それと、個体差がやや大きく、たまに最初からギアのゴロツキが酷い個体があります。これは、ダイワやシマノにも見られることですが、アブはその頻度が高いように思います。
 どのメーカーにも、リールの販売は、安全(命)に関わるほどのことではないから…という甘えがあり、コストダウンが優先され、組み立て精度の向上がなされていないし、検品もしっかりできていないように感じます。精密工業製品でここまで生産品質管理がずさんなのはリール(釣具業界)だけではないでしょうか?
 ピュアフィッシングの場合、先にも書いたように、修理や交換の対応は誠実で迅速です。これは大きな救いですが、その前に、小売店が頻繁にリペアセンターに送らなくてもいいようなリールを流通させていくことが何よりも重要だと感じています。
 話しが少々横道にそれました。ストラディックCI4+については、展示会で触れただけですが、そのときは、なかなかの仕上がりだなあと思いました。何よりもCPが高いのが魅力だと思います。但し、頑丈さを売りにしていたストラディックシリーズに、軽量モデルを加えるのはどうなのか?という声はあります。私も、別の名前にすればよかったのに…と思います。それと、シマノの場合、同じ色合いで、素晴らしい完成度を誇るヴァンキッシュがあります。だから、シマノを選択するなら、ランクを上げて、ヴァンキッシュを!という方は多いのではないでしょうか?
 以上、長々と綴らせてもらいました。
 正直、個人的な思いとしては、ピュアフィシングを応援したいという気持ちが強いです。それは企業経営の姿勢に対する私の評価からきています。(書き出すと長くなるので、また別の機会に書くつもりでいます)
 ただ、だからと言って、嘘をついて、評価をゆがめ、アブばかりを薦めるようなことはしたくありません。だから、自分の見立てで、公正・公平に分析・評価し、分かっている範囲で、良いことも悪いことも、正直に書いたつもりです。
 今までのアブのリールと比べ、今回のNEWレボスピニングは格段に進化しており、国産メーカーと肩を並べ、追い越すのでは?というところまで来ているのは事実です。後、どれを選ぶのか?最終的な判断は、お客さんにゆだねられています。

 ※ もしも当店で買われたアブのリールに不具合が発生した場合は、遠慮なくお申し出ください。場合によっては、すぐにリペアセンターに出すなどの対応をしていきたいと
   思いますので、よろしくお願い致します。

 ※ お約束通り、先日からレボPRM4000SHも使い始めています。ある程度の回数使用しましたら、こちらのインプレも紹介したいと思います。お楽しみに!


レボMGX 使用レポートA  2016年5月8日

 では、前回の続きを書いていくことにします。今回は、ドラグ性能の評価から入ります。
 これもキャスト性能と同じく、絶品レベルに仕上がっていると感じています。はっきり言って、こちらも大手2社を超えています。私の場合、魚とやりとりしながらドラグを調節することが度々あるのですが、そんなとき、ドラグノブの回し角度とドラグの効きの変化のバランスがとれていることが重要になります。そのセッティングが今回のNEWレボシリーズは絶妙なのです。使ってみて、細いラインで、大きなメバルとやりとりして、はっきりと実感しました!
 最もマズいのがダイワのドラグです。高級リール程、ドラグノブを何度回してもドラグの効き具合がほとんど変化しないセッティングになっています。ドラグの作動を正確にするため、効き具合を緩やかに変化するようにせざるを得なかったのでしょう。でも、これでは困ります。とっさの調節が間に合わないからです。
 一方、シマノは、急に効き過ぎる傾向があります。それと、ドラグノブをもとに戻しても、ドラグの強さが前と同一に戻らないというか、滑り出しの際に、強い引っ張りが必要で、その後は、若干効きが弱くなる傾向があります。
 今回のNEWレボのシリーズには、大手2社に見られるような欠点がありません。売りにしているカーボンマトリックスドラグは、もうだいぶ前からアブのリールに採用されていましたが、過去のリールのドラグ精度は悲惨で最低なものでした。それが1年足らずの間に、最高になっているのだから、びっくりです。
 ただ、1つ、気を付けたほうがいいことが…。ドラグワッシャー部には、水が入りにくい設計になっていますが、ドラグノブとスプールの間には、かなり水が溜まります。ということで、帰宅後に水洗いをしたら、手間はかかりますが、ドラグノブを外し、スプールの淵にたまっている水をふき取ったほうがいいと思います。
 次に、リールの出来を評価する上で、キャスト性能と並んで、最も重要視すべき性能の1つ、巻き動作の快適さについて…。
 こちらは、不具合が生じたことがあったわけですから、とても完璧とは、言えません。それと、巻き動作の快適さを評価していく際、釣りのスタイルに合わせて評価することが重要で、2000Sのような番手は、ゆっくりした釣りにも対応するためのモデルなわけで…それなのに、ゆっくりした釣りで、回転に多少なりとも不具合が生じたというのは、いただけません。
 その点でいうと、最近のシマノのリールは全体的に優れています。特に、前モデルは悲惨でしたが、今春発売になったヴァンキッシュは素晴らしい仕上がりになっています。’14ステラが発売された際、その回し出しの重さに愕然としました。確かに速く回した時のノイズは少なかったですが、これでは、ゆっくりした釣りが快適にできない!そう思いました。それが、今回のヴァンキッシュは、ステラと同じようなマイクロモジュールギアを採用しながら、回し出しの軽さ、ゆっくり回した時の快適さが際立っています。もちろんマイクロモジュールギアにより、ノイズの少なさの面も優れています。ローターを改良するとこれほど回転が変わるのか!と驚かされました。後は、マイクロモジュールギアのパワーと耐久性がとうか?ですが、メバル釣りに使うということなら、そこらへんは、クリアできるのでは?と予想しています。
 ダイワのリールでメバル釣りに使うなら、セルテートよりもルビアスがいいと思います。ギアのセッティングがソフトになっており、耐久性やパワーではセルテートに劣るでしょうが、巻きの軽さやノイズの少なさは勝っていますし、ボディも軽いですから…。
 で、メバル釣りのようなライトでスローなゲームを中心に、巻き動作の快適さについて、大手2社との比較で評価していくと、正直、NEWレボの優位性は微妙です。ワンピースボディを採用し、ギアも国産の硬いギアを使っていますし、ギアがいかにもしっかり噛み合わさっている感じがあるので、パワーと耐久性はいいんでしょうが…店で空回しすると、多少の差はあれ、ノイズが気になることがあります。但し、この点については、ロッドに装着して実際に釣りをすると、ほとんど感じなくなりますし、不具合さえ生じなければ、スローに回しても、回転はスムーズで軽いです。何よりも回し出しが軽いのがいいです。そして、魚を掛けて、やりとりする際も、大手2社の高級リールと同様に快適です。
 結論、巻き動作の快適さについて、レボMGXを超えていると感じるのは、NEWヴァンキッシュです。但し、価格は、レボMGXよりも買値で2万円近く高くなります。そう考えると、価格は少し安めになりますが、ダイワのルビアスか、シマノのストラディクCI4+あたりがライバルと言えそうなので、次回は、それらと比較を中心に、レボMGXの評価をさらに進めていきたいと思います。


レボMGX 使用レポート@  2016年5月7日

 レボMGXシリーズが発売されてから約2ヶ月が経ちました。皆さんにお約束したように、発売と同時に2000Sをメバル釣りに使用し始め、既に8回釣行しています。使い続け、見えてきたことがいくつかありますので、書くことにしました。
 当店では、MGX2000Sを4台仕入れました。皆さんもご存じのとおり、リールには、微妙な個体差があります。特にギアの噛み合わせにその差が出やすく、それは、店で空回ししただけでもある程度分かります。で、私は、仕入れた4台の中で、一番ギアノイズが大きく、お客さんが敬遠されるだろうと思われるのを自分用としておろすことにしました。
 すると2回目の使用時の途中に、特定の場所で回転が重たくなる(つっかえる)現象が起きました。ロッドを下げてゆっくり巻き続けないといけない状況で、それを長時間続けていたら、不具合が起きました。次の日になっても不具合が消えないので、ピュアフィッシングにリールを出すと、すぐに無料でリール本体(スプールとハンドル以外)を交換してくれました。ギアノイズが少ない個体になり、もう前回のような不具合は起きないだろう…。
 次の使用では、大丈夫!やはり、前の製品が運悪く不良品だったんだと思いました。ところが、2回目の使用の際、同じ状況で、程度こそ軽いものの、また同じような不具合が発生したのです。ショックでした。
 とりあえず、今度は、ドライブギアの両サイドとシャフトにオイルを差して置いておきました。すると、次の日に、不具合が消えたのです。そして、3回目の使用では、最後までスムーズ。4回目の使用で、少し重たくなることがありましたが、程度としては微かでした。
 再度、同じ個所にオイルを差して置いておきました。また、不具合は消え、その後、5回目、6回目の使用では、一切不具合は起きませんでした。
 不思議です。毎回同じように使っていて、どうして2回目に起こるのか?そして、一度悪くなったものが、なぜ回復していくのか?
 気になって、同じMGX2000Sを買われたお客さん2人に確認をしたところ、1人は、私と同じような釣りのしかたで、同じような不具合が発生していました。2回目の使用中というのも同じでした。もう1人は、釣りのしかたが違っていたので、既に何度か使っていましたが、そうした不具合は一度も起きていませんでした。
 その後、PRM2000SHを買われた方から、同じような使用方法で、同じような不具合があったとの報告を頂きました。どうも、NEWレボの2000番に起こりやすいようです。
 こうした不具合が起きていることは、既にピュアフィッシングに伝え、早急に対策をうつように、お願いをしてありますが、かなり限定的な釣り方でのみ起こるため、まだ全国的にも事例がほとんどなく、原因も分かっていない、ということでした。
 私の考えですが、ロッドを下向きで釣りをすることで、スプールの重みにより、シャフト前部が前方・下方へ引っ張られ、シャフト後部が前方・上方へ引っ張られることで、想定外の負荷がギア周辺に掛かることが第一の原因になっているのではないか?と思うのです。
 ゆっくり回すことで動くパーツの慣性は低下し、パーツ接触部の摩擦が増大します。そのため、思わぬ負荷が掛かったり、少しでも歪みが生じたりすれば、つっかえる現象が起きる。そういうことではないでしょうか?
 具体的に、もう少し細かくここら辺が怪しいと感じている箇所はありますが、ここから先は勝手な想像でものを言ってはいけないと思うので書くのは止めます。但し、そこら辺のこともピュアフィッシングには伝えてあります。
 限定的な使用時であれ、一時的であれ、そして軽度(とりあえず釣りはできる)であれ、不具合が発生するということは決して良いことではありません。すみやかに問題解決されるよう、お願いしたいです。
 それにしても、MGX2000Sは不思議なリールです。一時的に起こる不具合が消えていく…なんか、負荷を掛けすぎて筋肉痛になった人間が、次第に負荷に慣れ、体力を向上させていくような…ある意味、人間的なリールだなあ、と感じています。
 一時的な不具合はありましたが、総合的にMGX2000Sを評価すると、そのポイントは高いです。
 先ず、ラインの巻き具合とキャスト性能。これは絶品です。レボネオスの頃は、スプールのストロークとオシュレート(シャフトの上下動)のストロークが合っておらず、ラインはヨレやすいは、キャストの際、度々バックラするは、で、イマイチでした。それが今では、ラインのヨレにくさ、バックラにしにくさ、飛距離の伸び、すべてにおいて、ダイワ、シマノを超えたように感じています。
 シマノのリールは全体的にラインの出はいいのですが、ラインの出易さとしばらく使用してからのラインのヨレが仇となってなってバックラが起こりやすい気がします。ダイワについては、多くの人が「シマノよりもライントラブルは少ない」と言っていますが、スプールの側からややラインを引っ張り過ぎているのと、スプールの形状から、ラインが螺旋状のまま広がって出やすいのが原因して、少し飛距離が落ちるように思います。また、しばらく使っているとラインローラーの角度がずれてくることが多々あり、その場合、ラインがヨレやすく、バックラを引き起こします。その点、NEWレボは、現時点では、よくできていると言えます。最初、オシュレーティングが、大手2社よりもややスローになっているので、バックラが起きやすいのでは?と心配していましたが、全然大丈夫でした。スプールの形状、ベールの開き具合等も含めて、キャスト性能に関しては、すべての面で、絶妙のバランスをとり、上手に仕上げていると感じています。
 長くなりましたので、今回は、ここまでにして、次回続きを書いていくことにします。


ロッドの技術革新  2016年4月6日

 一昨日、Gクラフトの川崎専務が、今年の夏から秋に発売予定となっているロッドを持って、立ち寄ってくださいました。小売店回りを一切せず、書面だけで注文を取ろうとするメーカーが多い中、シーバスパーティーでのロッドの展示といい、今回の実物を持っての小売店訪問といい、そうした地道な営業姿勢に頭が下がります。
 「是非、ヒグチさんに、新作ロッドを見ていただきたくて…」とかなり自信ありげな言葉…。3本の新作の中で、一番見てもらいたいのが、今秋発売予定の『モス北西スペシャルのリミテッド』ということでした。
 実物を見るまで、北西スペシャルのリミテッドかあ…と私は少し消極的な気持ちでいました。同じ北西スペシャルのPEバージョンを大勢のお客さんに買ってもらっていますし、つい先日モス11ftのウネリスペシャルが発売になったばかり。11ftには他にもモスリーフがラインナップされており、そちらも大勢のお客さんに使っていただいています。今までのリミテッドのようにオリジナルよりも長さが少し長くなるなら話は別ですが、同じ長さ…11ftのロッドはもう需要が…。しかも、リミテッドということでこれまでの北西スペシャルPEをパワーアップしたとなると、ガチガチの竿になるはず!そうなると、特殊なロッドになってしまい、人も状況も極端に選ぶロッドになってしまう。そう思っていました。
 ところがどっこい、実物に触れて、びっくり仰天!!同じ北西スペシャルの名が付いていても、PEバージョンとはもはや別物!!それくらい、私の予想(不安)とは真逆の進化を遂げていました。
 何よりも進化を感じたのが、超軽量で全体的にとてもマイルドでしなやかな味付けになっているのに、信じられないくらいの高反発力と高トルクが備わっている点でした。
 今回の北西スペシャルのリミテッドは、ティップがとてもしなやかで、魚の吸い込みに追従する設計になっています。さらにベリーもマイルドな仕上げになっています。普通ならそうなるとフッキングのほうは甘くなりやすいはずなのですが、そこからフッキングモーションに入った時のパワーがハンパではないです。だから、しっかりフッキングさせることができるに違いないと感じました。
 こうした設計は、キャストや魚とのファイトの際も生きてきます。現行の北西スペシャルが風の抵抗を利用してロッドを曲げるように設計されているのに対して、今回のリミテッドは、超細身のブランクスになっているので、風を切りやすく(風の抵抗を極力軽減し)、向かい風でもスイングスピードを上げやすい仕様になっています。それにより、風の助け(抵抗)でロッドを曲げるわけではなく、振り切りやすさとブランクスそのもののしなやかさでロッドが曲がり、高反発力でロッドが速く返り、ブレが瞬時に止まることによって遠投できる設計になっています。向かい風の助けが無くてもロッドを曲げやすいので、無風の状況下での超遠投が可能になります。今までの北西スペシャルPEでは、硬すぎてミノーが扱いにくく、ノーマルのモスでは、だるすぎてバイブやジグが扱いにくいという悩みも解消されます。
 さらに、魚とファイトする際、ロッドがしなやかなので、魚の動きに追従してくれます。だからバラシもかなり減るはずですし、ロッドが曲がり込んでくれるからこそ、高反発力・高トルクが生き、より楽に魚の動きをコントロールすることができます。一昨日は、私が魚の側、川崎専務に釣り人の側になって試してもみましたが、川崎専務がロッドをリフトしていくとき、私(魚)にかかる負荷が、他のロッドとは比べ物にならないくらい強烈でした。そのパワーはモスリーフをも上回るのでは?と感じました。川崎専務曰く「PE2号で90cmUPのブリが普通に獲れます」ということでした。このロッドなら、ブリ以上に獲りにくい西磯のスーパーランカーシーバスもかなりの高確率で獲ることができるはず!という手応えを感じました。
 はっきり言って、この一本ががあれば、伊良湖周辺でのシーバス&青物はほぼ完璧にこなすことができると思います。価格は高いですが、それ以上の価値があるはずです。今秋、ロッドの新調を考えてみえる方には、是非、候補の1つにされるよう、お願いしたいです。他社の高額ロッドとは比べ物にならないくらいの高性能を手に入れることができますから!リールをワンランク安いタイプにしてでも、このロッドを購入されたほうがいいと感じました。
 モンスタージェッティーのリミテッドが発売されたとき、その出来の素晴らしさに、もうこれを上回るリミテッドは当分無理だろうと思いましたが、それが、驚異的な進化により、1年足らずで覆されるとは…。Gクラフトの技術力と熱意に脱帽です。
 多くのメーカーが高級ロッドにトルザイトリングのガイドを採用するようになって、Gクラフトとの格差が詰まっていくのでは?とか、ダイワやシマノのような大手の巻き返しがあるのでは?と思っていましたが、逆でした。もう、高級シーバスロッドの分野ではGクラフトの独り勝ちです。他のメーカーは当分、Gクラフトに無い範疇(長さや調子の違い、価格)でなんとかしていくしかないように思います。
 今回、いい意味で、かなりの衝撃を受けたので、ここに書きました。これからも、タックルのことについて、私が強く思うことを、しばしば綴っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


名古屋キープキャスト 2016年2月23日

 つい先日、名古屋キープキャストが開催されました。XUブースに、私が考案した鯛ラバ『バイプレーン』を展示し、私もほぼXUブースに常駐していました。2日間、大勢のお客さんに立ち寄っていただき、嬉しく思いました。本当にありがとうございました。今後、全国展開をしていくための大きな一歩になったように思います。
 でも、成果ばかりではありませんでした。というよりも課題をより多く感じました。先ず、ルアーフィッシングのイベントでありながらバランスが悪いということです。入場者の8割がバサーのように感じました。そのため鯛ラバに興味を持っている人も少なかったです。(鯛ラバ人口が少ないのではなく、やる人の多くが来場していない。)出展者はそれに合わせて、総合メーカーでありながら、バス関係の展示しかしないとか、セミナーをバスにしぼって展開するというメーカーが多くありました。「バスフェスタ」からスタートした催しの色が、ずっと残っているように感じました。バス関係が盛大なのが悪いわけではなく、もっとソルトやトラウトの分野にももっと力を入れてほしい。そう感じました。自分ができる範囲で、なんとか働きかけをしていきたいと思っています。
 それから入場者の注目するところに偏りがあるのが気になりました。ロッドやリールについては、新製品や小売店に置いてないものを実際に手に取り、曲げたり、回したりができるのですが、ルアーはどうしても展示のみになってしまいがちです。そのせいか?スルーしてしまう人がほとんどでした。私は、ルアーについても、新製品を吟味する場にすべきだと思っています。現実は厳しい、と感じましたが、現在の、有名人のトークショーや限定品・特売品の購入が最大の目的、新製品を吟味するにしても、ロツド・リールのみ、という現在のイベントの雰囲気をなんとか変えていきたいです。
 そのためには、ルアーの紹介方法を変える必要があると思いました。ルアー1つ1つの特長をより分かってもらえるようにしなければいけない、そう思っています。
 余談になりますが、今回のキープキャストでは、当店のお客さんの多くが、アブガルシアのNEWレボスピニングに注目され、吟味され、そして、ほとんどの方が、過去のアブガルシアのスピニングリールからの変貌ぶり(進化)に驚いてみえました。そして、実釣主義の方が口をそろえて言われていたのが、ダイワ、シマノの高級リールでも、調子が悪くなるし、修理代が高いということに対する不満でした。思えば、今やシーバスロッドの代名詞にまで上りつめたGクラフトのセブンセンスシリーズですが、発売当初は、当店をはじめとする一部の小売店しか注目しませんでした。同じようなことがスピニングリールでも起こるかもしれません。コスパが違いすぎる(アブガルシアのほうが大手2社よりもはるかに優れている)からです。キーになるのは、依然としてステータス目的で釣具を選択する人が多くいるので、そういう人たちが今後どういうふうに動くか?によると思っています。
 今回のイベントでは、XU(加藤精工)さんに大変お世話になりました。私が考案した鯛ラバをショーで多くの皆さんに紹介できるようにまでなったのも、第一に、加藤精工さんのお蔭です。そして、昨シーズン、バイプレーンを使ってくださり、結果を出していただいた大勢のお客様のお蔭です。お世話になった大勢の方々に心から感謝したいと思っています。
 来場者にバイプレーンのメリットを解説すると、ほとんどの方が、その画期的な原理に感心されていました。その表情からかなりの手応えを感じました。特に印象的だったのが、近隣ショップのルアー仕入れ担当者さんが、私の解説を真剣に聴かれ、販売に前向きな雰囲気になられていたことです。同じ愛知県、東海地区の小売店が考えたものは扱いたくないという心理が働くこともあるはずですが、それ以上に、いいものを先に見つけ、積極的に販売しようという、いわばお客様第一主義でいるように感じました。というか、そういうショップさんが立ち寄ってくれたんだと感じました。ありがたいことです。
 今後は、これを全国に広めて、鯛ラバの世界を進化させ、大勢の釣り人をより幸せにしていけるよう、頑張っていきたいと思います。


問屋展示会、大阪Fショーが終わってA 2016年2月22日

 では、ロッドについて…
 こちらは、リールのように「これは凄い!」と思わせるものは、なかなか見当たりませんでした。
 一番不思議に思えたのが、トルザイトリングモデルへの移行がほとんど進んでいないということでした。はっきり言って、現モデルのロッドがあまり売れていないので、新しいロッドを発売できないというのが実情ではないでしょうか?ロッドはリールと逆で、メーカーが多すぎて、アイテムもメチャクチャ多くなっているために、1アイテムごとの売れる本数は、激減しています。そのため、業界全体でみると、在庫過多になってしまっているわけです。こうした実情が、新製品の開発のスピードを鈍化させてしまっています。
 私から言うのも何ですが、コンセプト無しに、外注して、ラベルだけ自分のブランド名でロッドを出すというは、いいかげん止めにしては?と思うのですが…。そんなやり方をしているから、ラベルが違うだけで中身はほぼ同じというものばかりがあふれているのです。
 例えばアジングロッド。どれも「えっ、こんな硬いロツドで何釣るの?」というくらい硬すぎるものが多いです。どうしてでしょうか?メバルロッドと差別化しないと余分に買ってもらえないからです。もとはと言えば、アシングの先駆者であり、今やカリスマ扱いされている人が、硬いロッドをリリースし「これがアジングに最適」と言い出したのが始まりでした。確かに硬いロッドを使うと、感度やフッキングパワーは増します。しかし、ワームは吸い込まれにくくなるし、口切れも多くなります。一長一短があります。なのに、どのメーカーも、新鮮味を売ろうとするが故に、どんどん過激な方向にばかり走っています。
 画一的な方向ばかりではないけれど、同じくどんどん過激なものが増えているものの一つに鯛ラバロツドがあります。いつの間にか鯛ラバロッドに「乗せ調子」と「掛け調子」という差別化が生まれるようになりました。まあ、これ自体を完全に否定するわけではないですが…現状、バイプレーン+即掛以外、鯛ラバ自体の性能がイマイチなせいで、スッポ抜けが多発しているのに、掛けにいってより高確率でマダイを掛けることができるのでしょうか?ブラックバスみたいにワームをハムっとくわえたままでいてくれる魚ならいいけれど、鯛ってそういう魚じゃないし、鯛ラバってそういう釣りじゃないでしょ。だからアワセを入れにいってもスッポ抜けることが多いんですよね。それ、分かっているのでしょうか?まあ、偶然針先が刺さり始めている時に、偶然アワセを入れて、うまい具合にフッキングするということはあるんでしょうが…それって、掛けにいったから?腕がいいから?成功率2・3割でそれはないですよねぇ。普通なら。でもこの業界、普通じゃないから、成功した2割・3割のシーンだけ映像で流せば、「進化」「革命」になるんですよね。
 あまりボヤいてばかりいても仕方がないので、次は、建設的な見方で…。
 アピアでサンプル展示されていたFoojinXXはおもしろいと思いました。少ない力で曲がり、速いスピードで戻るように、というコンセプトで企画されたものだからです。もしもこの通り機能するなら、楽な力でルアーを遠くまでキャストすることができます。期待しながら発売を待ちたいです・
 次にルアーですが、もう出尽くした感が漂っていました。決してそんなはずはないと思うんですが…もう、ほとんどのメーカーに、先陣を切って革新的なものを造ろうという、体力も気力もない感じです。針やラインについても同じです。これらは、全体的に見て、ロッドよりも低調だったように感じました。
 ただし、一部、「これはかなりの進化が期待できるのでは?」と思わせるものもありました。具体的に何か?については、わけあって、今回は、あえて触れないようにしますが…。
 それから、余談になるかもしれませんが、かなりのメーカーで一番新製品が多かったのは、バッカンや帽子、Tシャツ等でした。上のロッドのところでも述べたように、これらはメーカー名をプリントすれば、簡単に販売できますからねぇ。そうした安易な方向ばかりに走っていて、おたくはメーカーとして存在する価値がありますか?この機会に苦言を呈したいと思います。

次回は、キープキャストの報告をしたいと思います。ご期待を♪

問屋展示会、大阪Fショーが終わって@ 2016年2月19日

 タイトルの内容に入る前に……明日・明後日、名古屋で開催されるルアーフィッシングのイベント(展示ショー)「キープキャスト」で、XUブースに私が考案した鯛ラバヘッド「バイプレーン」を展示することになりました。ということで、私も2日間、会場に出向き、XUのブースで「バイプレーン」の紹介等をしていますので、来場される方は、是非、お立ち寄りください。但し、私も皆さん同様、いろいろなブースを回り、新製品等を確認したいので、XUのブースに私が不在の場合は、私の携帯(090−1410−5281)へご連絡ください。
 今は、当店と上飯田様だけで販売している「バイプレーン」ですが、第2弾以降は、XUブランドとして、正式に全国展開をしていく予定になっています。時期は、来春になると思いますが…。(あくまで予定です。変わったらごめんなさい)
 私が言うのもなんですが、「バイプレーン」は唯一無二の超画期的な性能を持った有能な鯛ラバヘッドです。大勢の方に使っていただき、その凄さを実感していただくべきだ、と思っています。今回は、そのための布石ということでの展示です。よろしくお願いします。

 では、本題へ…
 問屋の展示会では、アブガルシアの新作リール、NEWレボシリーズの出来具合に一番興味がありました。ピュアフィッシングが大阪Fショーへの出展がありませんでしたし、先日、このコーナーですごく気合を入れて紹介していましたから。既に10月末の内覧会で見てはいましたが、微調整を終えた最終段階の品を吟味したいという思いがありました。
 それで、出来具合ですが、一抹の不安があったドラグの精度やスローでの回転のスムーズさもバッチリですねえ。自分が予想していたよりも、さらに上を行く仕上がりでした。このリールが2〜3万円で買えるなんて、夢のようです。あと、気になるとすれば、耐久性だけだと思いますが、この点は、しばらく使ってみないと分かりません。
 幸い、ピュアフィッシングは「キープキャスト」に出展しますので、NEWレボを実際に手に取って確認できると思います。よろしければ、そこで品定めされ、もしも早々にご購入を希望される機種がありましたら、当店にご予約下さい。先客順に確保致します。
 「キープキャスト」に行かれる方向けに1つアドバイスを…このシリーズ、すべてワンピースボディでドライブギアを支持するという他社にない方式を採用していて、それが大きな売りの1つになっているのですが、機種によって微妙に味付けが違うんです。だから、PRMをMGXの安い版としてとらえるのではなく、PRMはシャキッと感とパワフルさ、強度・耐久性を重視したモデルで、MGXは、繊細さ、感度、軽さ、デザインを重視したモデルととらえたほうが正しいです。また、同じPRMでも3000番までと4000番では味付けが少し違います。4000番は、さらにシャキッと感とパワフルさ、強度・耐久性に力点を置いたモデルに仕上げられています。そこらへんの違いまで確認していただけると嬉しいです。

 他社のスピニングリールでは、シマノのNEWヴァンキッシュが気になりました。今回のモデルには、前作とステラの失敗が生かされていて、好感が持てました。ローターを進化させたことでマイクロモジュールギアの欠点がほぼ払拭されていたからです。ここまでくると、心配なのは、耐久性がどうか?ですね。シマノの場合、今までは必ず、ラインローラーのベアリングから異音が発生しやすかったですし…。
 ダイワはNEWセルテートをイチオシ品として展示していました。今回、ATDドラグが搭載され、ドライブギアの両端にもマグシールドベアリングが入りました。そのため少し価格は上がりましたが、かなりお値打ちといえるように思います。但し、NEWセルテートに初採用された革新的なものは何もなく、今まで耐久性の面で問題のあった箇所はそのまま置き去りにされたまま。そこらへんがいかがなものか?と思いました。さらにいくら耐久性が高くなったとはいえ、リールは数年使っていると、必ずどこかしら壊れてきます。マグシールドのような特殊で高価なパーツを使うようになってから、修理代がやたら高くなりました。そこらへんも問題では?と感じています。それから、今回のNEWセルテートでは、3500番と4000番が復活しましたが、そのウエイトは400gを超えており、キャタリナとどう違うの?ショアから長時間使うには重たすぎないか?という質問にも、明確な答えがありませんでした。たぶん別々の部署でそれぞれリールを開発しているので、横のつながりがないんでしょうね。だから会社としてこのリールをこのように位置づけるというものがないんです。残念なことです。別に、アブガルシアをゴリ押しするつもりはありませんが、PRMの4000番は、強度・耐久性を謳いながら、265gです。(ほんの少しサイズは違いますが)140gの違いは大きいです。しかも、NEWセルテートよりも2万円近く安く買えるのです。皆が待ち望んでいるのは、キャタリナとほぼ同じのちょい安い版ではなく、以前のセルテートハイパーカスタムの3500番・4000番のようなリールの復活だと思うのですが…いかがでしょう?

 次にロッドやそれ以外のものについて書こうと思いますが、長くなったので、次回以降に…。


スピニングリールの勢力図が変わる? 2016年1月15日

 スピニングリールの分野では、ダイワ、シマノの2社による寡占状態が長く続いています。かれこれ10年以上になるのでは?
 それ以前は、リョービやオリムピックもリールを作っており、ベイトリールだけでなく、スピニングリールの製造にも積極的な時代がありました。マイコンブランドで一世を風靡した大森製作所のようなリール専門メーカーも存在していました。ところが、やがて種々の事情から、ほとんどが撤退!それ以来、小売価格1万円以上のスピニングリールについては、市場の売り上げの95%以上が、ダイワ、シマノの2社で占められるようになってしまいました。
 1社の独占になっていないのは、せめてもの救いですが、それにしても、2社では少な過ぎます。釣り人の皆さんの中にも、そう思われている方が、大勢みられるのでは?
 私もその一人です。2社では、リールの進化の方向性が画一化しやすい。どちらかの会社が、ある箇所や機能を進化させ、それが好評ということになると、もう一社も、同じようなことをして、人気回復を図るという具合です。現実、それが繰り返されています。そのおかげで、リールのいくつかの機能・性能は、以前と比べて格段に進化しました。ですが、その陰で、進化が完全にストップしたままほったらかしにされてしまっている箇所や機能も存在しています。私は、2社の寡占状態になってしまっている最大の弊害はそこにあると思っています。
 特に、見えにくい部分や感じにくい部分は、必ず軽視されます。それが重要であっても…。
 今、スピニングリールで早急に改善が求められる部分は…
@ いまだに起こるキャスト時のライントラブル
A ゆっくり巻いた時の巻きのスムーズさ(巻きの軽さと均一性)の不足
B 細かな箇所の強度や耐久性の不足
 私としては、以上の3点を強調したいです。いずれも重要でありながら、見たり、普通に持って回しただけでは分かりにくい部分です。
@については、スピニングリールだから、軽いルアーを使っているから、風や波が強いから、仕方がないとあきらめているというか、あきらめさせられていると感じます。
Aについては、多くのユーザーがそういう繊細で奥の深い釣りをしておらず、リールを巻くときは、一定のスピード以上でしか巻かないから、気付かないし、どうでもよくなっていると感じます。
Bについては、長く使わないと分からない部分だから、ごまかしがきく、そして、故障すれば新しいのが売れるのだから好都合というメーカーの思惑さえ感じてしまいます。
 私は、こうした釣具業界の残念な部分は、絶対に改善していくべきだと考えています。そのためには、釣り人がもっと賢くなり、釣具に対する見方を変えていくことも大切ですが、先ずは何よりも、2社による寡占状態に終止符をうたせることが重要だと思っています。
 景気の低迷が続く釣具業界においては、とてつもなく難しい課題ですが、最近、それが実現しそうな…光明が見えてきました。アブガルシア(ピュアフィッシング)の存在です。
 今までも、アブガルシアは、ベイトリールをいろいろ造り続けてきましたし、スピニングリールも2万円台までの価格のものは、いくつか造ってきましたが、先進的な高級スピニングリールの範疇については、未参入でした。そこに、最近、大きな変化が起きました。新たに定価3万円後半の価格帯のものまで製造・販売すると発表したのです。
 これはBigニュースです。高級モデルの中核に位置し、不動の地位を築いて久しいダイワのセルテートとシマノのツインパワーの牙城を崩そうとしてのチャレンジと受け取れるからです。私はこのチャレンジを高く評価したいと思っています。
 昨今、プロアングラーが独立し、次々にメーカーを立ち上げていますが、その多くが、ルアーやロッドを発売するものの、リールまでは(ダイワのリールの一部デザインや機能を変更しただけの物を除くと)、なかなか手出しができていないのが現状です。特に、高級スピニングリールは特許・製造技術・コストなどの面からも敷居が高く、ほぼ不可能と言っていいでしょう。
 3万円後半のリールを造ってきていて、その廉価版として2万円のリールをリリースするなら分かりますが、今回、アブガルシアは、その逆のプロセスに挑戦するのですから、それは凄いことです。
 で、肝心のリールの出来具合ですが、なかなかのものです。10月末に行われたピュアフィッシングの新製品内覧会でしっかり見て、触った感じでは、従来のアブガルシアのスピニングリールと比べて格段の進化を遂げていると言って、間違いないはずです。(内覧会で展示してあったものと同じ仕上がりのものが販売され、尚且つ、ふれこみ通りの耐久性があるとすれば!)
 3月に発売が予定されているレボMGXシリーズがそれに当たります。
 実は、アブガルシアのリールには、レボMGXシリーズで採用されている先進的な構造に近いものが、既に、1年以上前に発売されたクロスフィールドシリーズ等に使われていました。サイドプレートを使わず、ワンボックス(ワンピースボディ)でドライブキアを支持するというアブカルシアだけの仕組みです。しかし、そうした先進的なボティの良さを生かし切る精度の高いギアが搭載されていなかったので、リールの完成度としてはイマイチでした。ところが今回は、ギアの精度が大幅に向上されており、それが回転性能に大きく反映されています。
 ドラグの精度とタッチの良し悪し、キャスト性能とライントラブルの減少、ベアリングの耐腐食性能ついても同様です。今まで、NEWモデルに移行するたびに、少しずつ進化させ、そして、今回、ほぼ完成領域というか、大手2社と同等レベルに達したように感じています。
 そして、驚くべきことは、主要箇所の耐久性と使い心地を追求しながら、ウエイトの軽さも際立っているということです。同じ2500SHのモデルで比較すると、ほぼ同じボティ構造が採用された昨年春発売のディサイダーが230g、ボディ構造が異なり、軽量化を優先させたレボLTが214gなのに対して、レボMGXは185g!です。ちなみにセルテート2508PE、ツインパワー2500S共に240g、超軽量を謳ったダイワの最高級モデル(価格はレボMGXのおよそ倍額)のイグジスト2508PEですら195gなのです。いかにレボMGXが軽量かが分かると思います。しかも、軽量化を徹底したデザインが、またカッコイイのです。別売で購入すると、ハンドルとノブだけで1万円以上するのでは?と思われる豪華なものが、最初から純正で装着されています。スプールも同様です。
 今のところ、私は、今年の春から、スピニングリールを新調する場合、アブカルシア中心でいく予定でいます。先ず、メバルはレボMGX2000S(この機種だけに用意されたノーマルギアモデル)を使うのが、ほぼ確定的です。そして、伊良湖シーバス&ライトジギング用として、定価約3万円のレボPRM4000SHを選択するつもりでいます。このサイズがMGXシリーズに無いとのと、PRMシリーズは軽さと強度・耐久性の両面を高次元でまとめあげたモデルというふれこみだからです。
 今後は、アブガルシアが、上に書いた@〜Bの項目にもっと力を入れて、さらにスピニングリールを進化させていってくれるとありがたいです。今まで私が感じてきたメーカーの姿勢から、少なくとも大手2社よりも期待できる!と私は感じています。そうなれば、ここ最近の努力に敬意を表しつつ、未来の可能性に投資することで、少しでも釣り人の役に立てるような業界にしていく!その一助になりたい!それが私の思いなので、その方向で動いていくつもりです。
 お客さんがダイワやシマノを選択されることを、妨げるようなことはしませんが、アブガルシアのリールが大幅に進化してきていることと、今後の動向には、是非、注視していてほしいと思っています。
 そうした意味で、アブガルシアの新作スピニングリール、NEWレボシリーズに、注目していてください。当店では、既にメーカーに注文済みで、発売と同時に、ほぼ全機種入荷するはずですので、よろしければ、入荷次第、手に取ってお確かめいただきたいです。よろしくお願い致します。


シーバスパーティーを終えて 2015年12月5日

 シーバスパーティーが終わり、そして、ルアーニュースTOKAIの原稿書きも今週の水曜日(12月2日)に終わり、ようやく激務から少しずつ解放されつつあります。これからは、釣りに出かけるのは、もちろん、すべての面で、もっと余裕をもって生活していきたいです。より発展的なことを考え、それを実践していくためにも…。まだ、やっていくことは山ほどあるので、あくまで、できれば…という願望ですが!!
 今年のシーバスパーティーの参加者は、134名。昨年がMAXの160名だったので、26名減になりました。偶然用事と重なり参加できなかった人も大勢いましたが、それだけでなく、「シーバスパーティーでは、必ず当店で購入したルアーを使うこと」という新ルールに対して、不服で参加されなかった方も、みえたようです。それはその方の考えですので、今はしかたがないと思っています。
 ただ、私は、今回の大会を運営してみて、このルールを今後も継続していったほうがいいように感じました。誰が優勝しても、主催者として「おめでとうございます」と心から笑顔で握手ができるからです。それは、何度も書いていますが、自分の店だけがいい思いをすればいいという考えからではありません。どんな大会でも、主催者、協賛各社、参加者、お手伝い等陰で支えてくれた方、関わっているすべての方々が、素直な気持ちで喜びを分かち合えるようにしたいという思いからきています。
 たとえ釣れなくても、さらに、じゃんけんで負けても、価値のあるいい大会だったと思えるような大会にしていきたいです。
 そうした意味で、釣るのが難しい日になったからこそ、自然の奥深さを感じることができたでしょうし、ご自分の釣りの足りない部分を見つめ直すことにつながった方も多かったのではないでしょうか?
 ブリが2尾キャッチされましたし、6kgの素晴らしい魚体のシーバスも出ました。こうした魚が持ち込まれることで、その場に居合わせた感激を共有された方が大勢みえたようにも感じました。私は、そういう思いが、とても素敵だと感じています。心から、参加者の皆様、お世話になった皆様に、感謝したいと思っています。
 明後日発売の週刊ルアーニュースTOKAIですが、今までとは違った視点で原稿を書きました。「伊良湖で釣れるシーバス」について、紙面を大きく割きました。伊良湖シーバスを愛するすべての釣り人にとって、とてもためになる記事に仕上がっていると思いますので、是非、皆さん、お買い求めの上、お読みください。
 今回の号については、コンビニだけでなく、当店でも特別に販売致します。10部限定ですので、ご入用の方は、できましたら、予め、電話等にてご予約されますよう、よろしくお願い致します。
 また、今当店でも配布しているプリーペーパー季刊誌「MOTTO」にも、私が「伊良湖シーバス」について書いていますし、これから本格的なシーズンを迎えるメバルゲームについても書いていますので、ご来店の際は、是非、お持ちください。


ルール改正への対応について 2015年11月27日

 毎日、仕事に追われ、この見出しについて説明をするのが、今日(シーバスパーティーの前日)になってしまいました。大変遅くなり、申し訳ありません。
 質問形式で、解説していこうと思います。

Q ヒグチ釣具店で購入したかどうか?定かでないルアーがいくつかあるのですが、どうしたらよいのでしょうか?

A 釣りをされる前に、店長に見せてください。使用の「可」「否」を判定します。
  シーバスパーティー当日ならば、受付の際、ルアーを持ってきて、見せてください。

Q フックもすべてヒグチ釣具店で購入したものでないといけないのでしょうか?

A 原則的には、その通りです。
  ただし、ルールで「ルアーとフック」にしたのは、ワームの場合、ジグヘッド等のフック部についても、品名を公開するからです。
  プラグの交換したトレブルフックまで細かく制限をしたり、チェックをしたりすることはしませんので、ワームを使用する場合のみ、
  気をつけてください。

Q カラーがはげたので、ペイントし直したルアーは、どうなりますか?

A 使用していただいて構いません。

Q 今回のルールの場合、他店で購入したルアーを使い、釣れた時に、嘘の申告をする人が出やすいように思いますが、
  いかがですか?

A 確かにそうかもしれません。ただ、こういうことは、釣り人1人1人の良心の問題だと思いますし、そういうことをする人は、
  たいてい、どこかでバレるものです。そして、嘘が発覚した場合は、厳しい措置をとらせていただきます。


 取り急ぎ、上の4点を説明させていただきました。シーバスパーティーやLSTにおいて、ルール違反にならないよう、くれぐれもお気をつけください。

 なお、皆様からのご意見については、追い追い伺っていきたいと思っています。


共に歩む その4 2015年10月4日

 「共に歩む」ためには、私がお客さんにアドバイスをする・情報を提供するということと、お客さんから私がアドバイスをもらう・情報を提供してもらうことの両面が大切だと思います。お金儲けやカリスマ性だけを考えたら、催しで使える全ての釣具を当店で買ったもののみに限定すれば手っ取り早いかもしれません。でも、それはできません。私はそこまで完璧な人間ではありません。なるべくこの地域に合ったものを揃えている自信はありますが、それでも掴み切れていないこともいっぱいある、まだ不十分な人間です。自分の店で売っているものだけがいつも「最高」と思い込み、全てにおいてそれだけをお客さんに強要するなら、もはや私は裸の王様と同じだと思います。
 お客さんに教えていただくことが、今でもたくさんあります。そして、教わったことを自分の中でまとめ上げ、お客さんのために生かしていく、それが大切だと思っています。それと、他の小売店さんが存続していくことも重要です。当店だけが儲ければいいという考えではいけないと私は思います。それぞれの店には、その店に合ったそれぞれの役割があると思うのです。それをきちんとまっとうし、釣り場やお客さんのために歩んでいくことが大切では?…私自身、できていないことも多々ありますが、そういう気持ちは忘れたくないです。
 ただし、シーバスパーティーは当店のお客様が集うイベントとして開催しますし、感謝祭という意味合いで開催していることでもあります。そして1日・2日のことですので、詳細情報をルアーニュースに公開しなければならないヒットルアー(仕掛け)についてだけは、当店で購入されたものを使っていただくようにしました。
 で、LST(ロングスパントーナメント)についてですが、こちらは、長い期間をかけて実施するイベントです。3ヶ月以上に渡って、すべて当店で購入したルアーで釣らないと魚を登録しないというのは、当店が実施しているイベントではありますが、あまりにも酷な話だと思います。当店で買いたかったけれど、使いたいときに当店に売っていなかったから他店で買われたというルアーもあるはずです。そこで、制限を緩めることにしました。「無くす」ではなく、「緩める」にしたのは、やはり、当店が当店のお客さんのために力を入れて実施しているイベントであり、ヒットルアー名を公開する・しないという案件もありますので、ある程度は当店で購入されたルアーを使って釣っていただくのが、ことの道義だと思うので…その結果、一見分かりずらいルールになってしまいました。(慣れてくれば、ごく簡単なルールだと思いますが)
 今年のルールなら、少し制約はありますが、お客さんが買いためてきたルアーすべてを使い続けることができます。そして、当店で買われていないルアーがヒットルアーになることで、私(=当店)の足りない部分が見えてくることもあります。とにかくお客さんからいただくデータや考えはとても貴重だなあ、と感じることが多いです。それをつなぎ合わせて、自分を高めることで、お客さんにもさらに還元していく、今後もそうしていきたいと思っています。
 他の店で買われたルアーで釣られた場合は、原則、細かなルアー名、カラー名を書かず、ぼかして書くとしたのは、ある意味お客さんの権利を守るためでもあります。釣り場を「西磯」とか「恋路ヶ浜」というふうに書かず、「伊良湖周辺」と書いているのと同じです。誰でも自分だけの裏ワザとしてとどめておきたい、親しい仲間だけにしか教えたくないということがあって当然だと思うのです。当店で買われていないルアーだからこそ、それが可能になる部分もあります。伊良湖周辺の釣り場は、皆のものですが、情報をすべて公開し、詳しく解説すると、それだけを盗み見し、釣れるときだけ、やって来るという釣り人が増える可能性が高くなります。私はそれではいけないと思います。ホームページに記載されていることはあくまで、釣りの入口。そうしていかないと、いつまで経っても情報に頼るしかない釣り人になってしまったり、釣果だけでしか釣りを語れない釣り人になってしまったりするような気がします。ただし、お客さんから「是非、ルアー名・カラー名を掲載して欲しい」という要望があった場合は、その意思を尊重し、記載したいと思いますので、よろしくお願いします。
 最後にですが…遠方からお見えになる方が当店や伊良湖という釣り場を大切にしてくださることはとてもありがたいと思っていますが、今まで通い、お世話になってきた地元の釣具店や釣り場も大切にしていっていただけたら、と思っています。「そんなことは個人の勝手だ」と言われるかもしれませんが…。それぞれの釣具店、そして、それぞれの釣り場に、それぞれの良さがあると、私は思います。確かにそのときの「物が有る・無い」「値段が高い・安い」とか、「いい魚が釣れる・釣れない」とかで言えば、優劣のつくことがあると思いますが、物事って、そういうことだけで良し悪しを決めてしまうのはどうか?と思っています。
 もしも、これを読まれている方の中に、他店の催しに出られる方がみえるなら、その際は、是非、ヒグチ釣具店で買われたルアーを使わずに、そのお店で買われたルアーを使っていただけたら、嬉しいですし、間違ってもヒグチオリカラを使い、それで釣られることのないように、願っています。
 意味のない競争が、殺伐とした世界をつくってしまうことが多々ある、そう思えるし、私は、他店よりも勝りたくてオリカラをリリースしたわけでも、自分のステータスを上げるためにリリースしたわけでもありませんから…。
 次回は、今回のルール改正に関して、既にお客さんからいただいている問い合わせの中で、説明しておいたほうがいいと思うことについて、書いていこうと思います。



共に歩む その3 2015年10月2日

 当店で売っていないルアーを大会で使いたいという思いをお持ちの方は、是非、当店に注文してください。条件さえ合えば、なるべく客注品として入れるよう対応したいと思います。
 但し、次のような場合は、お断りするか、そうでなくても対応できないことになるかと思いますので、そのルアーは、大会では使えません。ご承知おきください。
@ 最低発注数が高く設定されていて、お客さんの注文数と隔たりがある場合。
A メーカー、問屋在庫切れで、後々の入荷予定も定かでない場合、または大会に間に合わない場合。
B 当店や伊良湖シーバス(渥美半島でのシーバスゲーム)を大事にしていないメーカーのルアー。
C 経営者や社員、テスターの言動に、倫理的に許せないことが多々あるメーカーのルアー。
 以上4つの場合が該当することになると思いますが、ひょっとしたら、これら以外にも、お客さんのご希望に沿えないことが起きるかもしれません。その際は、できる限り納得していただけるような説明をしたいと思います。
 上記の4つの中で、@とAは仕方がないと思っていただけると思いますが、B、Cについては少し解説がいると思いますので、説明をしていきます。
 先ずBについて…
 私は、商品を多く扱っているメーカーには、協賛をお願いしてきましたが、そのすべてが協賛をしてくれたわけではありません。協賛を拒否されたメーカーが過去にいくつもありました。1度、納得のいかない理由で断られると、さすがに事情が変わらない限り、次の年からは、頼めません。私は、釣り場を大事にしたいと思っていますし、それは、お客さんを大事にすることと表裏一体!つながっていくことだと思っています。その考えに賛同しようとしないメーカー、上から目線で小売店や釣り人をさげすんでいるメーカー、売り上げの数字だけしか考えず、大手チェーン店のみを大事にするメーカー、メーカーにはそれぞれの経営理念があるのだから、それらをすべて否定することはできないでしょうが、少なくとも、私の考え、伊良湖(渥美半島)という釣り場、そしてそこで釣りをする釣り人を大事にしようとする意志がないのだから、当店がそういうメーカーをできるだけ軽く扱うのも当然のことだと思うのです。
 それに対して、毎年協賛をしてくれて、さらに、毎年遠くからシーバスパーティーに来てくださるメーカーもあります。それが単に、作ったものの売り込みだけが狙いなら?でしょうが、顔を出してくださるメーカーのほとんどが、大会を、ユーザーの実態を把握し、意見を聞く絶好の機会としてとらえ、そこで得たものを商品開発に生かそうと考えているように思います。お客さんから見ても、そういう意志を感じたメーカーがあったなら、そのメーカーを大事にしていくべきだと思います。今はベストのものが発売できていなくても、将来、ご当地での釣りにに凄くマッチした画期的な釣具を作り出してくれる可能性がかなりあると思うからです。私は、そういう真摯なメーカーの未来を助けることこそが釣り人とメーカーとの橋渡しをする小売店の大きな役割の1つだとも思っています。
 ですから、できることなら、大会では、当店うんぬん抜きに、しっかりと協賛してくれるメーカー、釣り場やユーザーを大事にしてくれるメーカーの道具を積極的に使い、それで釣果を上げていただきたいとも思っています。
 次にCについてですが…
 バスブームの頃から、カリスマ性を高めて、人気を上げ、そのメーカーの名が付けば、何でも売れるようにしたい。そういうやり方をするメーカーが後を絶ちません。正直、メーカーだけでなく、それに乗せられているユーザーも問題だと思います。
 だって、明らかに実現不可能なことを言っているのに、それを鵜呑みにしているのですから…。これでは、振り込め詐欺にひっかかっている人と同じです。例えば「今まで大事な魚をバラしたことは一度もない」というようなことを雑誌に書いている人がいました。もしもそれが事実なら凄いことです。そんなことが本当にできるのなら、「神」として崇められても不思議ではありません。でも、、そんなこと有りえるはずがありません。少し、冷静に考えれば分かることだと思うのですが…大勢の人がだまされてしまうのです。とっても魅力的に思えてしまうから…。しかも、少し経ってから、新しい商品を開発した理由として、「今までのセッティングが不十分だったために、肝心な場面でどれだけ悔しい思いをしてきたことか…」と綴っているのです。そこまで矛盾したことを綴っていながら、多くのユーザーは騙されていることに気づかないのです。
 私はそういうメーカーの商品を扱わなくすることで、お客さんを守るとともに、お客さんの判断力を伸ばす一助になること、それも小売店の重要な務めの1つだと思っています。そして、それは必ず、お客さんが釣りをするときに生きていくと思っています。
 事実、私の店では、過度の抱き合わせ商法でルアーを売りつけてきたメーカーは、人気があっても早々に、納品を断り、取扱いを止めました。例えそのメーカーが再度人気が出ても、そして新しいルアーが偶然すごくよく釣れるルアーであったとしても、その会社の方針が変わらない限り、2度と扱うことは無いと思います。
 そういうことから、Cのようなメーカーのルアーの注文をいただいた場合は、理由を説明してお断りをするつもりです。すべて、釣り場や釣り人を大切にしたいという思いからくる対応ですので、ご理解いただけるとありがたく思います。
 次回は、LST(ロングスパントーナメント)のルール変更に関する考えを書こうと思います。



共に歩む その2 2015年9月26日

 日々の仕事に追われ、なかなか更新できず、気づけば半年が過ぎてしまっていました。遅まきながら、続きを書きます。10月からシーバスパーティーの申し込みと、ロングスパントーナメントが始まりますし…。
 最初に核心的な部分から書きます。今年から、当店のイベントや私の船では、ルアーとフックに関して、「当店で購入されたものか、当店の催しの景品に入っていたものを使用していただく」という条件を設けることにしましたが、その最大の理由は、当店のHPやルアーニュースの釣果情報にそれらのデータを掲載しているからです。
 私は、釣れる品、より楽しめる品を販売することで、釣り人の皆さんに貢献したいという思いで小売店を営んでいます。そして、その品を実際にお客さんに上手に使ってもらい、「釣れる」「楽しい」を皆さんに実感・認識していただくために、シーバスパーティー等のイベントや船で一緒に釣りをしていただくということをしています。そうすることで、お客さんの釣果データや声もたくさんいただくことができます。それが、自分自身の向上→店の質の向上→お客様へのさらなる還元につながっていくと思っています。
 日々そういう思いで経営をしていますので、渥美半島先端付近で釣りをするなら、当店で販売しているものでだいたいはまかなえるはず!と思っていますし、なるべくその釣り場に合い、よく釣れるものを置くように心がけていると、自負しています。
 それに、イベントや乗船に関しては、原則、かかる経費だけしかお客様から徴収していませんし、経費の面では、マイナスになる場合のほうが多いです。お客様の都合に合わせることで、忙しい中、店を留守にすることもあります。それでもやっているのは、先に書いたように、、その後の大事な部分がプラスなると思うからです。
 そういうことでやっているわけですから、当店のイベントや私の船への乗船で、目的を踏まえたある種の制約を加えるのは、しごく当然のことだと思うのです。
 だからと言って、何から何まで規制するというわけではありません。あくまで、ルアーとフックのような仕掛け類のみです。先にもふれたように、それはデータ公開をしているというか、ある意味、公開せざるを得ないからです。そして、私自身、「釣りは一部を除き、魚に近いほうから重要」という自分のポリシーがあるからです。
 但し、当店で販売しているものが、常に「絶対」とか「最高」というわけではありません。それも承知しています。それし、大勢の人が当店で買われた特定のルアーを使えば使うほど、当店で売っていないルアーをこっそり使ったほうが効果的という場合が往々にしてあるのも分かっています。それを使用することで、イベント(大会)で優勝の可能性が高まるかもしれません。
 でも、それってどうなんでしょう?私は、物品販売を主としている小売店のイベントに参加するのだから、好ましくないと思います。加えて、物事はある種の制約があるからこそ、楽しいという部分もあると思います。当店主催のシーバスパーティーは他店と比べて、時間や場所の制約が厳しいです。それでいて2尾のポイントで順位が決まります。だからこそ、実力と努力が結果に反映されやすく、大会とか集いとしての意義が大きい。私はそう考えています。ルアーとフックの制約もそれと同様の流れととらえていただけたら、と思います。
 どうしても、私の方針が気に入らない人はいると思いますし、そのことで、当店のイベントに参加されないという方も出るでしょうが、それは仕方がないと思います。ですから、私の趣旨に概ね賛同されたうえで、イベントにご参加いただきますよう、お願いしたいと思います。
 乗船についても同様です。他の遊漁船は、物品販売を主としているわけではありませんし、経費以上の代金を徴収しています。特定のルアーの使い方や優劣を吟味してもらうのが仕事ではありません。船長の仕事は、あ客様をよく釣れる場所に釣れていき、他者に迷惑を掛けない範囲で自由に釣りをしてもらうことです。だからどんなルアーを使ってもいいのは、当然です。もしも、他店で買ったもので釣りたいなら、遠慮なく、遊漁船に乗ってください。遊漁船を取り持っていただくこともとても重要だと私は考えていますし…。
 長くなりましたので、今日はここまでにします。次回は…当店で売っていないルアーを大会で使いたい場合はどうしたらいいのか?という点とか、ロングスパントーナメントの扱い(規約)等について書こうと思います。とにかく、まだすべてを書いたわけではありませんので、ご意見は、一通り私の考え(今年の規定)を綴り切ってからお聞かせいただけたら、と思いますので、よろしくお願い致します。



共に歩む その1 2015年2月27日

 今年から、当店のイベントや私の船では、ルアーとフックに関しては、「当店で購入されたものか、当店の催しの景品に入っていたものを使用していただく」という条件を設けることにしました。
 ずいぶん横柄かつ傲慢なルールだと感じられた方もみえるでしょう。お客さんの立場からすると当然かもしれません。
 それだけに、こう決めた意図をちゃんと説明しなければいけない。そう思っています。でないと、儲け優先じゃないか!上から目線じゃないか!という誤解を生んでしまうかもしれないからです。
 はっきり言って、私の思いは全く逆です。儲け優先ではいけない!上から目線ではいけない!と思うからこそ、こういう決断をしました。それは、一言で言うと今日のタイトル「共に歩む」という思いからです。
 『釣り』で大切なこと、それは第一に、釣り場での感動的な魚との出会いであり、それを通して築かれる人と人との絆であると思っています。
 私の店では、いろいろな催しを通して、釣果を競い合う場面を設けていますが、それは、あくまで、競い合いを通して、お客様に釣りの腕を磨いていただき、より感動的な魚との出会いを味わってもらいたいとか、私も勉強しなければいけないとかいう思いからで、決して、たくさん釣る者が偉いとか、大物を釣る者が偉いとかいう考えからではありません。
 そして、その思いを実現するためには、「共に歩む」ことが不可欠だと考えています。私がお客さんに的確なアドバイスを差し上げることができれば、お客さんと魚との距離は縮まるはずです。当然、私一人の力では足りない部分もたくさんあります。そういうところは、お客さんやメーカーさんの力を借り、得たものをお客さんに還元させていただく、これが大事だと思います。
 では、それがどうして今年のルール変更につながるのか?次回以降、少しずつ綴っていこうと思います。



『中村工房』復活!! 2015年2月11日

 中村理さんが亡くなられたという訃報と一緒に、問屋の担当者さんから「中村工房さんは、中村理さん一人でやられていた会社なので、樋口さん、たぶんこれで終わりになると思います」という話しがありました。
 なんと悲しい結末か…「ともにがんばっていきましょう」と、固い約束を交わしたばかりなのに…。
 どうすればいいのか?どうしょうもない…私ができることはたった一つ、今まで私を大切にしてくださったお礼として、弔問に伺う、ただそれだけ。
 訃報を受けたその日(2014年10月29日)、私は家族の了解をとって、すぐに、大阪堺市で執り行われる中村理さんの通夜式に参列するため、電車を乗り継いで向かいました。
 会場には、つい先日まで釣りに出かけ、魚をキャッチして微笑む中村理さんの何枚もの写真が繰り返し映し出されていました。そして最後の対面、棺の中で眠る中村理さん、横には「JACK NAKAMURA」の文字。合掌した瞬間の深い悲しみ…今でも胸に焼きついています。
 トンボ返りで家に帰ってから、私は、次に自分ができることを考えました。それは、訃報を連絡してくださった問屋さんに残っているムイムイ1.2インチをできる限り仕入れ、少しでも長い間売ることでした。メーカーが無くなったので、『ジャックナカムラワーム』を激安処分する小売店があるだろうということを承知の上で!それが、中村理さんと問屋の担当者さんへの恩返しとお礼になるし、釣り人への貢献にも必ずなると思いました。それくらいムイムイ1.2インチは名作だという自負があったので、私は踏み切ったのです。
 それからしばらくして、中村理さんの奥さんと電話で話しをしました。奥さんは、「いろいろとありがとうございます。実は、私もワームの袋詰めの手伝いをすることがありまして…そのときに、ヒグチ釣具店さんのことは、主人からよく聞いており、記憶に残っています。」と話してくれました。私の心は改めて、中村理さんへの感謝気持ちでいっぱいになりました。そして、私は「できることならこれから先も「中村工房さんのワームを末永く販売していきたい」と伝えました。奥さんの返事は「ありがたいですが、釣具業界のことは全然わかりませんし、今後のことは、まだ…」でした。
 やはり無理かあ…私は、「仕方がない」と、ほぼあきらめていました。そんな矢先、事態は急転換、問屋の担当者さんと中村理さんの奥さんから「今までワームを造ってくださっていた工場、ドミクラフトさんが、引き続き『ジャックナカムラワーム』を製造・販売してくれることになりました。」という連絡が入りました。大きな前進です。たとえオリカラが無理だとしても、ムイムイ1.2インチを継続して売っていくことはできる。ありがたいことです。
 私は早速、ドミクラフトさんに電話をしました。すると意外や意外、ここでも「中村理さんから、ヒグチ釣具店さんのことはよく聞いており、とてもいい印象をもっておりました。」が第一声だったのです。そういうこともあって、話しはとんとん拍子で進み、「オリカラも是非やらせていただきたい」とドミクラフトさんはすぐに快諾してくださいました。まさに起死回生の瞬間でした。
 実は、『ジャックナカムラワーム』の継続を中村理さんの奥さんに提案されたのも、ドミクラフトさんだったのです。ドミクラフトさんは、中村理さんとの付き合いの中で、その人柄と作品を「素晴らしい」と感じてみえたし、中村理さんが亡くなられた後、大勢の人から「中村工房『ジャックナカムラワーム』を継続してほしい」という要望があったことが伝わり、継続を決意されたようでした。本当にありがたい話しです。
 中村理さんの奥さんにも「継続」の要望が数多く寄せられていたので、奥さんの気持ちも、「引き続きやっていただけるなら、皆さんが喜んでくれるし、亡くなった主人もきっと天国で喜んでくれるだろう」というふうになられたのです。
 とにかく、中村理さんの人柄と中村理さんが生み出した名作が、関わりのあった大勢の素晴らしい人々の心を動かし、復活することになったのです。それは、いろいろな幸運が重なり実現したことでもありました。
 このようなドラマを経て、2015年2月5日、ムイムイ1.2インチ『ヒグチオリカラ』の販売がスタートしました。私にとって、それはとても感慨深い出来事でした。
 今の釣具業界は、ブームに乗って物を作り、購入されたお客さんがそれを使い捨て、すぐに次の物に代わっていくことで、成り立っている部分がかなりあります。私は、それではいけないと思います。釣り人に長く愛される物を提供するのが釣具を企画・製造・販売していく者の務めであるべきです。
 中村理さんの生涯は、志半ばで終わりを告げてしまいましたが、ムイムイ1.2インチをはじめとする名作ワーム達の活躍の歴史は、今始まったばかり。中村理さんの情熱と才能から生まれ、関わった人々により引き継がれた、本当によく釣れる名作ワームが、釣り人の間で末永く愛され続けていくことを願いながら、大切に売り続けていきたいと思っています。



中村理さんとの出会い、そして別れ… 2015年2月5日

 今日、「新入荷」のページにムイムイ1.2インチのオリカラを紹介しましたが、そのブランド『ジャックナカムラワーム』を手がけた会社『中村工房』の代表、中村理(さとる)さんは、今、この世に居ません。昨年の10月末に急死されました。前日まで精力的に釣りに行かれたり、ショップでセミナーを開かれたりしていたのに…40歳の若さで…。
 私にとって中村理さんは偉大な方でした。釣りにかける情熱が素晴らしく、発想も豊かで、良く釣れてかつ独創的で魅力的なワームをいくつもリリースされてきました。そして、何よりも素晴らしいのが、それだけの能力を持ち、努力をされていたにも関わらず、とても誠実で謙虚だったということです。小規模小売店の店主である私の意見にも、しっかりと耳を傾けてくれました。
 はっきり言って、釣具業界で私の考えをしっかり聞こうとするメーカーさんは少ないです。ほとんどのメーカーの姿勢は一方通行!「作ったから買ってくれ」です。なかには、もっと俺様モードのメーカーさえあります。私は、釣具の製造・販売は、まず「釣り場と釣り人のため」にあるべきだと思っています。だから、私はいつもそういう視点でメーカーさんとも話しをします。そうすると、メーカーさんの多くが私を嫌います。めいどくさいんだと思います。真剣だから話しが長くなる。真剣だからダメ出しもされる。いろいろな質問をされるけど、十分な答えが言えない。挙句の果てに買ってもらえない。それが嫌なんです。ほとんどのメーカーからしてみてたら、何も言われずに、さっとたくさん買ってもらえる、それが理想なんです。なんといっても、楽で儲かるんですから!!たがら、売れているものの物まねをするんです。嘘までついてステータスを上げ、人気を出そうとするんです。でも、それって本物じゃないと思います。
 そう考える私の性分を理解し、ある問屋の担当者さんが「この方なら樋口さんと合うと思います」と紹介してくれたのが、中村工房の中村理さんでした。
 中村理さんは、ライトソルトゲームのスペシャリストで、アジ、メバル、カサゴ、クロダイなどのワームゲームにとても造詣が深い方で、問屋さんの展示会で話しているとためになることがいっぱいありました。先に書いたように、中村理さんは、私の話しにも耳を傾けてくれ、私のことを「なかなかここまでメバルのことを分かってくれて、話しができる小売店さんはいない」と評してくれました。ありがたいことです。
 そういうこともあって、私は『ジャックナカムラワーム』に魅力を感じ、いろいろな種類を仕入れて、当店が主力としているメバル釣りに試してみました。
 その中で、とてもつもなく優れたワームが1つありました。ムイムイ1.2インチというワームでした。はっきり言って、私はこのワームを試す前に、他のワームをいくつか試していました。よく釣れるものもありましたが、「すごい」という強烈な印象は持ちませんでした。それは、ワームが優れていないというのではなく、その釣り場で狙おうとしている魚に合っていなかったのです。簡単に言うと、アジによく効くワームがメバルに効くわけではないのに、アジメインとして開発されていたものを使っていたりしたからです。
 なぜそんな遠回りをしてしまったのか?それは一重に、まだまだ私にワームを見定める力が身についていなかったからです。裏を返せば、それくらいムイムイ1.2インチが、従来のメバルワームからすると常識はずれの形をしていたのです。それだけに、このワームを世に送り出した中村理さんの凄さに感銘を受け、爆釣報告とともに、称賛と感謝の意を伝えました。
 迎えた10月のはじめの問屋さんの展示会で、『ヒグチオリカラ』の話しがまとまりました。「お客様にもっと釣っていただくために、まずこの3色を作っていただきたい」という私の提案を快く承諾してくれたのです。私は嬉しくてたまりませんでした。
 ところが、それから1ヵ月もしないうちに、問屋の担当者さんから「樋口さん、実は、今日大変残念なお知らせがありまして…」という電話が入りました。「残念な知らせ?いったい何ですか?」私は皆目見当がつきませんでした。「中村工房さんが亡くなられました。」
 信じられなかったです。受け入れたくないという気持ちがそうさせたのでしょう。同じ業界人として親しくもあり尊敬していた方が、若くして、志半ばで急死されたことがあまりにも悲しかったし、自分が楽しみにしていたことが何一つ実現されないまま終わってしまった…そのむなしさがありました。
 では、なぜ、今になって、『ジャックナカムラワーム』ブランドのまま、ムイムイ1.2インチのヒグチオリカラが実現することになったのか?そのことについては次回、綴りたいと思います。



再々復活… 2015年2月4日

 長いことこのコーナーが途切れていましたが、別に仕事をサボっていたわけではありません。むしろその逆!ほぼ毎日休みなしで、全力で頑張っています。というか、頑張っていかないと自分の生活すら危ういぐらい今の釣り具業界のうち、日本国内の販売に関しては厳しいです。(海外での販売は堅調のようですが)
 そんな中、私は、真剣になっていい商品を見つけて、販売し、お客さんに少しでも釣っていただきながら腕を上げていただくことに力を注いできました。そうした取り組みは今後も継続していくつもりですが、最近、それだけでは、マズいと感じるようになってきました。
 その理由はというと…
 @ いろいろな人にすぐにジャマをされる。
 A メーカーの請負(受け身)になってしまい、自分の良さが生かし切れていないし、やるべきこともできていない。
 まず@の、すぐにジャマをされるということですが…マネをされるまではまだいいんです。でも、マネをされたうえで、ジャマをされたら、たまりません。
 資本主義経済は『競争社会』だから、他人のジャマをするのは「当然」と考える人もいるでしょうが、私は、それは間違いだと思います。「競争」にもモラルはあるべきです。そうしていかないと、最終的には大勢の人が不幸になってしまいます。(ここらへんのことは、また追い追い話していこうと思います)
 せっかく、当店の心温かいお客様のために全力でやっていることが、陰湿なジャマにより、私の幸せにも私がお世話になっている方々の幸せにも結びついていかない、こうした状況を打破するため、今後は積極的に動いていきたいと思います。「倍返し」をするのではなく、正当な施策でわが身を守りつつ、先を進んだり、本物を末永く大切にしたりする姿勢をもっと磨いていこうと思います。(これはAの問題とも関係しています。)
 そのためには新しいことをしていかなくてはなりません。ただし、今までやってきたことをすべてやりつつ、新しいことまでやるというのは、不可能です。だから、これからは、もっと的を絞っていこうと思います。その結果、少しお客さんに不自由を感じさせてしまうところが出るかもしれませんが、私のできることをお客さんや釣具業界のために最大限生かそうとしてすることです。そういう視点で見守っていただけるとありがたく思います。

 ※ 今回から急に語尾が丁寧語になっていますが、これも心境の変化ととらえてください。



再復活… 2010年5月14日

 一年半前に復活すると約束したのに、一日坊主になってしまい、そのまま、月日が過ぎ去ってしまった。情けない。狼少年ならぬ、狼おじさんになってしまった。
 タイトルには、「再復活…」となっているが、まあ、あまり力強く継続を宣言するのは、やめにしておく。みなさんも、あまり期待せずにいたほうが、いいかも…。ごめんないさい。
 いきなり、オレらしくなく、弱気な展開で幕を開けたが、書きたいことは、いっぱいある。
 そのなかで、今日は、木崎湖の催しの一部について触れることにする。
 今年、昨年まで8年ほど続けていた木崎湖へのツアーを模様替えすることにした。
 昨年まで、当店で観光バスを貸し切って出かけていたのを、各々、自家用車で現地集合にしたのが最大の変更点だ。
 観光バスを貸し切って、バスフィッシングのツアーを実施するというのは、全国でもめずらしく、ひょっとしたら、何年も同じ場所へということで継続実施していたのは、当店だけかもしれない。
 どうしてそうふうになるのかというと、第一の理由は、リスクが大きすぎるということ。実施するには、先に観光バスを予約しておかなければならない。これが最大のリスクだ。一度予約したら、ツアーの申込者が少なくてもキャンセルするわけにはいかない。これはバス会社に対しても、お客さん(ツアー申込者)に対しても当然のこと。ということは、申込者が予定よりも少なければ、当然赤字になり、その赤字分は、主催者が負担しなければならない。これも当然のことだ。
 そして、現実は厳しい。いろいろと工夫しているつもりだが、毎年赤字になってしまう。ということで金銭面では苦しいところもあったが、でも、心の面では満たされていた。毎年必ず20名ほどのお客さんが参加してくれた。これには感謝しなければいけない。なかには皆勤賞の人やそれに近い人も大勢いた。本当にありがたいことだ。そういう熱いバサーがいるからこそ、今の俺があるし、バスフィッシングの世界も守られている。だから、続けるつもりでいた。
 でも、でも昨年の変化は大きく、催しの模様替えをせざるをえなくなってしまった。
 
 

超久しぶりに… 2008年9月29日

 超久しぶりにこのコーナーを再開することにした。
 今年の初めに、何人かのお客さんに「今年こそは『店主の主張』を再開する」と約束してなかなか再開できずに半年以上が過ぎてしまった。このコーナーを楽しみにしてくださっていた皆さんには大変申し訳なかったと思う。
 べつに約束を忘れていたいたわけではないのだが、なかなか踏ん切りがつかず、約束は「今年中…」だから、まだ「○ヶ月ある」と都合のいい解釈をしているうちに、ずるずるとここまで来てしまった。
 何度も「これではいかん」と思っていながら、なかなか実行できない自分がいた。約束は絶対に守るつもりでいたんだけど…。
 そんな折、あるお客さんに喝を入れられ、重たい腰を上げることにした。いいかげん再開しないと自分でも自分自身に納得しないし…。
 せっかくの再開だから、まあ、毎日とはいかないまでも、ある程度の頻度で更新していきたい。そのためにも一回の文章の長さをほどほどにしていくことが大切かな?読む側にとっても、あんまり長いと結構大変だろうし。
 はるか昔に書いた前回は、業界の暗部について書き出した。これはまた早いうちに続きを書いていこうと思うが、その前に、どうしても書いておきたいのが、法や行政の面から見たバスフィッシングの行方。
 特定外来生物被害防止法の制定以来、わりと締め付けがないように感じている人が多いかもしれないが、現実は違う。どんどん外堀を埋められているというのが実態だ。
 たとえば、地元田原市。バスの駆除を最大の目的とした野池の水抜きが各所で行われるようになった。そのため、そのせいもあって、渥美半島野池のバスの生息数はかなり減少している。
 たとえば、当店主催のツアーで毎年お世話になっている長野県木崎湖。今年の6月1日から長野県ではバスやギルのリリースを禁止した。野尻湖と木崎湖は特例ということで、外来魚が湖から流出しないように網を設置するということを条件に、猶予措置となったが、これも今年の12月までと短期間のもの。漁協や地域が一丸となってバスを地域活性の柱にしようと考えている野尻湖は、網の設置に向けて、ほぼ予定通りに進んでいるそうだが、木崎湖は難航しているようだ。当店と当店のお客さんがお世話になっているモダンボートさんも一生懸命動いてくれているのだが…。
 芦ノ湖に続き、河口湖までがワーム禁止になったのも、大きな出来事だ。
 琵琶湖のリリ禁問題についても、今は滋賀県が新幹線の新駅建設問題で揺れているので、静かになっているようだが、今後どうなるのか不透明。なにしろ元琵琶湖博物館の学芸員が知事をやっているのだから…。
 釣りは、たしかに釣れれば楽しいし、今釣りができれば、それでいいという考えができないこともない。でも本当に釣りを愛しているのなら、将来のことを考えて行動すべきだと思う。
 今回の『店主の主張』再開に際して、俺もそうした姿勢で臨むことを宣言したい。



方向を転じて… 5月19日

 今まで俺はこのコーナーで延々とバス問題を扱ってきた。これには、おれ自身がバス業界の一員でありバサーの一人でもあること、ちょうど世間でバス問題がクローズアップされたことの両方が強く影響している。
 一方、業界やバサーを援護する側に立って論を進めてきたのは、決して自分がそういう立場にいるからではない。バスやバサーは悪くないのに、悪者に仕立てられている場合が多く見られるからだ。こうした誤解についてはきちんと反論を述べる必要がある。それを実践しているにすぎないわけだ。
 では、バス業界やバサーがすべて正しいかというとそういうわけではない。バス業界やバサーにだって問題点はいっぱいある。全体的に見て、行政や内水面漁業者や魚類学者やマスコミと比べると量的には少ないが、だからといってそれをないがしろにしておくのは俺の性分に合わない。それだけでなく、バス業界やバサーの至らない点が湖沼の理想的な利用を実現していく上で大きな障壁にもなっている。
 というわけで、しばらくの間は、方向を転じて、バス業界やバサーの中の多くの人たちに対して辛口の指南をしていこうと思う。俺はバス関係の商品を売っているわけだから、儲けのことを考えたら本当なら我慢しなければならないのかもしれないが、バスが正式に市民権を得ようと考えるなら黙っているわけにはいかない。自分に近い人たちばかりをかばって、他の人たちばかりを悪く言ってたんでは、世間一般の人たちが賛同してくれるばずがないからだ。
 先ずは、バス業界というかメーカーやバスプロたちの言動について書くことにする。
 本当なら、一般バサーよりも上に立つこれらの人たちこそバスフィッシングが世間で認められるようにうまく動いてくれなければならないのだが、実際はそうなっていない面が多い。
 その原因となっているのが、メーカーやバスプロたちの間に根付いている利益や釣果やかっこよさを優先する姿勢だ。別に俺は利益や釣果やかっこよさを求めることが悪いと言うつもりはない。業界人なら誰でも利益を考えて営業するし、釣り人なら誰でもいい釣果をあげたいと思うはずだ。そして人間ならはほとんどの人がかっこ悪いよりかっこよくなりたいと思っているだろう。しかし、現在はそれが前面に出すぎている。
 次回はこの問題点について具体的に例をあげていきたいと思う。
 
 今回はおもしろくもなく、短いが方向を転じるということでお許しを…。
 他人にばかり厳しいことを言っておいて、自分だけ許してくれなんて言ったところで、俺んとこのお客さんが許すはずがないことぐらい分かっちゃいるけど…。
 それから、店でいじられキャラになっている分だけ、このコーナーでは反動が出るのか、どうしてもいじりキャラになるんだよなあ。しまった。またしても言い訳をして、さらにいじられるネタを提供してしまった。うーん週末が怖い。
 


理想的な湖沼の利用 2月12日

 今日は前々回の続きとして、湖沼の利用を今後どうしていったらいいのか、俺の考えを書いていきたいと思う。
 前々回は自分勝手に密放流するのはいけないことだと書いた。
 ではどうしたらいいのか。より大勢の意見をともに、地域の実情に合わせて公平に湖沼の管理の仕方を決め、決まったことに従って運営・活用をしていくのだ。
 以前書いたように、湖沼によってその環境は異なっている。そこを利用する人々の思いも多様だ。だからそれぞれの湖沼というか地域に合った利用の仕方を実践していけばいいというただそれだけのことだ。
 すごく当たり前で一見簡単そうなことだが、これが難しい。俺の目から見て、まともにできているところなんてほとんどない。できていないからこそ今、全国各地でバスのことがこれほどまで大きな問題となってきてしまったのだ。
 その原因は前々回に書いたように確かに釣り人の側にもある。しかし見方によっては釣り人が密放流のような身勝手なことをしてもべつに悪くないと思える土壌がわが国にはあると俺は思う。
 中井克樹や秋月岩魚が「密放流をすればするほどバス釣り場が増えてバサーにとって都合がいいという今までの状況はおかしい。」と言っているのはその通りだ。しかし、だからと言って彼らが言う「バサー=犯罪人」という図式は成り立たないと俺は思う。何度も書いているように外来魚の移殖を禁止する拘束力のある法規はつい最近まで存在しなったからだ。法律がないのだからやる人が出てきてもある面仕方が無い。おまけに固有種の宝庫琵琶湖でさえ、行政は勝手に湖の環境を破壊する工事を行っているし、漁師は勝手に琵琶湖から固有種を出したり琵琶湖に移入種を入れたりしている。
 つまり行政や漁師も密放流をするバサーと同じように湖沼を自分たちの手で自由に変えられるものと考え、ならば自分たちの都合のいいように変えたほうが得、そう「やり得」と考えて実行していたわけだ。
 魚類学者だって同じようなものだ。生態系の維持や生物多様性が人類の未来にとってどうして重要なのかをはっきりと述べていない上に、俺から見ればめずらしいからとか気に入っているからというような身勝手な理由でバスを悪者にし、特定の在来種をVIP待遇しているように感じる。
 一般民衆だって同じだ。めずらしいとかかわいいということになるとすぐに「保護賛成」となる。俺が地元の商工会で他の小売店の経営者たちと話をしていたときのことだ。バス問題が話題になった。皆、「バスは害魚だ」と決めてつけていた。俺が「どうしてそう決めつけるのか」と尋ねると、「バスは何でも食べちゃう悪いヤツだから。バスがいると他の魚がいなくなる。」という答えが返ってきた。俺が「そんな簡単に決めつけられることじゃない。琵琶湖じゃあバスが入ってからアユが増えている。」と言うと、「バスが入ってアユが増えるばすがない。なんかの間違いだ。」と反論された。「よそからやってきて、他の魚を食べるのがいけないんだったら、アザラシのタマちゃんだって同じじゃないか。タマちゃんは問題にしなくていいのか。」と問うと、「タマちゃんはいいんだよお。だってかわいいもん。」という答え。これには参った。答えの幼稚さに愕然としたが、結局、一般的な日本の大人のレベルなんてこれくらいなんだろうとも思えてきた。まあ、しょっちゅうマスコミに洗脳されているんだから仕方がないのかもしれない。
 いかん、いかん、いつの間にか話がまた琵琶湖の問題の繰り返しになっていくので、話を別の方向に進めるとしよう。
 要するに今まではいろいろな立場の人々がそれぞれ自分の都合のいいように湖沼の管理や活用を行っていた。そのうち釣り人(特にバサー)のすることだけが公の権利として認められなかったのだ。
 それはなぜか。理由はいろいろある。ここですべて書くとまた長くなってしまうので、次回以降にしようと思うが、とにかく現在のような不平等な立場を払拭しなければバス釣りの未来は暗いものになってしまう。
 その手立てはいろいろあるだろうが、1つは行政への訴えかけ。滋賀県のような凝り固まった大きな自治体を動かすのは難しいかもしれないが、各市町村や各地区のような小さな自治体ならば、こちらがしっかりとした根拠を示せば前向きに対応してくれる可能性は高いように思う。
 もちろんこのご時勢、簡単にはいかないだろうが、無理だと決めつけて何も働きかけをせず、バサーが個々にひっそりと釣りをするようなことのみを続けていたんでは、いつまで経ってもバス釣りは市民権を得ることができない。それどころか、ますます肩身の狭い状況になり、アングラな世界へどんどん深く入り込んでいかざるをえなくなる。AV業界のようなアングラモードならまだいいが、それこそナチスの追跡から逃れるために身を隠して行動するユダヤ人のようなモードになりかねない。すでに場所によってはそれに近いところもあるのではないだろうか。
 ちなみに俺はAVもバス釣りも好きだ。まあ「好き」の方向性というか質は違うが…。いかん、いかんバカなことを書いていると話は進まないし、またお客にいじられるネタを提供しているだけになってしまう。話を戻そう。
 前回も書いたように、地元渥美半島では幸い、渥美半島の野池を守る会の人たちの努力によって光が差してきつつある。とにかくこれからは行政の担当者や地区の管理者に加えて、地域住民の理解が得られるように今後の取り組みを発展させていかなければならないと思う。そしてこのことは会のほとんどの人も同様の思いに違いない。(自分が十分やれてないくせに、勝手に断言してすんません。)
 理想的な湖沼の利用は、大勢の人を巻き込み、いろいろな人の立場になって柔軟に物事を考えていくことによって初めて実現されると思う。
 俺にはすべてバス釣り優先の池になればいいなんていう考えはない。バス釣りができる池の近くに在来種のみが生息していて、その環境を楽しめる池があっていい。場合によってはバス釣りと在来種の観察が同時に楽しめる池があってもいい。それぞれの池が持つ特性を考慮した上で、池を使用する人たちと地元の住民が話し合っていろんな立場の人が納得できるようにしていけばいい。それだけだ。
 しかし、これを実践していくにあたっては大きな障壁がいくつもある。次回はそれらが一体何かということについて書いていこうと思う。



ようやく再開 1月5日

 超久しぶりに「店主の主張」を再開する。
 前回からなんと5ヵ月が経過した。その間、多くの皆さんからこのコーナーの再開を望むお声を頂戴した。ありがたいし、少しでも早く再開したいと思いながら、ついつい今日まできてしまった。他のページはしばしば更新していたのだが、こちらを更新するとなると、ある程度時間をかけ、気合を入れて臨まないとなかなかできない。それくらいこのページを更新するにはパワーが必要だ。
 昨年の4月の途中からは正直忙しくてそのパワーが残っていなかった。見かけは体格がよく、常にパワーたっぷりのように見えるが、とうしてどうして実は結構お疲れモードだったのだ。
 ようやく子ども会の大きな行事がほとんど終わり、釣りもオフシーズンになり、正月の初売りも一段落ついた。再開できる下地が整った。本当に「やっと…」という感じだ。このページの再開を望んでいた方も同じ気持ちだろう。
 あんまり前置きばかり続けていても仕方がないので、前回の続きを書いていきたいのだが、あまりにも期間が開きすぎてしまった。陸上競技でも久しぶりに走る場合はよくウォーミングアップをしないとアキレス腱を切ることがある。ということで今日は、前回の続きを書かず、休んでいた間のバス問題に関わる出来事を簡単に振り返ることにしたい(アキレス腱の例えとどういう関係があるのか、つっこまれると困るが…)。
 まずは9月の衆議院総選挙。小泉劇場が人気を博し、自民党が圧勝。新内閣では問題の小池環境大臣の留任が決まった。この時点で、今年の9月まではバスに対する風当たりが強くなれど、弱くはならないことが決定したと言っても過言ではない。6月から特定外来生物被害防止法が施行され始めたばかりなのだから、まあ誰が環境大臣になってもそうそう変わらないんだろうけど、小池大臣が留任したのと別の人が就任したのとでは気分が天と地ほど違う。正義や真理や愛情のためではなく、損得や地位・注目を考えて行動する小池大臣の姿に俺はメチャ嫌悪感を抱くのだ。俺にとっては昨年話題になった「騒音おばさん」以上にうっとうしいヤツなのだ。それが「刺客第一号、勇気ある決断」という具合に英雄扱いされてしまうのだから世の中って恐ろしい。小池大臣が目の前に現れたら俺なんか騒音おばさんのように「退陣、退陣さっさとさっさと退陣」と叫んでしまうかもしれない(現に今この文章を打ちながら、足に掛けている毛布を定規で叩いて気合を入れている)。
 いかん、再開したと思ったら新年早々暴走癖が再発してしまった。お客にこっぴどく灸をすえられるとまずいので話を進めることにしよう。
 特定外来生物被害防止法が施行され始めた当初は大きな動きはないように見えたが、それはあくまで行政側の様子見。次第に全国各地でバスの駆除=バサーの締め出しに乗り出す自治体が増え始めた。特定外来生物被害防止法がそうした動きを後押しするだろうという予想が現実になってきた。
 滋賀県は今になって琵琶湖のレンタルボート屋に立ち退き命令を出し始めている。行政は「ボート屋に対して住民から苦情が寄せられている。以前から違法行為であることを忠告してきたが、ボート屋は無視し続けてきた。」というようなことを言っているが、俺から見ればタイミングを見計らって立ち退き命令を出したように思える。ここでいうタイミングというのは、外来生物法の施行によって全国に広がりつつあるバス駆除の動きだ。これは滋賀県が琵琶湖で2年間続けてきたリリ禁の強力な後押しになっていると俺は分析している。ようするに「赤信号みんなで渡れば怖くない」式の考えだ。みんなが付いてきてくれれば滋賀県は先頭に立って次の段階へ歩を進めることができる。おまけに外来生物法の施行とマスコミの報道により、バス釣りに関わっている人は完全に大衆から悪者と見なされるようになってきている。そうなれば怖いものなしだ。その結果が今回のボート屋の立ち退き命令だと俺は考える。
 確かに法的にみると県の指導に従わないボート屋が悪いのだが、行政側のいやな魂胆が見え隠れしているだけに胸くそが悪い。滋賀県の国松知事が俺の目の前に現れたらやっぱ「退陣、退陣さっさとさっさと退陣」と叫んでしまうかもしれない。
 いかん、いかん、このままでは同じような暴走を繰り返してしまう。これじゃあ、環境省や滋賀県がやってることと同じレベルになってしまう。話題を変えよう。
 悲観的な話題が続いてしまったが、望みのある話題もあった。それは渥美半島の野池を守る会の活動努力により、野池開放の可能性が出てきたこと。会の人たちが取り組んできた月一度のゴミ拾いが認められてきていることの現れだと思っている。加えて、会の中心的な人たちがゴミ拾い以外の面でもいろいろと積極的に動いてくれているというのが大きい。まだ今後どうなるかはっきりしない段階なのでこれ以上のことは勝手に書けないが、いい傾向であるというのは事実だ。
 日曜日に店に居なければならず、なかなか会の活動に協力できないことが多かった俺だが、自分のできる範囲でお手伝いができれば…と思っている。今年はスタートしたばかり、どんな1年になるか不透明だが、とにかくバス釣りに限らず、将来を見据えて、釣りの問題に積極的に関わっていきたい。そして、少しでもいい流れを作っていきたい。
 結局、まじめな決意でこのコーナーの再開と1年のスタートをしめくくることになった。うーん、やっぱ俺って冷静沈着なんだよなあ
 もう一つの悪い癖、自己陶酔と自己賛美が出始めたので、そろそろ終わるしかないね。ではまた次回をお楽しみに。次回はちゃんと5ヵ月前の続きを書くから。
 


いまだになくならない密放流 7月22日

 先日あるお客さんから驚く話を聞いた。最近岐阜県のある湖でスモールマウスバスがよく釣れるようになったといううわさだ。どうも6月1日の特定外来生物被害防止法施行前に入れてしまえということで別の湖からかなりの数が持ち込まれたらしい。
 これはあくまで俺とお客さんとがうわさをもとに推測したことで、事実だと断言はできない。しかし、これと似たようなことが全国各地、そしてごく近所でもあるということは事実だ。
 何度も言っているように1992年前に放流してしまったものは仕方がない。1992年以降であっても放流が大々的に取り上げられ、問題視される前ならまだ言い訳が立ったかもしれない。けれど今は中井克樹や秋月岩魚らが「バサーはいつまでも勝手に密放流を続ける悪いヤツ」というレッテルを貼り、マスコミの後押しにより世論も同調している時代だ。バサーでなくても密放流はヤバイことという認識が定着している。こんな状況下でバサーがバスを密放流したらどういうことになるか…。
 6月1日直前にバスを放流した人がいるとしたら、施行以後だと罪が重くなるから今のうちにという気持ちでやったんだろう。たしかに1箇所放流するごとにバスが釣れるフィールドが1つ増えるわけで、一見バサーにとって好都合のように思える。しかし、このことがばれるとどうなるか。ただでさえ肩身の狭い思いをしているバサーの立場がさらに危うくなってしまう。しかもばれるのは確実だ。「全国各地で特定外来生物被害防止法施行前の駆け込み密放流が頻発」となれば、駆除派の思う壺。バス釣りそのものが全面禁止まで発展しないとも限らない。そうなれば当然放流した本人も釣りができなくなる。
 自分がおいしい思いをしたいという安易な気持ちがとんでもない事態を引き起こすことになりかねないわけだが、当の本人にはそうした危機感はないのだろう。危機感があったならこの時期に密放流などするはずがないから。
 はっきり言って自分の所有ではないところに自分の都合で勝手に他の所から持ってきた生き物を放すという行為そのものに問題がある。これはバスに限ったことではない。
 少し前にクワガタブームがあり、俺の知人で家で育てたオオクワガタを近所の山に放し、自然繁殖させようと試みたヤツがいた。オオクワガタが近所の山で獲れれば単純に楽しいと考えたからだ。結果については聞いていないのでよく分からないが、もしも繁殖したならばバスを放流し定着させたのと同じようなことをしていることになる。近所の山は公有地か他の人の私有地のいずれかだし、湖沼のような区切りも無く、しかも羽が生えた生き物なだけに広域に広がる危険性がバスよりも高いかもしれない。何はともあれ、めずらしく貴重な虫だから外来生物でも放してよいというのはおかしいと思う。
 このことは在来種についても同じだと俺は考えている。近所の学校でメダカがレッドデータブックに入っていることを理由に教室で育てたものを近くの小川に放流し繁殖させようなんてことをしているところがあるが、これもおかしな話だ。誰の許可も取らずに勝手に生態系を変えようとしているのだから、希少種だからいいとか、在来種だからいいとかいう問題ではないはずだ。それにレッドデータブックに入っていてもメダカはけっこういろいろなところに生息しているように思う。本当に絶滅危惧種なの?と首を傾げたくなったり、レッドデータブックの作成に政治的な思惑が絡んでいるのではないかと疑いたくなったりするのは俺だけか。
 国民の多くがマスコミを通して洗脳されたせいか、はたまた昔から国民の心の中にある国粋主義のせいか、メダカを放流し生態系を変えようとするすることはすばらしいことで、釣ったバスをその場でリリースするのは生態系を変える行為ではないのに罪になるなんていうのがまかり通るのだから、戦争のない世が長く続いてはいるが、別の意味で日本って恐ろしい国だとつくづく思う。
 だから仕返しとして密放流を繰り返すというのは自爆テロみたいなものだ。そうした悪質な行為は決して正当化されるものではない。
 まあ誰だって多かれ少なかれ秘密のうちにこっそり行動するということはあるだろうが、見つかっても照れ笑いをしたり、ほっぺたに赤い手形ができたりして終わりになるくらいのことで留めておくべきだ。周りの多くの人に迷惑をかけるかも知れない秘密行為は慎むというのが社会人の常識だと思うが、いかがだろうか。

 次回は、ではどうしたらいいのか、この点について書いてみたい。



3のパターン 7月12日

 しばらくお休みしていたと思ったら、なんと20日近くも間が開いてしまっていた。
 自分では1週間位のつもりでいたんだが…。ホントに時が経つのは早いものだ。最近もの忘れがひどくなってきたし、たいして使っているわけでもないのに(使わないから逆にいけないのか)無性に腰が痛むときがあるし、歳を感じる今日この頃だ。
 まあこんな言い訳じみたジジくさい話はたいがいにしておいて本題に入ろう。
 今日はいよいよというか、ようやく最終の3のパターンだ。
 3のパターンというのは、希少種が生息していないバスフィールドを指し、全国的に見て大部分がこのパターンに属している。
 希少種が存在していなければ何も問題はなく、大手を振ってバスフィッシングができそうなものだが、現実は厳しい。実際、全国各地でもめ事が起きている。もめ事の原因はいろいろあるので、分類しながらその中身を見ていくことにしよう。
 1つ目は漁業被害が原因になっている場合。これは内水面漁業が行われているフィールドでは必ずと言っていいほど問題になっている。理由は簡単だ。自分たちが獲っているいる魚がバスのエサになっているからだ。漁師はその魚を獲り、売って生計を立てているわけで、たとえバスのせいで漁の対象の魚が減ったわけではないにしろ、目の前でバスに食われる場面を見ると怒れてくる訳だ。これが自分たちが手間とお金をかけて育てた稚魚がやられたとなるとなおさらだ。この感情については漁師でない俺でも理解できる。
 霞ヶ浦、八郎潟、諏訪湖などでバスが問題視されている原因のほとんどがこうした漁業被害である。それどころか琵琶湖の問題の多くも同類だと言える。大変な問題のようだが、これについては俺も青柳さんが述べているように漁業法を見直すことで対応できると考えている。このことを書くと長くなるので後日詳しく書くことにしたい。
 2つ目は希少種はいなくても在来種がおり、その在来種の減少が「バスは昔からいる小魚を食べる悪い魚」という住民の意識となり、それがさらにバスがいることで成立するバス釣りも悪いことという具合に発展し、やがてバス釣りの締め出しへと動いてしまうというパターン。
 これについては誤解されている場合もあるし、実際に在来種の減少がバスの移入によって起こっている場合もあるのでしっかりとした調査をした上で対応すべきだと思う。
 それにたとえバスが原因で在来種が減っていたとしても、それがイコール「悪いこと」と短絡的に考えるのはおかしいと俺は思う。この理由についても書くと長くなるので後日述べることにしよう。
 3つ目はバスというよりもバサーがうっとうしい存在だと思われているというパターン。はっきり言ってこの原因のほとんどはバサーにある。つまりバサー自身が変わらない限り問題は解決しない。
 ゴミのポイ捨て、迷惑駐車、危険行為、施設の破壊など全国各地で起きている例をあげたらきりがないくらいだ。
 人間として最低限のことができなくて権利ばかりを主張していたのでは誰も味方してはくれない。大部分のバサーはきちんとやっている。なのに一部のバサーが悪いため世間ではバサーはマナーの悪いヤツと見られてしまっている向きがある。これはすごく残念なことだ。
 こうした状況を変えていくのはバサー一人ひとりの取り組みにかかっているわけだが、バサーの意識を変えるように小売店やメーカーやバス釣りを扱っているメディアももっと努力すべきだと思う。
 次回からはこうした点について具体的にバサーやバス業界について苦言を呈していきたい。かなり辛口の文になると思うので、覚悟していて欲しい。特にバス業界の方々はご用心を。俺は人気や実力のあるなしなんて関係なしでストレートに思ったことを書くから。


2のパターン その3 6月22日

 今日はバスが生態系に大きな影響を及ばしていることが明らかになった河川や湖沼の対応策について述べていきたいと思う。
 まず考えなければいけないのが、生態系に及ぼす影響の大きさと内容だ。
 生態系と言ってもバスの場合、一番問題になるのは他の魚、エビ、水生昆虫の生息数に与える影響だ。他にもプランクトンの変化やそれに伴うもろもろの水質の変化なども考えられるが、他の魚などの生息数の変化と比べれば話題性は低い。つまりそれらがネックとなってバス及びバス釣りが問題になることはまずないはずだ。
 逆に減っているのが、絶滅危惧種だと大問題になる。しかもそれが学術的に価値の高いものであったり、世間的に注目度の高いものであったりするとなおさらだ。
 ところが、世間でさかんにバスを害魚扱いしているわりに、バス釣りで有名なフィールドでバスが絶滅危惧種を減らしたという資料は探してもなかなか見つからない。最初からバスを他の魚の大敵だと感情的に決めつけて述べているものや1のパターンで紹介したようにバス釣りのフィールドとして魅力のない小さな池の事例はあるが…。
 この理由は大きく3つ考えられると思う。
 1つ目はフィールドの規模が大きい故に調べるのに手間がかかるため、今までしっかりとした調査が行われておらずよく分からないということ。
 2つ目は実際に調べてみたら、漁協が放流した魚に対する漁業被害はあったとしても、希少種が減っているなど生態系の面で大きく取り上げるような被害は見当たらなかったということ。
 3つ目はバス釣り場として値打ちがあり、かつそこに希少種が生息しているようなフィールドがほとんどないということ。
 俺も具体的にどの河川や湖沼がどのパターンになるかはほとんど分からないが、ほとんどがいずれかのパターンにあてはまることは間違いないと思う。
 ようは影響がないか、影響のあるなしがはっきりしないかのどちらかということになる。
 これではバス駆除派にとって都合が悪い。何か理由付けをしないとバスを駆除する説得力に欠ける。そこで世論を味方につけるためにいつも登場するのが、水槽実験と琵琶湖固有種のニゴロブナとホンモロコということになる。
 はっきり言って、もそんな幼稚な実験や漁師が獲っている魚を事例にしたって、バカな人が騙されるだけの話だ。しかも漁獲量のデータからは影響はほとんど読み取れないのに被害が甚大とくるから困ったものだ。
 いいかげんそういう路線から脱却し、漁業に関係していない希少種を対象にした調査をきちんとすべきだ。俺としては、そうしないかぎりバスを駆除したりハサーを追い出したりするのを認めるわけにはいかない。これは個人的な感情ではない。ものの道理を通すとそうなるはずだ。
 その結果、希少種や固有種に対する被害が大きいということが明らかになった場合はどうしたらいいのか。
 当然対策は必要だが、この場合でもいきなりバスを駆除したりバス釣りを禁止にしたりするのではなく、そのフィールドに通っているバサーの気持ちやそこでバス釣りに関わって仕事をしている人たちの気持ちも大切にしてほしいと思う。学術的な見地からすれば固有の生態系を維持することが大切だろうし、俺は学者たちのそうした思いを否定しようとも思わない。そういう思いがあったっていい。しかし、バサーにはバサーの生きがいがあり、バス釣りに関わっている人にはその人の生活があるわけで、それも大切にしてほしいということが言いたいだけだ。
 1のパターンのときにも書いたが、「生物多様性の維持は重要だ」といきなりそれが当たり前のように言い切り、バサーを悪者にするような今の状況は絶対におかしい。しかもそうした学者たちが湖のあり方についての主導権を握っているのだから変な話だ。
 別に俺は「学者の言い分を無視しろ」と言いたいわけではない。ちゃんとした根拠や理由もなしに「生物多様性は人類にとって大切」で片付けてしまうのはおかしいと言いたいだけだ。ものめずらしいからの残さなければいけないとか、自然を変えちゃいけないということではなく、人類の未来やその地域に住む人たちの生活にとってどう重要なのかを明確に説明してほしい。ちなみに今まで俺が納得するような解説をしている学者は俺の知る範囲では誰もいない。
 はっきり言って勝手な対策をする前に、しっかりとした調査をした上で、もっと多くの人の意見を聞いたり、しっかりと話し合いをする場を設けるべきだ。今までのように行政にとって都合のいいようなメンバーで話し合いをするのではなく、バサーの声やバス釣りに関わって生活をしている人の声を大切にすべきだ。当然漁師だって話し合いに参加してもらえばいいし、何よりも住民一人ひとりの思いを大切にすべきだ。
 その際くれぐれもお願いしたいのが、今までのように偏った情報ばかりを流し、駆除派にとって都合のいいような世論形成をしないということだ。
 それからできる限りバスと在来種、言い換えればバサーと他の人々が共存していく道を考えて欲しい。
 以上のことをした結果、どうしてもバスを駆除しなければならないとなった場合は仕方がないと思う。しかし、そのフィールドからバス釣りが消えてしまうことで起こるマイナス面をどこかで補って欲しいと思う。
 近くの別のフィールドを開放しバス釣り場として積極的に活用する、駆除対象となったフィールドでバス釣りと深く関わって生計を立てている人にはなんらかの生活補償をするなどの対策が考えられると思う。
 そうしたときなんと言っても琵琶湖の対応策が断然難しい。すでに琵琶湖では徹底的なバスの駆除が行われている。しかし、それは何度もいうように今の時点ではちゃんとした根拠に基づいたものではない。まずはこうした身勝手な駆除活動を止めさせなければならないが、これが一筋縄ではいかない。
 琵琶湖でリリース禁止を実施する前に滋賀県がパブコメを実施した。リリ禁反対の意見が1万以上も寄せられたのにも関わらず、そうした意見を完全無視してリリ禁を実施した経緯がある。こうした体制を崩すのは難しい。
 もしもそれが崩れたとしても、琵琶湖は日本一の固有種の宝庫であり、内水面漁業にも他の内水面と比べて多くの人が関わっている。しかもそれが琵琶湖の固有種と関わっている。湖岸沿いに民家や農地、商店、工場など人々の生活と関わっている利用形態が多く見られる。という具合にクリアしなければならないハードルがいくつも重なっている。
 一方バサーの側から見れば、琵琶湖は日本一のバスフィールドであり、琵琶湖に変わるフィールドなど日本には存在していない。ましてや琵琶湖の近くとなると中規模のダム湖がいくつかある程度にすぎない。もしも琵琶湖からバサーを締め出した場合、締め出された人たちはどこでバスフィッシングを楽しめばいいのか。そして琵琶湖でバスフィッシングと深く関わって生計を立てているボート屋や釣具屋はどうしたらいいのか。琵琶湖が大きく魅力的なフィールドだけにこうした人たちの数もハンパじゃない。今はそういう人たちの受け皿なしにことが進んでいる。これは憲法で保障されている基本的人権にも関わる大問題だ。漁業が極端に優遇され、バス関係者が極端に冷遇されるなんておかしな話だ。行政がそうした差別を平然と行っているのだから困ったもんだ。
 そこで提案なのだが、できる限り琵琶湖のバスフィッシングを残し、在来種や漁師と共存していくことはできないのだろうか。バスの影響で固有種が減少していることが調査から明らかになったとしたら、減少している固有種を保護するための特別なエリアを設けてもらっても構わない。そこではバスを駆除してもらっても構わない。
 一番話題になっているニゴロブナやホンモロコについては、まずヨシ原を昔のように戻すことから始めるべきだろう。さらに必要に応じて禁漁などの措置をとる必要があるだろうし、場合によっては両種が生息しているエリアのバスを駆除するということも考えなければならないのかもしれない。
 いずれにせよ、琵琶湖全域でリリ禁を実施するというのはどう考えてもいきすぎていると思う。駆除派は「別にバス釣りを禁止にしたわけじゃない。やってもらっていいからリリ禁だけは守ってくれ」と言うが、バサーにしてみればそれは受け入れがたい規則なのだ。そのことを駆除派が分かっていないのか、分かっていてわざとやっているのか、いずれにせよバサーにしてみれば憤りを強く感じることに変わりない。
 だいたい釣った魚をどうするかは釣った人の意志にまかされているはずだ。別に人に危害を加える魚でもないのに「絶対リリースしちゃあいけない、生き物を殺して回収ボックスに捨てなさい」と命令する条例なんて世界的にもまずないだろうし、恥ずかしい規則だと思う。しかもそれを守ると、バスを全滅させよう考えている滋賀県の政策に加担し、結果として自分で自分の首を絞めることになるわけだから、賢明なバサーほど守りたくないとなるのは当然だ。
 滋賀県はもっと別のやり方を考えていくべきだ。リリ禁よりもエリアを決めてバス釣り禁止にしたほうがまだましだと俺は思う。だいたい今の南湖の自然環境でリリ禁を強要するなんてとんでもない。コンクリートで囲まれ、ヨシ原がほとんどなくなった湖岸や水質の汚れを横に置いといてバスを殺しさえすれば、琵琶湖の貴重な自然を守ることになるというのか。本当に馬鹿げている。
 結局、琵琶湖の問題を長々と書くことになったしまった。琵琶湖もいい加減だが、ようは他のフィールドの資料がほとんど見当たらなかったので対応策についても書けないというのが現実だ。ということで、2のパターンについてしっかりとした調査がなされバスの影響が明確になったなら、また意見を述べてみたいと思う。



2のパターン その2 6月22日

 今日は2のパターンについて具体的な例をあげながら話を進めていこうと思う。
 昨日の最後にも書いたように、どうしても琵琶湖に関係した話が多くなると思う。以前から琵琶湖の話が多いが、それだけ琵琶湖が典型的な例でかつ多くの問題をはらんでいるわけだ。なにせ日本最大のバスフィールドであると同時に希少種や固有種の宝庫(こちらも日本一)なんだから。
 まあ琵琶湖の話をまた一から始めるとまたまた長くなるので、結論に結びつくことを先に書くことにしよう。
 それは、琵琶湖に限らず、2のパターン、いやほとんどの湖沼や河川について、一部のマナーの悪いバサーを除いて、バサーはほとんど悪いことをしていないはずだから、悪者扱いされ追い出される筋合いはないということだ。
 だいたい今最大の問題になっている琵琶湖だってバサーがバスを入れたのかどうか不明なのだ。こんなことを書くと生物多様性主義者をはじめとする大勢の人から反論がありそうだが、俺の言うことは間違っていないと思う。なぜなら琵琶湖の漁師が過去に他の河川や湖沼から何度もいろいろな魚を移入してきたからだ。前にも解説したように故意にバスを入れようとしなくても、混入してしまうというのはよくあることなのだ。それぞれの可能性がどれくらいかは言えないが、バサーがバスを琵琶湖に入れた疑いは、滋賀県がギルを琵琶湖に入れた疑いよりもはるかに低いのは確かだ。なにせ後者の方は確信犯と言ってもいいくらいだから。なのに滋賀県はこのことで謝ったことは一度もないはずだ。ならばバサーが琵琶湖にバスが入ったことでとやかく言われるのはおかしいはずだ。
 おまけにバスが琵琶湖に生息する貴重な固有種を減少させる原因になったどうかも定かではない。これについても以前書いた通りだ。もしもどうしてもバスが主たる原因になっていると思うのなら、公平な立場の人がちゃんとした調査をし、そのことを立証しなければいけないと思うが、いかがだろうか。第一毎年億単位のお金が外来魚の駆除費として使われているんだから、バスと貴重な固有種との関係を解明するように努力すべきだ。広い湖内のことだから完全には解明されないまでも、数百万円程度の経費とある程度の手間をかければ分かってくることはいっぱいあるはずだ。それをやらずしてバスを駆除することばかりにお金と時間を使うなんておかしい限りだ。しっかり調べたらバスの影響はたいしたことがなかったということになると困るのでやらないのだろうか。そういう変な詮索をしてしまうのは俺だけだろうか。
 話をもとに戻そう。
 細木数子くらいはっきり言うと、琵琶湖の生態系を故意にめちゃめちゃにしたのは、被害者を装っている滋賀県と琵琶湖の漁師の方だ。このことも以前少し触れたのでもうお分かりの人もかなりいると思うが、俺は徹底的にやるほうだから、ここでも書かせてもらう。滋賀県には琵琶湖総合開発でさんざん希少種の産卵場等をつぶした重罪がある。漁師には無秩序な放流や固有種を獲り続けたことによって生態系を破壊した重罪があるのだ。
 じゃあ釣り人は生態系を壊す何をしたのか。ほとんど何もしていないはずだ。水中にルアーを残してしまったこと、船外機の使用で湖水を汚してしまったことなどは確かにあっただろう。しかしこれらとて、滋賀県や漁師がしてきたことと比べたらはるかに軽い罪と言えるはずだ。
 俺の記述に対して、滋賀県は「治水や利水のためだ。それが行政の仕事だから仕方がない」と言うかもしれない。漁師は「生活のためだから当然だ」と言うかもしれない。それなら釣具屋やボート屋だって仕事としてやっており、生活がかかっているはずだし、バサーの中にはバスフィッシングを生きがいにしている人だって大勢いるはず。そう、バス釣りに関わっている人たちだって人生がかかっているのだ。
 もしもバスやバスフィッシングが今マスコミで紹介されているほど悪い種であり悪いことだとしたら、どうして今のように問題がこじれる前に手を打たなかったのか。外来魚の移殖禁止の規則ができたのは、ほとんどの河川や湖沼にバスが入り、バサーも増えた後だったのだ。芦ノ湖にバスが入ってから実に60数年に渡りこれといった対応をしてこなかった国や地方自治体にこそ責任があると思うのだが、いかがだろうか。
 以上のことから、まずは行政や内水面の漁師が自分たちが犯してきた罪を正直に認めることから出発しない限り、今回話題にしている2のパターンのフィールドにおける本当の解決はいつまで経っても達成されない。俺はそう断言する。今回の特定外来生物被害防止法のように力ずくでなんとかしようと思ったって、どこかの外国の圧政と同じで、必ずやいつかは行き詰るときが来るはずだ。
 いかん話が不満たらたらになると長くなってしまう。もとに戻そう。
 2番目ににやるべきことは今日も書いた通り、実態調査だ。その結果、バスが生態系に大きな影響を及ぼしており対策を講じる必要がある河川や湖沼のみ、フィールドごとに最善の対策を考え、実行するのだ。とにかく調査をせずにいきなり駆除するというのはものの道理に合わない。何度もいうがフィールドによって実態は千差万別なのだから。
 では調査の結果バスが希少種や固有種を減らす大きな原因になっていることが明らかになったとしたらどうすべきか。待ってましたとばかり駆除したりバサーを締め出したりすればいいのか。
 これらの対応策もフィールドによって違うべきだと思う。今日は結構長くなってきたのでここら辺で終わりにして、続きは次回ということにしよう。
 

2のパターン その1 6月18日

 「2のパターン」というタイトルを見ても何のことか分からない人が多いのではないだろうか。それもそのはず、この話題について触れたのは、もうかれこれ2ケ月以上も前なのだから。文を書いている俺だってどんなことを書いていたのか、少しあやしくなっている。いきなり情けない話からスタートですみません。ペコリ(パソコンに向かって頭を下げた)
 ということで先ずは2のパターンについて解説することにしよう。
 2のパターンがあるということは当然その前に1のパターンがある。これについては4月2日に書いているので、詳しくはそちらを見て思い出して欲しい。
 えっそれじゃあ無責任すぎるって。じゃあ、パターン分けの概要だけ再度解説することにしよう。
 俺の持論として、バスをどう扱ったらいいかはフィールドによって異なるということを何度も述べてきた。そのことはこのコーナーを見てくれている人はご存知だと思う。それでフィールド別に3つのパターンに分けて対応策を考えみることにしたわけ。
 1のパターンというのは、バスのフィールドとしては魅力がなく、希少種が生息している河川や湖沼だ。これは一見バサーにとってどうでもよいように思えるが、実はそんなに簡単に片付けるわけにはいかない。どうしてかは4月2日を見ていただければよく分かるはず。よし、ここまで書けばもういいだろう。
 そして今日扱う2のパターンはバスのフィールドとして魅力があり、かつ希少種が生息している河川や湖沼というわけだ。
 ちなみに3のパターンはだいたい想像がつくと思うが、バスのフィールドとして魅力があり、希少種が生息していない河川や湖沼ということになる。
 これから先の展開も誰でも分かるように、今日扱う2のパターンが一番難しい。バサーと生物多様性主義者の主張というか利害がぶつかり合うからだ。おまけになぜか今はほとんど後者の方が有利になるようになっている。前にも書いたように俺は原則論で言うとバスを極力駆除すべきではないと考えている。俺がバス釣りが好きだからバサーの味方をしているわけではない。どう考えてもそれが正しいと思えるからだ。そのわけについては3月24日の文を読み直すと分かると思う。
 だから、少なくとも希少種なり固有種が目立って減少していなければ、バスを駆除する必要はないと思う。今現在はバランスが保たれているわけだから。なにも誰かさんみたいにやくざのようにイチャモンをつけていきなりバスを駆除しようとするなんておかしい。そしてこれに同調するマスコミもおかしい。
 では希少種や固有種が減少している場合はどうしたらいいのか。
 これについては俺が前に書いたように、先ずは原因をきちんと突き止めることが大切だ。なのに、今は希少種が減ると、こちらもいきなりすべてバスのせいになっている。
 思いおこせば、小学校高学年とき、俺は先生に文句を言う生意気なガキだった(「今のあんたを見てるとうなずける」と言われそうだが)。ある日の掃除の時間、俺は一生懸命ゴミを拾っていた。誰かが作った松の葉をつなげたものが落ちていたので、拾い、いしみに入れようとしたところ、ちょうど担任の先生が横を通り、いきなり「掃除の時間にそんなものを作って遊んどるじゃない」と叱られ、わけを言う間もなく頭を殴られたのだった。
 生意気だったが、掃除をさぼるほうではなかったのに。先生の頭の中には悪玉としてのイメージしかなかったのだろう。もしも相手がおとなしくて自分の言うことをよくきく子だったらきっと対応は違っていただろう。理由をきいていたかもしれないし、「ゴミをしっかり拾って偉いなあ」とほめていたかもしれない。
 生意気だった俺にも少しは責任があるのかもしれないが、この事件については、はっきり言って濡れ衣以外の何ものでもない。
 今のバスは当時の俺と同じような状況にある。水槽の中で小魚を喰うから、小魚が減ればすべてバスのせいとなるわけだ。まだ俺は人間だから真実を語って濡れ衣を晴らすことができるが、バスはしゃべれないのでそういうわけにはいかない。
 何度も俺が書いているように、バスが生態系に与える影響はフィールドによって大きく異なるはずだ。このことは4月24日のバッシンポジウムで水口教授も明言している。
 なのに、在来種が減ればすべてバスのせい。だから即駆除というのはどう考えても不条理だ。
 次回はこの問題について、再び琵琶湖の例を中心に書いていきたいと思う。


木崎湖ツアーを終えて 6月8日

 春の一大行事になっているうちの店主催の「木崎湖バスフィッシングツアー」が終わり、ようやく少しゆとりがもてるようになりそうだ。でもまだツアー参加者に配布するまとめが途中になっているし、ツアーの準備や地区のお役などで忙しかったために後回しになっている仕事もたくさんある。
 このページの更新もその1つだ。なにせ自分としてはちょっとお休みしたくらいの感じでいたが、改めて日付を見てびっくり。なんと1ヶ月以上も間があいてしまった。
 昨日店に来たお客さんからは「ぼくは毎日、朝、会社に行く前と、夜、会社から帰った後に『店主の主張』が更新されているか楽しみに開いているんだけど、ぜんぜん更新されていないので『今日もだめかあ』とため息ばかりついているんだけど…」と言われる始末。いくら忙しかったとは言え、1ヶ月以上も休んでいたんでは無理もない。
 お休みしている間に特定外来生物被害防止法が施行された。4月26日の文にも書いたが、バスフィッシングが禁止になるわけじゃないから気にしないなんて気にはなれない。これを契機にバス駆除の動きが広まろうとしているからだ。この動きをなんとか食い止めていかねば…。俺の主張がどれだけバサーのプラスになるか分からないが、俺の性分としては傍観者でいることができない。ありがたいことにこのコーナーの更新を楽しみにしてくれている人もいるし、自分自身に納得するためにも、まだしばらくはがんばって続けていこうと思う。
 ただがんばりすぎるとそれが重荷になって他のところにしわ寄せがおきると思う。いままで1回の文章が長かったが、これからはもう少し減らしていきたいと思う。俺が楽だし、読む人も楽だろうから。まあそう言っててもすぐに熱くなる俺のことだから絶対とは言えないけどね。
 ということで今日はこのへんにしておいて、次回はずっと前に途中になっていた池のパターン別の対応策について書いていこうと思う。(気が変わるような大きな出来事がなければね。)


バッシンポジウムに参加して 4月26日

 売り出しや他の用事に追われていて、しばらくこのコーナーが手つかずの状態だった。早く続きを書かなければ…という気持ちでいっぱいだが、4月24日の日曜日にお客さん(渥美半島の野池を守る会のメンバー)と東京で開催されたバッシンポジウムに参加してきたので、今日はその報告をしたい。
 水口教授の講演で始まったこのシンポジウム、内容のほとんどは目新しいものはなかったが、パネリストの話と俺の考えがほとんど同じだったので安心したというか、自分の考えの正当性が確かめられた気がして、これからの取り組みのはずみになるように思えた。
 俺にとって興味深かったのが、特定外来生物被害防止法でオオクチバスが指定されるまでの裏舞台を紹介してくれたこと。
 俺が予想していたように、環境省が最初から駆除派に都合のいいような展開で審議を進めていたことがいくつも紹介された。
 特にあきれたのが、具体的な数値が示された資料なしに審議が進められたこと。たとえば琵琶湖ならば漁獲量のデータがあるのに、中井克樹はそれをもとに話し合いをすることを拒んだのだ。それもそのはず、俺が分析した通り、漁獲量の推移からはオオクチバスの影響はまず読み取れないからだ。水口教授も俺と同じ分析をしていた。
 かと思うと京都の深泥池のような小さな特殊な池でオオクチバスが小魚に影響を与えたデータだけはしっかりと提示して、どんな場合でもオオクチバスが大きな影響を与えていると発言していたということだった。
 このような結果、オオクチバスが指定されたことに対して、水口教授は「だから濡れ衣なのです」と強く語っていた。
 それからもう1つ興味深かったのは、「魚類学者なんてバスのことは私も含めてほとんど知らないんです。だから学者の言うことなんて信用できないですよ。だいたいバス釣りをしたことがない人ばかりなのだから。皆さんのようにバス釣りをしている人が一番バスについて詳しいですよ。だから皆さんが見て、感じていることが一番正しいんです。」という言葉。
 これには笑えた。魚類学者がそんなことでいいのかよ、とも思うところだが、分かることについてはしっかり話し、分からないことについては知ったかぶりをせずに「分からない」と答える水口教授の姿勢に誠実さを感じ、俺たちの味方だからということを抜きにして信頼できるなあと感じた。それとともに、バサー諸君は水口教授の発言を力に、自分の考えや行動に自信をもって進んでいけばいいと思った。
 ただ水口教授の発言の中で、安心していいのかどうか、俺としては疑問に思えたこともあった。
 それは「国がこの法律はバス釣りやリリースを禁止するものではないと言っているのだから、堂々と釣りをすればいい。」という言葉だ。
 確かに環境省は水口教授が言っているいるようなことをHPにも書いている。しかし、一方では前回のこのコーナーで俺が指摘したように、環境省は地方のリリース禁止等について「各自治体でどのよう規制を行うかについては自治体の判断に任されていると考えます」と書いている。この文がある以上、俺はいくら「安心して…」と言われても安心できない。琵琶湖のリリ禁の裁判の第一審でも原告側(バサー側)の敗訴になっているくらいなのだから。
 とにかく地方の勝手な規制を許さないようにしていくのが、俺たちの当面の課題であるということは確かだ。
 後半の部では6名のパネリストから今までの取り組みの報告と参加者へのアドバイスがあった。
 俺が3つの質問を書いて提出したところ、そのうちの1つが取り上げられた。野池を開放してもらう際にネックとなっている安全面をどうしたらいいのかという点だ。
 これに対してアイアン横山さんなどから貴重なご意見を頂くことができた。オカッパリでもライジャケを着用するように心がけること、安全面のルールづくりをすすめること、そしてそれらの実践をを行政に提示し理解してもらうことなどだ。
 できるだけ早く渥美半島の野池を守る会の人たちと話し合い、いい対応策をみつけ、実践していけたら…と思っている。
 シンポジウムが閉会をむかえたとき、加藤誠司さんと本山博之さんが肩を組み「バス釣りを止めちゃだめだよ。」と参加者に力強く呼びかけていたのが印象的だった。今回のバス問題についてとても精力的にがんばってきた2人が組織などのしがらみを外し、心を1つにして呼びかけていたからだ。
 WBS会長のアイアン横山さんは閉会後も俺たちの相手をしてくれた。その誠実で真摯な態度にも心惹かれるものがあった。ウッドリーム社長の塩沢さんは俺の声を聞いて「ひょっとしたら樋口さんでは…」とわざわざあいさつに来てくれた。その丁寧な姿勢に深く感謝と敬意を表したい。

 わざわざ愛知県からせっかく東京まで出かけたのに、シンポジウムにだけ参加し、トンボ帰りしてくるなんてバカな連中だと思う(お客さんも同類にしてすまないが…)。
 でも俺にとっては東京のネオン街でふらつくよりもずっと有意義な一日だったと思うし、こういうお出かけもなかなかいいもんだなあと思えた。別にネオン街でふらつくのは嫌いじゃないけどね。
 何よりもお客さんが一緒に参加してくれたのが嬉しかった。一人でいるのがけっこう好きな俺だが、同じ思いの人たちと一緒に歩むというのも本当にいいものだ
 帰りの車の中でいろいろな話題がのぼった。釣りに関係のない漫談もけっこうあったけど、大部分はバス釣りのことについてだった。その中の1つに「こうしたシンポジウムを中部圏でもやれたらいいのに」という話があった。これは俺を含めた参加者4人の共通する思いだった。
 バスフィッシングを守っていくためにも、できることなら実現したい、と俺は思っている。

 ※ このシンポジウムの写真を「お知らせ」のコーナーに載せておいたので是非そちらも見てください。


環境省に物申す 4月9日

 今日は、2のパターンについて書く予定だったが、6日にパブコメの集計結果が発表になったので予定を変更して、このことについて書くことにする。
 とにかく書かずにはいられないくらい環境省のコメントがひどい。マジで切れそうになってくる。
 皆さんはたぶんBFNのメールを読んではいると思うが、環境省のHPまでは見ていない人が多いのでは。そういう方は一度そちらも見てみるといい。いかにお役人がでたらめかが分かる。
 過去のパブコメで最多の意見総数が約2万だったのに対し、今回のパブコメではオオクチバスだけで10万通を超える意見が寄せられている(正確には107815通)。しかも、そのうちオオクチバスを特定外来生物に指定することに反対する意見が95620通を占めている。約89%の人が指定に反対という意見なのだ。
 なのに、環境省は平気で「賛成・反対の数の多少により特定外来生物の指定の是非を判断することは適切ではないと考えられます。」というばかげた一文で片付けている。
 確かに俺だってすべて多数決がいいとは思わない。少数意見を大切にし、正論についてはできる限り取り入れていくのが本当の民主主義だと思っている。
 だからと言って、多数の意見を完全に無視していいはずがない。もしもそれが正論でないと思っても、一度立ち止まって考えてみる必要があるはずだ。マスコミがあれだけオオクチバスを悪者扱いしているにも関わらず、これだけ指定に反対する人がいるということは、マスコミの報道に疑念を抱いている人や、指定されたら辛い思いをする人がそれだけ多くいるということだ。そのことが分からないのか。それとも分かっていて平気でやっているのか。どちらにせよ、まともな人間のすることとは思えない。環境大臣だってラジオのインタビューで「たくさん反対意見があったら考えてもいい。」みたいなことを言ってたはずなのに。
 パブコメに対する環境省のコメント(対応の考え方)を読み進めていくと、どう考えてもおかしいと思えることが他にもいくつか出てくる。
 「オオクチバスの専門家会合では、指定を見送る方向であったのに、環境大臣の発言で指定が決まるのはおかしい。民主主義に反する。」という意見に対して、環境省は「専門家会合は、専門家の立場から検討を行い、指定対象とすることが適切との結論に至ったものです。」とコメントしている。俺はこれを読んで事実(日釣振の高宮副会長の発言)と違う、環境省はうそをついている、と思った。ただよく読んでみると「指定する」とは書いていない。「指定対象とする」と書いてある。専門家会合では「オオクチバスの扱いについては釣具業界や釣り人の理解と協力がいるのですぐに指定というわけにはいかない。半年程の猶予期間がいる。」ということになっていた。これは取りようによっては確かに「指定対象としている」と考えることはできる。
 ただこうした記述はことばをあやを巧みに使った悪知恵で、うまくかわしているだけだ。知らない人が読むと、意見を出した人が事実を勘違いしているんだと思ってしまう。そこが大きな問題だと思う。
 しかも意見を書いた人は環境大臣の発言の是非を聞いているのに、環境大臣に関わることについてはまったく答えていない。どうして答えないのか。それは環境大臣の発言が正当性のない暴言だったからだ。だから部下としては立場上答えられないのだ。いくら東大出のエリートかどうか知らないが、悪知恵を使ってごまかすことに神経をすり減らすような人生を送るなんて哀れだ。俺だったらそんな恥ずかしいことをしてまで地位にしがみつこうとは思わない。今のように何の肩書きも無い貧乏釣具屋のおやじのほうがはるかにいい。
 ごまかしはこのほかにもたくさんある。というか、ごまかしだらけだ。
 水辺の環境悪化、外来魚の管理不足、人造湖や管理釣り場の扱い、漁業の問題、利権の問題、釣り人や釣具業界が被るダメージ、生き物の生命の扱い、等々いずれについてもまともな回答を書いていない。読んでいて情けなくなってくる。
 一番ひどいのがキャッチアンドリリースについてだ。「バス釣りがしたいので…」という意見に対してのコメントでは「本法は釣りやキャッチアンドリリリースを規制するものではありません。」と書いているのに、「この法によりバスがいろいろなところでリリース禁止になりそうだから指定に反対。」という意見に対しては「各自治体でどのような規制を行うかについては自治体の判断に任されていると考えます。」と書いている。
 これじゃあ、国はべつに規制しないけど、県や市町村がやることは仕方がない、ということになる。なんとも無責任な発言だ。
 ライセンス制のような進歩的な意見が出てくると、今度は「ご意見として承ります」という具合に違った手口でごまかす始末。意見として承ったら、後でしっかりとした回答をするのが当然だが、この感じては期待できそうもない。
 さらに言わしてもらうと、俺はもっと他の意見を提出しているのに紹介されていないのがいくつかある。この点も解せないので、この場でいくつかを紹介させてもらう。
・当初この法律は、農林水産業に被害を及ぼすという記述ではなく、産業となっていた。どうして途中から農林水産業に変わったのか。作為的なものを感じる。観光・レジャー産業も自然を生かした産業である。それを対象から外した理由がまったく説明されていない。これはどう考えてもおかしい。バスを指定すると釣りというレジャー産業に打撃が出るため、指定しにくくなるので、農林水産業に限定したのではないかと思えてくる。国がそう思われることを勝手にしてはいけない。この時点で中立性に欠けている。
・オオクチバスが指定され、家の近くでバスを釣ることができる場所がなくなった場合、一番つらい思いをするのは少年たちです。すべてをバスポンドにしてくれとは言いません。少年たちが自転車でバス釣りに行ける釣り場を残すという約束をしてほしいのです。なのに国はそうしたビジョンをまったく示していません。だから指定には賛成できないのです。
・オオクチバスの増え方や生態系に与える影響は、河川・湖沼の条件によって大きく異なる。だから個別に調査した上で、駆除すべきところは駆除し、その必要性がないところはできるだけバス釣り場として開放すべき。ファンが多く、経済的にもメリットが大きいのだから。今、オオクチバスを指定すれば、それが実現する前に、各自治体が駆除に走るのは間違いない。
・学者の意見も大切だが、学者の意見ばかりを鵜呑みにし、そればかりに左右されるのはいかがなものかと思う。大切なのはまず国民の生活だと思う。たとえ環境省であってもそれが行政の真っ先にやるべき仕事である。国民の多くがまったく知らない種を守るために、大勢の国民が犠牲になるのはいかがなものかと思う。
・オオクチバスが指定されそうになっている根底となる理論に「生物多様性」がある。しかし、これが人類にとってどういう意味合いがあるのか、ほとんど国民に浸透していない。これは大きな問題である。このままオオクチバスを指定してしまったら、単に日本の小魚を食べる魚を退治したということだけで終わってしまう。戦争で負けたアメリカを生き物の世界でやっつけ、殺してやったという感覚しか残らない人々が大勢出そうだ。これでいいのだろうか。生物多様性はこれから人間が生きていくために大切であるということで重要視されているのではないか。しかし、どうしてそれが重要なのかという説得力のある答えが十分に示されていないように思う。これは大問題である。「生物多様性」という言葉がブームに乗って一人歩きしているように思えてならない。
・生態系については、国土交通省とも連携をとって対応を考えていかなければなりません。なのにそれができていません。たとえば、琵琶湖総合開発でいったいどれくらい固有種の産卵や生育の場が失われたか、知っていますか。その影響は外来魚どころではありません。環境のことを真剣に考えたら、国土交通省に警告すべきです。大型公共事業であればあるほど、国から県に多額の補助金が下りる制度はなくすべきです。こういうことを隠すために国がオオクチバスを悪者にして問題を片付けているとしか私には受け取れません。
・オオクチバスを指定する背景に漁業の問題があると思う。河口湖ではオオクチバスが第5種共同漁業権魚種として指定されているので漁業被害として問題になることはない。このようにもっと漁民や地域住民の意志で簡単にオオクチバスを漁業権魚種に指定できるようにすべきである。もちろんその意志がないところは無理にそうする必要はないが、今は意志はあるのに指定がとれないために問題がおきているところが多い。遊漁料を増殖義務として使うだけでなく、漁業組合員に還元することができるようにすることも大切である。さらに琵琶湖、霞ヶ浦、北浦、八郎潟を海扱いとする法規にも問題があります。海扱いのため、漁業権魚種指定ができないし、当然遊漁料を徴収することもできません。これは水産庁の管轄ですが、今回の問題を解決する上で大変重要な問題です。50年も前の法律が、時代に合わなくなっているのに、そのままになっているというのは行政の怠慢以外の何ものでもありません。オオクチバスの問題はこれが解決できれば大部分は解決します。
・無差別な駆除は効果がなく、多額の税金を無駄に使うことになる。このままオオクチバスを指定すると必ずそうなる。なぜなら地方は国が害魚のレッテルを貼ってくれたというお墨付きをもらったことになり、被害がなくても被害を装い、補助金として税金を巻き上げようとするからだ。これではおかしい。駆除するなら被害状況を個別に明確にする必要がある。今現在それがなされていないのに、指定するのは大変危険である。国民の大切なお金が、利権めあてで使われてはならない。
 まだまだあるが、さらに長くなるのでこの辺にしておくが、こうした俺の意見はまったくと言っていいほど紹介されていない。いったいどういうつもりなのか。過激すぎるのがいけないのか。誹謗・中傷になるのか。
 もしもそうだとしたら、指定に賛成の理由として、「駆除や管理のための費用は釣り業界から捻出させるべき。」というのが紹介されているのはどうしてか。こんなばかげたことを言うのはだいたい誰か想像はつくが、そいつと同じ意見なんてそうはいないはずだ。少数のばかげたしかも誹謗・中傷にあたる意見なのに取り上げられて、俺の意見が無視されるとはどういうことだ。差別もはなはだしい。
 日釣振との話し合いでは、環境大臣は忙しくて時間がないということで、当初からたった30分だった会談時間を、なんと10分未満に短縮した。いったい数分で何が話し合えるというのだ。
 そのくせ、バス駆除派のシンポジウムには最初から最後まで参加し、「大臣としてあれくらいのことをして当然」と独断でバスの指定を決めた自分のばかさ加減を正当化し、駆除派からよいしょの拍手をもらって喜んでいる。
 ようは、最初から最後まで指定に反対派は無視という考えなのだ。いろいろな人の意見よく聞き、真摯に物事の善悪を判断しようなんて気持ちはさらさらないのだ。
 そして、環境省というお役所も親分がこれだから、右に倣えというわけだ。
 大臣はくそばかでも、環境省のお役人はもう少し誠意ある対応をしてくれるだろうと考えていた俺がお人よしだった。やっぱりお役所も同じだったんだ。
 だけど俺はあきらめない。あきらめたら負けだ。

 前回のこのコーナーで「俺って心はデリケート」って書いたら、さっそく次の日にお客さんから「なにがデリケートだ。バリケードみたいな図体して。」とあしらわれた。これって考えようによっては誹謗・中傷だと思うが、やさしい俺はこれくらいのことじゃあ怒らない。そう「バリケード」と言われたくらいじゃあ、仙台で起きた事件のように、アーケード街をトラックで暴走するようなまねは決してしない。それどころか、余裕で笑って対応している。それくらい俺は心が広いんだ。
 だが、環境大臣と環境省の対応については許すわけにはいかない。だいたい俺と同じで、多くのバサーが小池環境大臣には早く○んでもらいたいと思っているだろう。その意をくんで、トラックで環境省に突っ込むなんてことは、俺の命がもったいないし、他のバサーをはじめ多くの人に迷惑が掛かるから俺はやらないけど、別の方法でとことん交戦してやろうと思っている。バサーの皆さんもあきらめず、とんな小さなことでもいいから自分にできることをがんばっていってほしいと思う。



1のパターン 4月2日

 今日は、前回の1のパターン、つまり希少種が生息していてバスのフィールドとしての値打ちがほとんどないという条件にあてはまる河川や湖沼について考えていくことにする。
 正直言って俺自身、わが国の希少な固有種にどんな魚介類があるのかよく知らない。「なんだいつも偉そうなことを言ってるくせに、いきなり知らないとはなんだ」と言われそうだが、バス釣りをやり込んでいる人の多くが、俺と同様あまり知らないと思う。
 今まではそれで当然だったが、これからのバサーはそういうわけにはいかないと俺は思う。今回のようなバス=害魚という図式をとり払うためには、多面的にそれを否定できる材料をバサー側が用意していなければいけない。バス以外の種が生態系の中でバスとどのように関わっているかを知ることは、その手立てとしてとても重要だと思う。
 野池でバス釣りをしているときに、地元のおじさんから、バス=害魚→バサー=悪いヤツという先入観で見られ、注意されても、「じつは、この池ではバスと小魚の○○はずっと以前から共存しているんですよ。どうしてそうなのかというと池の環境が…」と池の状況について他の魚のことも交えて話をすればバサーを見る目だって変わってくるのではないだろうか。もちろん、マナーをきちんとした上での話ではあるが。
 だから今回の1のパターンの河川や湖沼についても、たいしたバスフィールドじゃないので、バスをご自由にしてください、と開き直って終わりにしてはいけない。バサーもよく研究し、自然保護や生物多様性を訴える人たちとできる限り協力して、フィールドの管理に積極的に取り組んでいくべきだと思う。
 まだまだ研究不足の俺だが、自分なりに調べたフィールドがいくつかあるので紹介していくことにしよう。
 栃木県と千葉県の一部のため池にしか生息していないとされるミヤコタナゴ、宮城県鹿島台町の桂沢ため池に生息しているシナイモツゴ、宮城県の伊豆沼・内沼に生息しているゼニタナゴなどの例である。いずれの池もバスが入ったことでこれらの小魚たちが激減し、なかには生息が確認できなくなった種もあるというのだ。これらのフィールドの共通点として、池の規模が小さいこと(表面積が小さく、深さも浅いところが多い)、ストラクチャーが乏しいことがあげられる。
 こういう池の場合、バスが生態系に与える影響はどうしても大きくなりやすい。この点は素直に認め、対策を考えていくべきであろう。もしも希少種の減少が、バサーがバスを密放流したことと密接に関係しているのなら、釈明し、駆除に協力するのも一つの方法だと思う。
 ただし、世間がバスの駆除に走る前に、俺はここでいくつかの問題点をあげておきたい。
 第一は、どうしてバスを駆除して希少な固有種を守らなければならないのか、というのがはっきりしていないことだ。
 学者の中に「生物多様性を維持することは人類が未来に向けて生活していく上でとても大切なことである。」と言う人がかなりいるように思うが、俺には、どうしてそれが大切なのか今一歩よく分からない。バスが生息しているということは、それなりの自然がそこに存在しているわけで、決して悪いこととは言えないと思うからだ。生物多様性が維持されないと人類は滅びたり、大きな打撃を被ったりするのだろうか。うーんやっぱり俺には理解できない。学者たちがどうしてこんな発言をするのか、秋月岩魚さん、教えてください。いけない、質問する相手が悪かったね。どうして相手が悪かったのかは言わなくても皆さんなら分かるでしょ。言ってくれても分からない、上のような一部の学者の発言とえらい違いだ。
 まあそれは置いといて、もしも学者たちが単に「めずらしいことはいいことだ」というレアもののコレクション的な考えで希少種を保護しているとしたら、バサーがバスを密放流することと大きな違いはないような気がする。両者とも自分にとって心地よいという発想からその種を大切にし、増やそうとしているからだ。
 「いやいや違う。バサーは自分の楽しみのためだけに密放流して自然を壊しているが、我々はそうしたならず者から自然を守ろうとしているんだ。」と言われるかもしれない。一理あるような気にさせられるが、はたしてそれでいいのだろうか。
 だいたい自然というのは、生物だけでなくすべての面で変化している。いわゆる無常の世界だと思う。人間がその変化を加速させてはいるが、人間がいなくても自然は絶えず変化している。変化を加速させるのが罪だとしたら、変化を無理やり止めようとするのも罪のような気がするのは俺だけだろうか。生態系を保護することがすべて悪いこととは思わないが、それが行き過ぎると、人間の手によって生物の進化とか淘汰のプロセスを止めてしまうことにもつながりかねない。その点も考慮して対策を講じないといけないと思う。
 第二は、希少種が現在置かれている正確な状況がほとんど一般民衆に伝わっていないということだ。
 だいたい「希少種の魚の名前をあげろ」と言われてもほとんどの人が1つもあげられないのではないだろうか。それほど現状に対して無知なのに、バスに対しては小魚を食べ尽くし絶滅に追い込む悪い魚だから駆除すべきという偏った認識だけは、一般民衆の多くの人がしっかり持っている。
 無理もない、今の報道では、希少種を守るという建て前のもと、徹底的なバスとバサー叩きが行われているからだ。たしかにバスが最大の要因になっていて、それを取り除くと希少種の勢力が盛り返してくる場合もあるだろう。でもそうならない場合も多々あると思う。では、どういう対策を取ったらいいのか、きちんとした分析をもとにいろいろな具体例を民衆に紹介してほしい。その際は、当然希少種の名前やそれが生息する場所を例としてあげることなると思うが、正確な状況を伝えるためにも、くれぐれも偏りの無い報道をお願いしたいものである。
 今はフィールドの状況を明確にしていないにもかかわらず、バスの駆除だけが絶対条件として一人歩きしているような気がしてならない。それでは本当の解決策にはならないと俺は思う。
 第三は、ミヤコタナゴやシナイモツゴやゼニタナゴが絶滅するかもしれないほど少なくなったきっかけの多くは、人間の手による環境破壊や競合種の混入によるものだったということだ。
 これらの絶滅危惧種について紹介しているホームヘージを見るとそのことがよく分かる。
 絶滅危惧TA類に指定され、極めて危ない状況になっているミヤコタナゴについては、完全に人間による環境破壊が激減の主要因になっている。
 ミヤコタナゴは明治の後半になって東京都文京区で初めて発見された種である。まあ昔から関東地方に生息していたんだろうけど、当時は今のように種の研究がさかんではなかったのでなかなか発見されなかったというか、見ていても気にもとめていなかったのだろう。
 それはいいとして、文京区という東京の都心で発見されたことからも想像できるように、ミヤコタナゴは市街地やその近くのため池や小川に生息していたのだ。そのため高度経済成長期に生息環境が一気に破壊され、その数は激減していったのである。
 ゼニタナゴは以前東北地方のいたる所に生息していた。それが、琵琶湖などからのアユなどの移殖をきっかけにして激減してしまった。競合種であるタナゴの仲間のタイリクバラタナゴとカネヒラが混入したからだ。特にカネヒラはゼニタナゴと同様、冬に二枚貝に産卵する習性をもっているため競合の度合いが高い。現在東北地方ではカネヒラが生息域を広げているらしい。こうなるとゼニタナゴを激減させた主犯がバスだと簡単に言い切れないと思うのだが、どうだろうか。だいたいタイリクバラタナゴのような外来種やカネヒラのような関西にしかいなかった固有種が東北地方で元から居る種を駆逐して生息域を広げるということ自体、環境の変化が作用しているのではないかと考えることもできるのでは?
 琵琶湖の場合でもそうだったが、今回の特定外来生物被害防止法に関する報道では、こうした面からの分析がほとんど紹介されていない。そのことに対して俺はものすごい憤りを感じている。
 ミヤコタナゴやゼニタナゴのように以前はいたる所に生息していた生き物を人間の都合で勝手に絶滅に追い込んでおいて、絶滅の危険性が高まったら、今度は勝手にバスのせいにして、ものごとを解決しようとする。なんともおかしな話だ。
 俺はすべての人がそういう考えだとは言わないが、肝心な環境省をはじめとする行政、そしてマスコミ全般、さらに多くの学者たちがそういう態度なのだから本当に困る。
 是非上の三つの問題点をきちんとさせてから、バスの駆除を論じてほしいと俺は切に願っている。

 うーん、このコーナー、最近はずいぶんとまじめでレベルが高くなってきたなあ。これが俺の本当の姿なんだよなあ。生態系と一緒で奥が深いんだよなあ。そのことを分かって欲しいよなあ。
 ちなみに俺の店は店主のあくの強さに加えて移入種が入りにくい立地条件(単にへき地にあるので知られていないだけ)という環境のため、お客さんの数も質も限定されている。
 とにかく常連になればなるほど生命力の強いお客さんが多いと俺なりに分析している。キワモノにこだわる姿はハンパじゃない。それがもとで、俺はゼニタナゴのように駆逐され、ひっそりと店の片隅でしゃがみこむことがある。図体と声がでかいのでそうは見えないだろうが、心はデリケートなんだよな俺って。そのことも分かって欲しいよなあ。

 
生態系の変化とバスと対応策 3月26日

 前回の最後に示した問題点のうち、先ずは、バスが移殖されることによって起こる生態系の変化についてどう対応したらいいのか、述べていくことにしよう。
 以前書いたように、バスが生態系に与える影響は条件・状況によって大きく異なってくる。今までバス釣りの関係者はこのことをしっかりと述べずに「バスが入っても小魚はいる。だからバスが入っても問題ないんだ。もしも小魚が減ったとしたら水辺の環境破壊が原因だ。だからバス釣りをやらしてくれ。」といった感じの発言が多かったように思う。
 こうした発言のすべてが間違っているわけではない。しかし、すべてが正しいわけでもない。ここが問題なのだ。いくら多くが正しくても、何割か間違ったことがあると、バスを敵視している人たちは必ずここを突いてくる。そうなるとバス釣りの関係者の発言が、自分たちの楽しみや金儲けのために事実を歪めているという形で民衆に紹介されてしまう。実際の思いはそうではなく、自分が感じていることをストレートに伝えているだけでもだ。
 今の世の中、自然保護とか環境保全という言葉を口にすると即、正義の味方として歓迎されるような風潮がある。これはおかしな現象であり、これこそ大いに問題にしなければならないと思う。俺は別に自然保護や環境保全が悪いことだとは思っていない。これ自体は俺だってとっても大切なことだと思う。それが一種のブームになって言葉だけが独り歩きしている感があることに納得できないだけなのだ。
 根拠もなしに自分の勝手な都合でバスとバサーを徹底的に悪者に仕立てる発言をしている中井克樹や秋月岩魚が正論として扱われているのがその代表例だ。とんでもないことだが、これが現実だ。
 話し合いをするときの最初の条件がすでに平等ではないのだ。バス釣りの関係者は弱く、不利な立場にあり、駆除派は強く、有利な立場にあるのだ。そのことを胆に銘じて勝負しないと戦えない。
 相手と同じ次元で論を展開していたら、普通ならイーブンになる場合でも、今回は完敗の判定をされてしまうのだ。
 バスを悪く言う生物多様性主義者の論は何度も言うようにまともなものが少ないのだから、うまく対応さえすればチャンスはあるはずだ。
 先ずはバスが生態系というか河川や湖沼に生息する種の割合を変化させる可能性があるということを認めるところからスタートするのが有効な手段だと思う。
 そんなことを言ってたら最初から敗北を認めているようなものじゃないか、と思うかもしれないが、俺はそうとは思わない。大事なことは自分を守るために肩肘を張ることよりも、大勢の人の幸せを守るというという観点で事実を伝えることだ。そうしなければ、民衆は絶対にわれわれの思いを理解してくれるようには向いていかないと思う。
 このコーナーで何度も言っているように、バスがすべての河川や湖沼で生態系に大きな悪影響を与えているわけではない、したがって対応も一律すべて駆除というのはおかしいと言えば説得力が生まれてくると思う。その証拠として前に紹介した芦ノ湖や入鹿池などの例を紹介すればいい。使える事例は全国に数多くあるはずだ。今できつつあるバサーや釣り業界のネットワークをうまく生かしてこうした情報を集めるようにしたい。今まではどうしても水の流れと同じく上から下への通達という形で情報やお願いが流されたが、そろそろポンプで下の水を上に吸い上げてそれを整理し、再度下へ流すという循環型にする時期ではないかと思う。これは大変なことだが避けていてはだめだと思う。
 そうして集められた情報をまとめ、調査し、原因を究明した上で、各河川や湖沼ごとにしっかりと筋の通った対応策を提示していくべきだ。対象の河川や湖沼はたくさんあるが、対応策はたいていいくつかのパターンに集約されると思う。
 たとえば、日釣振が理想的な対応策をいくつかパターン別に示し、細かな点については各地域ごとに対応してもらうというのはどうだろうか。
 俺が考える対応策は次の通りだ。なお、漁業被害については生態系とは別の視点で後日対応策を述べることにしたい。
1 希少種が生息していて、バスのフィールドとしての値打ちがほとんどない河川や湖沼はバスを駆除してもらっても構わない。現在その希少種に目立った被害が出ていないフィールドでも念のため駆除するとなれば理解を示す必要があるだろう。人間の都合で勝手に生き物を犠牲にするのは忍びないが、一歩引かなければならないこともあると思う。
2 希少種が生息していて、バスのフィールドとしても値打ちがある河川や湖沼は、先ず希少種が減少しているかどうかを調査する。たいした変化が見られないのなら、今の種の構成で生態系が安定していると考えられるわけだからそのままにしておく。もしも減少しているとしたら、その原因の究明を先に行う。バス以外のことが原因として考えられる場合は、そちらもきちんとを対処する。バスが原因だということが明確ならば、バスに対しても具体策をとる。この際できる限り、希少種とバスの両方を大切にするという姿勢で臨む。なんとなく、希少種よりもバスを大切にしているように感じられるかもしれないが、前回書いた原則論をもとにするとこうなる。決してバサーに肩入れしているわけではないと自分としては思っている。
3 希少種がいない河川や湖沼は、その下流の水系に希少種が生息していなければ、なにもバスを駆除する必要はない。希少種以外に大きな影響が出ていて、対策を考えなければならない場合があるかもしれないが、この場合も極力バスを駆除すべきではない。これも前回書いた原則論をもとにするとそうなる。あとはそのフィールドを利用する人たちや地域住民が話し合い、なるべくみんなが納得する形で利用していくことが望ましいと思う。
 以上、大きく3つに分類してみたがいかがだろうか。
 次回からは1〜3について、具体的な事例をあげながら述べていきたいと思う。

原則論で言うと… 3月24日

 先日紹介したように、バスは繁殖力が強い魚だとは一概には言えない。テレビの報道は一部の例のみを紹介したものや、事実を誇張したり歪めたりしたものが多く、決して適切だとは言えないのだ。
 前々回に書いたように、さまざまな条件・状況により、バスの繁殖力は変わるのだ。当然、バスが他の魚たちに与える影響もさまざまな条件・状況により異なったものとなる。
 したがってバスをどう扱うか、つまり活かしていくのか、駆除するのか、何らかの中間策をとるのかについても状況をしっかりと見極めたうえで、臨機応変に最適な手立てを講じていくべきだと俺は考えている。
 まず、原則論で言うと極力バスを駆除すべきではないと思う。特にオオクチバスは正規な手続きを経て日本に移殖されてから、すでに80年も経過しているのだ。今の若者からすれば、生まれた時から近所の池に生息している身近な魚の1つなのだ。バスフィッシングの広まりにより、一度市民権を得たととらえても差し支えない魚なのだ。なのにどうして今になって日本から一掃しなければならないのか。まったく筋が通らない。
 ごくわずかなわがままででたらめな生物多様性主義の学者の言うことに振り回されて、200万人近くもいるバサーの思いが無視され、楽しみが奪われるなんてバカげている。
 バサーの多くが自分たちの楽しみだけのために密放流をくり返す悪人であるかのように中井克樹や秋月岩魚は言うが、ならばどうして内水面漁師が自分たちの都合で勝手にさまざまな移入種を全国の河川や湖沼に放流しまくっていることには何も言わないのか。固有種の宝庫琵琶湖に外来魚をも含めたさまざまな移入種を放流しまくっていたことには何も言わないのか。秋月岩魚にいたってはブルーギルについてさえ何も言わず、バスとバサーばかりを一方的に攻撃している。矛盾しているにもほどがある。いかん、秋月岩魚のことになるとついつい反論が多くなって話が進まなくなるので止めておこう。
 バスが全国に広がっていった原因は、バサーの手による無秩序な放流以外にも考えられる。漁業者がアユやワカサギなどを他の水系に放流する際にバスの稚魚や卵が混じっていたことにより広がった混入拡散がその1つだ。
 バスがある程度の河川や湖沼に定着すれば、必ずと言っていいほど、それよりも下流地域への流出が起こる。水は高いところから低いところへ流れていくからだ。
 俺の店がある渥美半島の野池の場合、バスが広まった原因の半分近くかひょっとしたらそれ以上は、この流出によるものだと俺は考えている。豊川用水を伝わって灌漑用のため池に入ったのだ。だから構造上、用水から魚類が入りやすい池ほど早い時期にバスの生息が確認されている。だいたい、できたときには魚は何もいなかった人工の灌漑用ため池にいろいろな魚が生息しているのが動かぬ証拠だ。バサーがバス以外の魚を放流するなんてまずありえないし、豊川用水上流に生息している魚と同じ種が多く見られるからだ。
 では、豊川用水の上流域(宇連ダムなど)にバスが生息するようになったのはどうしてか。密放流と混入のどちらが原因なのか、俺には分からない。ただし、琵琶湖固有種のハスが渥美半島の野池のいくつかに生息していることを考えると混入の可能性も大いに考えられる。ハスは釣りの対象にはまずならないからだ。となると琵琶湖からアユなどを移入するときに混ざってハスが入ったと考えるのが妥当であろう。バスは釣りの対象として人気があるため、同じ扱いはできないが、混入の疑いは捨てきれない。
 では、もしも豊川用水の上流域のバスがバサーの放流によって定着したものだとしたら、その水系のバスは駆除されるべきか。俺の答えはこちらもNOだ。
 1992年に水産庁から外来魚の移殖禁止の通達が出されるまでは、国やほとんどの自治体で規定がなかったからだ。規定があった自治体でも今の琵琶湖のように規定が大々的に取り上げられることはなかった。むろん強制力を発揮することもなかったのだ。豊川用水の上流域にバスが定着したのは、外来魚の移殖禁止の法整備が行われる前のことだったわけで、これを悪と判断し駆除するのは、常識的に考えておかしいのではないだろうか。
 もしも駆除しなければならないほど悪い生き物だったとしたら、どうしてもっと早く法規定を作り、PRや取締りを行わなかったのか。バス釣りを生きがいにする人やバスで生計を立てている人が増えてから、バスを駆除し、バサーを追い出そうとするなんて不条理だ。政治に携わる者の怠慢が原因で今の事態が起きているいるのに、そのことは棚に上げておいて、責任をバサーと釣り業界に押し付けるなんて許せない。どうしても駆除しなければならない事態が起きたなら、政治に携わっている者がまず最初に自分たちの不手際をわびなければおかしいはずだ。
 俺が、原則的にバスを駆除すべきではないと言うのは以上のような理由があるからだ。
 こう書いてくると、じゃあ、生態系の変化はどうするのか、漁業被害はどうするのか、バサーは今後も放流をくり返すのではないかという声が駆除派から聞こえてきそうだ。
 次回はこうした問題点について1つ1つ俺なりの解決策を示していきたいと思う。


バスが増えない湖沼 3月18日

 日本に一番最初にバスが入ったのは、皆さんご存知の通り、芦ノ湖だ。バスがとんどん繁殖し、他の魚を蹴散らして生息範囲を広げていく魚だとしたら、80年間もバスが生息し続けている芦ノ湖は、現在、湖じゅうバスだらけになっていないとおかしいはずだ。
 でも実際はどうかというと、バスを釣るという面ではかなり難しい湖の1つになっているようだ。俺も芦ノ湖で釣りをしたことがあるが、バスの姿を見ることはなかった。ちょうど解禁の日にトラウトを釣りに行ったので、時期的なことを考えると仕方がないのかもしれないが、他の人に言わせると夏でもバスの姿はまばらだそうだ。いくら食性の面で競合するトラウトをたくさん入れたからといっても、トラウトのほとんどは短期間のうちに釣られて持ち帰られてしまうらしく、ほとんど定着しないらしい。そう考えるとバスの割合がもっと多くても良さそうなものなのだが。
 フィッシングショーでヒロ内藤さんが紹介していた話によると、最近ではあまりににもバスが釣れないので、芦ノ湖でバス釣りをするお客さんが激減しているらしい。これに危機感を抱いた芦ノ湖の漁協は八郎潟からバスを買って入れる作戦に出ているが、なかなか思うように増えないそうだ。バスを長年にわたり保護・管理しているのに、そういう状況なのだ。
 芦ノ湖は中栄養湖であり、貧栄養湖よりもましだが、バスの生育に適してはいないということがたいぶ影響しているにちがいない。他にも低水温やトラウトなどの競合種の影響などいろいろな要因が複雑に絡み合っているのだろう。
 じゃあ、今年もバスはほとんど釣れないかというと、春先から例年以上によく釣れているそうだ。そしてこの理由もよく分からない。分かることは結局、つくづく生態系というのが難解なものであるということのようだ。
 愛知県にはバス釣りがブームになる以前にバスの生息が確認された入鹿池というフィールドがある。愛知県のバストーナメント発祥の地でもある。この入鹿池も芦ノ湖と同様というか、それ以上に、現在ではバスが釣れないフィールドになっている。バストーナメントを開催すると、ウェイイン(バスを釣って本部に持ち込むことが)できる人の割合が10%を切るのが当たり前、場合によっては1%ほどのときもあるくらい激シブフィールドなのだ。このことは多くの皆さんがご存知だと思うし、入鹿池をホームグランドにしているバサーなら俺よりもはるかに詳しいはずだ。
 俺はこの原因を、長い期間にわたってここでのトーナメントに関わってきた名古屋市のとあるショップに電話をかけて聞いてみた。俺はてっきり池の増減水が激しくてスポーニングがうまくいかないせいだと思っていた。ところがそのショップさんの見解はこうだった。
 「増減水は昔と比べて激しくなくなったし、増減水が原因で産卵がうまくいってないとは考えられないです。バスと生息域がある程度重なるフナやコイばどんどん増えているのに、なぜかバスはどんどん減っているんですよね。エサになるワカサギはいつもものすごくたくさんいるのに。」「私が思うに、入鹿池は底質が赤土のところが多く、それがバスの生息に不向きだから増えないような気がするんですよ。」「テレビなどでバスは繁殖力が強い魚だと報道されているけど、入鹿池の実態を知っていたらとてもそんなことは言えないですよ。」「最近はカップルや家族でボートに乗って楽しむということも少なくなってきたので、バスがよく釣れると犬山の観光面での集客UPにつながるんですけどね。」
 うーん、俺が大学生の頃(かれこれ20年以上前の大昔)は彼女を口説く定番と言えば、池のボートか公園のベンチだったのに…。時代は変わるものだ。いかん、またいらんことを書いてしまった。
 とにかく全国には、他にも芦ノ湖や入鹿池と同じようなことが言える湖沼がたくさんあるはずだ。俺はそういう事例をバス問題解決の切り口の1つとしてうまく生かしていけたらずいぶんと状況も好転してくるように思っている。
 
 では今日はこの辺で終わりに…。えっ、あっけないって。それじゃあ、期待に応えてダジャレを一発。
 「入鹿池にバスはいるか。」なあんて、どう?
 くだらんと思ったあなた、よく考えてみてね。文末の「いるか」は「居るか」と「要るか」の両方の意味合いが込められた言葉なんだよ。レベル高いでしょ。
 調子に乗って、もう一発。
 「2個の幸せは芦ノ湖に」はどう?
 右から読んでも、左から読んでも「ニコノシアワセワアシノコニ」なんだよね。「2個」って何と何のことかって。それはいろいろ当てはまると思うよ。たまには自分の思いでご自由にどうぞ。
 最後になって読者に振るところが俺らしいでしょ。


バスの繁殖力は? 3月17日

 パブコメが終わり、そして後回しにしていた確定申告も終わり、これでようやくホッとできると思っていたら、この前の日曜日にとんでもない展開が待ち受けていた。地区の子ども会の世話人に当たってしまった。2/7の確率だったのに、俺ってそういうくじはなぜか妙に当たるんだ。懸賞みたいなものには全然当たらないのに。つくづく運がないと思ったよ。それとも日頃の行いが悪いせいかなあ。別にお客さんをいじめ倒してはいないと思うんだけど。うーん、やっぱ、「店主の主張」のページでの暴走が災いしてるのかなあ。だからと言って暴走せずにいられるかというと、やっぱだめなんだよなあ。
 別に子ども会の世話人をやるのがいやだというわけではないんだけど、どうしても土日に用事が集中するので、俺のようなレジャー関係の仕事だと困るんだ。なんといっても土日は書き入れ時だし、うちの店の場合、遠くから来てくれる方も多いしね。そういうお客さんに迷惑をかけるのが忍びない。それにどうせ子どもの面倒をみるなら、自分が深く関わっている釣りでみたいというのが本音だ。
 周りの人は「子どものためなんだから、それくらい仕方がないじゃないか」って言うけど、子ども会をがんばったために、店がつぶれて自分の家族が食いはぐれるようになったら、しゃれにならない。バス問題といい、どんどん心配ごとが増えていく。
 まあ、こんなことばかりぼやいていても始まらない。気持ちを切り替えて、本題について書いていくことにしよう。
 今まで、琵琶湖の問題を中心に書いてきたが、今後はそれを全国レベルまで広げ、バス問題や釣り全般の問題について述べていきたいと思う。
 まず今日は、バスは本当に繁殖力が強い魚か、という点について考えてみたい。
 よくマスコミでは、バスが池に入ると、そこに従来から生息していた小魚やエビ類などをどんどん食べ、大繁殖を起こし、やがて小魚やエビ類の姿がほとんど見られなくなる、と紹介している。
 俺たちバサーからしてみると、おいおいちょっと待てよ、って感じのことが多い。なかには、バスは池じゅうの小魚を喰い尽くし、食い物がなくなってバス自身も全滅する、と書いている全国版の新聞紙まである始末だ。
 もしもバスがそういう魚だとしたら、とっくの昔にバスと多くの小魚がこの世から姿を消しているはずだし、だいたいそんな魚なんて進化の過程の中で誕生することさえありえないはずだと思うのは俺だけだろうか。冷静に考えればそれくらいのことは分かると思うのだが…。
 俺はバスの繁殖力が強いとか弱いとかは一概には言えないと思う。湖沼や河川の環境によって大きく異なるというのが一番もっともな答えではないだろうか。
 水温、水質、底質、水深と増減水、流れ、ストラクチャー、湖沼の規模、人的プレッシャー、生態系とそのサイクルなどいろいろな要因が重なり合ってバスの繁殖の度合いは決まってくる。したがって湖一つ一つによって状況は異なるし、同じ湖でも時期によって異なることがある。
 だいたい人間だってそうだろ。いろいろな条件によって繁殖力は変わるもんだ。いかん、せっかくいいペースになっていたのに悪い癖が出そうになった。人間についての具体論になり、またお客さんにねほりはほりつつかれることになる前に話題をもどそう。18歳未満マル禁の話題にでも発展するとタチが悪いから。
 水温があまりに低すぎるのはオオクチバスの生息に適さない。バスは白濁を嫌う。貧栄養湖は一般的に透明度は高いが、生命の源となる植物プランクトンが少なく、生息できる魚も限られるため、バスにとっては厳しい環境である。底質や増減水は産卵と大きな関係がある。バスは多少の流れには適応できるが、秋月岩魚が言うように川をさかのぼり源流にまで生息範囲を広げるなんてことはないですから、残念!ストラクチャーが豊富であればあるほど、そして湖沼の規模が大きければ大きいほど、小魚とバスが共存、共栄していく上でプラスに働く。人的プレッシャーがきつくなれば、バスの生息数は抑えられる。など、上げ出したらきりがないくらいのことが関係している。
 マスコミで紹介されているように単純なものではない。そんなことは俺が言うまでもなく、いろいろなフィールドに足を運んでいるバサーなら皆、承知しているはずだ。
 なのに、こうした現場から導き出された正しい見解がほとんどどこにも生かされていない。俺はこれをうまく生かしていくことがバス問題の解決につながっていくと考えている。次回はいろいろなフィールドの例を上げながら、このことについて書いていきたいと思う。

パブコメを終えて その2 3月11日

 以前書いたように、うちの店ははっきり言って全国でもかなりいなかにある釣具店だ。しかもバス専門店でもなければ、ルアー専門店でもない。店の売り場面積もなんと10坪以下だ。そんな店のお客さんがじつに全国の1%近くのパブコメ
を集めてくれた。これは驚異的な数字だ。もちろん私の予想を大幅に上回る結果だった。
 そりゃあ私も真剣だったけど、何よりもお客さんの熱意があってこそ達成できた。
 というのは、お客さんが集めてくれたパブコメの80%以上が、バス釣りをやらない人が書いてくれたものだったからだ。うちのような店がパブコメをたくさん集めようと思ったら、いくら店主ががんばってても限界がある。おまけに時期が悪すぎる。ほとんどの魚が釣れず、お客さんもほとんど来ない2月だからつらいものがあった(まあ、そういう時期だからパブコメに没頭できたということも言えるけど)。そんな厳しい状況を打破してくれたのが、一部のお客さんたちだった。熱意あるお客さんが知人にもパブコメを書くように勧めてくれた。これが大きかった。しかもその多くが、無理やりではなく、ちゃんと資料を見せたり現状を話したりして納得してもらった上で書いてもらっていたようだ。これもすごいことだ。
 その結果、1000通近いパブコメを集めることができた。こうしたお客様の尽力に対して、この場を借りて私からお礼が言いたい。「お忙しい中、本当に、ありがとうございました。」
 他のお店でも、うちの店と同じように店主とお客さんが一緒になってがんばり、うちの店よりもたくさんのパブコメを集めたお店が多くあることだろう。私はそういうお店とそのお店のお客さんにも敬意を表したい。
 それに対して、うちの店よりもはるかに大きく、バス釣りをするお客さんもはるかに多いのに、まったくと言っていいほどパブコメに無関心で、ほとんど集めていない店が熱心なお店以上の割合で存在したのも事実である。
 このことは、全国のショップの数を考えていくとすぐに分かる。週刊ルアーニュースにバスの釣果情報を載せている店が愛知県だけで40ほどある。実際にバスのタックルを在庫し、力を入れて販売している店の数はその1.5倍〜2倍はあるはずだ。とりあえず店舗数を70として計算してみよう。もしも各店が、うちの店の半分の500通平均パブコメを集めたとしても、愛知県だけでも3万5千通出ていることになる。これを全国まで広げると人口比でその17倍は期待できるので、バス関係の店だけで59万5千通にも上る計算になる。
 ところが実数はその1/5にも満たない10万通ほどだった。これも逆の意味で驚異的な数字だ。
 俺が先日ふれかけた2つの意味で驚異的というのはそういうことなのだ。
 10万通という数は確かにパブコメの記録を大幅に更新したものだったが、見方を変えればまだまだ到底満足のいく数字ではない。
 店の数だけでなく、バサーの数で考えても同様のことが言える。市場規模から考えて、少なく見積もってもバサーの数は全国で100万人以上いるはず。そうすると、じつにその1/10程度の人しかパブコメを出さなかったことになる。今回バサー以外の人が大勢出してくれていることを考えると、その割合はさらに下がり、1/20以下になるかもしれない。バス釣りが存続できるかどうかという分岐点にさしかかっているのに、その程度だったのだ。
 はっきり言ってここらへんに大きな問題があると思う。これはバス釣りだけに限ったことではなく、釣りに関わるすべての人の問題でもあり、日本人全員の問題でもあると俺は思っている。

 うーん、今日は久しぶりに思い切りマジに迫ってみた。俺の本当の姿もたまには見せておかないと、誤解を招くからね。たまにはこういう日もないとね。


パブコメを終えて その1 3月9日

 久しぶりの更新です。このコーナーを楽しみにしていた皆さん、たいへん長らくお待たせしました。
 3月初めまでの約1か月間、とにかくパブコメをたくさん集めるんだ、ということで全力投球したつけが今出ている。とにかく、やらなければいけない仕事をほぼ全部と言っていいほど後回しにしてしまった。だから今1つずつ片付けているのだが、そちらもなかなかはかどらない。そんなわけでこのコーナーもしばらく中断してしまった。
 そんな折(この前の日曜日に)常連客が店にやって来た。俺が忙しいことは分かっているんだから、そっとしておいてくれればいいのに、思い切り俺につっこみまくり、俺をいじり倒すんだから、ホントに参った。このコーナーの話題もずいぶん出た。「毎日アクセスしているんだけど、店主の主張、パブコメが終わった後、全然更新されていないんだよなあ。楽しみにしているのになあ。」と期待半分、いやみ半分の言葉を頂いた。
 そうやってかまってもらえるうちが華なんだけど、文を書く本人としては、嬉しさ半分、つらさ半分というのが正直な気持ちだ。だって何度も言うように、今忙しいから…。いかん、いかん、また私的なことでスペースを割いてしまった。それに俺みたいなタイプが泣き言言っても、どうせつっこまれるネタを増やすだけだ。
 というわけで皆さんの期待に応えるべく、忙しい中がんばっているわけだ。
 話題を本題のパブコメのことに戻そう。
 集まりが今一歩で、10万通は無理ではないか、と心配されたいたパブコメが、なんとか10万通を超えた。そのほとんどが、「オオクチバスの指定に反対」という内容のものらしい。その点ではとりあえず目標達成というところだろうか。
 過去に環境省が募集した数々のパブコメの中でもっとも多かったものが総数で約2万通。前回(昨年の7月〜8月の特定外来生物等の選定について)のパブコメが総数約9500通だったわけだから、いかに今回のオオクチバスをめぐる問題について反響が大きかったかが分かる。
 あとは環境省がこうした大勢の声をどのように評価してくれるかにかかっている。こちらはうまい具合にはいかないかもしれない。ただし結果がどうであれ、パブコメをがんばったということは、バスフィッシングの未来を明るくする上でプラスになっていくと思う。皆さん、本当にお疲れ様でした。
 ところで、今回の10万通という数をあなたはどう思いましたか。
 俺は、バサー一人一人の温度差と店間の温度差が改めてよく現れている数字だと思った。一生懸命パブコメを集めたお客さんは、たぶん俺と同じ思いだろう。
 うちの店に集まったパブコメの総数はちょうど300通。俺一人が出したパブコメが48通。もちろん内容は48通すべて異なっている(多少似ているものもあるが)。やり出すと止まらない俺の性格(暴走癖)がここらへんにもよく現れている。ということで俺が直接送ったパブコメの総数は348通。この他にも、俺が店頭やEメールでお願いし、「必ず出すから」と約束してくれた人がけっこういる。そうした人たちが各家から出してくれた分を合わせると400通は超えるだろう。そしてうちの店のお客さん(ほとんどが渥美半島の野池を守る会の人たち)が集め、送ってくれた分を合わせると1000通近くになるはずだ。
 もしもこの予測がほぼ正しいとしたら、全国のじつに1%をうちの店のお客さんが出したことになる。これは2つの意味で驚異的な数字だ。

 おっと、このままいくと今回もかなり文が長くなってしまいそうだ。さすがに今の俺に長編を一気に仕上げるだけの時間的な余裕はない。お客さんに「ホームページの入荷情報なんて2月18日から全然変わってないもんねえ。」とそちらのほうもつつかれているし。まあ、このコーナー、途中で「つづく」って展開は慣れっこだしね。

 そうそう、今日はめずらしく「お知らせ」のコーナーも更新したので見てください。日釣振からパブコメへのお礼が届いています。それと他のお知らせもあります。

生物多様性主義者 その2 3月2日

 早速昨日の続きを書くことにしよう。
 中井克樹は魚類生態学者であると同時に琵琶湖博物館の主任学芸員という肩書きをもっている。琵琶湖博物館は滋賀県立なので、彼は滋賀県の職員なわけだ。
 琵琶湖博物館は烏丸半島に建っているが、あそこは赤野井南端の湿地帯を埋め立ててつくったものである。当然琵琶湖固有種の産卵場になっていた場所だ。この建物の総建築費はじつに230億円。しかも年間の入館料や販売収入が1億数千万円なのに対して、人件費を除いた維持管理費だけで、じつに9億円以上かかっている。
 これを聞いて賢い人はピンときたことだろう。そう、琵琶湖の漁業者の売り上げとそれを維持するために投入している税金の関係とよく似ている。漁業者のとき、すでに目を丸くしたが、売り上げ:投入税金の割合だけで考えれば、それ以上になる。しかもこの数字は人件費を除いた額なのだ。職員数は約60名。となると人件費もかなりのものだろう。文化振興事業だから当然と言ってしまえば、それまでなんだが。それにしても額が額なので…。しかも裏では琵琶湖の自然を破壊した経緯があるというのまで同じである。
 滋賀県職員で、かつ、こうした裏事情がある中井克樹が琵琶湖の生態系について中立な目で判断できるのか、俺としてははなはだ疑問だ。まあ、判断はできたとしても発言はどうだろう?
 彼がちゃんした調査データを提示することなしに、証拠のない大規模な密放流に執ようにこだわるのもそこらへんに起因している気がしてならない。根拠のないバスたたきが滋賀県と妙に一致しているのが笑えるのは俺だけか?
 長らくお待たせしました。いよいよ秋月岩魚の登場です。
 彼が一躍有名になったのは1999年に発売された著書「ブラックバスがメダカを食う」が注目されたからだ。これがブラックバス害魚論争に火をつけたと言っても過言ではない。ただ、正直言って俺はこの本を読んでいない。というか買って読む気がしない。買えば、彼に印税が入るわけで、そんなことは許せない。まあ、読むとしたら図書館で借りて読むくらいだろう。でも読んでいくと、めちゃ怒れてくるというのは目に見えている。ただでさえ暴走しやすい俺のことだから危ない気がする。皆さん、まだ読んでいない人は図書館へどうぞ。その際、怒れてきたからといって乱れた行為に走らないこと。俺みたいにネットで理論整然と批評しないとね。えっ、言えるがらじゃないって。
 まあ、そこらは置いといて。秋月岩魚だが、中井克樹と大変考えが似ている。生態系が崩れる原因をバスに限定していること。バスが広かった原因はすべて密放流にあると決めつけていること。バサーは悪人だから、バスを完全に駆除しない限りこうした犯罪は永久に続くとしていること。極論を言うわりに、根拠となるデータをまったくといっていいほど示していないこと。あきらかに論が自分がバスとバサー嫌いであるということを柱に成り立っていること。本当によく似ている。まあ、似ているからこそマスコミに登場する回数が多くなるんだろう。根拠なんてどうでもいい。バスをすぱっと悪者にする人をマスコミは求めているんだから。
 ただ、違う点もある。あきらかに秋月岩魚のほうが、レベルが低い。とにかく、本を読んでいなくてもわかるくらい、いたるところで軽率でレベルの低い発言を連発している。この人、正気かなあと思えることもよくあるが、本人はマジなんだから恐ろしい。
 だいたい「ブラックバスがメダカを食う」というタイトルからしてレベルの低さをかもし出している。メダカを犠牲者に選んだのは、弱い者が外国からの侵入してきた乱暴者に容赦なく殺されてしまうという設定が民衆の同情をひき、大嫌いなバスを悪者に仕立てるのに好都合と考えたからだろう。まあ、そのねらいがすべて悪いとは言わないけど、もう少し現実を見ないとねえ。ブラックバスがメダカと食べるかどうかと言えば、そりゃあ、腹がすいていて、それしかいなけりゃ食べるでしょうねえ、というぐらいだ。それが本のタイトルになってしまうのだから恐ろしい。事実を歪める表現の誇張は彼の十八番だ。はっきり言って、バスとメダカはほとんど生息域がちがうし、あんな小さな魚を捕食していたら効率悪くてたまんないでしょ。まあよっぽどの小バスなら別かもしれないけど。とにかくメインベイトにはなりえない。
 以前立教大学で行われたパネルディスカッションで、水口教授に「生物多様性とは?」と質問され、「日本にライオンがいないこと」なんて発言し、会場の笑いものになったことも彼のレベルの低さを現すエピソードの1つだ。
 こんなにも笑われたんだから、もうやめておけばいいのに、また去年「警告!ますます広がるブラックバス汚染」なんて本を出しちゃって。あんたどういうつもり?
 そして本の内容はゼゼラノートの解説を読むかぎり、またまた、ブラックバスの広がりのほとんどが「密放流」という犯罪行為によって…と同じ主張が徹底的に強調されている。
 あげくの果てには、密放流されたバスは今では川をさかのぼり…人里離れた秘境の源流域にまで入り込み在来の生き物を食べながら繁殖している。なんてとんでもないことを書き出す始末だ。バスが川をさかのぼるとか、秘境の減流域まで入り込み、といったバサーが聞けば、絶対にありえないと分かっていることを平気で書いている。自分の好きなイワナが源流でバスに食われそうになる夢でもみたんじゃないの。夢と現実が錯綜しているとしか考えられない。もしもマジでそう思っているとしたら、あんた大バカよ。そしてわざとうそをついているとしたら、あんた詐欺師よ。
 かと思うとブルーギルについての話題は、2冊ともまったく出てこない。バスを徹底的に叩いているのとは対照的だ。
 はっきり言って、生態系や生物多様性を守りたいんじゃなくて、単にバスやバサーが嫌いだから、いじめているだけじゃないの?
 TBSの「情報とってもインサイト」にゲストとして出演したときも、まさにこの乗りだから困ったもんだ。
 「環境省や農水省に行って、バスを特定外来生物の中に入れてくれと要求している。バスは必ず入れなきゃいけない、そのための法律なんです。」といきなりきた。おいおい、特定外来生物被害防止法がバスを指定するための法律だなんてこと言っちゃって。だれがそんなこと決めたんだよ。お前の勝手な願望だろ。公共の電波使ってそんなこと流していいの?言いたいんだったら俺みたいにインターネットの中でつつましやかにやれよ。
 そのあとも彼のハチャメチャな論は続いた。「自然とか釣りは文化ですから、自然が壊れてしまうと文化も壊れてしまう。」と言い、バスがいることで日本の自然が壊れ、釣り文化が壊れてしまうことを強調した。でも、自然破壊のことを言うんだったら、バスよりもっと他に言うことがあるんじゃないの?日本の文化っていっても、日本人の生活や経済のほとんどは外国から取り入れたもので成り立ってるでしょ。それはほかっておいていいの。日本の文化しかいけないんだったら、あんた洋服を着ずにはかまで出演しなきゃ論が通んないでしょ。それをしなくて釣りにだけ日本の文化を強調するのはどうして?自分が渓流釣りが好きで、バス釣りが嫌いなだけでしょ。
 さらに彼の暴言は続く。芸能人の一人が「釣り場をいくつか決めて、そこでバス釣りをやるようにすればいいじゃないの。」ときいたところ、「芦ノ湖しかいなかったはずのものを、そこらじゅうに広めた人たちが、場所を決めてやることにして、誰が守るんですか。そんなのできっこないですよ。」とバサーが無法者ばかりであることを強調。あいかわらず、組織的な密放流を繰り返すというところに話をもっていきたがる始末。「それじゃあ、囲いをした釣堀みたいなところでやってもらってはどうですか。」ときかれて、「まあ、どうしてもやりたいならそれしかないですねえ。」としぶしぶ認めたが、どうみても本心とは違うのがばればれ。彼の本心はバス釣りはいかなる条件でも許さないというものだから。なんかここまでくるとナチスのユダヤ人狩りに近いものを感じてしまう。
 結局「バスを指定してもらわないと困る」ということが、出演者全会一致で確認され、番組終了。ようはここへもっていきたかったわけだ。岩魚もたいがいなら、マスコミもたいがい、ホントに困ったもんだ。
 小池環境大臣が暴言を吐いた当日、それ以上の暴言を秋月岩魚が吐いた。「バスが指定されるのは当然。バス釣りでもうけてきた釣り業界に駆除のための費用を払ってもらったらいい。」という発言だ。これを見て、俺はつくづくこいつの愚かさと傲慢さにあきれ果てた。お前にそんなことを言う権限があるのか。渥美半島の野池を守る会のやまさんが指摘してくれたように、お前こそバスをネタにしてもうけているじゃないか。「バスを駆除すべき」と先頭に立って叫んでるのはお前だろ。だったら、お前こそ金出せよ。だいたい俺の店はバス釣りの道具売ってるけど、ほとんど儲かっていないんだよ。なにせ「春が迎えられるか…」って言ってるくらいだからな。これを「秋月岩魚のせいだ」なんて思っていても言わないぜ。いいかいこういうのを逆恨みっていうんだ。お前の得意なやつだ。分かったかい。
 いかん、いかん。また暴走ぐせが出て、がらが悪くなってしまった。これ以上書くと、マジで俺の命が危なくなりそうだから、ここらへんでやめておこう。

 今まで書いてきたように、バスは、根拠もなしに感情や感覚だけでものを言う生物多様性主義者と、自分の罪隠しと金めあてに動く琵琶湖の漁業者や行政と、そして真実よりも視聴率を重視し勝ち組に乗ろうとするマスコミによって、世間一般の人からも完全に悪者のレッテルを貼られてしまった。ほとんどが事実と異なるにも関わらず、これを覆すのは並大抵なことではない。しかし逆に、バス害魚論が注目されている今だからこそ、真実を理解してもらうチャンスだとも言えるのではないか。
 少なくとも俺はそうした思いで、このコーナーにバス問題に関する自分なりの分析と主張を綴ってきた。せっかくの機会だから、もうしばらく続けていきたいと思う。
 バス釣りをしない人には申し訳ない気もするが、これはバス釣りに限らず釣り全体の問題とも関わっているし、今後は社会的にもそうした方向で波及していくような気がするので、その点を理解してお許しいただきたい。
 パブコメが終わったから終わりではなく、これを出発点として取り組んでいくことで、この問題の解決に少しでも貢献できれば幸いだと思っている。

生物多様性主義者 その1 3月1日

 お待たせしました。いよいよ話題の生物多様性主義者2人の登場です。なんといっても今注目されているからねえ。テレビにもよく出演しているし。しっかりとスペースを割いて紹介しないとね。
 まずは中井克樹から紹介しよう。彼は魚類生態学者と琵琶湖博物館の主任学芸員という肩書きをもった人物だ。もうこの肩書きを見ただけで、彼の主張はだいたい想像できる。そう琵琶湖の固有種が減少した原因はほとんどすべてバスをはじめとする外来魚にあると徹底的に主張しているのだ。
 ところがだ、では何を根拠にそれを言っているのかというと、これといったデータを提示しておらず、ほとんどを自分の感覚で話しているに過ぎない。TBSの「情報とってもインサイト」にも出演していたわけだから、有効な資料があれば番組で紹介しているはず。なのにそういうものは示されず、例のホンモロコ(実際はモロコ全部のデータと作為的に入れ替え)の資料が紹介されたのみだった。あれは漁師による漁獲量をもとにしたもので、あまり学術的なものとは言えない(無いよりはいいので俺も利用したが)。しかも前に指摘したように視聴者をだますために、近年の資料のみを提示しているのだからますますいただけない。
 俺はインターネットで琵琶湖の固有種の減少を示すいい資料はないものかと探してみたが、見当たらない。ようは彼に限らず、しっかりとしたデータを提示できる者は誰もいないんだろう。まだホンモロコやニゴロブナなんてましなほうだ。経済的な価値が高いから、漁獲量としてちゃんとした記録が残っているから。
 あるホームページを見たらものすごい数(30種は超えていたと思う)の琵琶湖の固有種が紹介されていたが、写真で簡単な紹介がされているだけで、詳しい生態や生息数の変化についてはほとんど説明されていなかった。俺が勉強不足なのか、ほとんどが初めて名前を知った種だった。そのとき俺は、こりゃあ「琵琶湖の固有種を現モーニング娘の人数分だけ答えろ。」と言われて答えられる人がいるかなあ、と思った。たぶんほとんどの人にとって、現モーニング娘全員の名前を答えることよりも難しいだろうし、琵琶湖のほとりに住んでいる人に聞いても、答えられる人はごく一部だろう。ちなみに俺はモーニング娘が現在何人で構成されているか知らない。それといまだに卒業した加護と辻の区別がつかない。一緒に並んでいても分からなくなるときがある。「おいおい、またわき道にそれてるぞ」って言われそうだけど、ようはそれくらい認知が薄いってことが言いたいわけよ。
 こんなことばかり書いていくと、中井克樹から「あたりまえじゃないか。琵琶湖は広いんだぞ。固有種の数も多いわけだし、研究していたって、分からないことだらけで当然だ。」と反論されそうだ。もしそう言われたら「それじゃあバスについてだけ妙に断定的な結論を出せるのはどうして?」って言い返したい。
 TBSの「情報とってもインサイト」を見ていて一番びっくりしたのが、「1980年代終わり頃、バスが爆発的に増えた。これは一釣り人や一個人ができる仕事ではない。なんらかの大規模な放流行為がないと説明がつかない。」と言っている点だ。バスが琵琶湖で爆発的に増え始めたのが1983年。そして1990年頃、生息数がピークをむかえたと言われている。中井克樹の発言は若干ずれているが、まあ、それはいいとしよう。問題なのは、爆発的に増えた原因をすべて放流、しかも大規模な放流行為によるものと決めつけていることだ。
 彼は本当に魚類生態学者なのだろうか。俺はバス釣りをやるのでよく知っているが、ある時期を境にして、一気にバスの生息数が増えるというのはよくあることだ。近所の野池でも、バスがいるのが目撃されてから数年間は個体数がほとんど増えず、まともに釣れなかった。それが急に爆発的に釣れるようになった。もちろん大規模な密放流なんて考えられない。何か別の要因で増えたのだ。
 だいたい琵琶湖の広さを考えたたとき、いったいどれだけの量を密放流すればいいのか。想像を絶する量になるはずだ。それが事実としたらどこかに記録が残っていたり、放流現場を目撃した人がいたりしてもいいはずだ。ところがそういう話は聞いたことがない。いくら琵琶湖が巨大なバス釣り市場になるだろうとはいえ、あまりにも現実味の薄い話だ。第一それだけ魅力的な市場だったらもっと早い時期に大規模な放流を行っているはずではないだろうか。1980年代終わりというのは、全国にバスが広まっていった時期と比べてあまりにも遅すぎる。
 琵琶湖で最初にバスが見つかったのは、1974年、彦根だった。その後順番に琵琶湖全域に広がっていき、湖の南端まで生息域が広がるのに10年以上もかかっているのだ。もしも大規模な密放流があったとするなら、普通考えてこの時期に行われるのが妥当だろう。しかし、広がり方から考えてそれはなかったと言える。だいたい新しい生き物というのは、最初は既存種の中に割って入らなければならいので、群れにかなり負担がかかると思う。増え方がにぶかったのはそのためだろう。しかもより住みやすいところを求めて生息域を広げている最中なので、増加していることが分かりづらいという面もあっただろう。それが湖全域に広まった途端に、勢力が他の種よりも一時的に優勢になって急増したのではないだろうか。これは生物学的にみてかなり理に合ったことだと思うのだが、皆さんはどう思う?池によく釣りに行っている人なら俺と同じことを思うのではないだろうか。
 こうしてみると、中井克樹ってバスやバサーが嫌いだから、ありもしない変な言いがかりをつけて、排除しようとしているのではないかと思えてくる。
 もしも好き嫌いだけですべて決められるなら、俺だってニゴロブナからできるフナ寿司は嫌いだから、ニゴロブナが絶滅してくれればありがたい、なんてことになる。だいたい俺はヨーグルト以外、発酵している食べ物はどうもだめだ。におい、見た目、味、すべての面で苦手なものが多い。納豆なんて最悪だ。あの糸のひき具合はどう見ても腐っているとしか思えない。キムチもだめだ。ヒグチとキムチ、名前は似ているがまったく親しみが湧かない。そんな俺だからフナ寿司なんてだめに決まっている。だから食べたこともないし、見たいとも思わない。いかん、また話がそれてしまった。
 俺は今説明したくらいフナ寿司が嫌いだが、ニゴロブナは絶滅させたくないと思っている。ニゴロブナはある意味琵琶湖の自然環境でしか生息できない魚だからだ。今までいろいろな湖に放流してきた(これ自体はよくない)が、どこにも定着しなかったのだ。それくらい貴重な魚なのだ。バサーよりもはるかに数は少ないだろうが、フナ寿司が大好きという人だっている。
 ただ、だからといって、いきなりバスを駆除、バサーを締め出しって考えるのはいただけない。ちゃんとした根拠も提示せずに、一方的にバスのみを悪者扱いするのは学者としての資質に欠けると言わざるを得ない。どうして学者なら「琵琶湖の固有種が減少した原因のおよそ○%は××のような開発によるものと考えられ…」といった内容のことを具体的な資料をもとに説明できないのか。このことを考えたとき、どうしても中井克樹の肩書きが妙に引っかかるのだ。

 ありゃりゃ、今日は2人紹介するはずだったのに、1人目の途中で、もうずいぶんと文が長くなってしまった。出番を待っている秋月岩魚に悪いことをしたなあ。でも、ちょうど意味深な記述のところに来たし、まあ毎度おなじみのじらしのテクを使い、「つづく」としましょう。実際は、原稿がなく、いいかげんに書いているから文が長くなり、その結果自分が疲れるからやめにする、というのが80%を占めてるんだけどね。えっ、すでにお見通しだった?いいじゃない、どうせ俺には魚類生態学者なんて肩書きはないんだし。それにちゃんと実態を%で示したでしょ。すごーく誠意があると思わない?

 俺がこの原稿を書いている最中に、日釣振とBFNからパブコメについての緊急連絡が届いた。たぶんほとんどの人がもう知っていると思うけど、パブコメが殺到したため、環境省のFAX回線がパンクして、ほとんどつながらない状態が続いているらしい。それで困っている人や今から出すという人はこれらの連絡を見て確認してから出したほうがいい。日釣振のほうは販売店にしかきていないと思うので、「お知らせ」のコーナーから見れるようにしておいたよ。別に一般の人が見ても問題ない資料だし、すぐに使える書式もある。パソコンにwordが入っていればOKだ。知っている人で困っている人がいたら教えてあげよう。


隠し合い・かばい合い 2月28日

 俺は先日、琵琶湖のバスの生息状況がどう変化してきたのかを知りたくて、詳しいことを知っている人(琵琶湖の頭文字をとってBさんとしておこう)に電話をしたんだ。最初はこのことだけを聞くつもりだったんだけど、つい話が弾んでというか、まあ俺がつっこんだこともあってか、話がどんどん広がり、じつに1時間近くも会話が続いた。
 話の内容のほとんどは琵琶湖の漁業者と滋賀県政についてだった。すでに、ここ3回続けてこの手の話題を書いてきてはいるが、はっきり言ってそんなの序の口と言えるくらいたまげたことが出てきたので、紹介することにしよう。
 俺にとって何よりも印象的だったのが、Bさんが最後に言った「今の琵琶湖ではホンモロコやニゴロブナよりも漁師の方がよっぽと絶滅危惧種だ。」という言葉だ。
 これが何を意味しているのか、Bさんが教えてくれたことをもとに説明していこう。
 琵琶湖における現在の年間漁獲高を金額で見ると15億円で、漁業者の数はというと1200人いる。これだけを言われたぶんには、「ふん、それがどうした」と言い返されそうだが、1人あたりいくらの売り上げがあったのか計算してみるとびっくりする。15億円÷1200=125万円。いいかい、儲けた額じゃないよ。売り上げ額だからね。当然、経費がかかるので儲けた額はさらにだいぶ少なくなるわけ。
 まあ、俺の店も儲けはあまりないけどな。体格がよくて、声がでかいから勢いがあるみたいに思われがちだけど、これがけっこう苦しいわけよ。最近なんか、お客さんが買い物をしてくれたとき、冗談半分で「ありがとうございます。これで春が迎えられそうです。」なんて言って笑わしているけど、ようは半分マジだからさ。いけない、またわき道へそれてしまった。「自分の家の貧乏自慢しててどうすんねん」ってつっこみ入れられそうだから話をもとに戻すけど、そんな俺の店でも琵琶湖の漁業者と比べりゃ、何倍も売り上げはあるんだ(まあ、これも「ふん、それがとうした」という話だが)。
 年間売上高125万円では生活していけない。つまり琵琶湖の漁業者の多くは兼業漁師というわけ。なかには専業でこの数字よりもうんと売り上げている漁業者はいるだろうけど、全体的に見れば、琵琶湖の漁業が崖っぷちに立たされているのは確実だ。
 おまけに漁業者の平均年齢は60才。後継者もほとんどいないときた。もうこうなれば、まさにひん死の状態と言わざるを得ない。「崖っぷち」だとか「ひん死」だとか、けっこうやばい言い回しになっているけど、俺は間違っても琵琶湖の漁業者に対する殺意は無い。文章は暴走しているが、それくらいの理性や思いやりはある。そう、バスとバサーを一方的に悪者に仕立てている人たちと比べればはるかに。
 こんなことを書くと滋賀県の行政から「お前、何言ってるんだ。漁業者がひん死の状態(=絶滅危惧種)だからこそ助けてんだ。弱い者を助けて何が悪い。それが思いやりだろ。」って言われそうだ。たしかにそれだけをとれば一理ある。だけどだよ、かといって手段を選ばないのが、本当の思いやりって言えるのかい?
 滋賀県の罪、それは琵琶湖総合開発によって湖の自然環境を破壊したこと。これにより、河川や湖岸はコンクリートで固められ、フナやモロコが産卵し、その稚魚が生育する水辺のヨシやヤナギの多くが消失。水を浄化する砂地の浅瀬まで無くなった。他にもどえらい罪だろうと思えることはある。バスよりもはるかに問題なブルーギルを琵琶湖に入れたのではないかという点だ。滋賀県水産試験場が西ノ湖で飼育していたものが逃げたしたのがことの発端であるというのはほぼ間違いない。じつはバスだってあやしいのだ。まあ、俺は良識があるから、真偽の度合いに応じてちゃんと語尾を変えている。どうだい、誰かさんたちみたいに、やたらと確信犯を仕立てないところに、俺の理性と思いやりがにじみ出ているだろ。
 漁業者の罪、それは乱獲と無秩序な移入種の放流だ。今まで紹介してこなかったが、琵琶湖の固有種を他の湖沼や河川に放流してきたこともある意味罪だ。勝手にそんなことしていいのかい。しかもそのせいで、稚魚や卵が混入していた外来魚まで一緒に放流してしまったと思われることも問題だろう(うーん今度も語尾を優しくしたよ)。
 どうして彼らはお互いの罪を隠し合い、かばい合うのか。理由は簡単だ。そうすることでお互いが得をするし、そうしなければ、いろいろな意味で自分たちが現在のバス以上にやばい立場に置かれるからだ。
 その最たるものが琵琶湖総合開発だ。なんといっても1973年〜1997年の20年以上に渡り、琵琶湖の自然環境を壊し続け、国から国民の税金を総額1兆9055億円も巻き上げてきたんだから。これが生態系、特に固有種の減少に一番の影響を与えていたなんてことになったらえらいことだ。県はもちろん、国まで責任を追及されかねない。
 それで次のようなを裏取引をしたんじゃないだろうか。これはあくまで私の憶測だから、信じる信じないは各自の自由だが、とにかく考えてみてほしい。
1 滋賀県知事が原案を作成した琵琶湖総合開発が漁業にマイナスの影響を引き起こすことが予想できたので、滋賀県は漁業者に補償金を与え、口封じを図った。この開発でもたらされる利権と比べれば、補償金なんて微々たるものだ。
2 漁業者が県のやばいところにはつっこまないのなら、県も漁業者のやばいところには決してつっこまないと約束した。その上で、琵琶湖総合開発と時を同じくして琵琶湖に広がったバスを悪者することで自分たちの罪を隠し、さらに互いのふところを肥すことを考えた。ひん死の漁業者にとっては特にありがたい話だった。
 という具合だが、どうだろう。
 滋賀県が外来魚駆除のために計上している予算は年間2億円。どのように使っているかというと、漁業者から捕獲したバスやギルを1kgあたり平均350円で買い取ることだ。予算分しか買い取れないわけだが、15億円しか売り上げがない漁業者に、2億円が余分に入るわけだからこれだけでもずいぶんおいしい話だ。
 さらに、さらにだ、滋賀県は漁業者を保護するために、漁業環境の整備費やもろもろの補助金などに莫大なお金をつぎ込み続けている。その総額は年間20億円と言われている。15億円の売り上げしかない業種のために、なんと売り上げ以上の税金を投入し、県職員を20人も配置して全面バックアップしているわけだ。その多くが国からの補助によってまかなわれているんだから、おいしいことばかりだ。
 だいたい滋賀県に本気で琵琶湖の固有種を守ろうなんて気がないことぐらい俺には分かっている。ホンモロコやニゴロブナのことを考えていたら、琵琶湖総合開発でヨシ帯をなくすなんてとろいことはしていないはずだ。
 最近、この問題がばれそうになってきたから、あわててまた税金使ってヨシ帯の復元を図っているみたいだけど、過去のことをつつかれるといけないからか、これもあまりおおっぴらにはしていない。たとえこれでホンモロコやニゴロブナが増えたとしても、「バス駆除の効果が現われた」なあんて言うに違いない。いつまで経っても外づらは、悪いブラックバスからホンモロコ、ニゴロブナ、漁師といった弱い者たちを守る正義の味方でいたいだろうから。やっぱこういうのマスコミが一番喜びそうなパターンだしね。

 結局今日も最後はマスコミの話になっちゃったよ。そうそう、今日は滋賀県と漁業者のネタがありすぎて、生物多様性主義者についてまったくふれることがてきなかった。残念!マスコミに登場するのが生きがいの中井克樹や秋月岩魚がさみしい思いをするといけないから、次回はたっぷり登場させてあげるからさ。もう少し待っててね。滋賀県さん分かる?こういうふうに相手の気持ちを察して、正当な方法で実行に移すのが本当の思いやりなんだよ。こうやって冷静に諭すところなんかも、うーん俺ってやっぱ思いやりにあふれているよなあ。
 

琵琶湖の生態系とバス 2月25日

 それでは、昨日の続きを書くとしよう。
 滋賀県が「琵琶湖漁業を支える魚たち」と題して紹介している5種類の魚介類にバスによる被害があったのか。俺が滋賀県のデータを分析し、2日間にわたって紹介した記述をまとめると次のような結論になる。
 セタシジミ、ビワマス、アユ、ホンモロコの4種については、バスによる被害は認められない。そして、ニゴロブナについては警察用語でいう白か黒かはっきりしない灰色ということになる。ふつう裁判だったら、灰色は無罪になるはず。なのにバスは凶悪犯罪の主犯だとして極刑に処されようとしているのだ。
 いいかい、俺はバス釣りをやるし、釣具店だって経営している。だけど、分析をするのに、バサーや釣具店にとって都合のいいことばかり引っ張りだそうとは思わない。そんなことしたら内水面の漁師や行政やマスコミと同じことをしていることになってしまう。そういうのはいやだ。
 バサーの中にも、自分にとって都合のいい資料ばかり出してきて強調しようとする人だっているだろうが、それは間違いだ。それと感覚だけでものを言う人もいるだろうが、それも決してほめられたことではない。水辺に立って感じることに加えて、適切な資料をもとに公平な目で分析しなけばいけないと思う。そして導き出された結果をもとに、平等で適切な対応をしないといけない。現実を受け入れ、引かなければならないところはちゃんと引かないといけない。そうしないと本当の問題解決にはならない。少なくとも俺はそう思う。だから俺がときとしてこのコーナーでバサーに苦言を呈することだってあるだろう。逆に店に来たお客が俺の考えをバッサリ斬ることだってあるだろう(まあ今現在もそれに近いものはあるし)。俺はそれでいいと思う。
 そういう俺が今まで分析した結果によると、漁業被害を理由に琵琶湖で釣ったバスをリリース禁止にするのは理に合わない。それも公正な判断をするために、あえてリリース禁止を実施したその張本人である滋賀県が提示している資料をもとに分析した結果なのだ。
 バスの増減と重なる部分があるニゴロブナについても、減り方が奇異であり、他の魚介類の中にバス以外が原因で減少した種がいくつかある以上、ニゴロブナの減少をバスのせいだと決めつけてはいけない。別の視点で考えたり、しっかりと検証したりしてみる必要があるはずだ。
 こんなことを書くと、水槽で実験をしたようにバスは小魚を喰う。ならば琵琶湖でも小魚を喰っている。琵琶湖は固有種の宝庫。だからニゴロブナやホンモロコのような固有種も喰われているはずだ。琵琶湖には現在もかなりの数のバスがいる。ならばそうした固有種に被害が出ると考えるほうが妥当ではないか。なんて声が聞こえてきそうだ。
 それに対して俺は、水槽の実験を琵琶湖にあてはめて考えるというのはかなり無理がある。小さな池でミニ琵琶湖的な生態系を作り実験を行い、結論を出すのもおかしい。とにかく飛躍した論理展開をしないでくれと言いたい。確かに琵琶湖の水中においてもバスはある程度固有種を捕食しているだろう。しかし、それが直接固有種の減少につながるほど生態系は簡単なものではない。俺は琵琶湖のほとりに住んでいるわけじゃないし、学者でもないが、それくらいのことは分かっている。
 海洋生物増殖の仕事に就き生態系に詳しい知人から聞いた話だ。外国のあるところで、ある時期に雷鳥(だいぶ前に聞いた話なのでひょっとしたら鳥名は違っているかも)が減少し始めた。そこで地元住民は雷鳥を食べるワシ(これもたぶん)のしわざに違いないと考え、猟銃でワシ退治を行った。ところが雷鳥は増えず、さらに急減していった。詳しく原因を調べたところ、雷鳥に病気が広まっていたからだった。そこではじめて、以前はワシの数が多く、病気にかかり動きの鈍くなった雷鳥が先に食べられいたため、病気が広まらず雷鳥の個体数が維持されていたということが分かったというわけだ。この話は喰う側を減らせば必ず食われる側が増えるとはかぎらないという自然界の複雑さを端的に表している。
 多くの皆さんはもう見たかもしれないが、今一度、日釣振のホームページの「外来魚コーナー」を見て欲しい。「日本の在来魚種が減少した真の要因」が記されている。その中には琵琶湖の事例が多くあがっている。そしてこれを読む限り、バス以外の要因が主となって琵琶湖の固有種が減少したと考えられる。特に興味深いのが、バスが現れる前に在来魚の多くが減少していたという資料だ。漁業者が1977年の時点ですでに、「漁法の進歩とフナずしが有名になってきたことにより、乱獲が進み、近い将来ニゴロブナは姿を消すだろう」と言っており、俺の見解を後押ししてくれる資料まである。
 確かに日釣振は釣り人と釣り業界の組織なので釣り人に有利な資料を集めているのかもしれない。しかし、これに反対できるしっかりとした検証をバス駆除派が行っていないのも事実である。
 毎年、2億円ほどの税金を琵琶湖での外来魚駆除費として使っておきながら、誰もバスが生態系に与える影響や駆除の効果をしっかりと調べようとはしないのだ。できないのではない。やろうとしないのだ。
 そこを掘り下げていくと、滋賀県の行政と琵琶湖の漁業者と生物多様性主義者の本当の思惑があきらかになってくる。次回はこの点について書いてみたいと思う。

 俺がここ4回で取り上げた資料にリンクできるようにしたので、よかったら一度見て確認して欲しい。

   滋賀県HP 琵琶湖漁業を支える魚たち

   滋賀県HP 水産統計「琵琶湖漁業魚種別漁獲量」
     表なのでグラフにすると分かりやすいが、それは各自の努力でどうぞ

   日釣振HP 日本の在来魚種が減少した真の要因

 今日はいつもと違う終わり方だけど、たまにはこういうのもいいでしょ。

琵琶湖のバスと固有種の関係 その2 2月24日

 今日はいよいよ琵琶湖の漁師と滋賀県がバスの被害として問題にし、マスコミで必ず取り上げられるホンモロコとニゴロブナについてだ。
 まずは、ホンモロコ。春に浅場のヤナギの根やヨシなどの水草に産卵し、稚魚はしばらく沿岸で生活をする。冬季には沖合いの深層で群泳し、生まれて半年で10cmになり、翌春には産卵に来るそうだ。こうしてみていくと、かなりバスと生息域がかさなっている可能性がある。サイズや形から考えても捕食しやすく、いかにもバスが好みそうだ。いよいよバスの被害が歴然とするか。
 そこで、昨日と同じように滋賀県水産課の資料を見てみると、1995年以前は年間の漁獲量は200t前後でずっと安定しているではないか。なのにバスの被害として取り上げられるのはどうしてか。それは翌1996年に96t、さらに2年後の1998年には29tと急激に漁獲量が落ち込んでいるからだ。
 この急激な落ち込みはマスコミの格好のネタとなり、ここだけが大衆に紹介されるわけだ。先日書いたTBSの「情報とってもインサイト」でも、ここ10年の漁獲量の変化が紹介されていた。ただしホンモロコを紹介しているのに、グラフはモロコ類すべてのデータになっていた。さらにグラフの始まりはモロコ類が近年になく豊漁だった1992年からスタートしているのだ。どうしてホンモロコのデータではだめなのか。ホンモロコに限定すると1991年〜1994年にかけて漁獲量が増え続けていたからだ。ホンモロコの資料を出すとなると1994年以降になってしまい、期間がかなり短くなり、説得力が弱くなってしまう。だから出すわけにはいかない。そこでモロコ類すべてのデータとすり替えたんだろう。
 これで何も知らない大衆をだまして、しめしめと思っているだろうけど、俺はだまされない。ずっと以前からのデータを入手し、分析しているからだ。マスコミが示したモロコ類すべてで真っ向勝負することにしよう。
 データを見てみると、バスが爆発的に増えたと言われる1980年代になぜかモロコ類の漁獲量は右肩上がりの傾向がみられるわけ。そしてピークが1992年なわけ。具体的に言うと、1970年代後半には169tなんて年があったのに、1992年には倍以上の404tも獲れているわけ。こんなの示したらとんでもないことになる。
 そこで番組では1992年以降だけの資料が提示されたわけなんだけど、何度も言うように1990年からバスはすでに減少に転じているわけ。ふつう食べる側よりも食べられる側のほうが先に減少が始まるもんだ。これは食物連鎖のついて書かれたものを調べていくとわかる。
 ということは漁獲量を見る限り、モロコ類はバスの捕食による影響を受けたとは考えられないわけ。ましてや最も話題になっている固有種のホンモロコに限定して見ていくと、その減少が始まったのはさらに後になってからなので、なおさら影響を受けているとは言い難いわけだ。
 ならば、近年ホンモロコの漁獲量が減少しているのはどうしてか。乱獲か水辺環境や水質の悪化によるものか、もしくは1990年代に増加した外来魚の脇役ブルーギルの影響によるものと考えるのが妥当であろう。なのに、マスコミで必ず主犯とされるのはバスだから恐ろしい。
 さあ、話題はいよいよ琵琶湖漁業最後の砦、ニゴロブナだ。こちらも春に入り江のヨシ帯で産卵し、稚魚はヨシ帯で育つ。その後徐々に沖合いへと移動し、冬には北湖の深い所で過ごす。となると、ホンモロコ同様、生息域はバスとかなり重なる部分がありそうだが、どうだろう。
 ところが困ったことに、ニゴロブナのみにしぼった漁獲量のデータは1987年以降しか存在していない。これはべつに滋賀県が隠しているわけではなく、魚種の分類が大まかだったためだ。だから近年の動向しか分析できないが、まあ、とりあえずみてみると、1987年に109t獲れている。翌1988年にいったん196tと急増したが、その後の6年間で一気に減少し、1994年には34tにまで落ち込んでいる。そしてその後はほぼ横ばいとなっている。
 うーん、非常に微妙だ。1988年はバスが急増した最後の時期だ。もしもバスの被害を受けているのなら、ふつうこの時期(1989年)に大きく増えるはずはないのだが…。ニゴロブナは2〜3年で成魚になると言われており、タイムラグもほとんどないと思われるが…。漁獲量と生息数の比が常に一定とは言えないが、ある程度密接な関係があると思し、そうなると余計に分からなくなる。
 ただし1989年からの6年間の漁獲量を見る限り、生息数が減少しているのは確か。バスの生息数が最も多かったと言われる1990年よりも1年だけだが前になるので、バスによる被害があったのかもしれない。
 結局これだけではよく分からないので、フナ類全体のデータをもとに考え直してみることにする(今日も回り道してすんまへん)。
 バスが入る1974年までのフナ類の漁獲量は多少凸凹があるものの、500tから1100tの間におさまっている。じゃあバスが入ってからは、どうかというと、これがしばらくは横ばいで、漁獲量のデータを見る限りほとんどバスの影響を受けていない。バスが急激に増えたと言われる1983年以降もしばらくは横ばいなのだ。なのに1988年からは明らかに減少に転じている。しかもその減り方はやはりハンパじゃない。これが何とも不可解だ。そうしてみると、少なくとも、この減少がバスのみの影響によって起こったものとは考えずらいとするのが妥当な線だろう。
 「おいおい、せっかく回り道をしたのに、今度もはっきりとした結論が出ずかよ」って言われそうだけど…。妥当な線が出ただけでもましでしょ。
 おっと、いかんいかん。言い過ぎた。開き直っておしまいじゃあ、俺、マジで駆除されちゃうかしれないな。
 ということで付け足し。一般的にバスはフナをほとんど食べないと言われている。ようは嫌いな食べ物の1つなわけよ。「なあバス君、そうだろ。」「そうそう、まずいし、体高があって食べにくいからね。モロコやアユがいっぱいいるのに、わざわざ嫌いなものから食べたりしないよ。」「なあるほどね。そうだよね。他の池を見てもそうだしね。」
 いけない、調子に乗ってついバスになりきってしまった。あー危ない、今なんか俺の横を底引き網が通過したような気がしたなあ。

 おっと時間を見たらもう夜中の1時じゃないか。放送終了の時刻だね。ということでこの続きはまた次回のお楽しみに。えっ、「はっきりとした結論だせ」って。まあ、そう言わずに。連続ドラマだってじらしたあげくに「つづく」でしょ。そのほうが視聴率が上がるからさ。いけない、最後にきてまたマスコミのこと書いちゃった。


琵琶湖のバスと固有種の関係 その1 2月23日

 約束どおり、今日は早速本題に入る。琵琶湖のバスと固有種の関係だ。
 琵琶湖には数多くの固有種がいると言われているが、バスの被害を受けている例として必ず登場してくるのが、ホンモロコとニゴロブナだ。どうして、この2種なのか、それは昨日も書いた通り、漁業者や滋賀県やマスコミにとって都合がよく、かつ大衆が理解しやすいからだ。
 滋賀県水産課のホームページの中では「琵琶湖漁業を支える魚たち」と題して5種類の魚介類が紹介されている。アユ、ニゴロブナ、ホンモロコ、ビワマス、セタシジミだ。そしてこれらすべてが琵琶湖の固有種である。アユは全国各地に生息しているが、琵琶湖のアユの多くは湖産アユまたはコアユと呼ばれ、生態が全国の河川に生息するアユとは大きく異なる。したがって固有種ということになる。
 では、これら5種以外に琵琶湖の漁業を支えている(漁獲量や売上高が多い)魚はいないのかというと、実はいるのだ。ワカサギだ。ワカサギの漁獲量はアユを除く他の4種よりも多いのだ。なのに紹介されていない。漁協が他の場所から持ってきて放流したいわゆる移入種だからだ。都合の悪いことはできるだけ隠しておいたほうがいいからだろう。
 だから水産課のホームページのタイトルを正確に表現すると「琵琶湖漁業を支える魚たち(固有種限定版)」となるわけだ。こうした水産課のごまかし作戦はよくないことだが、これ以上つっこまないようにしておこう。またわき道へそれると本題が進まなくなるから。
 では、5種を1つ1つ取り上げていくことにしよう。
 まず、セタシジミ。これは名前からも分かるように貝だ。さすがにバスが貝を喰うことはまずない。だからマスコミで紹介されないのも当然なわけだが、実は紹介されると困ることもあるのだ。
 セタシジミは1963年まで、琵琶湖漁業の総漁獲量の実に半分以上を占めていた。それがその後一気に激減し、バスが琵琶湖で確認され始めた1970年代の漁獲量は最盛期の6分の1程度になってしまったのだ。いったいこの原因はどこにあるのか、乱獲か環境の変化のいずれかか両方であろう。ということは琵琶湖に生息する他の魚の漁獲量の減少もその主たる原因は同様だろうと疑われるはずだが、こうした視点でものが語られることはない。昨日書いたように問題が複雑化してしまい、バスを悪者にできないからだろう。
 次に、ビワマス。これはバスと同じく魚を食べるいわゆる魚食魚だ。ふつうバスが生態系に真っ先に影響を与えるとしたら競合するこうした魚食魚のはず。だが、ビワマスの漁獲量は減っていない。減っていないものは都合が悪いからマスコミでは紹介されない。生息域や捕食パターンが違うと説明すれば済むことなのにね。まあ、あまりしっかりバスと比較すると、水槽に入れて、小魚を喰うかどうか実験をしないといけなくなるからね。それじゃあまずい。悪者はバスだけにしておかないといけないんだから。(脇役でギルもいるけど)
 3つ目は、アユ。これはもっと困る。バスが琵琶湖に入ってから増えているからだ。現在、琵琶湖漁業の総漁獲量の約半分をアユが占めている。しかも一般的にアユはバスが好んで捕食する魚のうちの1つ。なのに漁獲量が増えている。こりゃあまずい展開だ。
 詳しくみていこう。琵琶湖で初めてバスが確認されたと言われる1974年の漁獲量は789t。それが琵琶湖でバスが一気に増加したと言われる1983年には1743t。バスの生息数がほぼピークをむかえた1990年には1832tになっている。そして最高を記録したのが、翌1991年の1983tだ。これはいったいどういうことだ。
 その後はさすがに減少に転じたが、それでも現在年間1000tくらいでほぼ安定しており、バスが入った当時よりも高い数字を示している。少なくともこの減少がバスの捕食によるものでないことはぼぼ間違いないだろう。なぜならバサーがよく知っているように、琵琶湖に生息するバスの個体数は近年明らかに大幅に減少しているからだ。
 ならば、アユの増加をどう理解したらいいのか。漁法の進歩とでもしておきましょうか。ごめんごめん、そんなこと言ったら、近年みられた一時的な減少が乱獲の結果ともとれちゃうね。それじゃあ、放流事業の成果としておきましょうか。ごめんごめん、そこにはふれてほしくなかったんだ。他の固有種の放流の成果はどうなんだということになると難しくなるしね。移入種を放流していたことがばれるとまずいしね。ましてや放流事業にどれだけ税金使ってんの、という話になるともっとまずいしね。あー、やばいやばい。話題を変えなくちゃ。
 バスが入ったことでアユにプレッシャーをかけていたオイカワなどが今度はバスからプレッシャーをかけらて減少し、そのせいでアユが増えたとする説があるが、正確には分かっていない。あっいけない。問題を難解にしてはいけないんだった。ごめん、ごめん。

 結局、枝葉が多くなって、肝心のホンモロコとニゴロブナに到達する前に文章の量が多くなってしまった。現在の時刻は20時30分。いつもよりずいぶんと早いけど、たまにはここら辺できりあげてもいいでしょ。毎日夜中までやってると、体によくないし、俺自身が直接パブコメを集めることもがんばらないといけないからね。
 だいだい俺みたいに、アクの強い文をしつこく書くヤツは珍しいだろうから、倒れるとなかなか代わりがいないような気もするし。そういう意味で絶滅危惧種かもしれないな。絶滅危惧種なら国で保護してくれるといいんだけど…。これ以上書くと逆に害魚ならぬ害人のレッテルを貼られて駆除されそうだからやめとこう。


琵琶湖とマスコミ 2月22日

 俺は今回のバス問題を考えていく上で、最大のネックになっているのは琵琶湖の問題だと思っている。
 なぜ琵琶湖かというと、いわずと知れた日本最大の湖であり、400万年の歴史があるからだ。ほとんどの湖が土砂が積もってしまうため、1万年で消滅してしまうことを考えると、いかに歴史が古いかが分かる。
 そのため、豊かな自然が形成されており、魚類の量、種類ともに多い。しかも固有種が多いところにその特長がある。とにかく日本の湖の中で注目度NO1、それが琵琶湖だ。
 魚がいない湖なら誰も相手をしない。だからほとんど問題は起こらない。ひとけがないために不法投棄があるなどの事件を除いて。
 魚がいっぱいいて利用価値が高いから、お互いの利害が対立して問題が起きるわけ。妙な話だが、世の中なんてそういうものだ。
 琵琶湖の場合、他の湖と比べて漁業者が格段に多い。それだけ発言権が大きい。日本は既得権を妙に大事にする国だから。それに加えて固有種が生息しているという後ろ盾がある。漁業者が固有種を守ろうなんて考えがないことはおととい紹介した通りだが、その点は表に出てこない。だからタチが悪い。そこへバス釣りが流行ったもんだから、格好のターゲットなわけよ。だから問題がどんどん巨大化する。
 それを話題の種として喜んで取り上げるのが、マスコミだ。問題が大きいほうが、話題性があり、視聴率を上げることができる。だからマスコミで一番に、そしてもっとも取り上げられるのが、琵琶湖の例だ。
 その際、必ずと言っていいほど、バスとバサーが悪者になる。どうしてか。それは最初からマスコミにとって都合がいいように番組の筋が出来上がっているからだ。問題を複雑化したら、視聴者が分かりにくい。それはテレビにとって致命傷だ。じゃあどんな展開が分かりやすいのか。悪をあばき、成敗するという筋の設定だ。ニュースでこれをやれば、マスコミは正義の味方にもなれる。
 琵琶湖でこの問題にぴったりはまるのが、バスと固有種の関係なんだ。生態系保全に向けての問題点の解明なんてことを真剣にやったら問題は複雑化するし、結論なんて出ない。根拠が明確で、量が充実していて、一貫性があるようなデータを揃えることができないからだ。
 これが、自分の命や財産が危ないなんて全国民がすごく関心をもつような話題なら、自分のこととしてとらえるから討論会をやって、最後まで結論が出なくても番組として成立するわけ。
 ところが話題が琵琶湖のバスと固有種の関係になると、俺たちみたいな水辺に立っているごく一部の人間以外は何も分からないわけ。だからマスコミのいいように番組が作られていくわけだ。
 固有種を守るって設定は今のトレンディ。バスは外国から入ってきた魚だし、小魚(固有種)を喰う。そうなればもう筋は決まりだ。漁業者が移入種を放流しまくっていようが、魚を獲りたいだけ獲っていようが、行政が水辺の環境を破壊していようが、人々が有害な排水をたれ流していようが、関係ない。そんなのを番組で紹介したら、問題が複雑になっていってしまう。そして何よりバスを悪者として強調することができなくなってしまう。
 こうした流れで出来上がった番組の一つが、おととい紹介したTBSの「情報とってもインサイト」だ。そしてどの報道番組をとってもほとんど同じような筋だから困ったものだ。あげくのはてには広島放送のようにとんでもないねつ造番組を報道するところまで出てくる始末だ。ここまでくると太平洋戦争時の大本営の発表と同じような恐ろしさを感じるんだが、皆さんはどう思う?
 
 今日は本題として、琵琶湖の漁業とバスとの関係について言いたかったんだけど、そこにたどり着く前にアクセル全開で別のところに行ってしまった。うーん、問題を複雑化してすみません。明日はきっと本題について書くから今日のところは許しといてな。忙しかったらあさってになるかもしれんけど。(つくづく無計画かつ無責任な店主でした。)


上海ガニはよくてバスはだめ 2月21日

 今日、渥美半島の野池を守る会のいわさんと電話で話したときに、大阪フィッシングショーでのヒロ内藤さんのスピーチが話題になった。
 俺は業者日に行ったので直接話を聞いてはいないんだけど、いわさんが録音してくれたのでそれを聞いて感動したんだ。やっぱヒロ内藤さんってすごいよ。キャラは地味(これは俺も同じ)だけど、説得力(こちらは足元にも及ばない)があるよ。それに何よりもバスフィッシングを心から愛しているというのが伝わってくるのがいい。ヒロ内藤さんのファンで、彼の良さを俺よりもよく知っているいわさんはもっと強く彼のすばらしさを感じていたにちがいない。
 ヒロ内藤さんの話はなるほどと思うことばかりだったけど、ここで全部を紹介するわけにはいかないから、今日はその中の一つ、上海ガニの話を紹介する。
 ヒロ内藤さんが環境省に「今回の特定外来生物の選定にあたって経済的なメリットは考慮されないんですか。」と問いかけたところ、環境省から返ってきた答えは「環境省は環境のみを問題にする役所だから経済面は一切考慮の対象にはならない。」という返事だった。
 それでオオクチバスが今回、第一陣の指定に入っている。ならば上海ガニが指定から外れているのはどうしてか。上海ガニは世界的にバスよりもはるかに環境に与える危険性が高いと認識されており、ほとんどの国で生きた状態での輸入が禁止されている。泥地に穴を掘るため、それが堤防の決壊につながるなど恐ろしい事態を引き起こす可能性があるからだ。ヒロ内藤さんは疑問に思い、「どうしてバスがだめで、上海ガニはいいのか。」と環境省に問い詰めたところ、今度返ってきた答えは「上海ガニによるそういう被害は今のところ報告されていないし、上海ガニの養殖は経済的にメリットが大きい。」だった。この発言に対してヒロ内藤さんは「前に言っていた方針とまるで違うじゃないか。どうして上海ガニがよくてバスはだめなのか、これでは納得がいかない。」とかなりヒートアップしていた。
 まさにその通りだ。これはまったくおかしな話だ。これじゃあ、養殖業者のやることは権利として認めるけど、バスを釣ることは権利として認めないとしか解釈できない。いったい善悪や、真実・虚偽の判断基準はどこにあるのか。環境省は、みんなが納得できるように説明すべきだ。
 バス釣りはしょせん遊びだから認められないのか。100万人以上愛好家がいるレジャーをたかが遊びで片付けていいのか。俺だけじゃない、全国にはそれで生計を立てているいる人が大勢いるんだ。
 それに、俺の店に来るバサーの多くは、マジでバス釣りを生きがいにしているんだ。どうしてそんなことが言えるかって。俺の店ははっきり言ってドいなかの分かりにくくて入りづらいところにあるわけ。そんな店に遠くから来るんだから、おにぎりやジュースを買いにコンビニに立ち寄るのとは、わけが違う。筋金の入っていないバサーはほとんど来ないよ(これはうまい・へたとは関係ない)。それが分かるから俺は余計に燃えるんだ(これはお客さんも同じ)。
 いいかい、俺に言わせりゃ、釣りが遊びなら、上海ガニの養殖はもっともっと遊びだ。別に上海ガニを食わなきゃ健康を損なうわけじゃないんだろう。日本中に上海ガニを食べるのを生きがいにしている人がいったい何人いるというのだ。百歩譲ってバサーの10分の1くらいの人数がいたとしても、冷凍物を中国から輸入すればなんとかなる話じゃないのか。上海ガニが経済的にメリットが大きいと考慮されて、バスが無視されるなんてあまりにもばかげている。
 俺がお客さんによく言うことなんだけど、現在の日本経済は半分以上が遊びで成り立っているんだよ。いいかい遊びっていうのは何もレジャーや娯楽だけを指すものじゃないんだ。必要最低限のもの以外はすべて遊びと同じなんだよ。豪華な服や食事、最先端の車や電気機器、すべてそうだ。別におしゃれな服を着なくたって、グルメに走らなかったって、健康に影響はないだろ。車についている優秀なエンジンや便利な機能だってそうだろ。昔は電気機器なんてほとんどなくてもちゃんと生活していたんだろ。たしかに不便にはなるけど、無くたってなんとか生活はしていけるだろ。じゃあ、これらを否定できるかい。できないだろ。そして何よりもこうした人々の遊び心を否定したら日本の経済はまたたく間に破綻してしまうんだよ。
 「釣りはしょせん遊びだから…」と言ってるヤツはこういうことが分かってないんだ。
 いいかい、皆さん、パブコメの締め切りまであと1週間しかなくなったけど、あきらめちゃいけないよ。パブコメは1人何通出してもいいわけ。もちろん同じ意見はいけないけど、違う意見ならいいわけよ。そしてそれが正当で説得力のある意見なら、なおいいわけ。俺のこのコーナーにだってパブコメのネタがあると思う。これは使えると思ったらどんどん使ってもらっていいから、よろしく。


河川や湖沼は誰のもの 2月20日

 だいぶ前のことになるけど、11月30日にTBS(テレビ)の「情報とってもインサイト」という番組でバスのことが取り上げられたのを多くの人が知っていると思う。この番組も当然のごとくマスコミの「バスはめちゃめちゃ悪い魚」という偏った考えのもとに展開されていた。
 俺はこれをジャッカルから送ってもらったビデオで見たんだけど、マスコミの陰謀にめちゃ腹が立った。なにせ、いきなり「琵琶湖の暴れん坊ブラックバス、湖のすべての小魚を食べ尽くす」ときた。その後は最後までバスとバサーの悪口ばかりが延々と続くのだ。それもそのはず、意見を述べるのは、琵琶湖博物館の中井克樹やいわずと知れた自称写真家の秋月岩魚といったバス駆除派の人ばかり。これじゃあ報道の中立性なんてあったもんじゃない。
 ようは最初からバスとバサーを悪者に仕立てるために番組作りが行われているわけ。それでバスのことなど全然知らないゲストの芸能人たちが「へえーそうなんだ。そりゃあ特定外来生物に指定して、駆除してもらわないと困る。」と言いながら、秋月岩魚を持ち上げるわけ。バスが指定から外されるかもしれないということが紹介されると、今度は「悪の軍団の裏工作がそこまで手を伸ばしてきたか。」というとんでもない展開になっていくわけ。
 まあ、怒れることはこのほかにも山ほどあったんだけど、俺が妙に心に引っかかったのが、内水面漁業協同組合連合会の桜井会長の言葉。琵琶湖のほとりにある釣具店のオーナーにマイクが向けられ「琵琶湖での釣りといえばやはりバス釣りなんですね。」と聞かれ、迷いながらも「そうですね。」と答えた直後の登場だった。
 いきなり怒った表情で「まったく身勝手な発言ですよ。」と一喝するところから始まった。そして「被害が歴然としているのに、まだ釣りを楽しみたいなんていうのはおかしい。」「ブラックバスやブルーギルのためだけに河川や湖沼があるわけじゃない。」ときついお言葉が続いた。
 俺はオーナーの発言の中に身勝手な点があったなんて全然思わない。それに加えてというかそれ以上に俺がおいおいと思ったのが「被害が歴然としている」という言葉と「ブラックバスやブルーギルのためだけに河川や湖沼があるわけじゃない。」という言葉。
 まず、最初の被害というのがいったい何に対する被害なのかがまったく歴然としていない。特定外来生物被害防止法の趣旨でいうと第一に考えられるのは生態系だろう。でも考えてごらん、漁協が生態系の被害を言うわけがない。だいたい漁師というのは自然にあるのを獲って生活しているんだから。生態系を守ろうって考えたら漁なんてできなくなってしまう。となると水産業に対する被害としか考えられない。桜井会長もそのつもりだったにちがいない。たしかにこの法律の三つ目には農林水産業に対する被害防止を謳っている。だからここまでは問題ない。俺だって漁を否定はしない。乱獲に走らないという条件付だけど、自然の恵み(天然の魚を獲ること)によってを生活を立てることは悪いことじゃないと思う。
 じゃあ何が問題かというと、水産業の実態が問題なわけ。在来魚を採るのは良しとして、それ以外にも琵琶湖の漁師は多くの移入種(もともと琵琶湖にいなかった魚)をいままで長年に渡って放流し続けてきたわけ。その合計は数十種にも上るわけ。中には外来種もいるわけ。これってありかよ。うまい具合に漁協が放流した外来種が目立った存在になっていないから許されているのか、漁業権という既得権があるので許されているのか知らないけど、これこそ身勝手だと思うんだけど、皆さんはどう思う?俺と同じで明らかにおかしいって思うでしょ。
 そう考えてくると次の「ブラックバスやブルーギルのためだけに河川や湖沼があるわけじゃない。」というもっともらしい言葉の裏に隠れた本当の意味が分かってくる。つまり「河川や湖沼は内水面漁師のためにだけにある。」ということが言いたいわけだ。だから内水面漁師に都合がいいことならどんなことをしてもいい、いじめのターゲットになるバサーはとことんいじめてやれ、ということになる。在来魚が減った原因は不明確なのにバスのせいにして「歴然」という言葉まで使うのはそのためだ。まったく道理に合わない話だけど、妙につじつまが合うでしょ。
 皆さん、だまっていたらこんな不条理がすべてまかり通っていくんですよ。力を合わせてなんとかしようじゃありませんか。


自己分析 2月19日

 今日店に来てくれたお客さんの一人が「ホームページ見ています。店主の主張がおもしろいです。」と言ってくれた。うれしいじゃないですか。俺って単純だからほめられると、理屈抜きで喜んじゃうんだ。
 だけど、ただ喜んでるだけでは、アイスクリームを買ってもらい、よだれたらしながら「わーい」とはしゃいでいるガキや、補助金をふところに入れ、影で高笑いをしている某組合員や、人気取りをして自己満足に浸っている某大臣と代わらなくなってしまう。
 それではいけない。ということで、何がおもしろいのか、お客さんに踏み込んで聞けなかったことついて、自分なりに自己分析をしてみた。
 たどり着いた結論、それは俺の暴走が読者の心を癒し、やすらぎのひとときを提供しているということ。
 じつにくだらんことを言ってると思うかもしれないけど、俺はマジだ。人は時として暴走しなければいけないんだ。暴走って言っても暴走族の暴走とはわけが違う。確かに暴走していて誰も止められないって感じなんだけど、真理を追い求めているって気概を感じるじゃないかって。そしてその中に世の中を風刺したユーモアがちょっぴり隠し味になっていて、全体のバランスを絶妙なものにしているってとこも重要かな。
 まあ、これ以上自画自賛していても仕方がない。どうせ店に来るギター侍みたいな連中(連中と書くのは一人ではないから。これがまたかなりいるんだ。)に斬られまくるだけだから。
 ということで、明日は自己分析ではなく、バス問題についてしっかりと分析するから、今日のところはこの辺で勘弁しといてな。(なぜか自分でも分からないが、最後だけ関西弁。)


すべての釣りがピンチ!  2月15日

 前に書いたけど、今はバスがピンチであると同時に釣りすべてがピンチになっているわけ。バサーは今、バスが特定外来生物に指定されそうになっているから切実感があるけど、他の釣り人はどうなんだろう。
 はっきり言ってまったく気にしていない人がほとんどなのでは。まあ一部の賢い人は気づいているんだけどね。その割合が少なすぎる。これじゃあ、マジに日本から釣りというレジャーすべてが消されてしまう日が来るかもしれない。
 俺がここまでいうのには理由がある。世間一般に、釣りがしょせんマイナーな遊びだと思われていること、釣りによって環境が破壊されていると思われていること、釣りは他の産業や人々の生活にとって邪魔な存在になっていることがはっきり分かるからだ。
 被害妄想や弱い者いじめにもほどがあると思うんだが、これが現実なんだ。
 変えていくのは大変だけどやるしかない。だいたい俺は逆境になるほど燃えるほうだから、くじけないよ。
 ただし、がむしゃらにやっているだけでは空回りするだけ。そう思って釣りをしない人も納得してパブコメに協力してくれるように、資料を作ったよ。「お知らせ」のページを見ると詳しいことが分かるから是非見て、できたら活用して欲しい。まあ、「渥美半島の野池を守る会」の人たちにとっては見飽きた資料なんだけど。


このパワーはすごい  2月8日

 昨日は疲れたけど、ためになったよ。というのは、お客さんと「渥美半島の野池を守る会」の打ち合わせがあったから。議題はもちろんバスのこと。しかもパブコメについてがそのうち7割くらい占めていたかな。
 まあ俺もかなり真剣だけどお客さんも半端じゃないね。今度ばかりはこれまでとはずいぶんちがうね。今まででもみんなバスフィッシングを守ろうという気持ちは持っていたけど、まとまった行動に出ていたのは一部だけだったわけ。「渥美半島の野池を守る会」でいうと月に1回のゴミ拾いと年1回の学習会がそれ。
 俺をはじめみんなもこれくらいで十分と思っていたのが、今では毎日でも集まらなくっち…という感じになっている。その理由はお気づきの通り、バス問題が急展開をみせているから。
 1月21日の環境大臣の発言までは、それでもなんとかなるだろうと思っていたんだけど…。それがこの日を境に絶えず全力疾走になったね。俺だけじゃなくて、バスに関わっているすべての人が変わったね。バスプロもメーカーもお客さんも。これってとてもいいことだと思う。状況は最悪だけどね。
 「今となってはもう遅い」という人もいるけど、そんなことはないと思うよ。たしかに大きく出遅れてしまったけど、望みがなくなったわけじゃないと思うよ。だからこそ、「渥美半島の野池を守る会」の人たちは真剣に動いてくれているんだ。
 俺は釣具店をやっているわけだから、人から見れば今度のことでも、どうせ金儲けしたいだけだろって思えるかもしれない。たしかに今回の法律がきっかけで生活ができなくなるのは困るけど、心の中の大部分は金儲けは度外視って感じだよ。
 とにかくやらなくちゃ気がすまないって感じだね。バスフィッシングを心から愛しているお客さんもきっと同じだと思うんだ。いったい俺たちをそこまでさせるものって何だろう。よく分からないけど、最愛のものを失うかもしれないという追い詰められた不安、弱い者いじめををする世の中の体質に対する怒り、真実が歪められることに対する憤り、などなどだろう。
 今度はそれらが頂点に達しているから、みんな強いよ。この調子ならパブコメもかなりの数が集まるんじゃないかな。とにかくあと1か月弱。俺も全力で行くよ。そうでなくちゃ一生後悔する、そう思える今日この頃だよ。

 それからバス釣りをしない人に一言。今度の法律はバサーだけがピンチになっているだけ。自分には関係ないと思っていたら大間違い。はっきりいってこのままいくと釣りそのものが世の中からしめ出されるようになるよ。だから釣り人みんなが立ち上がって釣りをしない人にも理解してもらい、協力をしてもらうくらいのつもりでいってほしい。


小池環境大臣の発言を斬る!  1月30日

 1月21日の小池大臣の発言には本当にたまげたよ。まあ人間、権力を持つと往々にして誰でもパフォーマンスをしたくなるもの。だから何か起きそうだと思っていたけど、まさか、いきなり専門部会の話し合いを無視し、あんなバカな発言をするとは予想していなかったよ。
 そりゃあ、専門家たちが一般民衆の声を全然無視した結論を出したのなら話は別だけど、すごく真剣に話し合いが行われていて、バスについてはとりあえず、半年間は特定外来生物の指定から外そうということでほぼ話がまとまっていたはず。
 だいたい話し合いをさせたのは責任者である環境大臣でしょ。任命された人たちががんばっていて、もう少しで成果が発表できるところまできたら、いきなり無視して「まずオオクチバスを指定すべき」だなんて冗談じゃない。ぱしりを散々させて、あげくのはてに完全無視したのと同じじゃないか。こりゃあそこらへんの不良生徒や一流選手をベンチで飼い殺ししている某球団よりもやることがひどいよ。
 それになによりも2月からパブコメをやる予定になっていたんじゃないの。大勢の人の意見を聞くのが政治家の務めでしょ。パブコメやる前に大臣が独断で結論を出してどうするの。しかもこの法律がバスを指定するためにあるみたいなとんでもない結論を出しちゃって。
 しかも、大臣はバスについての真実をほとんど知らないでしょ。なのにあの発言はどうして。役所の人たちに左右されない立派な政治家と思われたいから?マスコミがこぞってバスを悪者にしているから、それを信じているわけ?それともマスコミの方を向いていれば、人気とりができて次の選挙に勝てるから?まあそれくらいしないと存在感がなくなっていくからねえ。そういえば、小池大臣はもとアナウンサー、マスコミ出身だからね。上手に利用したつもりだろうけど、賢い人は見透かしているよ。だって一番大切にしないといけない湖の現場に立っている人たちの意見を全然聞こうとしてないんだもん。
こうなったら、直接抗議のメールを送るしかないね。店主はすでに送ったよ。言いたいことがいっぱいあったから5000字くらいになったよ。読んでくれるかどうか分からないけど、書かないと気がすまないからね。バサーに限らずおかしいと思った人はどしどし抗議すべし。ただ、こういう人だから脅迫のようなメールは火に油を注ぐだけ。批判は大いに結構だけど、正当な主張をしないとね。店主もここに書いた文よりもずいぶんと控えめにしたよ。俺って大人だなあ(本当に大人だというわきまえのある人はこういうことは書かない。分かる?)。

ルアーが増えて  1月29日

 お客さんに「○○入った?」と聞かれて、えっと思うことがよくある。俺の知らないルアー名がしばしば登場してくるからだ。ルアー雑誌には結構目を通しているつもりだけど、それでも追いつかない。これは俺が歳をとって物覚えがわるくなったからじゃない。日本のルアーメーカーの開発のスピードが速いからだ。特にバスのメーカーの開発のスピードには驚くばかりだ。それくらい次から次に新しいルアーが発売になる。
 これはバサーにとっても釣具店にとってもある意味いいことだ。より機能がすぐれたルアーが登場してくるわけだし、選択の幅も広がるわけだ。新しいものが発売されれば、多くのバサーはそれがどんなものか試してみたくなる。ということで必然的に新しいものが売れることになる。
 ところがこれには大きな落とし穴がある。以前売れていたルアーが売れなくなるのだ。少し前まで飛ぶように売れていたルアーがある日を境にしてパタリと売れなくなることの多いこと。本当に急に売れなくなるから、店を経営している俺にとってはむちゃくちゃ恐ろしい。だって1回目の仕入れで1週間もしないうちに完売したから次も…と意気込んで倍の量を仕入れたら次は1つしか売れなくて残りはすべて不良在庫なんてことが起こるからだ。これじゃあ、いくら新製品がバンバン売れてたって、儲かっているのかどうか分からない。
 どうしてそうなるかというと、次々に新製品が発売されるため、手持ちのルアーが多くなりすぎて、結局使うルアーが限定されてしまうからだ。ほんの少し前に買ったばかりのルアーでも、1回か2回使って結果が出なければすぐに登録抹消になってしまう。だいたい1回や2回で結果なんて出ないことのほうが多いもの。だってバス釣りに行って1匹も釣れないときだってあるんだから、もう少し長い目で見てやってほしいと店主は思っているんだが…。
 それどころか実績抜群なのにいつの間にかタックルボックスの奥で眠っているルアーだってある。これはさらに腑に落ちない。ルアーがいつの間にか、すぐ賞味期限切れになる生鮮食料品と同じ扱いになってしまっている。それが今の現実なのだ。
 こうした変な現象はマスメディアならぬバスメディアと現代人の移り気なのに絶えず何かに依存する性分とが絡み合って生まれたと俺は分析している。バスメディアが「新製品の○○でIプロが爆釣」と紹介すると、バサーはそれが無性に欲しくなり、買うわけ。ここまでは悪くないと思うんだ。より釣れる魅力あるルアーが欲しいと思うのは当然のことだから。ただその先が問題だ。それを使った瞬間いままで使っていたルアーのことを忘れてしまうバサーが多いんだから。
 何はともあれ、こうして一度隅に追いやられたルアーは往々にして二度と日の目を浴びることはない。これはバサーにとって悲しいことだと思う。
 そこで提案、たまには登録を抹消したルアーや2軍落ちしたルアーを使ってやってはどうだろうか。ひょっとしたらその実力を再認識したり、新しい一面を発見するかもしれない。
 それからルアーメーカーに一言、新製品を出すのはいいけど、もう少し狙いを絞って、既存品との違いがはっきりするものを発売するようにしてほしい。
 メーカーも小売店も一度売ったらあとはお構いなしじゃあいけないと思うのは俺だけか?