店主の主張

 このページではヒグチ釣具店のおやじ 樋口弘実が釣りに関わるすべてのことについてと、まったく釣りに関わっていない余分なことについて、自由気ままに意見や思いを述べています。
 釣具店なのに、損得勘定抜きで書くし、契約プロのようなメーカーや一部の人に対するしがらみがない分、まさに真実のかたまりと言いたいところですが、私の独断がほとんどですので、まああまりあてにならないかも…。
 しかも文章の中身以外はなんにも飾りなし。このページまで面倒くさい思いをするのはのはいやだから(さっそく典型的なB型の血が現れている)。
 ということで、読まれる方も自由気ままにどうぞ。


逆を選択してしまう社会   令和6年10月2日

 先日、自民党の総裁選挙がありました。
 私は、自民党員ではありませんし、「こちらの候補を支持する」というようなことを
書くつもりもありません。

 だけど、あえて、ここで話題にしようと思います。
 それは、与党自民党の新総裁=日本の次期総理大臣だから、国の今後=自分の未来を考える上で、
とても重要なのに、多くの人が自分の願いとは逆の選択をしていると感じるからです。

 今回の総裁選は、高市さんと石破さんとの決選投票になりました。
 この二人が、他の候補と比べて、自民党員の圧倒的支持を得ていたからです。

 そして、この二人の得票には、明確な特徴がありました。
 高市さんが都市部で人気が高かったのに対して、田舎ほど石破さんの人気が高かったのです。

 それぞれの政策を見たとき、普通なら逆の結果になるはずなのに?
どうしてだろう?
 私には、そう思えました。

 高市さんは、日本の国益、国力を第一に、経済大国復活、自給率を上げる、国の伝統を
重んじるというナショナリズムで保守的な政策を前面に強く打ち出していました。

 対して、石破さんは、はっきりとした政策はあまり前面に出していませんでしたが、
先ずは、財政の健全化。
 それと、雰囲気的に、今までのグローバル化の流れは変えないほうがいい、どちらかというと
日本社会が世界の大国と歩調を合わせるべきで、文化や伝統も例外に非ず、という感じでした。

 普通に考えると、戦後のグローバリズムの流れが都市部への人の集中、そして、東京への一極集中を
招き、田舎の人口減少が加速し、衰退してしまったのですから、
都市部の人は、現状を肯定し、田舎の人は否定する。
 だから、都市部は石破優勢、田舎は高市優勢のほうが、筋が通ると思えるのですが…

 高市さんが田舎に行くほど、極端に票が減るのは、どうしてでしょうか?

 田舎は男性社会で、女性をトップに立たせたくないのでしょうか?

 石破さんが鳥取という過疎の県出身だから、田舎を助けてくれると思うのでしょうか?

 考えられることは、いろいろあると思いますが、
一番大きなのは、田舎の人ほど「今を変えたくない」という意識が強いという点だと思います。
 逆に、都会の人は、変えようという意志は強いのですが、正しい方向なのか?という吟味が、
今の日本人は浅いので、それもまた、危険だなあと感ることが多々あります。

 何事も不易流行が大事で、物事の本質を見極めてブレずに、よりよい方向へと
変化させていく。
 そのことを忘れてはならないと思っています。

 これは、今の世の中、ほとんどの面について言えることです。

 でも、今の世の中は、全てを金と承認で手っ取り早く解決しようという流れになっています。
 その点は、都会も田舎も同じですし、釣りの世界も同様です。

 値段の高い物、人気のある物、コスパの高い物が良い物だ!
 それを使えば何とかなる!
 という短絡的な思考です。

 特に、人気商品の限定仕様に人は弱いです。
 それが、展示即売会での行列を作ります。

 釣具(ルアー)でいうと、それが、ちゃんとフィールドの状況やルアーの特性を見据えて
しっかりと作られたものならいいのですが、そうではなく、ブランド名や見た目に惹かれて
人は動いてしまいます。

 うちの店もオリジナルカラーやオリジナルルアーを手がけていますが、
 それは、フィールドに合ったもの、ルアーとしてより良いものを目指してやっていることで、
 レア度を高め、高額で転売される人気品に仕立て上げようという思いはありません。
 だから、売り切れたら、なるべく同じルアーの同じカラーを再生産するように心がけています。
 そのほうが、釣り人のためになり、釣り業界のためにもなっていくと思っています。

 釣り人をなるべく正しい方向へ導いていける人間になりたいです。
 そのために、先ず私が変わらなければならない点が多々あると思います。

 良い釣具をプロデュースする。
 これが、私がやるべきことだと思い、取り組んでいます。

 そのうち、良い釣具を見つける、良い釣具を考案・製造する。
 そこまでは、ある程度出来ているように思います。

 でも、その先の肝心な部分、
 釣り人に、良い釣具の良さや正しい使い方を上手に伝え、正しく使っていただく。
 今のところ、ここが不十分になっています。

 自分のアプローチの仕方が未熟だから、と思っています。
 自分を磨き、改善できるよう、日々精進です。


行政と津波についての話し合い   令和6年9月23日

 今日は3連休の最終日。
 普通なら、お客さんの対応で、ある程度忙しいはずですが、今日、一気に秋の空気に代わったため、
北西風がかなり強くなり、釣りがし辛く、来客数が減りました。

 ということで、そのタイミングで、津波の件に関して行政と話し合った内容を報告したいと思います。

 9月20日(金)、お知らせのページに掲載したシーバスパーティーの大会要項と緊急時の対応について、
の文書を持って、渥美消防署と田原市役所を訪問しました。

 そこで、話し合いをしたわけですが、
渥美消防署があっさりと終了したのに対して、田原市役所防災対策課のほうは、2時間以上の議論になりました。

 そこで私が真っ先に申し上げたのは、「市としての具体的なマニュアルが無い」という点です。

 昨年、多くの釣り人が浜に残り、メディアにスクープされました。
 ただでさえ低い釣り人の評判が、あれでさらに低いものとなりました。
 次に同様のことがあり、もしも津波で流された人がいたとなると、たぶん、渥美半島全体、釣り禁止になります

 津波注意報発令中に、多くの釣り人が釣りをしていた。
 そのほとんどは釣り人自身の責任ですが、
 業界人の一人として私の責任が無かったか?というと、やはりあったと思いますし、
 行政の責任もあったと思います。

 ですから、お互いが、昨年の反省を踏まえ、2度とあのような事態が起こらないようにすべきです。
 そのためには、日頃の行いや備えが重要になります。

 行政は、昨年の一件で、私がしつこく、意見を申し上げたことで、パンフレットを作ってくれたのですが…
津波注意報時の避難が「海岸堤防等よりも海側の地域(海から上がり海岸から離れる)」としかありません。

 これでは、海岸堤防のない肝心の表浜地区でどこまで避難すべきなのか?分かりません。
 海岸堤防等の等とは何を指すのか?も分かりません。
 具体的に分からないから、当然、きちんとした避難指示は出せません。

 ということは、昨年と同様、巡回して来た消防署員の思いつきで指示が出されるということになります。
 昨年と何ら変わっていません。

 「もっと地域に根差した具体的な表現にしないと機能しない」と申し上げたところ、
 「何か事があったときに責任問題になるから、はっきり書けない。」
 「自己判断に任すしかない。」
 
 これを聞いて、
 私は、それこそ、責任逃れの『無責任』。
 ことが起きたとき、逆に責任問題に発展する。
 と思いました。

 だから、
 「すみません、昨年、防災マップで津波の危険性がピンク(紫や赤よりも安全)のところに居た私たちを強制的に帰して、
 石門から堀切にかけて、大勢の釣り人が釣りをしていたのは、どういう理由があれ、よろしくない。
 改善しないといけない。」
 と申し上げました。

 すると、
 「消防署員が浜まで下りて行って、首根っこをつかまえて連れてくるというのは、出来ない」
 という返事が返ってきました。

 それ自体は、もっともなのですが、他に有効な手立てだってあるはずです。
 現に、注意報が出ていることを知らずに浜に入っていた人もかなりいたようです。

 ですから、
 「指示に従わない人には、釣り大会を楽しみに、参加費を払って遠方から来たけれど、
帰ってくださった方が大勢みえるのに、釣りをしていて恥ずかしくないのか、と言ってください。」

 「防災無線だけでなく、トラ柵に『津波注意報発令中につき立ち入り禁止』と
 掲示して浜の入口に置く、などもできます。」

 と申し上げました。
 すると、市役所の職員さんの対応が、なるほど、という感じに、少しずつ変化
していきました。

 さらに、
 「命を守るのが消防署員の仕事だから、高い津波が来ることを想定して
ヒグチさんの催しを中止し、帰っていただくのは当然。」
と言われていましたが、
 それについても、
 「命を守ることが第一なら、先ず、釣り人を浜から上げること、次に赤色の所にお住いの方に
避難の呼びかけをすることが大事!」
 「それをせずして、ピンク色の場所に待機していた私たちを帰すというのは、安全の平等性という
観点からも明らかにおかしい。」
 と申し上げました。

 そして、私の津波にに対する知識をお話しさせていただきました。

 ・津波注意報で1mを超える津波が来ることはないということ。

 ・津波の特性

 ・遠隔地地震の特徴

 ・渥美半島特有の注意点

 など。

 こうして、なんとか、津波注意報の場合、閉会式は実施させていただく
というお許しをいただきました。

 長時間に渡り、時間をさいていただいた市役所の担当の職員さんに、
お礼申し上げます。

 ただ、今回の話し合いを通して、改めて次のようなことを思いました。

 安全第一だから、避難は大事。でも、あまりに過剰な避難をする必要はない。

 過剰非難を強要すること、それは、無駄な基本的人権の侵害にあたるので、
憲法違反です。

 そうならないよう、的確な避難をお願いする。
 そのためには、津波に対する正確な知識が必要になります。 

 大変厳しい言い方になりますが、人々に指示を出す、消防署員さん、市の職員さんが、
津波に対して、あまりにも無知である。その現実は、大問題です。
 また、それに対しても罪悪感が足りない気がします。だから、改善しようという思いが沸いて来ない。

 私だって詳しいといっても、決してまだ十分とは言えません。
 だから、勉強し続けます。

 何に対しても、そうですが、自分が無知であることを認識する。
 大事なことだなあ、と、今回の件を通して改めて感じました。 


シーバスパーティーと津波のことをもう一度   令和6年9月19日

 シーバスパーティーの申し込みをまもなく開始する予定です。

 が、お知らせのページで触れましたように、昨年の津波注意報の一件がどうしても、
私の脳裏から離れません。

 あの時、私は、起こりうる緊急時の対応策を、事前に全く考えていませんでした。
 考えがないのだから、文書に示せるはずもありません。
 つまり、備えが無かったのです。

 幸い、スマホが普及しており、ほとんどの参加者の皆様にラインを通して対応策を連絡し、
指示をほぼ徹底することができました。
 しかし、安全が第一であり、参加者の皆様の安全を出来る限り守るべき主催者として、
その事前準備を怠っていた私は、失格です。

 大いに反省しました。

 と、同時に行政の備えと対応に対しても、数々の疑問と不満を抱きました。
 
 @ 「津波注意報」「津波警報」の際にどのように避難するか?大まかなマニュアル(基準)が一切なかった。

 A 防災マップは作ってあったが、それが機能するように、地域に根差した調査・訓練が日々行われる
  ということがなかった。

 B 遠隔地地震で津波の危険性が増す、「外洋」をどこまでととらえるべきか?について、
   気象庁ですら正しい認識がなかった。

 C 注意報や警報が発令された場合の避難場所・仕方について、市の防災対策課と消防署職員の間での
  共通認識がなかった。

 D 避難によって、参加者、メーカー、主催者の権利が大きく制限されるという認識、それが人々の自由権のみならず、
  社会権をも侵害することになるという認識が無かった。

 E その他対応が不適切で、人々の誤解を生み、当店や参加者の皆様に不利益になりかねないことが起きた。

 上記のことについて、一つずつ解説していこうと思いましたが、今日(9月20日)に田原市市役所と渥美消防署に
出かけ、長時間に渡り協議しました。

 まだ、行政側と私との間に、かなり、認識の差がありますが、
とりあえず、ある程度、合意が得られました。

 話し合いの内容については、機会がありましたら、このページに記載するかもしれませんが、
時間の関係もありますので、一旦、そこを離れたいと思います。 

 私の目的は、行政に文句を言い、対立することではなく、参加者の皆様の安全と釣りをする権利を守り、
大会を無事に行うことですから。
 そのためには、ある程度のところで決着をつけるべきと判断いたしました。
 今日は、そのことだけお伝えしておきます。

 津波等への対応については、今日の協議をもとに、文書資料を作成し、「お知らせ」のページに
掲載しましたので、参加予定の方だけでなく、多くの方にご覧になっていただき、防災(釣りの安全)について
見識を深めていただきますよう、お願い致します。

 付け足しの資料についても、後日掲載していきたいと思いますので、よろしくお願い致します。



良い物を使っていただくためのリスク軽減
   令和6年8月8日

 今、あらゆるジャンルで釣具店の店頭には釣り道具があふれています。

 ところが、店の規模は大きいのに、売れる物は限定されていて、右から左へ売れていく物がある反面、
数年経っても1つも売れずに残っている、そういうものが数多くあります。
 特に、ルアーのジャンルは、それが顕著です。

 では、飛ぶように売れる物が、優れた釣具で、全然売れない物がダメな釣具かというと、そうとは限りません。
 売れていない物の中にも、いい物はいっぱいあるし、よく売れている物の中にも、たいしたことない物もいっぱいあります。

 どうしてそうなってしまうのでしょうか?
 それは、釣り人がそのルアーの使用価値を無視して、ブランドイメージやブームだけで選択してしまうからです。

 人気があるから、皆が使っているから、それが「いいもの」だと思い込み、買ってしまっています。
 自分がこういう釣りをしたい!というのが、まだ確立されていない初心者なら分かりますが、
 現在は、いつまで経っても、釣り人がそこから抜け出せなくなってしまっています。

 皆が使っていて、人気のある物なら、それで釣ると、SNSでより多くの人から「イイネ」がいっぱいもらえる。
 それに、そのルアーが不要になったら中古市場に出せばいいだけ!
 高く売れるから、好都合。

 つまり、自分にとっての使用価値よりも、他人の評価価値や交換価値によって購買が決定されてしまっています。

 これは、釣り業界にとって、とても健全な姿とは言えない、大問題だと、私は感じています。

 本来、ルアーは、皆からの承認を得るためや、市場で高値で取り引きさせるために購入するものではありません。
 ルアーは、疑似餌という漁具ですし、釣り人に使う楽しみを味わわせてくれる道具なのです。

 理想は、購入したルアーで、魚を釣っていただく、釣りを楽しんでいただき、そのルアーに愛着をもっていただく。
 愛着のあるものを人は簡単には手放しません。
 当たり前のことです。

 だから、私の店では、ルアーをあらかじめ、私がテストし、厳選して販売することで、
お客様にそういうスタイルなっていただくよう、後押しする経営をしてきました。

 ただ、さすがに、ここまで市場のルアー用品が増え、ジャンルが複雑化してくると、自分1人では、
すべてのジャンルでお客さんにとっての潜在需要を的確に掘り起こすことが困難になってきました。

 かといって、他店でやっていないものを全て買っていただき、自分にとってベストのもの、自分が今必要としているものを
見つけていただくというのも、一般国民の賃金が増えない今の時代、大変なことです。
 しかも、そのルアーがもしも、自分が思い描いていたものと違っていたら、中古市場に売れど、二束三文。
 これでは、本末転倒。
 お客様に申し訳ないと感じてしまいます。

 そこで、こうしたリスクを回避し、ルアーを選んでいただくためのレンタルサービスを実施することにしました。

 今までは、ショアの分野は、私と一緒に近くの港に行っていただき、ルアーの泳ぎを見ていただくという形を中心に
行ってきました。
 でも、それですと、ゆっくりじっくり自分で釣りをしながら確認するということができません。

 幸い、近くにクロダイがトップで釣れる場所があり、今、パラパラ釣れています。
 浜名湖ほど釣り場がメジャーで、よく釣れるという場所でもないですが、
その分、釣り場は空いていますので、自分のペースでしっかりとルアーを吟味することができます。

 ということで、クロダイ用ルアー(トップを中心にプラグ全般)のレンタルを実施することにしました。

 詳細は、「旬の商材・特価品」と「お知らせ」のページに掲載しておきましたので、
是非、ご利用いただき、あなたに合う、あなたが求める、納得のルアーを見つけていただけたら、と思います。



釣具店の復権が釣り場を守る
   令和6年5月20日

 今、真っ先に釣り業界が取り組まなければならない課題、それは釣具店の復権だと思います。

 エサ釣りが市場の主役だった頃、釣り人のほとんどが、釣り場近くの小さな釣具店さんで
エサと仕掛を買い、何かしらの情報をもらって釣り場に出かけていました。

 その構図がルアーブームの到来と共に崩れていきました。
 とにかく、どこの釣具店も、全国的に人気の商品を右から左に流す。
 そのルアーが良いのか?悪いのか?どんな特長があるのか?
 A社とB社のルアーにどういう違いがあるのか?
 そういうことを全く理解しないまま、ブランド力=人気がある、だけで
 売上げ=儲けが決まってくる。
 そういう時代になりました。

 正直、うちの店も、それに乗っかって、バスルアーを販売し、利益を得ていた頃もありました。
 今思うとお恥ずかしい話です。

 そもそも釣りは自然との対話を楽しむレジャーであるため、地域性が強く出るものです。
 だから、個々の地域の釣り場に精通した釣具店さんの存在が必要不可欠なはず
なのですが、ルアーフィッシングの割合が高まるにつれて、そういうわけにもいかなくなってきました。

 身近な釣り場とはかけ離れた情報が釣り業界から発信され、それが釣り人の購買行動や
釣りの仕方を支配していく。
 そんな状況が延々と続くというか、スマホの普及、SNSの普及でさらに勢いが増しました。

 いつの間にか、釣り人は、ブームの釣りをしてより多くの人に認められたい、でも、釣り場は独占したい。
 そう考えるようになりました

 結果、「釣り場に近い釣具店に行っても、情報が漏れるだけだし、自分が有名になれる
訳でもないし、品数も少ないから、行かないでおこう。」
 そう考える釣り人が多くなり、釣具店は次々に廃業していきました。

 最近では、個人店さんを凌駕して行った量販店さんでさえ、経営が難しくなってきました。
 以前は、店員さんとコンタクトを取らなくても、大量の陳列の中から商品が選べ、安く買える。
 それが釣り人にとっては量販店さんのメリットだったのですが、
ライバル店との競争に勝ち、生き残るために、品ぞろえと価格のアドバンテージを活かすために
時代の流れに乗って、ネット通販にも力を入れるようになりました。

 一見、合理的な進化のように思えますが、これが競争のさらなる激化を招きました。
 1品あたりの粗利が少ないから、大量に売らなければならない。
 そのためには、接客(解説)なんてどうでもいい、そういう考えが加速しました。
 釣り人が近隣の釣具店を軽視し、釣具店も常連客の存在を軽視する。
 こうして、お客さんと店員さんとの関係が希薄になって行きました。

 メーカーはブランドイメージだけで勝負するようになりました。
 一旦、良いブランドイメージが形成されれば、何を作っても売れる。
 さらに、〇〇ブームを作れば一気に売れる。
 それにすぐに飽きさせれば次がまた売れる。

 本当に画期的な物を、時間と経費を掛けて1品1品入念に作り上げていくなんてバカらしい。
 釣り場に行ってテストを繰り返し練り上げていく必要もない。
 課題や目的なんてどうでもいい。
 とにかく釣れる場所に行って、「釣れた」という結果さえあれば、それでいい。

 そうして儲けられるうちに他社よりも先に儲けてしまえばいい。
 それを達成するために、先手必勝の略奪産業の思想を釣り人の心に浸透させていきました。

 釣具店もその流れに従っていきました。

 しかしながら、こうして売り上げを上げる戦略には、限界があります。
 どのメーカーも同じ手法で大量販売を目指すので、市場でルアーが飽和状態になり、
釣具店では、一部のルアーしか売れず、ルアーの売り上げが激減するようになりました。

 そこでメーカーは何を始めたかというと、釣り人へのネット直販です。
 これまでお世話になってきた釣具店さんを介さずに商売をする。
 ネット購入に慣れた釣り人は、商品を誰が販売しようが、自分には関係ない。
 そういう考えから、ますます釣具店との関わり軽視の流れが加速するようになりました。

 このままでは、個人店だけでなく、量販店さんさえもどんどん閉店へと追い込まれていくように思います。

 不要になったものが、世の中から消えていくのは当然、と短絡的に考える人もいるでしょうが、
 果たして、釣り人にとって釣具店は不要な存在なのでしょうか?

 個々の釣り場の特殊性に対応した商いをすることで、自然との対話を釣り人により楽しんでもらいながら
技量も高めてもらう。
 そうして、釣り場との関わりを末永く大事にしてもらう。
 そうした理念をきちんと伝えていくことが釣具店の役割であり、それ無しでは、釣り場が荒れ果てるだけです。

 私は、自分の店だけでなく、KaiMの事業でも、
「釣り場と釣り人を大事にしないと釣りの未来が無くなるから、釣り場と人、人と人の関わりを大事にする」
この理念に沿って事業を展開しています。
 
 皆さんも、今一度、1人の釣り人としてどうしたらいいか?
 世の流れに振りまわされていないか?
 良かれと思ってやっていることが、自分の首を絞める方向に行っていないか?

 今一度、考えていただけたら、と思います。



釣り場をどのようにして守っていくか?   令和6年5月13日

 5月10日の夜、伊良湖岬西磯でランカーヒラスズキが上がりました。

 西磯に通われているお客様の1人が釣られました。

 是非、報告したいということで、魚を持って寄ってくださったので、
喜びを分かち合いました。

 お客さん 「ブログで活用してください。名前も出していいですよ。」
 私「場所はふせておいたほうがいいですかねえ?」
 お客さん「今夜は大勢の方が西磯に入っていて、この魚を見られていますけど…」

 ということで、悩んだ末、あえて、場所を書くことにしました。
 最終的な判断は、私がしました。
 ですから、よく考えて行動されたお客さんを絶対に責めないでください。

 私がそう決断したのは、裏情報が独り歩きし、無駄に混雑することを防ぎたかったし、
今回の釣果がこれから先の釣り場のマナー好転につなげるいいきっかけになるのでは?
と思えたからです。

 例えば、SNSに情報を載せなかったとしても、スマホ社会では、その魚を見た人が数名以上いれば、
すぐに情報は広まります。
 先ずは仲間内に広まります。そしてすぐに不特定多数の耳に入ります。
 どこかの釣具店さんにも伝わります。

 良心的な釣具店さんや良心的な店員さんばかりなら問題はないのですが、
そうばかりではありません。

 今は、「どこで釣れますか?」それを第一に、または、それだけを求めて来店する
お客さんが多くなっています。

 なぜ、そうなるのでしょうか?
 それは、釣りが先手必勝の略奪産業という認識で成長してきてしまったからだと思います。

 そうした世の流れに乗っかることで、釣具店さんは、より簡単な接客で、大きな利益を上げることが出来ます。
 お客さんも「どこで釣れたか」以外は、ネットの事前情報で絞り込み、最終判断を釣具店さんで手に取って
決めるだけ。
 釣具店さんがそういう場になり下がってしまいました。

 そのため、入門者の多くは、都会の量販店さんで、「何処何処で釣れているよ」「何々を持って行くといいみたいだよ」
という情報を入手します。

 一方、中級者以上の人は、釣具店をあてにせず、自分だけで行動したり、仲間内だけで情報を共有したりして、
情報を釣具店に知られないようにする動きが強まりました。

 そんなこんなの事情から、ハイシーズンになると釣り場が人であふれるようになりました。

 特に顕著なのが、表浜サーフです。

 夜中から、場所の取り合い。
 なかには、ウェーダーにライジャケ無しで立ち込んでいる人もいます。 

 まともに投げられないのに、釣れた人の所に寄ってきて、投げるので絡みます。

 迷惑駐車、村落内を夜間に暴走、騒音、ごみのポイ捨ても目立ちます。

 今までその釣り場に通い、その釣り場を大事にしてきた釣り人はもちろんのこと、
一般市民からも「世間から来て浜を占拠し、金を落とさず、迷惑行為だけして帰っていく」
「なんて奴らだ!」という声が上がっています。

 なのに、「釣ったもん勝ち」で手段を選ばない風潮は強まるばかりです。

 悲しいことです。

 このままでは、渥美半島全体が釣り禁止になりそうです。
 なにをバカなことを! 
 と思われるかもしれませんが、いやいや現状はそんな甘くはありません。

 シーバスパーティーで津波注意報が出たときの釣り人や行政の対応を見ていると、
 今すぐ釣り場が全面禁止になっても不思議ではないように思います。

 実際、関東や関西では、漁港や岸壁の多くが釣り禁止になっていますし、
田原市でも、一部釣り禁止、立ち入り禁止の場所や、投げ釣り禁止の場所が
現れ始めているからです。

 これは全面禁止への布石とも考えられますし、実際、一歩間違えば、そうなります。

 特に、西磯はトラブルが尽きない釣り場です。
 いろいろな大型魚が釣れる確率が高いため、その情報を聞きつけた人が
難しく危険な釣り場だということを認識せずに来てしまうからです。

 過去に、しっかりやられてみえる複数のお客さんからも何度か苦情をいただきました。
 私も、今は、オフシーズンにたまにしか行かない西磯ですが、ハイシーズンによく行っていた頃からすでに、
「これでは困る」という方を数多く目撃してきました。

 昨年は、ジーンズにラジアル底のスニーカー、ライジャケ無しで来て、短い竿で、
目の前に投げて妨害してくるという事例があったと、お客さんから報告を受けました。

 「それでは危ない」と注意したところ、「俺は落ちないから大丈夫だ」と反論されたそうです。

 もしもそういう人が流されて亡くなったら、釣り禁止になる確率は高いと読んでいます。
 行政からしてみたら
「あの遊歩道は観光客に散歩してもらうために作ったもので、釣りをさせるために整備したものではない」と言えます。
そういう理由で釣り人が締め出される確率はかなりあると思います。

 西磯がダメになったら、田原市の別の場所に行けばいい、
田原市が全面禁止になったら、他の市町村に行けばいい、
釣りが出来なくなったら、別の遊びをすればいい。
 そういう自己中な考えで西磯に来ている人からすれば、禁止になろうが、知っちゃこったないかもしれませんが、
西磯が好きで、日々西磯に通い、大切にしてきた人からすれば、とんでもなく悲しく、残念なことです。

 だから、おとといの私のインスタに苦言を呈する気持ちも分かります。
 釣り場名を出した私に怒れる気持ちも分かります。
 普通なら、ああやって釣り場名を出すと、確かに、釣り人が増えて混乱するのが当たり前ですから。

 でも、このご時世、情報をシャットアウトし、広めないでおこうだけでは、事が終息するとも思えません。
 モグラたたきがエスカレートするだけのような気がします。

 幸いか不幸か、私は釣り業界の中で、ものをスパッと、そしてづけづけと言う性格なので、
かなり煙たがられています。
 こういうときこそ、それを活かす絶好の機会では?と考えました。

 そういうことを総合的に判断した上で、悩んだ末、簡潔に理由を書いて、インスタに釣り場名を載せました。

 その書き方が悪かったのか?何人かの方に誤解されてしまったように感じましたので
あらためてここに書くことにしました。

 私が間違えることもあるでしょうし、時には、足りなかったこと、余分だったこともあるでしょう。
 だから、意見を言っていただくことには、なんの問題もありません。

 ただ、その際に、お願いがあります。
 
 @ 釣り場が無くなるとあなたも釣りが出来なくなります。
   今回の件については、釣り場を守っていくために、無責任な人が来ないよう、目を光らせているぞ!
   というのが狙いですから、私の意見を否定された方とも、目指すところは同じだと思うのです。
   できましたら、そこらへんをふまえて、ご意見を言っていただけるとありがたいと思います。

 A SNSを無責任が通る場所にしない。
   無責任な人が来ないようにするためには、その釣り場に通っている人が無責任な行動を取らないことが一番です。
   釣り場での安全やマナーに気を付けるだけでなく、情報との関わり方も同様です。
   私はSNSに名前(素性)を出していますので、名無しで(あえて誰のコメントか分からないようにして)反対意見を
   言われるのは、いくら怒れたからと言っても良くないと思います。
   この点については、別の方からインスタ上で「別アカ」に対してご指摘があった通りだと思います。
   そして、意見のある方は、なるべくお名前をお聞かせいただき、私と直接、対話をしましょう。
   そうしないと問題は解決していかない=釣り場が無くなっていきます。


 今回の件で、私に苦言を呈した方が誰か?そうした犯人探しのような行為は止めてください。
 それをされると次から、私のところに反対意見が届かなくなります。
 私は共感を持たれる方の味方でもなければ、反感をもたれる方の敵でもありません。
 ひたすら、釣り場を大事にしたい、釣り業界(世の中)を良くしたいという思いから、発言し、
 行動しようと思っていますので、その点をご承知おきください。

 そうした意味で、
 「樋口さん、それならこうした方がいいんじゃない?」というご意見がありましたら、
 是非、お申し出ください。

 ただ、私は、1人で釣具店をし、釣りやテストに出て、メーカーまでやっています。
 これも金をたくさん儲けるためではなく、世のために自分を最大限活かしたいという思いからやっています。
 何分1人ですから、やれることが限られています。
 「それいいなあ」と思っても、1人だからそこまで手が回らないということも多々あります。
 申し訳ありませんが、その点もご承知おきください。

 今回のコメントで
 「あんたの思いなんてどうでもいいよ」
 この表現に、一番考えさせられました。
 世情を端的に表した言葉、つまり、皆の思いを代弁している言葉のように感じたからです。

 そうした意味では、この思いが世の中では多数派になっているのでしょうし、
 「他人の思いなんてどうでもいい」 と割り切らないと生きていけない世の中になってしまっているんだなあ、
と強く感じました。

 便利なスマホ社会は一見いいことばかりを連れてくるような気がしますが、そうばかりではありません。
むしろ、今のままでは、マイナスの方が大きいと私は感じています。

 しかし、スマホ社会を無くすことは出来ません。
 大事なことは、どう関わり、どう活用していくか!でとは?思います。

 これからの情報社会では、どう頑張っても、多くの人が欲しがる情報ほど、情報閉鎖では対応しきれません。
 腫れ物に触るな!のままでは、傷口が広がっていくだけだと思います。

 残された道は、共生を目指すしかないと思っています。

 まだ書きたいことはありますが、長くなりましたので、ここまでにし、
 また、あらためて、世のために私の思うことを綴っていきたいと思います。

 よろしくお願いします。



釣具業界はどこに向かうのか?   令和6年4月4日

 書きたいことというか、書かなければいけないと思うことがあるので、
急に連続になりますが、書きます。

 今年、愛知県に関西系の大手釣具量販店が店を出すようです。

 いったい何を考えているのでしょうか?

 たしかに日本は資本主義・自由主義の国。
 だから、誰がどこに店を出そうが、基本、自由です。

 でも、そこには社会的にみて、正当な理由があるべきだと思うんです。

 たとえば、他店にない商品やサービスを提供でき、釣り業界の発展・健全化に貢献するとか。

 ところが、最近の業界の動きにそういう真っ当な理念、感じられません。

 関西で苦しい状況が続くから、それを打開するために、他の地区へ進出する。
 資本力を武器に、物量で勝負すれば何とかなる。
 目標は、ライバル店を潰すことだけ。
 売り逃げ商法を続けて、採算が合わなくなれば即撤退。

 こんな感じでしょうが…
 これって、おかしいと思いませんか?

 私は、釣具業界のおかしな流れを変え、健全化させるために取り組みたいです。

 今のままでは、先ず、釣り場が持ちません。

 とにかく、釣り人が、楽して結果を求めたり、承認欲求を満たしたりすることしか、
眼中にない!そんな感じになっています。

 それはある意味、釣具店にとって好都合の側面もあります。
 釣果や承認欲求を金や人気で手に入れるという流れが加速し、
安易な商売で金儲けが成立しやすくなるからです。

 「これがよく売れている」
 「常に品薄で、転売でプレ値が付くほど人気がある」
 そういう物を大量に扱えば、どんどん利益につながります。

 常にブームという名のバブルを起こし、それを次から次に
目先を替えてつないでいけば、売れ続ける。
 そういう発想しかありません。

 バスブームによって活気づいたルアー業界は、その典型です。

 人気メーカーのバスルアーなら何でも売れた時代がありました。
 そのあと、ライトリグ、高比重ワーム、アラバマ、スイムベイト、ビッグプラグなど
いくつかのジャンルをめぐらせることで食いつないできました。

 それがうまくいかなくなると、バスを半分あきらめ、ソルトルアーに進出し、
バスの時と同じようなことをして、再度市場のパイを奪い合うようになりました。

 そして、その流れが今やオフショアのマグロにまで到達しました。
 
 この先、どうなっていくのでしょう?

 数年後にまたバスやライトソルトに戻るつもりなんでしょうか?

 野池や漁港・岸壁が次々に釣り禁止になっていくこの状況では、 
戻りたくても、戻る場所がありません。

 今のままメチャクチャな物をつくり、一時しのぎで売りさばく!
そんなことを続けていたら、まともなメーカーや店やアングラーが
あおりを受けて、皆共倒れです。

 でも、それでいいという考えの業界人も多いんでしょうね。
 バブル期に上手くやって成功した人は、死ぬまで安泰な財を成していますから。
 自分は有能だから成功した、成功したから偉いんだ
という間違った感覚しかない人もいるようですし。

 今のままいくと、本当に暗い未来しか見えません。 

 こういうことを書くと、「ネガティブ発言」と言って「正論」さえも否定する人が
いますが、それでは、業界は健全化していきません。

 まずは、良いところ、ダメなところを正確に把握すること。
 そして、対策を考えて、その通りに実行していくこと。
 それが何よりも重要だと思います。

 ということで、これからも、いろいろと書きますが、よろしくお願いします。



津波注意報 続報   令和6年4月3日

 お久しぶりです。

 続けて津波のことを書くべきでしたが、忙しい日々の連続で、
どうしても書くところまでたどりつけませんでした。

 申し訳ありません。

 その間、新年早々、能登半島地震が起きました。
 被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 出来ることなら、力になってあげたい。
 でも、自分の生活が危ういほど、不景気で、悲惨で。

 それくらい、今、地方のレジャー産業は一部の飲食業を除き、不景気です。

 伊良湖地区の旅館・ホテルのほとんどが、廃業か、外資の傘下になってしまいました。
 渥美半島先端部のまちの人口減少も急速に進んでいます。

 国策の一環です。
 政府が資本家や大企業と手を組んで、国土を国民の資産を率先して投げ売りし、国を滅ぼそうとしています。
 わざとです。
 まだ、多くの人にはばれていませんが。

 たぶん能登半島も同様の状況だったのでしょう。
 そこに大地震が起こって、まちがメチャクチャになり…。

 東日本大震災の時は、被害規模が大きかったこともあり、国の対応も素早く、真剣でした。

 対して今回の能登はどうでしょう?

 雲泥の差です、

 それどころか、政治家の中には、
 「復興コストを考えると、能登の復興よりも、住民の集団移住が好ましい」
と、わざと過疎化させておいて、復興放棄を提案する人が出る始末。

 当の県知事も、自分の県内の能登の復興よりも大阪万博に金を使いたいようだし。

 政府も「北陸新幹線が便利になったし、割引するから石川県へ是非、旅行へ!」
みたいな、金持ち優遇キャンペーンを始めているし。
 結局、コロナの時と同じ。
 有事を利用して、一部のお仲間に税金を流すことしかしない。

 もっとほかにやるべきこと、あるでしょ!と言いたいです。

 こういう状況を見ていると、
 東南海地震が起き、津波で渥美半島の先端部が壊滅的な被害を受けたとなると 
 同じような対応になるのだろう。
 そう思わずにいられません。

 実際、シーバスパーティーの日に行政の不手際があり、
 そこから1ヶ月も経たないうちに能登半島地震があったにも関わらず、
 今後に向けての的確な対応が取れない行政を見るにつけ、
住民や釣り人は見殺しにされる運命なんだろうか?と心配になります。

 ただ、ここで、行政批判ばかりをしていても何も好転しません。
 幸い、渥美消防署や福江駐在所の職員さんの中にとても優秀な方がいます。
 そこが一縷の望みです。

 良心のある方々と手を取り合ってなんとか前進していきたいと思い、
少しずつですが、動いております。
 こちらから、つつかないと何もしようとしない行政を動かすのは大変ですし、
時間がかかりますが、釣り場と釣り人、そして地域や日本の今後のためにも
やれるだけのことはしたいと思います。

 また、ある程度進みましたら、ご報告するとしまして、
次回からは、別の話題にふれていこうと思います。

 よろしくお願い致します。



津波注意報からみえたこと D   令和5年12月14日

 今回の津波注意報は非常に状況判断が難しい事例でした。

 震源地がとても遠い場所だったからです。

 これ、タイラバと同じです。

 自分から遠く離れたところ、しかも見えない世界、
さらに硬くて重たいヘッドと柔らかくて軽いネクタイがセットになったものを泳がせないといけない。

 ただ落として巻くだけ!カンタン!ととらえられやすいですが、
 実は、釣りの中でも、かなり難しいジャンルになります。

 遠方地震による津波の何が難しくて何が怖いかとというと、
地震の揺れを感じていないので、津波を甘く考えてしまう、ということです。

 どうせ来ないだろう。
 来ても大したことないだろう。
 時間が経ったからもう大丈夫だろう。
 そう考えてしまう人が多いように思います。

 これらはすべて誤った判断です。

 実際、今回の地震では、
震源地に最も近いフィリピンの海岸で津波がわずか8cmだったのに対し、
日本の八丈島で40cm、田原市で10cmでした。

 津波到達時刻も、当初の予想で、田原市の場合、3時30分頃と発表されていましたが、
実際に第1波が来たのは、5時41分、そして最も高かったのが7時少し前です。

 遠くから津波がやって来るので、長時間かかります。
 しかも、正確な時間が読めません。
 そこで、気象庁は、予想到達時刻を発表するのに、その時刻よりも先に津波が来ては
いけないので、やや早めた時刻を発表します。

 それで、結局、実際の到達時刻と大きくずれるという事態が起きてしまいました。

 これは、遠距離津波によくあることなのですが、
今回の津波では、そういう事例に対して、釣り人も田原市の防災対策課も消防署員も危機意識が
弱かったように思います。

 恋路ヶ浜では、夜が明けかけた頃、釣り人2人組が浜へ入って行こうとしていたので、
「津波注意報が出ていますよ。」と声掛けをしたら
「到達時刻は3時30分でしょ。もう大丈夫ですよ。」と言って、浜へ入って行ってしまいました

 実際はその後に津波が来た訳ですが、幸い10cmの津波だったので、事なきを得た
かっこうでした。

 自然は、人間やAIの考えが及ばないほど複雑で難解です。

 そして、その自然の複雑さと難解さをどれくらい把握し、自然に対して畏敬の念をもっているか?
で釣りの上手さも決まるし、釣りを楽しむ度合いも決まってくる。
 私はそう考えています。


津波注意報からみえたこと C   令和5年12月12日

 何故?津波注意報発令中に石門の浜が釣り人で一杯になってしまったのでしょう?

 これには、いろいろな原因があると思います。

 今から、それを1つずつ深掘りしていこうと思います。

 後で発覚してびっくりしたのですが、
 「津波注意報が発令されていたことを知らなかった」
 という人が一定数いました。

 どうも、津波注意報が発令されていることを知らずに浜に入って
釣りを始めてしまった人もある程度いたようです。

 ただ、普通なら、浜に入る瞬間に気づくはずです。
 浜がガラ空き状態になっているべきですから。

 ところが、釣り業界は今、自分の腕を上げるのではなく、
他人に釣らせないようにすることで良い結果を出そうという流れになってしまっています。


 これは釣り業界に限ったことではないのですが、釣り業界は「略奪産業」的な色合いが
濃くなりやすいため、世情以上にそういう流れになってしまいます。

 「津波注意報で多くの人が釣りを諦めて帰った。浜が空くから大チャンス!」

 そう思い、浜へ入って行く人が複数名いると、
「このままじゃあ、いい場所を取られてしまう」という心理が働き、
駐車場に避難し休憩していた人が「釣りたい」という欲求に負けて、後に続いて浜へ入ります。

 結果、いつもの浜の光景になってしまったところへ、津波注意報を知らない釣り人が
やって来て、何も気づかずにそのまま釣りを始めてしまった。

 そこを、メディアにスクープされたという流れでした。

 ここで最大の問題点は、津波注意報を知らずに釣りを始めたけれど、
釣りの途中で防災無線が入り、津波注意報に気づいた人が多くいるはずなのに、
そのほとんどが浜からあがらなかったのではないか?
ということです。

 これは、「判断基準が自己にない」という悪しき世情の典型例だと思います。

 みんながやっている(多数派)=それで良い・問題ない という考え方のまん延です。

 遠方からわざわざやって来たんだから、釣りをしたい。大物を釣りたい。

 みんながやっているし、消防隊員も強く警告しないんだから、
たぶんさほど危険ではないんだろう。

 注意報なら、実際は何も起こらない。
 今までもそうだった。
 津波到達予想時刻が3:30頃と流れていたので、もう安心だ!
 これから来たところで最大1mなんだから、大したことはない。
 そういう考えになってしまったんでしょうか?

 ※ 次回は、人々がいかに津波を甘くみているか!
   津波のことを知らないか!について考察していきます。


津波注意報からみえたこと B   令和5年12月11日

 ※ シーバスパーティーの大会結果や賞品受け渡しのことをやっていて
  中断し、文章が中途半端のまま更新していました。
   申し訳ありませんでした。手直ししました。

 CBCのニュースで流された映像(日出の石門の浜の様子)を紹介しますので、
ご覧ください。

   CBCニュース

  ニュースのタイトル

  津波注意報が出る中で海岸沿いに並んだ大勢の釣り人

  「避難指示も出ていたが、自治体の呼びかけに応じず」

 映像で紹介された通り、凄い釣り人の数です。

 私はこの時、恋路ヶ浜の駐車場で1人待機していました。
主催者としての責任があるので、9時までは居る、そう決めていました。

 私の前を通り過ぎて浜へ入ろうとする人には「止めてください」と声掛けをしました。
 それでも、強引に入っていく人もいましたし、入るのを止めた人もいました。
 で、浜で釣りをしていたのはほんのわずか。
 いつもの日曜日の1/3以下だったように思います。

 ですから、まさか、石門が、こんな状況になっていたなんて思いもよらなかったです。

 悲しかったです。

 ただ、その全てを「釣り人の責任」で片づけてしまっては、何も前に進みません。

 どうしてこんなことになってしまったのか?

 私自身、原因をしっかりと考え、責任を持って対応していきたいです。

 皆さんは、このニュース、この映像から何を思いましたか?
 今後、どうしていったらいいと思いますか?

 今回、津波による人的被害が起きなかったから、それで良し、問題無し、ではなく、
自分のこととして受け止め、考えていただけたら、と思っています。

 そうしないと、全ての人、全ての場所の未来が無くなってしまう。
 私は、それくらい危機感を抱いています。



津波注意報からみえたこと A   令和5年12月7日

 今日も、田原市役所の防災対策課に電話し、渥美消防署へ足を運びました。

 今回の行政の対応は、私から見て、散々なものでした。
 当日だけでなく、その後も、です。

 とにかく、「私たちは悪くない」というところから入るのは何とかしてもらいたいです。
 私の対応を褒めることで、自分たちの失態を帳消しにしようという感じが多分に見受けられます。

 たとえば、津波注意報発令中に石門の浜で釣りをしている人の多さに、
私が「釣り業界人の一人として責任を痛感している。」と言っているのに、
 「消防署職員は釣り人に声かけをしたのだから、対応に問題は無かった。」
と言い切ってしまいます。

 そうなると、事故が起きた時は、すべてが釣り人の自己責任となるのですが、
それもなんなので、これを機会に、事故が起きる前に、釣り場を閉鎖しよう、となります。

 真面目に避難した釣り人の善行は無視されます。

 私は津波注意報が発令されてすぐ、いろいろなことを考え、悩んでいました。
 自分としては、津波注意報が解除されるまで内海(西ノ浜等)で釣りをしようとしていた人にも釣りを中断してもらい、
早朝に解除されたら再開、万が一閉会式まで解除されなかったら、途中までの釣果で集計し、順位を決め、
閉会式だけはやろう。
 と考えていました。

 ところが、消防隊員さんの
 「朝になってもたぶん解除されないだろう。」
 「閉会式をやるなら、高台でやってください。」
 で、途中で完全に中止、閉会式も無し、を決断しました。

 あの状況、あの段階で、変更し高台でやるなんて無理です。
それこそ、やったらいろいろな人に迷惑をかけてしまいます。

 そこまでして私たちを帰らせる方向へもっていったのに、
石門では、あの状況です。

 それでいいわけがありません。

 しかも、恋路ヶ浜では、消防隊員が浜にいる釣り人に注意喚起を
することは一度もありませんでした。

 たしかに石門では注意喚起がされたのかもしれませんが、
恋路ヶ浜がその状況で、「しっかりやりました。」
 と言い切るのは、いくらなんでも……。

 そんな中、今日、渥美消防署に行ったとき、素晴らしい署員さんと出会いました。
 こんなにも素晴らしい公務員さんと出会ったのは、初めてでした。

 私の思いをしっかり聴いて、受け止めてくれました。

 だから、これから先、うまくいくとは限りませんというか、そんな簡単なものじゃあ、ありません。
 社会の歪みが、もろに、今の渥美半島表浜サーフに出ているからです。
 根深いです。

 でも、希望を捨てたら終わりです。

 私はその署員さんに言いました。
 「自己責任で片づけられる命があってはならない。その人にも、家族や友人がいるでしょうし、
働くことで社会に貢献してきたはずです。人の命は、誰であれ、社会で必要とされるものでなければ
なりません。」

 真剣で温かなまなざしで聴いてくださいました。
 本当にありがとうございました。

 なんとか、実を結びますように。
 そう思っています。

 私も頑張りますが、皆さんにお願いがあります。
 私一人の力には、限界があります。
 浜が賑わう時ほど、店を離れることがなかなかできません。
 だから、釣り場での釣人のマナー・安全面の状況だけでも結構ですから、
たまに教えていただけたら、と思います。

 行政には私がしっかり伝えていきますので、
 皆で力を合わせて、釣り場をよくしていきましょう。

 よろしくお願いします。


津波注意報からみえたこと @   令和5年12月5日

 今回のシーバスパーティー、途中で中止になったにも関わらず、
大勢の参加者から「ステキな大会」「楽しかった」「ありがとう」という声を
いただきました。

 本当にありがたいことです。

 本部での雰囲気も良かったです。
 お客さんとメーカーさんとのコンタクト時の真剣なのになごやかな雰囲気。
 いい魚が持ち込まれた時の、皆さんの笑顔、そして心温まる拍手。

 私が目指してきたことが実を結びつつあるように実感しました。

 でも、その最中に、予期せぬ事態が起きました。
 津波注意報が発令されたのが、それです。

 本当なら、すっきりとした気分で、シーバスパーティーのことを
 振り返っているはずだったのですが。
 昨日も今日も津波注意報の件での対応で1日が過ぎてしまいました。

 私が物を作り、物を売っていく際に、一番重視しているのが、
それで、釣り場、釣り人、釣り業界の未来が明るくなるか?です。

 そうした意味で、今回、注意喚起の放送を無視して、浜に入り、釣りをしていた人の多さに
呆れかえるとともに、悲しくなりました。

 そんな中、行政や私の指示に従って、帰路についてくださった参加者の皆さんや、
参加していなくても、釣りを控えてくださった方には、感謝しかありません。
 私からの指示が出る前に、釣りを止め、高台に避難してくださった方もかなりみえた
ようです。本当に素晴らしいです。

 でも、そうした行為が、このままではすべて台無しになります。

 これでは、未来はありません。

 なんで?こんなことになるのでしょうか?

 人から良心が抜けている。
 そう思えてきます。

 問題が深刻化すると、今の社会はすべてを自己責任とし、「禁止」で片づけることが多いですが、
 最終的に一番被害を被るのは、全く罪の無い真面目に帰った釣り人です。
 
 今回、特に悪質だと思ったのが、
 真っ当な釣り人が釣りをやめたから釣り場が空いて、これ幸いと浜に入る人がいたこと。
 私が恋路ヶ浜の駐車場にいることを知っていて、あえて私にバレない石門や堀切へ入り
 釣りをしていた人がいたこと。

 結果、石門周辺が一番混み合い、メディアに狙い撃ちされ、ニュースで流されました。

 私は、こうした事態に対し、田原市のルアーショップの店主として、責任を痛感し、
行政(田原市)に詫びました。

 と当時に、なぜ?こんなことになってしまうのか?
 真剣に考えました。

 田原市からは、今回の津波避難の対応が素晴らしかったとお礼を言われました。
 でも、私は、全然嬉しくありませんでした。

 たとえシーバスパーティー参加者が全員避難し、帰路についていたとしても、浜がこんな状態だったら、
嬉しくも何もありません。

 行政の対応にも大いに不満がありました。
 だから、田原市の防災対策課や渥美消防署にも、私の考えや思いを伝えました。
 Jアラート(津波注意報の内容)にも不明瞭な点があったので、気象庁に電話をかけて質問をし、
意見を言いました。

 私がこういうことをすると、釣具業界の中には「樋口さんはクレーマー」と烙印を押す人が
いますが、私は文句が言いたくてやっているわけではありません。
 よりよい世の中をつくり、より多くの人を幸せにしたいだけです。
 特に、先ずは真っ当な人を幸せにしたい。そういう思いからです。

 だいたい、津波への対応で、
 行政が民間人にお礼を言い、民間人が行政に苦言を呈するなんて、逆だと思いませんか?

 しかも、私が関わっている「釣り」で釣り人が社会に迷惑を掛けているんですよ。
「私はちゃんとやったから関係ない。悪いのはアイツらだ」なんて済ませることなんて出来ないです。

 じゃあ、今後どうしていったらいいのか?
 お客さんの知恵もお借りしたいです。

 はっきりとした意見が無くてもいいです。とにかく思いのある方と、じっくりお話しがしたいので、
店でいいから会ってお話しができれば、それが一番ですが、電話でも構いません。

 特別な意見がまだ無い方は、応援メッセージを送っていただくだけでも、励みになります。
 よろしくお願いします。



スミスさん ありがとう A   令和5年11月27日

 スミスさんが、ずっと大切にし続けている企業理念に釣り場を愛するとか、ルアーゲーム本来の楽しさを
追究する、があります。

 だから、釣り場の美化活動にも熱心です。
 不景気な時でも、積極的にゴミ袋の配布等を行ってみえました。

 また、商売が、釣り人や小売店目線でもありますし、時流に流され過ぎない魅力を持っています。

 こういうことって、簡単で当たり前だと思われがちですが、とても難しいことです。

 高速で情報がたたみかけられてくる今、釣り人や小売店の主体性が急速に失われつつありますから。

 釣り人、小売店ともにその多くが、情報の奴隷になっていますし、そこまでいかなくても、
なにかしら偏見にしばられています。

 これはとても残念なことです。

 人によっては、釣り人が大切というのは分かるが、小売店なんて…と思われる方もみえるでしょうが、
考えてみてください。
 釣りって本来、とても地域性の高いものです。
 同じシーバスフィッシングでも、伊良湖と浜名湖と矢作川と名古屋港では全然違います。

 どれが一番か?ではありません。
 それぞれに魅力があり、その魅力を釣り人や地域の方々とともに大切にしていくのが
釣具店の重要な責務のはずです。

 ところが、地域本位の釣具店は、どんどん姿を消しています。

 今や、ほとんどが、大手メーカーを中心に全国どこでも同じものを取り扱っている大手量販店ですし、
一部、個人経営のショップが残っているものの、そのほとんどが地域性よりも、マニアックな人気メーカーを
扱うことに力点を置いた店になってしまっています。

 これもとても残念なことです。

 スミスさんのことで忘れられない出来事があります。

 それは10年ほど前に、シーバスパーティーの協賛をお願いした時のこと。 
 その年は、あまりスミスさんのルアーを仕入れられていなかったので
 「申し訳ありません」と言いつつ、協賛を断られるのを覚悟していたところ、
 社長さんから
 「今までずっとお世話になってきましたし、わが社がヒグチさんに仕入れていただけるものを提供できていない
ということもありますから、例年同様協賛させていただきます。」
というお言葉をいただきました。

 私は嬉しくてたまりませんでした。

 いつか恩返しがしたい。
 それから、より積極的にスミスさんのルアーを仕入れ、試すことにしました。

 その中で、ベイブル90HSやサラナ147SRのように定番化するものも出来ましたが、
いずれも脇役的存在で、伊良湖シーバスの主軸として推せるものはありませんでした。

 ところが、今回のパニッシュ120F−SWは、かなりのものです。

 伊良湖が特殊な釣り場でありながら、パニッシュ120F−SWはとてもベーシックな
ミノーです。

 それでいていままでのスミスさんのどのルアーよりも、伊良湖にしっかりと
マッチングする力を備えています。

 何故か?
 とても基本性能が優れているからです。

 これがほとんどのメーカー出来ていません。
 そういうルアーを作ろうともしません。

 そういうルアー、作るのが難しく、売るのも難しいんです。

 一見平凡に見えて細かなところをしっかりと作り込まないといけない。
 そうして努力して作っても、今のアングラーさんや店員さんのレベルでは、
 気づいてもらえないですから。

 だからこそ、パニッシュ120F−SWを世に送り出してくださったスミスさんに
感謝すると同時に、お客さんと一緒になって恩返ししていきたいです。

 伊良湖という魅力ある釣り場を守り続け、後世に伝え、残していくためにも。


スミスさん ありがとう @   令和5年11月14日

 昨日、お客さんがスミス社の新作ミノー、パニッシュ120F−SWで良型のヒラメをキャッチされました。

 イラゴスペルでは釣れませんでしたが…ということでしたが、私はとても嬉しかったです。

 それでいいんです、というか、それがいいんです。
 だから、お客さんに感謝です。
 と同時に、スミスさんにも感謝です。

 私が、お客さんやメーカーさんと一緒にやっていきたいのは、競争ではなく、すみ分けです。

 常に完璧なルアーなんて存在しませんし、1社だけで全状況に対応できるなんてないんです。

 だからこそ、いろいろなメーカーから独自性のあるいろいろなルアーが出され、ある一定条件で
正しく使うと、他のどのルアーよりも良い個性を発揮するとか、特定の状況での総合力がとても高いとか、
そういうのが、凄く大事だと思っています。

 ところが今はそういう状況になっていません。
 マウントを取ること、シェアを拡大することばかりに力を入れているメーカーが多いというか、
そうしないと利益が上がらないので生き残れない時代になってしまっている気さえします。

 だから、真摯なモノづくりよりも、いいかげんでもいいから、他社と大差が無くてもいいから、
とにかく、コストを下げてモノを作り、すぐに結果を出し、人気を上げる。
 そういう方向ばかりに行ってしまっています。
 残念です。

 この目先の結果主義が、釣り業界だけでなく、日本全体ををダメにしている。
 私は、そう強く感じています。

 その中で、スミスさんは、単に老舗ルアーメーカーというだけでなく、起業当初の企業理念を
ずっと大切にし続けてみえる稀有なメーカーの1つでもあります。

 そんな偉大なメーカーから、当地渥美半島サーフや伊良湖に合った素晴らしいルアーが
リリースされたことに大きな喜びを感じています。



今年のシーバスパーティーを計画するにあたって C   令和5年9月13日

 一昨年のシーバスパーティーの日、横風爆風になったため、多くの方が夜の釣りに苦戦されていました。

 大会時間の大半が夜間になるこの催しで、その時間を棒に振ってしまうのは残念すぎる!
 そう感じ、私は世に無かった、風を切るが水に乗るという、この世に無い新しいコンセプトの
バイブレーションの開発に乗り出しました。
 それがイラゴスペルです。

 たまに「アスリートバイブに対抗するために作ったのですか?」ときかれることがありますが、
私はそういう無駄な競争はしません。

 実際、イラゴスペルの開発は、アスリードバイブの生産中止が決定する前からスタートしています。
 そう、同じプラスチック製のバイブでも、イラゴスペルはイラゴスペルであって、アスリートバイブや
モラモラドリューとは違います。

 だから、その場その時の状況において、一番適合していると思われるものを使っていただければいい!
そう思っています。

 「これで釣りたい」という思いも大事ですが、シーバスパーティーの日に、どこに行ってもそのルアーが使えない
状況になったとしたら、状況に合った他のルアーを使うべきだとも思います。
 一つ一つのルアーにはそれぞれに与えられた特性と使命があります。
 せっかくですから、活躍できる場面で投入してあげてほしいです。

 ならば、特定メーカーのルアーを使用禁止とした昨年のルールはおかしいじゃないか?
 そう思われる方がみえるかもしれませんが、これについては、概ね昨年のやり方を
踏襲するつもりです。

 大会を主催するのは当店ですし、協賛してくれるメーカーのおかげもあります。
 こうした影の力とお客様の協力、そうした支え合いで成り立っている催しです。
 釣りの未来のためにも、そのことをお客様一人一人に理解していただきたいです。
 それが本当に釣りをずっと愛し、釣りを上手くしていくことにつながる、そう考えています。

 どのメーカーのルアーが使用不可なのか?については、原則、お客様が申し込みをされる時に
示す予定でいます。
 その後、急遽変えざるをえない状況になったときは、申し訳ありませんが、当日追加連絡させて
いただきます
 そういうことはめったにないと思いますが、一応ご承知おきください。
 
 まだまだ書きたいことはいっぱいありますが、それらはまたおいおいということにしておきます。
 例年10月1日からシーバスパーティーの参加申し込みを開始しておりましたが、
今年は9月16日、イラゴスペルの全国発売に合わせて申し込みを開始します。

 今年でシーバスパーティーを開催するのが24年目となります。
 実に四半世紀近くにわたって開催されてきたことになります。

 1年目から1回も欠かさず参加していただいいるお客様もいます。
 私1人で経営している店ですから、準備・運営も、私がその大部分を担ってきましたが、
 多くのお客様やメーカー様や地域の方、行政の協力を得てここまで続けられたことでもあります。

 そうした歴史の中で、「今年も伊良湖へ集う」その意義を一人一人が考えながら
 この催しと関わっていただけたら幸いに思います。



今年のシーバスパーティーを計画するにあたって B
   令和5年9月6日

 伊良湖は奇跡のフィールドです。

 一見、ヒラスズキが釣れそうな場所でありながらマルスズキが多く生息しています。
 (正確には、生息していました、と書くべきかもしれませんが)

 この点については、週刊ルアーニュース東海が発行されていた頃、私が書いていますが、
月日が経ったので、もう一度簡単に触れておきます。

 伊良湖の海が一種独特の生態系を形成してきたのは…

 外洋に面した半島でありながら東西に延びている半島であると同時に、
対岸の志摩半島の方が若干南に張り出しているため、黒潮が直接当たりにくかったからです。

 それでいて、流速は速く、風が強い(風波が強い)です。

 また、通常、尖った半島の先端部にはスリットの深い磯が形成されるのですが、
伊良湖岬の場合、砂浜とゴロタ磯が混在し、岸からルアーが届く範囲が比較的浅くなっています。

 こうした特殊な地形や海況から、長い期間を経て、ヒラスズキが釣れそうな場所でありながら
マルスズキが多く生息するという特殊な生態系が築かれてきました。

 釣れるマルスズキの個体にも特徴的なものが多く、ヒラスズキのように頭が小さくて体高があり、
尾ビレ周辺が発達しているので、ヒラスズキか?と錯覚するほどたくましく引きが強くて
ヒレピンで美しいものが多く生息していました。

 ところが最近急速にその生態系が崩れてきました。

 単純にブリやヒラスズキやオオニベが釣れるようになり、大型魚種がより増えたという
プラス面だけなら喜ばしいことですが、既成の生態系が崩れ、伊良湖特有の個体のシーバスが
激減しているとなると、それは憂慮すべき悲しい事態だと私はとらえています。

 伊良湖は伊良湖であるべきで、名古屋港や矢作川や浜名湖と違うし、
宮崎や和歌山に似た海へと変化すべきでもない。
 私の思いです。

 なかには、「せっかく違う大型魚が釣れるようになったんだからそれを商売の主軸にすればいい」とか
「シーバスなんかよりもブリの方が引きが強くて魅力的なんだから、そっちのほうがいい」と言われる人が
いますが、私が20年以上シーバスパーティーを続けてきたのは、そういう商売ネタからではありませんし、
ましてや、そういう展開を望んでやってきたわけでもありません。

 伊良湖でしか味わえない喜びを釣り人一人一人に味わってもらいたい。
 1年に一度伊良湖に集う意義はそういうところにある。

 これはあくまで私の思いですし、最近の変化を現実として受け入れていくことも必要です。
釣れる魚を蔑視するのはそれがどんな魚であれ良くないことですし、ブリとシーバスのどちらが上か!という
問題でもないと思いますし!

 ただ、と同時に、大事にし続けなければならないことは、できるだけ長く大事にし、存続させていきたい。
 その思いはどうしても捨てきれません。

 で、今年のシーバスパーティーですが、なるべく私のこうした考えに賛同していただける方の集まりに
したいと思いますし、メーカー様にも同様の思いで、参加・協力・応援をお願いしたいと思います。

 こうした思いは今までと変わっていませんが、釣り業界を取り巻く状況が目まぐるしく
変化してきていますので、そのことを踏まえたイベント企画・運営をしていくつもりでいます。

 具体的に言うと…
 ルアーの商品数はどの魚種に対しても増えましたが、一度人気が出ると、どのメーカーもそれとよく似たものを
作ります。
 理由は簡単です。その方が苦労せずに利益を上げられるからです。

 皆を同じ方向に向ければ、短期間に大量のルアーを売りさばくことができます。
そうした利益優先、効率優先の風潮の中で、特定メーカーの品やよく似たアイテムが増え、量販店の
広いスペースを次々に埋めていくのとは逆に、伊良湖のように特異で上級者向けのフィールドに合ったルアーが
新たに開発されることがめっきり減って来ました。
 それどころか、よく売れていたものまで生産中止にさせるようにまでなってきました。

 このままでは、伊良湖でしか味わえない楽しい釣りが閉ざされて行ってしまう。

 そう感じ、私はIRGプロジェクトを本格的に立ち上げることにしました。
 個人経営である私だからこそ出来ること!そう思えたからです。

 ※ 次回はIRGプロジェクトとシーバスパーティーとの関連を中心に書いていこうと思います。



今年のシーバスパーティーを計画するにあたって A   令和5年9月5日

 今のルアー業界の大半は、釣り人(お客様)に飽きさせることで商売をしています。

 私が目指す「愛着」とは真逆の方向です。

 このことについては、すでに何年も前から私が度々言ってきました。
 一部の人は理解を示し、私の事業方針に賛同・協力してくれていますが、
 まだまだほとんどの人に浸透していません。

 私は、業界を良くし、釣り場や釣り本来の魅力を大事にしていきたいと思っていますし、
 それがお客さんにとって良いことだと思うからやっているだけです。

 できることなら、それを、多くの人と手分けして実現していきたい。
 そうすれば、それぞれの良さが十分発揮されて、皆が幸せになることができます。

 過度な競争は、嘘と妨害を生み、それが破壊へとつながるだけで、良いことなんてほとんどありません。

 次から次へ新製品をたたみかけ、シェアの寡占を図ることだけに注力するメーカーがあります。
 しかも、そのほとんどが、先行他社と大差の無いいわゆるコピー商品。
 単にブームに乗り、開発費を安くしているだけ!そういう場合が多いように感じます。

 それを釣り人は人気メーカーだから、あの人が使っているから、という理由で買います。
 単にブームになっているだけで、製品自体が優れている訳ではないし、そのルアーを理解して
 使っている訳ではないので、結局、あまり釣れません。
 (SNSでのイイネの数だけは一時的に増えますが)

 そうすると、一部のメーカーから再度悪魔のささやきが聞こえてきます。
 「もっと良いものが出来ましたよ」と。

 前作に飽きた釣り人は、SNSでの注目度が下がってきたところでもあるので、
 待ってました!と買い、今まで使っていたルアーの良さを理解しないまま中古市場に売ります。
 これの繰り返しです。

 で、これを繰り返していくうちに、その釣りにも飽きるようになります。

 バス釣りに飽きた人が次にショアソルトの釣りに流れ、それにも飽き、オフショアの釣りに転向します。

 そして、最終的には、釣りそのものに飽きてやめていきます。

 結局、全く上達することなく、ルアーフィッシングの本当の楽しさを味わうこともなく、
やめていきます。

 一部のメーカーは短期間で儲けをあげることができるのでしょうが…
 それと引き換えに、釣りがすたれ、釣り場が荒廃してしまうというのは、
悲しいことだと思いませんか?

 何とか一刻も早くその流れを止めたい。
 そう思いながら商いをしています。

 商い=飽きない でなければならないと思いながら。

 ※ 次回は、伊良湖というフィールドの特殊性にふれながら
  今年のシーバスパーティーのやり方を示していきたいと思います。


今年のシーバスパーティーを計画するにあたって @   令和5年9月4日

 今年も渥美半島シーバスパーティーの申し込み開始日が迫って来ました。

 1年の経過がとても速いです。歳のせいでしょうか?笑

 それはともかく…

 コロナ禍で一瞬、釣り業界が活況を呈したようですが、初心者が増えたことが要因で、
 当店のように立地条件が悪く、マニアックな店に、その恩恵は有りませんんでした。

 その後様々なレジャーが復活したこと、夏があまりにも暑く春と秋が短いこと、釣り荒らされて釣れなくなったり
釣り禁止になったりした場所が増えたことなどから、釣り業界は一気に大きく後退しました。

 それに加えて日本国民を襲う不景気が景気にはあまり左右されないと言われてきた釣り業界にも
影を落とすようになってきました。

 実は、この不景気、日本の上層部がわざとやっているのですが、それに気づいている人は、ほとんどいません。
 このまま行くと、外国の支配下に置かれ、日本は消滅してしまいます。

 何をバカなことを…と言われるかもしれませんが…
 
 じゃあ、何故、先進国の中で日本だけ給料が上がらないのですか?
 貧富の差が急速に拡大しているのですか?
 若年人口や出生率が急速に減少・低下しているのですか?
 土地や企業が次々に外国資本に買い叩かれていくのですか?(特にいなか)

 国が国民がこれだけ危機的な状況なのに、
 どうして政府は、発展途上国にお金を渡し続けるのですか?
 アメリカから武器やワクチンを大量買いするのですか?

 正直、こうしたとんでもない現状に無頓着な人が多過ぎです。

 釣りを取り巻く状況も日本国と同様に危機的状況です。

 多くの人が、渥美半島近海に、ブリ、オオニベ、マグロのような大型魚が増えたこと、
 マルスズキに代わってヒラスズキ、アイナメやメバルに代わってクロソイやキジハタが増えたことを
単純に喜んでいますが、私は心配でなりません。

 それは、生態系が急速に変化しているサインととらえているからです。
 急速に変化するものは、いっとき隆盛を極めても、そのほとんどが滅亡へと向かいます。
 
 そんな危機的な状況なのに、生態系の急速な変化を、積極的に金儲けのネタとして
利用してきた釣具メーカーの多いこと!

 お客さんの興味関心がそこに行っているんだし、それに応えているのに!何が悪い!
 企業とはもともとお金を儲けるための組織。
 人気があり、良く売れる、それで儲かる!何が悪い!!

 そう反論されるかもしれません。

 でも、私は、この釣りという素晴らしい趣味を発展させて後世に伝えていきたい。
 ただそれだけを思った時、今のままではいけない!そう感じています。
 
 そのために大事なこと、それは釣り場や釣具への愛着、
 そして日本経済の着実な発展と暮らしの安定、だと思っています。

 ところが今の時勢は、この真逆を行っています。

 ※ 次回は、私が真逆と感じる訳を釣り業界を例に説明していきたいと思います。

キープキャストで感じたこと   令和5年3月18日

 3月11・12日、4年ぶりにポートメッセなごやでキープキャストが開催されました。
 私はKaiMとして出展し、タイラバとIRGルアーを展示しました。
 大勢のお客様にKaiMブースにお越しいただき、心より感謝申し上げます。

 2日間を通して私が強く感じたこと、それは、4年の間にますます広がってしまった私と釣具業界との目指す方向性の違いです。

 特にルアーメーカーは、かなり悩ましい状況になっています。

 例えば、私が力を入れているタイラバ、どんどんおかしな方向に行ってしまっています。
 フックはどんどん小針化するのに、ヘッドはどんどんオモリ化し、重くなっていきます。
 普通考えると、それって絶対におかしいです。
 エサ釣りとルアー釣りなら、エサ釣りの方が針が小さい。
 それが当たり前です。
 なのに、逆になっています。
 さらにタイラバは、針の前に重たいヘッドが付いています。
 どうしてもバラシやすくなるので、小針化してはいけないんです。
 でも、お越しになられたお客さんのほとんどが、おかしなことをそのままやっています。

 なぜでしょう?
 皆、口々に言います「船長さんが、このほうが釣れる、こうしないとダメ、と言うから」と。
 
 理(ことわり)に反しているのに、船長さんが薦めるからからということで、誰も疑わない。
 自分で考えない。自分で試さない。

 しかも、メーカーがそうした風潮を後押ししているというか、率先してそういう方向へ持って行ってしまっています。
 とても、残念な状況です。

 タイラバのようなオフショアの釣りだけでなく、ショアからの釣りも同じような状況です。

 ショアからの釣りなら、船長さんはいないのだから、自己判断で動けばいいと思うのですが、そうではありません。
 ほとんどの釣り人がメーカーが作るブームとSNSや自分が所属するグループの情報に支配されてしまっています。
 うちのIRGコーナーにみえた方の多くは、そういうタイプではではありませんが、世の大勢はねじれています。

 だから、まともで良い新製品がありません。
 ブラックバスもシーバスも極端なものばかりです。

 ブラックバスなら、ビッグベイトと高比重ノーシンカーワームしか売れていません。
 クランクベイトやスピナーベイトの市場は、どんどん小さくなるばかりです。

 ショアゲームは、重たいメタル系のものか、大きなジョイントルアー・トップウォーターか、小さかったり細かったりで軽いルアーの3つに大別されています。
 一番肝心な、1oz位で、ツーフックのプラスチック製のミノーやバイブなんて、ほとんど新作が出ません。

 これじゃあダメです。

 他のメーカーがやらないなら、地元伊良湖のためだけでなく、同じ不満や問題を抱えた全国の釣り人・釣り場のために私が動くしかない。
 そうした思いをさらに強固なものにしました。

 それを1人で実行していくためには、やることをしぼらなければなりません。
 ということで、今後は、店の形態もさらに変えていきます。

 私がやるべきことの妨げになるメーカーのものは、ヒグチ釣具店では、なるべく扱わないようにしていきたいと思います。

 勘違いしてほしくないのが、私は他社批判・排除するつもりはありません。
 実力以上に人気のあるメーカーは、別にうちで売らなくても他の店で売ってもらえばいいと思っているだけです。
 そうすれば、無駄な蹴落とし合いがなくなり、どのメーカーもどの小売店もどの釣り人も、皆が幸せになれるじゃないですか。
 素晴らしいと思いませんか?

 逆に、実力はあるのに人気のないメーカーこそ、私のような人間が発掘して、世に広める。
 それが、私の役割だと考えています。
 そして、他のメーカーがやらないこと、出来ないことを、KaiMとしてやっていく。
 何しろ、KaiMのネーミングの由来は、「皆無」がスタートですから。

 ふつう「皆無」というと、あまり良くないイメージにとる人が多いでしょうが、そうではありません。
 今まで世に無かったものほど、画期的でより良いものだとか、真の理であるということが多いのです。
 
 ということで、今後のヒグチ釣具店及びKaiMの経営をそうした方針で行っていきますので、よろしくお願い致します。


伊良湖シーバスで自分がすべきこと   令和4年9月29日

 渥美半島シーバスパーティー、昨年まで22年間、ずっと続けてきた、当店にとっても、お客様にとっても大事なイベントです。
 今年も12月3・4日に開催する予定でいます。

 多くの方が楽しみにされ、リピート参加してくださっており、数多くのドラマも生まれてきました。
 それが私にとっても大きなやりがいになって、22年という長い間続けることができました。
 ひとえに参加ならびに協力してくださった皆様のお蔭です。
 心より感謝したいと思っています。

 しかしながら、年を重ねるごとに、私なりに悩むことが多くなってきたのも事実です。

 一番悩ましかったのが、「原則、当店で買われたルアーをご使用ください」とお願いしたところ、一部、不満の声が上がったことです。
 「他店のイベントではそういうルールは無いのに。偉そうに図に乗っている。」
 「そんなに金儲けがしたいのか。」「だからコロナ禍でも平気でやるんだろ。」
 そういう声がどこからともなく私の耳に飛び込んで来ました。

 正直、怒れるよりも、悲しくなりました。
 なんで、そういう一面的、断定的な見方しかできないんだろう?

 私がシーバスパーティーを続けているのも、当店で買われたルアーを!としているのも、釣り場や釣り人や釣具業界のために、そうすべきだと思えるから。
 ただそれだけです。

 参加費をいただいているのは、それで儲けるためではありません。
 開催にあたり莫大な時間と労力が要るのに、しかもそれをほぼ1人で準備するのに、赤字額が多すぎると大会の継続と店の経営が困難になるからです。

 当店で買われたルアーで!というのも同じような思いからです。

 このイベントを始めた当初は、ルアーメーカーや世に出ているルアーの数も少なく、伊良湖向けのルアー=当店で扱っているルアーという図式で、参加者も今ほど多くなく、大会では、皆、当たり前のように当店で買われたルアーを使われていました。
 お客さんが「いい」とか、「欲しい」とか言われるルアーはなるべく店に入れるようにしていましたし、大きな問題になることもありませんでした。

 それが、大会が有名になり、参加者が増えるにしたがって、年に一度申し込みの時にだけ来店し大会に参加するという方も目立つようになりましたし、割りと近く(豊橋近辺)の人でも、日頃は別の場所で釣りをしていて大会の時だけ伊良湖でやるという人も目立つようになりました。
 そしてさらに、当店で買っていないルアーをここぞとばかりに使って釣る参加者も現れるようになりました。
 ある意味賢いのかもしれません。混雑した日に、皆が使っているルアーやカラーを使うよりも有利になりやすいとも考えられるからです。

 でも、果たしてそれで良いのでしょうか?
 損得抜きに、道義上の面から熟考し、私の出した答えは「NO」。
 それで現行の大会ルールになりました。

 そうしたら、昨年、今度はメーカーサイドから再度考えさせられる事態が起こりました。

 昨年突如、協賛を辞退するメーカーと、何度も電話でお願いし、協賛するという口ぶりだったのに協賛品を送って来なかったメーカーがあったのです。

 すでに一部のお客様には、社名を出して私の思いを伝えているので、ここで公表します。
 前者がブルーブルー社で、後者がメガバス社です。

 2社とも当店ではずっと力を入れて販売してきたメーカーですし、今現在、ブローウィンやカゲロウという大人気ルアーを販売しているメーカーです。
 しかも、ブルーブルー社の社長、村岡さん、メガバス社の有名テスター、久保田さんは、いずれも実釣(動画撮影)で渥美半島に見えたときに私が釣り場を案内したり、情報を提供したりしたことがありました。

 なのに、これです。
 ブルーブルー社の担当者は「シーバスを本部に持ち込むのではなく、釣り場で写真を撮り、写真から測定した長さで判定して、全員にリリースを強要すべき。それでないと協賛できない。」と理由を述べていました。
 確かに、少しでも資源を保護するという観点から見ればそのほうがいいのかもしれないので、一理はありますが、今になって何故?突然それを言うの?
 法律や条例すら無いのに、そこまでリリースを強要するのは逆に憲法で保障されている自由権を侵害しているんじゃないの?
 それに、別にリリースしてはいけないとはしていないし、実際検量後リリースしている人もいるのに…、それでも魚に負荷をかけ過ぎだ!と言われ、話しはどこまでいっても平行線。

 それよりも1年に1回は伊良湖シーバスの筋肉質な素晴らしい魚体をできるだけ多くの人に実感してもらい、このフィールドを大事にしていこうという気持ちをもっていただいたほうのが、良いように思えるのは私だけでしょうか?
 そのことも話しましたが、何を話しても、全く聞こうとするする姿勢はありませんでした。
 東京湾でのボートシーバス大会ではそうしてるからとか、食べておいしいわけでもないからとか、一度もフィールドや大会を見に来たことすらない人に、東京湾基準でものを言われても…。

 第一それって、バーブ付のトレブル3本のジャークベイト、ブローウィンを率先して売っていることと、もの凄く相反しているじゃないですか!

 だいたい釣りって、それぞれの現場を大事にしないといけないと思うんです。
 単に釣りに回数多く行くということじゃなくて、1回1回の釣りを大事にしたり、他の釣り人の声を聞いたりして、現場の状況を少しでも正確に見つめることが出来ているか?ということだと思うんです。

 で、そこから生まれる課題を解決するための、より良い釣具を作り、釣り人に提供していくことが、釣具業界に課せられた使命だと思うんです。 

 そういう思いから、私はオリカラをやり、ムイムイクワッドやIRGフロロをリリースし、KaiMの事業を手掛けてきました。

 それは、ある意味、既存メーカーに対する物足りなさでもありますし、その思いを昨年あたりから、さらに強く感じるようになってきました。

 例えば、メーカーの生産・納品体制。
 コロナ禍、ウクライナ情勢など、いろいろ事情はあるかと思いますが、メーカーによっては、製品が全然入って来ないことが多くなりました。
 最大の要因は、目先の金儲けのみの経営体質です。
 コロナ禍で海外でもプチ釣りブームが起き、さらに円安で釣具輸出が好調で、しかも儲かるようになりました。
 だからほとんどのメーカーが輸出最優先。
 その次に一度にたくさん買ってくれる大手チェーン店を優先。
 ローカルなもの・店=ローカルな釣り場はとにかく後回しか、縮小です。

 そんな流れですから、私がどのメーカーにお願いしても、なかなか形にしてくれるところはありません。
 だいたい、アスリートバイブのように当店で毎年とてもたくさん売れていたルアーですら、今年は生産見送りになってしまったくらいですから!
 (今後は、廃番になる可能性も高いようです。)

 ザウルス社が倒産し、ニューシートプスの生産が無くなりました。
 アローヘッドを考案された橋本景さんが今年の夏に亡くなられました。
 そんなこんなで、このままでは、これから先、伊良湖で使えるルアーがどんどん減っていくのでは?
 危惧せざるを得ないです。

 以上のような状況から、伊良湖シーバスの未来のために、シーバスパーティーの有り方も少し変えることにしました。

 @ 伊良湖シーバスを大事にしてくれるメーカー様をこれまで以上に大事にするイベント運営をする。

 A 協賛を断ったメーカーのルアーについては、過去に当店で買われたものでも、大会の日の使用を控えていただく。

 B 参加費を下げる代わりに、当店でなるべく協賛メーカー様の商品を買っていただくことで参加申し込みできるシステムにする。

 C 参加者には、イベント当日の状況が過酷であっても、対応できるだけのスキル向上を日々目指していただけるよう働きかける。

 D ヒグチ釣具店自ら、オリジナルルアーの開発・販売を手がけ、伊良湖シーバスファンに最大限の還元をしたいので、
   それが可能になっていくような計画・運営にする。


 また、細かなことは、HPやSNS等で、随時お知らせする予定でいますので、よろしくお願い致します。 


釣具業界が大変なことに!   令和4年2月19日

 今、日本経済が大変なことになっています。

 その波は釣具業界にも押し寄せていますし、正確に言うと、釣具業界こそ最も顕著に表れている!そうなってしまっています。

 勘の良い人は既に気付いていると思いますが、様々な釣具がなかなか手に入りにくくなっています。
 また、バスブームのときのような釣りブームの再来か?と思われる方がみえるでしょうが、今回はその時とだいぶ事情が違います。

 コロナで釣りブームは再熱しましたが、バスブームのときのように人気メーカーのルアーやロッドがなんでもかんでも売れるというわけではありません。
 よく売れるものはかなり限定されています。
 世間一般的な人気商品と安めの定番品くらいです。
 なのに、店頭からいろいろな物が消え、なかなか入荷しない状況になっています。

 こうした今の状況の原因はとても複雑なので、また時間ができたところで説明をしていきたいと思います。

 とにかく、先ず皆さんへお伝えしたいのは、コロナで釣りブームが起きているのに、タイムリーに商品が入って来ないため、お客さんが希望する商品を購入できないと同時に、釣具店の経営状況も大変厳しくなってきているということです。
 いろいろな情報を精査する限り、たぶんうちの店だけでなく、ほとんどの店も同じようです。

 そして、さらに悩ましい問題が…
 釣具のほとんどが今後値上げされる見込みだということです。
 その一例が、今春発売のダイワNEWイグジスト。
 価格を見てびっくりされた方も多いでしょう。
 定価がついに10万円を超えました

 こんな具合に次々に値上げ値上げとなるようです。
 労働者の給料が上がらない状況でこれはお客さんにとってとても痛い話でしょうし、店としても当然マイナス影響が出そうで不安でいっぱいです。

 で、当店なんですが、こういう状況が昨年の頭くらいから起きていたため、ある程度前もって注文を入れておくように心掛けていました。
 シーズンに売る物が無くては皆さんにご迷惑をお掛けしますし、商売になりませんから。
 でも、入荷が遅れ、シーズンが終わるようになってから入ってきたものも多かったですし、見込んでいたよりも売れず、かなり残してしまった物もなかりあります。
 前もっての大量発注ですと、現地型の小さい店ですし、どうしてもそういうことが起きてしまうんですよね。

 ただでさえ真冬の今の時期は特に売れ行きが鈍いですし、今年は特に寒くて風の強い日が多く、売上の面では例年以上に厳しいです。
 商品を大量に残したままでは今後の仕入れが出来ませんので、値上げ前ではありますが、お値打ち品を多くし、ある程度在庫を減らしたいと思っています。
 お客さんにとっては、今のほうが安く買えますので、多少なりともお金に融通のきく方は、正直、今がチャンスだと思いますので、是非ご検討ください。


 

ゼノンと釣り業界について思うこと   令和3年7月1日

 アブのハイエンドスピニング ゼノンが5月末に発売しました。
 と同時に、今までアブのリールを愛用してきたヘビーユーザーの1人が投稿したゼノンの欠陥を指摘したYou Tube動画が波紋を広げました。
 スプールから下にラインが落ちやすく、しかもローターに絡みやすいというものです。

 私がその動画の存在を知らなかった時点で、もう、2人のお客さんが知っており、不安に思われていました。
 既に当店では1台をお客さんに販売済みだったので、私までとても心配になりました。
 
 お客さんが買われたゼノンにラインを巻いたときには全然考えも感じもしなかったのですが…
 確かにスプールのスカートが逆テーパーになっているので、下へラインが落ちればローターまで到達しやすい気がしますし、
万が一ローターに絡みかけた場合、そのまま締まって外れなくなる可能性が高いようにも見えます。

 ただ、そこで新たな疑問が生まれました。
 そもそも通常の使用でスプールから下へラインが落ちるのか?
 落ちなければ、スプール下部のスカートの形状など、何の問題にもならない。
 ならば、ゼノンだけ下へラインが落ちる特別な欠陥があるのか?
 ということです。

 そこで、投稿動画の実釣シーンを見てみると…
 フェザリング無しでルアーを着水させている。(当然ラインは緩んでいる)
 そのままロッドを立てた状態でベールを戻し、ラインを巻き始めている。

 これじゃあ、ゼノンじゃなくても、普通に糸落ちて絡むりでは?という感じに思えました。

 しかも、ゼノンだけが通常の使用状態でラインが下に落ちる理由(根拠)が述べられていません。
 だから、私はその動画を見ても、納得することができませんでした。

 ところがです。その動画に寄せられていたコメントの多くが投稿者に好意的で、メーカーに批判的だったので、またびっくりしました。

 「リールはダイワかシマノに限る!アブなんてハイエンドでもこんなもん!」
 「メーカーが故意に欠陥を隠して販売しているんじゃないか?」

 根拠無しに、先入観、偏見でものを言っているところに大いなる問題を感じました。
 名無しをいいことに言いたい放題!まさにそんな感じです。

 正直、私は、メーカーに手厳しいです。
 ○○さんが「樋口さんは製品の悪口ばかり言う」と私のことを評していた、と別の人から告げられこともあります。

 私は唖然としましたが、釣りや釣具に対して情熱のない人からすれば、そう思えるのかもしれません。

 メーカーが新製品を発売した時、私はメーカー社員に
 「この製品の開発意図や他社のよく似た製品よりも優れた特長を教えてください」と質問します。
 これに対して、まともに答えられなかったり、「今売れているからよく似たのを作った」と、ふざけた答えを返されたりすると
 「良心的な釣人に対して失礼だ!それではこの製品の存在意義が無い!」と、私は苦言を呈します。

 対して、見た目では気づきにくいながらも本質的な工夫がなされた新たなチャレンジには、
多少落ち度(欠点)が有っても、称賛します。
 そういう挑戦が無い限り、業界の発展は無いからです。

 だから、私は根拠(正当な理由)が欲しいのです。

 ところが今、釣具業界の流れは逆方向に行っています。
 大多数のユーザーが、メーカーの努力=物理特性に基づいた独創的な仕組み、こだわり、入念なテスト結果を
 先入観や偏見で排除してしまっています。

 SNSの本当の目的は、マスメディアによって取り上げられない見失われがちな真実を丁寧に伝えるところにあるのに、
 断片的な批判ネタや単なる自慢ネタに終始するなど、好ましくない使われ方が大多数になってしまっています。

 私は、そういうことから前向きな努力が認めらず、善が駆逐されていく今の社会に憤りを感じます。  

 いつどんな状況下でも、すべてが100点満点なんて物はこの世に存在しません。

 軽くて感度が良く、反発力のあるロッドの1点に負荷をかける釣りをしたら折れやすくなります。
 針先が鋭いフックほどちゃんと掛けられなければ、曲がったり折れたりしやすくなります。

 そうしたトラブルが起きた時、その製品の特性を考えず、高級品だからということで手に入れるのを
ステータスにして釣り名人気取りしている人ほど、その場の結果だけを切り取って「こんなもの使い物にならん!」
と切り捨てます。

 今回の一件では、そうした世の中にまん延している不条理な一面を感じました。

 ここで、アブのスピニングリールの最近の開発経過について、私なりの視点で触れたいと思います。

 アブのスピニングリールが劇的な進化を遂げたのは、今から5年前、レボMGXが発売された時でした。
 高級スピニングリールの分野がダイワ、シマノの2大メーカー(2強)によって独占されてしまった中で
高級スピニングリールの分野に本格参入するというのは、相当のリスクを伴います。

 ただ、ユーザーからすれば選択肢の幅が広がるし、何よりも市場が活性化し、製品技術の進化につながります。
 2社による寡占の弊害が表れ始めていたときのアブの挑戦でしたので、私はこれを高く評価しました。

 リールの出来もマズマズ期待に違わぬものであったのですが、
 高級リールの作り込みに不慣れなこともあり、一部不具合が起きることもありました。

 不具合が発生する度に、リペアセンターに送り、修理してもらわなければなりませんでした。
 私の手間もかなりでしたが、お客さんに薦めたのは私ですから当然です。
 それよりもお客さんにご迷惑をお掛けして申し訳なかったと思っています。

 幸い、アブの修理対応が迅速で誠実だったことと、買われたお客さんが私の思いに賛同してくださる方が
多く、「未来のため」と、我慢してくださったことですいぶんと助けられました。

 今、ゼノンが世に登場することができたのも、そういう経緯があったからこそ!と強く感じています。

 2016年  レボMGX … 成果  ボディが軽い  巻き心地がかなり良くなった  よく飛びライントラブル激減
                       バツグンのドラグ精度

                  課題  初期にギアの固着等が見られた  1年ほど使うとストッパーが効かず逆転してしまう  
 
        ↓

 2018年  レボMGエクストリーム … 成果  ギアの固着無し  ストッパーON・OFFの切り替えを無くし逆転も無し
                               スプールとローターのさらなる軽量化による回しと止めのレスポンスの向上
                               空巻き時のスムーズさの向上

                          課題  負荷がかかったときに巻きが重たく感じる

        ↓

 2020年  レボMGXシータ … 成果  新機構により高負荷時もスムーズに巻ける  
                      課題  ほぼ無くなったが、強いて挙げれば … まだ強度・耐久性に対する不安が少し残る  
                           まだギアノイズを少し感じる  もう少し硬さ(しゃきっと感)がほしい

        ↓ 

 2021年  ゼノン … 成果  ボディ、ローター、スプールの形状を大幅に見直し世界最軽量でありながら硬さ(しゃきっと感)を実現
                     硬さがあり、ハイレスポンスでありながら、ギアノイズを感じないシルキーな巻き心地を実現
                     これなら強度・耐久性も大幅に向上しているのではないか?

 と、こんな感じて、着実に進化してきています。

 特に今回のゼノンで最も革新的なのは、ボディ形状の左右非対称化です。
 よく考えてみれば、ベイトリールでは、ギアが入っている側を大きくし、パーミング側を小さくするということが
随分前から当たり前になっていました。
 なのにスピニングについては何故か?どれも無駄な空間のある左右対称形のままでした。
 今回、それを見直したことで、とてもコンパクト&軽量になった上に、強度も増しているように感じます。

 アブが第三極としてがんばってくれたからこそ早目に実現できた進化だと思います。

 昨日、ゼノンの4000番が入荷したので、早速、一番ライントラブルが起きやすいフロロラインを巻いてみました。
 史上最もしなやかに仕上げた当店オリジナルのIRGフロロですが、さすがに10LBですから硬さは出ます。
 (完全に伊良湖でのナイトミノーイング仕様)
 しかも下糸をしっかり入れて、わざとバックラしやすいよう、スプール一杯に巻くことにしました。
 1回目は下糸が少な過ぎたので、一度スプールからラインを外すためベールを起こし、ラインをフリーにしましたが、
 気をつけていたせいか?ローターにラインが巻きついて困るということは無かったです。

 そして巻き直して、夜、雨が降る中、近くの港へ試投へ!
 ライントラブルをテストするのに最適な強い(風速8m〜10m位の)向かい風や横風が吹いています。

 さすがにこの風でベイルを起こしてラインをガイドに通していくのは無理なので、
ドラグを緩めて通していきました。

 ルアーはあえてボリュームがあってそういう条件で投げにくいペニーサック初代を選択。

 投げ込む向きを90度変え、向かい風と横風の両方を試してみました。

 低弾道で投げるも、あまりにもの強風で、多少糸フケが出ますが、そこらへんはどのリールも同じ。

 私の場合、強風下で釣りをするのに慣れているので、自然と右手の人差し指でフェザリング。

 ラインの無駄なたるみをなるべくださないようにし、先ずは竿先を水平前方に真っ直ぐ伸ばした状態で
 ベールを戻し、ロッドを少し横に引きながら巻きをスタート。

 ここらへんの対応は、ゼノンを使うくらいの人だったら普通にできるはず!
 というか、気にしていなくても、自然とそういうふうに体が動くと思います。

 で、最悪条件下での結果は、何度投げても、ノントラブル。

 無風時の飛距離を考えると、フロロなら、もう一回りスプールが大きいほうが良い気がしましたが、
 だいたいは、風が強い日にフロロを使うことが多いので、スプールが小さいことにより、糸フケが出にくく
 かえって良いのでは?と考えることもできるので、トラブルレスとか着水時からミノーをしっかり
泳がせるという点では、このほうが良いでしょう。

 それに、最近は細めのPEが主流で、ロッドのガイドも小口径化の傾向が強いですので、
 ゼノンくらいコンパクト&軽量化されていたほうがロッドやラインとのマッチングを考えても利点のほうが
多いように感じています。

 あと、巻きの快適さ!これは素晴らしいですね。
 ギアの品質や精度、組み立ての精度や強度が大幅に上がっているように感じました。
 ひょっとしたら、今回の最大の進化は、見た目では無くこちらのほうかも?と思えました。

 あと、塗装技術もかなりあがっているようです。
 こちらばかりは使い込んでいかないと分からないですが、
洒落たボディデサインと塗装の輝きが絶妙にマッチングしてカッコイイと感じられる方が多いことでしょう。

 ともかく、私的には、着実に課題をクリアし、アブが着実に進化していると感じられて
嬉しくなったというのが、ゼノンを使用しての現時点での正直な感想です。

 以上、よろしければ、リールを購入される際の参考の1つにしてください。


 P.S 釣具業界が健全な方向に進むよう、切に願っています。


「釣りブーム再到来」と言われるけれど…   令和3年6月11日

 新型コロナの影響で、密になるレジャーや飲み会が自粛になり、20数年ぶりに釣りブームが到来している、と言われています。

 でも、当店のようなマニアックな店にはその実感がありません。
 増えたのは「他の遊びができないから釣りでもやるかあ」という感じの初心者がほとんどだからです。

 そういう人が、いなかでしかも主要道路から外れ、さらに村の中の細い道にまで入って来ないと
買い物ができない当店のような店にはなかなか来てくれません。
 しかも出迎えるのは、声がでかく、いかつくて、うさん臭いおっさんです。

 コロナ禍で釣りを始める人のほとんどが手軽さを求めています。
 もちろん、コロナの影響ばかりでは無く時代の流れもあります。

 それはともかく、コロナが治まれば、釣りに飽きてしまえば、また以前楽しんでいたレジャーに戻るだけだから、
 趣味として深めようという気がありません。

 まあ、それも仕方がないと思わざるを得ないのかもしれませんが…

 昔からの常連さんから…
 「初心者に釣り場が占領されていて入る場所がないほど密になっている。」
 「1尾釣るとすぐに周りから人が集まってきて目の前に投げ入れられて釣りにならなくなる。」
 「おまけに安全に対して無頓着で困るし、見ていてハラハラする。」
 「迷惑駐車もゴミのポイ捨てもお構いなしでいやになる。」
 「いやなことが多くなったので釣りをやめたくなった。」
 そういう声をよく聞くようになり、状況の深刻さに心を痛めています。

 私は昔からディズニーランドのような場所が苦手です。

 長時間何もせずに行列に並んで待つのが苦痛です。
 まだ、その先に楽しいことがあれば我慢できるかもしれませんが…
 なんちゃらマウンテンはどれも危険な乗り物にしか思えません。
 お前の船の方が危険性が高いだろう!とツッコまれそうですが、
無人運転のトリッキーかつ高速で動く乗り物に身を委ねるということ自体に抵抗がある性分なのでどうしようもありません。

 さらに、バーチャルな世界に魅力を感じない性分でもあります。
 だから、最先端の技術を駆使し巧妙に作り出した世界も、私には単なる子供だましにしか思えません。

 唯一、パレードはマズマズ楽しめる催しのはずなのですが…
 それを見ながら飲み食いをし、ゴミをポイポイ捨てる人の多さ、
そういう人が多いからゴミを拾うキャストが大勢配置される現実、これに一番嫌気がさします。

 サービスの意味をはき違えていると思えるからです。
 マナー違反しているお客さんの行為を肯定しているとしか感じません。
 そういうことに人手が割かれ、それが入場料金に上乗せされるのはおかしいと思います。
 
 だから、大金を払ってまで入るところではない!というか、タダでも入らないというのが私のホンネです。
 これはあくまで私、一個人のの思いに過ぎません。

 ディズニーランドの営業妨害をするつもりはありません。
 それが魅力的だと思う人は行けばいいだけのことですし、私も家族や仲間が「行く!」と言えば付き合います。

 ただ、こういうテーマパークの世界を当たり前!サービスが行き届いていて素晴らしい!
と感じるタイプの人たちが釣りの世界に入ってくることで、本当に釣りが好きで、以前から釣りを思いきり楽しんでいて、
マナーも良い人たちを駆逐していくこと、それを危惧しています。

 その兆候が釣具店やメーカーの経営にも表れ始めています。

 次回は、その点について触れたいと思います。


訴え方の幅を広げてみませんか?   令和2年5月14日

 今まで9月入学問題を、このページとツイッターで展開してきました。

 多くの方に見ていただき、多くの方に賛同していただいています。
 心から感謝申し上げます。

 しかしながら、それが最適に機能しているか?というと、ほど遠いように感じます。

 「今は9月入学にすべきでない。9月入学にはメリットよりもはるかにディメリットが多い。」
 「1人でも多くの子どもを助けたい。幸せにしたい。」という私の思い、皆さんの思いが行政に伝わっていってないと思えるからです。

 ということで、皆さん、少し作戦を替えてみませんか?

 ツイッターだと、賛成派と反対派の文句の言い合いに終始してしまいがちです。

 また、政治家にツイートしても、不誠実な方がほとんどです。

 多くの政治家は最初から答えを決めています。(自分が不利となると突然態度を豹変させますが)
 そして、根拠に基づかず、自分の損得で考えている政治家ほど、
 簡単に「賛成」という市民の声に対しては、「ご理解いただきありがとうございました」と答え、
 しっかりとした根拠をもとに異議を唱える市民の声に対しては、必ずと言っていいほどスルーします。

 特に、自分よりも詳しくて正論を展開する人とは、絶対に意見を戦わせません。
 ある意味、意見を述べた人が、それだけ認められている証拠なのですが、
 それが目的ではありません。声を届けて世の中を良くし、少しでも多くの人を幸せにするのが目的です。

 では、どうしたら良いのでしょう?

 私本人1人が意見を述べても、ずっと無視され続けるだけです。

 ならば、私の意見を、大勢の人の意見、もっともな意見として、他の大勢の方が発信主となって、上に伝えていただくのが良いと考えました。

 ツイッターは短時間で拡散させるツールとしては最適ですが、どうしても流され、すぐに埋没しやすい、
 資料が見にくく活用しにくい、字数に制限があり十分な思いを伝えにくい、という欠点があります。

 今や古典的ですが、通信手段をメールに切り替え、そこに資料を添付し、ご自分のメッセージを書き添えて送るというのはどうでしょう。

 資料の書式は、PDFのような画像タイプのものよりも、ワードのように編集可能のもののほうがいいと思います。
 改ざんされる可能性はありますが、好きなところだけ切り取りって簡単に活用してもらえるというメリットもあります。

 送り先は、政治家 … 文部科学大臣 国会議員 都道府県知事 市町村長 地方議員

       行政 … 文科省  各教育委員会

       教育・保育現場 … 校長 教師 園長 保育士

       メディア … 新聞社 雑誌社 テレビ局

 などのところが考えられます。
 自分の地域だけでなく広範囲に、そして、有効に生かしてくれるだろうと思われるところと、これを送られるとイヤだろうと思われるところの両方に出すのが良いと思います。
 専門家は原則、止めたほうがいいと思いますが、耳を傾けてくれそうな人でしたらありだとも思います。

 それから、私の意見だけでなく、他の人の意見も同様に活用していくと効果的だと思います。
 ただ、1通のメールに添付する資料は1通がいいでしょう。メッセージの焦点が明確になり、相手に正確に伝わりやすいですから。
 そして、必ず、「ご意見、ご感想をお待ちしております」という感じで、返信を希望することを忘れずに!

 その言葉を書き添えることで返信が来なかった際、「国民の声を無視した!」と非難・追及できます。

 ツイッターで、「〇〇さんに資料をつけてメールしたのに、返信が無い。」
 「せっかくいい意見を提示したのに…」みたいに書いていけば、かなり効果が上がると思います。 

 あと、私の資料以外のものを送る場合は、必ず、私の意見をうまく捕捉するようなタイプのものが有効です。
 大勢の人から同じものが届くのは効果的ですが、1人が全く同じ内容のものを同じ人にたくさん送っても逆効果です。気を付けてください。

 それと、くれぐれもメッセージが、自己中心的、損得勘定にならないように!お願いします。

 私は、未就学児をおもちの親御さんの味方であると同時に、卒業が迫っている最終学年の生徒さんの味方でもあります。
 さらには国民の皆さんの味方になりたいと思い、取り組んでおります。
 その点にご留意くださいますよう、お願い致します。

 では、下に、昨日ツイッターで公開させていただきました資料を添付いたしますので、
 どうぞ、ご自由に、そして有効的に、ご活用ください。


   樋口 弘実 元教師から見た9月入学問題 (Word書式)


※ 私が住んでいる愛知県では、まもなく緊急事態宣言が解かれるようです。そうなると私は、また、通常の激務に追われ、
 この活動が十分にできなくなると思います。
  皆様のお力になれるのもあと少しかと思いますが、できる限りのことはしたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。


同じ「補償」でも真逆です   5月11日

 今朝、ネットニュースを見たら…
 「9月入学制賛成派、過半数」が目に飛び込んできて、愕然としてしまった。

 この問題については、昨日で切りにするつもりだったんですが、急遽、変更し書くことにしました。

 どうも、国民の多くは、休業による生活の補償と休校による学力の補償を
 「同じ」と考えているようですが、これは大きな間違いです。

 真逆なのに、これが「同じ」と見えるのは、いかに国民が自分の側からしか物事が見れていないか!
 ということの現れだと思います。

 バカにするわけではなく、なんとか国民を助けたくて声を上げています。

 ずる賢くて金持ちの政治家や評論家について行くとえらい目にあいますよ!


 店を休業 → 生活がもたない → 補償してほしい → 給付金・助成金 → 

 復活 → 経済格差是正の世の中に変えていければ → 国民の多くが幸せ


 学校が休校 → 学力低下 → 補償してほしい → 9月入学 → 

 グローバル化の波にのまれる → 貧富の差がさらに拡大 → 国民の多くが不幸


 間違いなく、上のような感じになっていきます。

 地方に住んでいて「うちはネット環境が無くてオンライン教育が受けられないから、いっそのこと9月入学で!」
 なんて考えていたら、まさにドツボですよ。

 だって、東京の金持ちの子はそうした学習環境が既に整っていて、先に学習を進めているんだから!
 9月に大きな差がついた状態でのスタートになってしまいます。

 そもそも、他国は、このコロナ禍を契機に、入学月を移行させようとしているのでしょうか?
 グローバルスタンダードは、「そのまま」それとも「移行」どちらなのでしょうか?
 世界が移行するなら、話しは別ですが、コロナ自粛で国民の生活が困窮している今、死者数が少ない日本だけ移行って、おかしくないですか?
 それが世界基準に沿うということなんですか?ちがうでしょ、単に日本を捨てるということでしょ!


 本当なら、国がオンライン環境を整えてあげればいいんですが、金持ちの味方しかしない今の政府ですから
 なかなか難しい気がしてきました。

 なら、すみませんが、先ずはできることから、始めましょう。そして、可能ならば、逆境に挫けない子を育てましょう。

 最初から、「無理」と答えを出していたら、すべてが「無理」になっていきますよ。

 何も、与えて支えるばかりが教育ではありませんよ。 ケアのし過ぎは、自立心に欠ける子をつくるだけです。
 そうなったら、正しくグローバル社会の餌食です。

 そうした意味では、コロナで学校が休校している今こそチャンス!ということもあるはずです。

 くだらない授業や宿題から逃れることができるし、本を読む時間だっていっぱいできたじゃないですか。

 いきなり自立が難しい低学年の子については、学校が始まったら、国語や算数を中心にやってもらえばいいんですよ。
 学習なんて、すべて完璧にやる必要なんてないんです。

 尾木ママのように、休校のマイナス面だけを騒ぎ立てる人にまどわされないでください。

 尾木さん、学校現場ばかり批判して、保護者や政治家の人気取りをするのはやめてください。

 尾木さんも昔はこんなんじゃなかったんですけど、テレビのほんまでっかなとで人気が出てから、どんどんおかしくなってしまいました。
 今では、教育評論家でありながら、スター気取りで、死亡保険のコマーシャルにまで登場し、お金儲けをしています。
 そんな暇があったら、もっと真剣に教育の問題と向き合ってください。

 そんなんじゃあ、消費者金融の弁護士をやっておいて、市民の味方のふりをしているどこかの知事と同じですよ。

 このままでは日本がだめになります。だから今は 断固、9月入学反対です!


教育 コロナの教訓   5月10日

 またまた前回に引き続き、9月入学問題について取り上げます。

 皆さんは、今回のコロナでどんな教訓を得られましたか?
 まだコロナ禍の最中なので、結論が出ていない方は、現在の思いで構いませんので、考えてみてください。

 私は「守ることの大切さ」です。

 政府の対応を見ていると、「守り」への対応がすべて後手後手になっています。
 人の移動・活動制限への対応、医療への対応、経済活動への対応、人々の生活の補償への対応、すべてについてそうでした。

 「守り」への対応が後手後手になると、国の持つ「良さ」まで失われてしまいます。
 国の「良さ」はその国の人々を輝かせるもとになるものだから、すべてが失われていくことになります。

 では、皆さんは、日本の最大の「良さ」は何だと思いますか?

 私は日本が「島国」であることだと思います。

 何をいまさら!当たり前のことを!と思われる方が多いでしょうが、こういう国難の時こそ、原点に帰ってみることが大切です。

 人間とは言えど、哺乳動物の1種にすぎません。昔は自然の摂理に身を置き、その恩恵を享受しながら暮らして来たのです。
 そして、そこから生活様式・伝統文化が築かれていきました。

 せっかく長い時間かけて築かれてきた独自の良いものを、グローバル化の時代だから…という理由だけで、熟考せずに崩してはなりません。

 なのに、人々は「利」を至上とする時代の流れだけに乗り、日本の良さ(財産)を軽んじ、世界の華やかな部分に目(心)を奪われるようになりました。

 だからといってグローバル化を否定するわけではありません。
 英語教育は重要です。でもその目的は、海外への経済進出ではなく、国際貢献であるべきですし、日本の良さを海外へ伝えるツールであるべきです。

 大国の振る舞いに目を奪われることなく、純粋に世界地図を思い起こしてみてください。
 世界の中で、中緯度で気候に恵まれたところにある島国がいくつありますか?日本、イギリス、ニュージーラント…ほんのごく一部の限られた国しかありません。

 日本は、鉱物資源は少ないですが、広大な経済水域と豊かな水産資源があり、多くの森林があり、水資源があります。その恩恵を受けることで、1億もの民の暮らしが成り立ってきました。
 しかも、狭い場所に美しい自然と共存しながら。

 江戸時代の鎖国にはマイナス面がありましたが、鎖国のお蔭で、浮世絵や歌舞伎など日本が世界に誇れる文化が成熟したのも事実です。
 食文化や建物などの文化的景観もしかりです。

 さらに、島国には、海外から攻め込まれにくいという最強の武器があります。
 日本が植民地支配を逃れた大きな一因でもあります。

 なのに、日本人は、今、そうした「島国」故に育まれ、守られてきた良さを、自らの手で捨てようとしています。

 先日も書きましたが、今回のコロナ禍が悪化した経過は…

 過度な競争社会と不公平な社会構造の結果、まじめに働いている日本人の多くがどんどん貧乏になっていく社会。
 その結果、消費が停滞しているのに、どんどん消費税率を上げてさらに消費を停滞させる政府。
 今まで自分たちを支えてきたまっとうな中小企業に対して、恩を仇で返す大企業。
 貯えた富をお世話になった国民ではなく、海外への投資に回し、さらなる金儲けを企む資本家たち。
 日本人だけで経済を支えられなくなり、外国から労働者や旅行者を招き入れざるをえなくなった昨今。

 結局、グローバル化に翻弄されたことで、コロナ対策が遅れ、医療崩壊と経済破壊が同時に起き、
 国民の命までも脅かされる事態になってしまいました。

 さらに、現在進行形で、今後さらに加速するであろう、企業倒産とさらなる国民の貧困化。
 結果、資産を中国人らに投げ売りせざるを得ない近未来。

 なのに、この期におよんで、政治家たちは、まだ人を攻めることで、今までと違う社会を強引に作ろうとしたり、
 どさくさにまぎれ、大事なことを陰で勝手に決め、替えたりしようとしています。

 たしかに、「守り」と比べ、「攻め」は一見華やかでかっこよく見えます。「変更」も同様です。

 でも、熟考無しに自分の都合や欲からそうした行動をとる政治家に追従した行く末は…

 国民の多くが不幸になる社会です。

 島国で「守り」に長けているということは、「攻め」に不向きということを意味しています。
 海外への経済展開に力を入れるということは、国内の守りが手薄になることを意味します。
 私たちは、大陸へ軍を進めたばかりに、国の防備が弱体化し、最後は原爆まで投下され、多くの命が奪われたという教訓を忘れてはなりません。

 第一、例え経済でも、他国へ攻め入ってはいけません。
 助け、共に歩むために海外へ歩を進めるべきです。

 私は、必ずしも9月入学に反対ではありません。でも…

 「コロナで学力差が開きそうだから」
 「休校している今変えるのが好都合だから」
 「グローバルスタンダードだから」
 などと言った一面だけしか見ていない安易な理由から、9月入学に変えるのは、大反対です。

 絶対にうまくいかず、国民の多くが不幸になっていく将来が目に浮かぶからです。

 日本の将来、子どもたちの将来に関わる大事なことです。
 学習内容の習熟度のこと、学費など親の負担のこと、学年の区切りのこと、進学のこと、就職のこと、すべて大事です。
 差し迫った問題だから、一番気になるのは分かります。
 でも、そこから、4月入学か?9月入学か?に行くのではなく、その問題は一度横に置いといて…

 コロナ禍の今は、子どもたちのために、とりあえずできる教育活動を見つけてやっていくことが大事なのでは?
 まずは、無いものねだりよりも、有るもの活かし、だと思います。

 そして、少しとゆとりができたら、これからの日本や世界をどうしていくべきか?
 そのために、どういう人財を育てていくべきか?を考えて、少しずつ教育実践に取り入れてみてください。

 教育の本質と真っ向から向かい合い、それについてしっかり議論しない限り、現制度を変えてはならないと思います。


教育 今すべきこと   5月7日

 前回に引き続き、9月入学問題について取り上げます。

 小池知事や吉村知事は、9月入学制度を推していましたが、ツイッターに登場する現場の声としては、何よりも「いきなり今年の9月からスタートは無理」というのが大勢のようです。

 教員、生徒・保護者の声はほぼすべて同じようですし、たぶん文科省が一番びっくりし、「無理無理」と青ざめているに違いありません。
 マスク2枚や10万円の申請書すら届いてない対応スピードの政府が、9月入学への制度変更に対応しきれるわけがありません。
 そんなことしたら、すべて学校現場に丸投げ!今コロナで超大変な学校現場にさらなる混乱を引き起こすだけです。

 とにかくやるにしても、今年の9月からはありえないでしょう。そんな見切り発車をしていい事柄ではありません。
 それなのに、小池・吉村両知事が軽々しくものを言う姿を見ていると、悲しくなります。

 自分の都合でたやすく決めたがる、政治家特有のパフォーマンスをかいまみた気がしました。
 見る人から見れば、それが決断力・実行力のある頼りがいのある政治家にみえるのでしょうねぇ。
 教育素人が無責任なことを言って人気を上げていくなんて…
 おかしなことなんですけど…。
 たぶん人気のある尾木ママが9月入学に賛成っぽいことを言われたので、その気になったんでしょうね。

 まあそれは置いといて…

 4月?9月?よりも、まず当面の教育を考えていくことが急務ではないでしょうか?

 SNS上では、さすがにその世界に馴染まれた方が多いようで、オンライン授業の整備を多くの方が提案されていました。

 私は、学校の安全が担保されるまでは、この機会にオンライン授業を中心にしのいでいくのも良い方法だと思いますし、コロナ終息後も有効に活用していくべきだと思います。

 ただし、これを実現するためには、家庭内にオンラインで授業が受けられる環境がないとどうにもなりません。
 こうした家庭内の現状については、学校が把握していると思いますし、把握していない学校は各家庭に確認するなどして早急に実情をつかむ必要があるでしょう。
 その上で、オンライン環境が無い家庭には、国が金銭面等を含めて支援する必要があると思います。

 ただ、そこをカメさんスピードの行政がやるとなると、いつになることやら。
 ということもありますので、オンラインが整備されるまで、教師は、課題ドリルを出しておくだけで、他のことは何もやらないというのは、どうかと思います。

 感染状況についても、地域差があるでしょうし、東京での感染がなかなか収まらないから他県も学校を再開しないで、同時スタートというのもどうなんでしょう?
 私は、それぞれの学校が子どもや保護者や地域社会のために最大限できることをやればよいと思っています。

 もしも学校再開できないと判断するなら、家庭でも、できるだけ自ら楽しく学べる工夫を教師がしていくべきだと思います。
 技能や知識・理解の徹底指導という面では、休校は負の要素が大きいですが、自主性を伸ばしたり、考える力を伸ばしたりするという点においては、プラスに働くこともあるのでは?と思います。
 こんなことがあってはいけませんが、ダメ教員が担任だったら、学校へ行く期間が短くなる今年は、ラッキー!なのかもしれません。

 とにかく教師も、これをよい機会ととらえて、教え込み抱え込む教育から、自立を促す教育へとシフトチェンジしては?と提案したいです。

 それは放任では無く、教師が適切な関わりを持ちながら、生徒が少しずつ自分で考え、歩んでいく力を身につけていく。そういう教育の展開です。

 それを実践していくのに、オンラインよりも学校で直接会って、学習したほうが良いという場面が多分に生じると思います。
 それについては、最終的には、各学校や各家庭・生徒の判断をもとに最適な方法を選択していけばいいと思います。

 無理に再開する必要もないし、無理に学校に来させる必要もないと思いますし、また、その逆の強制も不可だと思います。
 だから、同じ学年、学級でも、学校へ来る子と来ない子があっていいと思います。そうした差異に対して、寛容であって欲しいと願います。

 それは、感染の危険性うんぬんについても、ある程度、個々の判断に任せることを意味します。
 当然、そういう自己選択期間は、教師から生徒へのメッセージは出せど、学習評定は出さない。
 それでいいと思います。

 小学1年・6年、中学3年を優先登校させるという案も出されましたが、それも一案だと思いますし、
  他にもいろいろこういう時だからこそ出来ることってあると思いますよ。

 再開された途端、無理に詰め込み教育をする必要もないと思います。
 だって必ずしも、詰め込み量=学力 ではないはずですから。
 なんなら小学校なら、国語と算数だけしっかりやってあとの大部分は家で!というのもありかも?です。

 コロナは紫外線に弱いようですし、密閉とは正反対のフルオープンの下、帽子をかぶって運動場で青空教室というのもありかもしれません。
 大人になってからサイコーの思い出として皆で語られるかもしれません。
 一生のうち1年限りの貴重な思い出になる確率が高いでしょうし! 
 私がまた教師に戻り、生徒たちが賛成するなら、生徒と一緒になってそういうことをしたいです。

 尾木ママはとても優しいが故に、コロナ禍によって学校の再開ができない現状を
 教育格差が生まれていてかわいそう、このまま再開すれば詰め込み教育になるだろうからかわいそう、
 と、現状を悲観的に見過ぎている部分があるように、私的には感じます。

 私なら、どんな小さなことでもいいので、今出来ることに前向きに取り組んでいく必要性をもっと叫びたいです。
 こんなときだからこそ、子どもをたくましく育てるいいチャンスだととらえたいです。

 昨年、私の母が病床に伏しました。私は覚悟を決め、立ち上げたばかりのメーカーの仕事を1シーズン棒に振ることにしました。
 母の仕事の最終処理と自分の店の仕事をしながら看護をする日々。母の残された人生を共にどう生きたらよいのか?を真剣に考えました。
 経済的な損失は計り知れないものがありましたし、それにより仕事面では人生まで棒に振ってしまった感もありますが、
 母の希望通り、母は自宅で最期をむかえることができましたし、私もずっと寄り添うことができました。
 コロナで今年もメーカーの営業活動が出来ないままになっていながら、店も休業し、資金も底を尽きましたが、母の看護をしたことに対して、悔いよりも、感謝の気持ちのほうがはるかに強いです。

 これはあくまで、私的な感情ですが、何か参考になるかもしれないと思い、綴らせていただきました。

 最終学年の生徒さん、最後の1年なのに、大会、コンクール、学校行事等が次々に中止に追い込まれ、学校へ通えないまま、受験、就職、卒業が迫ってくる、
 とても辛いと思いますが、とりあえず今できる最善のことを模索して、一歩ずつ前進してください。
 コロナが終息したとき、失ったものよりも多くのものを得て、ひとまわり成長した自分がそこにあるはずですから。


9月入学に思う   5月4日

 今回のコロナ禍で重要なのは、的確で迅速な対応でした。

 これについては、政府だけでなく、地方自治体も含め、行政すべてが後手後手で国民が大きな痛手を負うことになりました。

 ある意味、人災です。

 対応が遅れた!動き出してからも統制がとれていない!配慮がない!などが指摘されています。

 ただ、その反動として、ならば、教育問題に関しては、すぐに動き出して、一気に変えてしまおう、という風潮になっています。

 「夏までは休校が続きそうなので、このままでは学力低下が顕著になる。」
 「学力低下を防ごうとすると、詰め込みをせざるをえず、子どもへの負担が増す。」
 「学校が休校している今期でないと、永遠に実現不可能。」
 「グローバルスタンダードを考えると9月入学が望ましい」
 という9月入学賛成派の声が湧きあがっています。

 その一方で、
 「学校も会社も春にスタート。それに馴染んできたものを変える必要性があるのか?いろんな混乱が生じるのでは?」
 「教育費がまた余分にかかることになる。コロナで国民の多くが困窮している今やるのが適切か?」
 ということから4月入学のままで良いという声も根強いです。

 で、私の意見は?というと…
 今、いきなり9月入学を叫ぶのは、どうか?
 この問題に対してはコロナへの対応とは異なり、国民がもっと慎重にしっかり考えていかなければならない。
 そう思っています。

 別に、断固9月入学に反対するというわけではありませんが、今のところは、4月のままで良いと考えています。
 今期でないと、永遠に実現不可能ということは、一回変えてしまうと、「しまった!」と後悔しても戻せないということを意味しています。

 それに、入学時期うんぬんよりも前にやるべきことがあるのでは?とも思えます。

 そもそも、グローバルスタンダートに従うということが日本の将来にとって良いことなのでしょうか?

 過度な競争社会と不公平な社会構造の結果、まじめに働いている日本人の多くがどんどん貧乏になっていく社会。
 その結果、消費が停滞しているのに、どんどん消費税率を上げてさらに消費を停滞させる政府。
 今まで自分たちを支えてきたまっとうな中小企業に対して、恩を仇で返す大企業。
 貯えた富をお世話になった国民ではなく、海外への投資に回し、さらなる金儲けを企む資本家たち。
 日本人だけで経済を支えられなくなり、外国から労働者や旅行者を招き入れざるをえなくなった昨今。
 その顛末が、コロナによる医療崩壊と経済破壊。
 現在進行形で、今後さらに加速するであろう、企業倒産とさらなる国民の貧困化。
 結果、資産を中国人らに投げ売りせざるを得ない近未来。

 私から見えるグローバルスタンダードに従った行く末はそういう光景です。

 もちろん、グローバルスタンダードがすべて悪いわけではありません。
 ただ、現在の社会状況を修正すること無しに、「グローバルスタンダード」といういかにもそそられる響きだけで
 ことが動いていくのは、非常に危ういと思わざるをえません。

 テレビ放送もSNSも短時間で一気に情報や考えを拡散させられるという点では有益ですが、
 いずれも、先に結論を決め、それ以外を排除することで、人々の心を引きつけているという側面があります。

 いつまでもグズグズしていて行動に移さないのはよくないですが、
 考えてこなかった話題に対して、その場の雰囲気で安易に乗りかかってしまうのもよくないです。

 その点でマスメディアもネット社会も一面的、固定的になり過ぎているのが、気がかりです。

 日頃から、いろいろな人の意見を聞き、多面的に物事を解析したうえで、根拠のある考えを自分の中にしっかり持つように心がけることが重要だと思います。


今すべきこと   5月3日

 とりあえず5月6日まで休業することにしていますが…

 そこから先、どうしたら良いのか?
 愛知県の休業要請の期間は今のところ5月6日までとなっていますが…

 たぶん5月6日頃に、「明日からこうしてくれ!」という感じで出されるんでしょうね。

 毎回、突然「すぐにやれ!」です。

 なのに、休業協力金の申請が始まったのは、愛知県では犬山市のみ。
 このままでは、休業協力金が手元に届くのは6月になるかもしれません。

 これから先もしばらく、私のところと同様に多くの事業者が収入ほぼ無しで支払いは有りの状況が続くだろうに。
 どういうことなんでしょう?

 持続化給付金も、月の売り上げが5割減にならないと申請できない。
 だいたいの事業者は、5割減になる前に倒れると思うんですよね。

 もう少し、現実的なことはできないんでしょうか?

 そんな中、いきなり「学校を9月入学にしてはどうか?」という論が持ち上がってきました。

 今まで、私は、前職のことについて触れてきませんでしたが、これを契機に公開することにします。
 私は、以前、教師をしていました。
 いろいろと訳あって、自分から辞め、釣具屋のおやじに転身しました。

 教師という職業は好きでした。
 但し、変な教師でした。
 勤めた14年間、学校や学年で決められたもの以外、私から生徒へ画一的な宿題を一度も出しませんでした。
 授業も独特で、子どもの自主的な学びを尊重しました。
 詰め込み教育には否定的だけど、ゆとりという名のだらけでもない。
 自ら学び、生きていく力を育てる教育を心がけました。

 それと、私が力を入れたのが、心の教育です。

 中学校では、小学校と比べ、学級担任として学級の生徒とふれあう時間がどうしても少なくなります。
 そんな私が大事にしていたのが、週に一度の道徳の時間と日々の掃除・給食です。
 掃除や給食などの当番活動を生徒と一緒になってやるのが私の楽しみの1つでした。

 ガシガシやらないので、学習や部活動で毎回華やかな実績をあげたわけではありませんが、
 それなりに子どもの力は高めたと思いますし、宿題を出さないから、保護者から干されるということもなかったですし、
 逆に応援してくれる人が大勢いて助けられたと、今でも思え、感謝しています。

 じゃあ、そんな私がなぜ?教師を辞めたのか?そこは今書くべきことではないので置いといて…

 とにかく、今まで過去を伏せてきたのは、公開したところで、ディメリットはいっぱいあれど、メリットはほぼないと思えたからです。
 でも、コロナを契機に「9月入学論」が持ち上がったので、いてもたってもいられなくなり、公開することにしました。

 正直、今の教育が抱えている問題を、4月入学か?9月入学か?ということで、すり替えてほしくないです。
 そのためには、元教師として立ち上がらなければ!と思いました。

 島根県の丸山知事が5月1日の記者会見で的を射た表現をされました。

 ネットニュースで紹介された内容をコピーすると…

 東京都の小池百合子知事と大阪府の吉村洋文知事が学校の9月入学を求めていることについて、
島根県の丸山達也知事は1日の記者会見で
「自宅が燃えているときに消火しながら、バーベキューをやろうというふうに聞こえる」と非難した。
新型コロナウイルスの感染拡大を自宅の火災にたとえ「消火活動」に専念するよう求めた。

 丸山知事は9月入学について「企業、大学など5カ月ずらす社会的合意が取れるよう調整を早急にした上で、
9月までの感染の終息は相当にハードルが高い」と問題点を指摘。
 その上で「感染が進んだ地域の余波を受けないよう島根県民に我慢してもらっている。
東京都、大阪府には最大限、感染拡大防止に努力してほしい」と求めた。

 的確で素晴らしいと思います。

 そうなんです。地方では、感染が進んだ地域の余波を受けないように我慢し、頑張っているのです。

 そのことを、東京都や大阪府の知事は理解し、配慮しなければならないのに、身勝手な振る舞いです。

 ところで皆さん、なぜ?東京都の小池知事と大阪府の吉村知事が「9月入学」を言い出したと思います?

 私の推測では、このままいくと、東京都と大阪府の学校再開が最も遅れる可能性が大だからだと思います。

 他県の学校が次々に再開し、東京・大阪だけ遅れるとなると自分の政治生命にかかわってきます。

 今、大阪の医療体制がぜい弱で、コロナで医療崩壊が起きかけているのは、
 橋下徹が大阪府知事や大阪市長のときに「採算の合わない医療は切り捨てる」という行政を行ってきたから!と聞いています。

 人の命よりも金儲けが大事!単なるコストカット目的でお世話になってきた社員を大量解雇しながら、そうして上げた利益を自分の好きなように投資につぎ込み、多額の損益を出した日産のゴーン元社長を英雄視する人物。それが橋下徹で、その部下が吉村知事です。

 維新の会の根底には、国民のことよりも自分と自分の取り巻きの損得!そして、競争の勝者は何をしても構わない。そういう思想が流れているように感じます。

 教育問題が、そういう人たちによっておもちゃにされないよう、国民は注視し、的確な判断をするよう心掛けなければなりません。

※ 消費税の続きを書こうと思いましたが、「9月入学」がいきなり話題になってきたので、急遽取り上げることにしました。

※ 次回の話題を何にするか?その時の情勢を見て、判断します。よろしくお願いします。


陰で世の中のために頑張っている人を応援しよう   4月28日

 新型コロナの感染拡大で医療現場の多くの方が、連日奮闘されています。
 そういう方々の努力によって私たちの生活が守られています。

 実は、医療現場では、コロナに対応すると、仕事が大変になるばかりで、儲けが無く、病院のほとんどが赤字になるそうです。
 この問題については、近いうちに触れますが…。

 それでも、世のため、人のために、自分の生活までもなげうって、がんばってくださっている医療現場の方々には、本当に頭が下がります。

 それに対して、日頃お世話になっているパチンコ屋でもないのに、店名公表があった途端、これ幸いと、遠くからその店へ押しかける人々。
 「やることがないから」「どうしてもパチンコがやりたいから」
 そんなわがままな理由から感染拡大のリスクを高めてしまう場へ平気で出かけている。

 医療現場のことを思うと、悲しくなります。

 たしかに、現状、パチンコ屋からすると、店を開けないと、潰れてしまうのかもしれません。
 ならば、国は、最低限の補償を出し、休業を徹底させるべきだと思うんですが、どうなんでしょう?

 お客さんは、コロナが終息してから、今までお世話になってきた店に頻繁に通ってあげればいいと思うんですが…。
 なぜ?それまでのがまんができないのでしょうか?

 そんな中、地元田原市から、嬉しいニュースが届きました。

 市議会議員18名のうちの3人が、議員報酬の50%削減を、自ら申し出たのです。



 このことを、全国の議員に啓発したく思い、新聞社に声掛けしましたが、取材拒否でした。

 ということのようです。

 3人の議員さんの決断を、私は、とても素晴らしいことだと思ったので、新聞社になりかわり、
ここに掲載させていただくことにしました。

 議員さんにも、いろいろな人がいます。
 公費節約を訴えながら、自分に関わる議員報酬の削減には徹底的に反対する人。
 一部の地区や一部の人にお金を落とすことが議員の仕事だと考えている人。

 そういう議員さんほど、けっこうお金持ち、という場合が多いですし、
 勉強をほとんどせず、市の提案には、考え無しで、簡単に「賛成」ばかりしている人が多いんですよね。

 そう思うと、上の3人は、本当にありがたい存在です。
 心から応援したいです。

 今回のコロナ禍は、一般市民が、そういうところに目を向け、考え直し、世の中を良くしていく良い機会だと思っています。

 そういう思いを大切に、このページを続けていきたいです。


 引き続き、ご意見・ご感想を募集します。簡単でも構いませんので、是非、一言お寄せください。
 いつの内容でもかまいませんので、よろしく、お願い致します。

   higu.fi@f4.dion.ne.jp

 ※ 当HPに掲載させていただく場合、お名前の公表はしませんので、できましたら、メールにはお名前をご明記ください。
 ※ いつの内容に関するものか、分かるようにお書きください。
 ※ ご意見のうち、掲載を控えてほしいもの(箇所)は、その旨を書き添えてください。


消防車に家を壊される   4月26日

 昨年、5月22日夕方のことです。
 近所の人が救急搬送されることになり、救急車が当店の駐車場に停まりました。
 さらに、病人が重篤かもしれないということで、救命士2名が追加出動されることになり、直後にレスキュー用の消防車がやってきました。

 すると、当店の前で何故か?加速していきました。私はそれを店の中から見ていて、危ない!と思った瞬間!爆音が響き渡りました。
 私の家の屋根に消防車の上部が激突したのです。
 瓦や壁土等が、辺りの景色が曇るほど飛び散りました。
 少しでもタイミングがずれていたら、救急車やレスキューを見に来た人に直撃し、人身事故になっていたのは間違いありませんでした。

 私は、運転士と助手席に乗っていた主任(運転士の上司)に問いました。
 「何故、お宮さんのところを曲がってから駐車場までわずかの距離なのに、わざわざ加速したんだ。こんな直進箇所で、スペースもあり、誰もぶつけたことが無いようなところに激突するんだ。しかも2人乗っていて回避できなかったのはどうしてだ。」
 すると、ただただ「すみません」と言うばかりです。





 次の日、渥美消防署の分署長と田原市消防本部の副署長が謝りに来ました。
 「形だけ謝っても意味が無いので、原因究明と再発防止にむけて、改善すべきことを洗い出し、しっかりと改善していただきたい。」
 と私は言いました。

 私 「署員への安全教育が不十分だったのではないか?」
 分署長 「日頃からしっかりやっている。」
 私 「では、消防車が通行する際の危険個所を記した台帳くらいありますよねえ。」
 分署長 「あります。」
 私 「じゃあ、今すぐ、私を署に連れて行ってください。資料を確認しますので。」

 ところが、署に着き、署員に聞いたところ、資料は無し、消防車の運転は運転士にすべて任されており(=放任)、危険個所を共通認識しておくような教育も一切行われていませんでした。
 ドライブレコーダーの映像を確認し、危険運転があれば、それを指導するということも全く行われていませんでした。

 嘘をつかれ、怒れましたが、こらえて、とにかく事故再発防止のために、いろいろ提案しました。
 署員の仕事を増やすだけではよくないので、本当にやるべきことをしっかりとやり、やらなくてもいいことは、削減していきなさい。ということまで、助言しました。

 あと、税金の使い方にもいくつか苦言を呈しました。

 後日、分署長は、事故のドライブレコーダーの映像を確認し、
 「あれは、樋口さんが怒るのも無理はない。本当にあっていけない事故でした。」
 と言ってくれるまでになり、私は少し安心していました。

 6月に屋根の修理が完了し、7月1日に分署長が「物件損害に関する承諾書」という下の書面を持ってきて、私は署名・捺印を求められました。

 で、その文書を見て、私は目が点になりました。

 
 
 この文書には、納得できないことが多々ありましたが、既に署名・捺印をしております。

 この文書によると、署名・捺印することにより、田原市、共済会、運転者に対し、
異議申し立て、請求、訴(「訴え」ではないか?と思われる)はできないことになっております。

 したがって、とりあえず、私は、田原市、共済会、運転者に対し、そのような行為はしません。

 ただ、公開してはならないとは書かれていませんし、出来事の事実をHP等に記述してはならないとも書かれていませんし、
私の思い・考えを述べてはならないとも書かれていません。

 今更ですが、訳あって、私は、急遽、上記のことをすることで、これをご覧になられた皆様のご意見を伺うことにしました。

 上記の文書及び消防署の対応で、私が疑問に思い、言ったこと と 分署長の返事 

@ 事故状況に「接触」と書かれているが、「激突」ではないか? 

  → 「激突」も「接触」の1つ。

A 田原市や消防署員の過失について、全く触れられていない。

  → 公務員は後日、別の場でしっかり裁かれる。

B 保険契約にも税金が使われている。署員に過失があっても、その分まで税金(保険)でまかなわれるのか?

   → 公務員の場合、職務中の事故は、過失の有る無しに関係なく、すべてそうなっている。

C 物件損害につき、私が受け取る金額は0円となっているが、それが正当か?

 ・かなり大きな被害だった。精神的なダメージも大きかったが!
 ・物損はすべて0円なのか?家が大破し、住めないような状況になっても0円なのか?
 ・あなた方は、仕事としてこの文書を持ってきており、それでご褒美として給与がもらえるから良いかもしれないが、
  私は仕事の時間を割いて、長時間、何度も事故の対応している。かなり損失があると思うが!
 ・母が入院中に事故が起きたので、看護にも悪影響を及ぼした。
 ・事故が起きたことで母の退院が遅れ、入院費が余分にかかった。
 ・壊された箇所が母の部屋のすぐ外だったため、病気で動けず寝ている母に迷惑がかかった。
  (修理までの間、雨どいが壊れていたので、雨が落ちる音。屋根修理時の作業音。)
 ・暑い中、作業をしてくれた大工さんや瓦やさんに飲み物やお菓子を出したが、そのお金や手間をどう考えているのか?

  → ごね得を防ぐために、物損は0円となっている。 

 ・ごね得しようとは思わない。ただ、これでは、やられ損ではないか?

  → 回答無し。

D 先日提案した改善策がどうなるのか?定かでない。

  → 今後取り組んでいく。

E 共済会から大工さんの口座への振り込みをもって、私が受領したこととするというのはおかしくないか?
   私は、そのお金を見てもいないのに…。

  → そういう規定になっている。

F 私がこの文書に署名・捺印しなければ、いつまでも大工さんにお金は支払われないのか?

  → そういうことになる。だから、この文書を持って何度もお願いに来る。

  それでは、忙しい中、大至急で直してくれた大工さんへの支払いが遅れて、迷惑がかかるし、私が悪者になってしまう。
  しかも、同じ文書を持ってくるだけなのに、あなたが仕事として来るたびに、余分に税金が使われる(時間労働に応じた給与が発生する)ことになる。

 → 回答無し。

G この文書だと、署名・捺印すると、異議申し立て等ができないことになっている。大工さんへの支払いと引き換えに
  こういう文言を入れるのは、脅迫状と同じではないか?
   文書を2つに分けたり、表現を変えたりは、できないのか?

 → 文書を直すことはできない。

 これだけの疑問や不満がありながら、私が署名・捺印したのは… 

 私 「じゃあ、私のことは、もういいです。お金も別にいいです。ただ…
    私が先日、事故再発防止のために提案したことをやっていってくれますか?
    この文書についても今後は手直しし、被害者が二度と嫌な思いをしないようにしていただけますか?
    田原市民のためにそれは約束をしてください。」

 分署長 「必ずやるとは言い切れないですが、前向きに努力はさせていただきます。」

 私 「じゃあ、仕方がない。署名・捺印をします。」


 という展開だったのですが…

 年度が替わり、4月初旬、新任の分署長が、今年も私の店の駐車場を借りたいということで、あいさつに来ました。
 (昨春は、こういう配慮は無く、私の家の事故まで、無許可・無挨拶で店の駐車場に消防車を停めていました。)

 そこで、「あの事故のことはどうなっていますか?」と私が聞いたところ、
 新任の分署長は「それについては、3月末の引き継ぎ会で、既に示談が済んでおり、解決済みという連絡を受けています。」と答えただけでした。

 その後、確認してもらったところによると、事故再発防止のために提案したことについては、ある程度実践されていたとのことでした。
 但し、事故後、私のところに何の報告・連絡もありませんてでした。

 何よりも、例の承諾書については、今後、書式や記載等をどう修正すべきか?検討さえ、全くされていなかったようですし、田原市や消防署員の過失についても、裁かれることなく終わっていたようです。(全員、おとがめは一切無しで闇に葬られていた。)

 前任が犯したこと!新任の分署長にとっては、災難とも言える出来事でしょうが、
 前任者にこれだけ嘘をつかれ、裏切られた状況で、
 今、「事故再発防止のためにこれだけのことを実践していますから、聞いてください、見てください。」と言われて、
 その通り「はい分かりました」としたら…
 また、市民のために主張した私の思いが無になってしまうと感じたので、それを一時断り、今回の公開へと踏み切ることにさせていただきました。

 特に、承諾書については、記述内容が正しいか否か以前の問題として、そもそもこれは脅迫状ではないか?と感じましたし、何よりも、被害者の良心の自由や裁判をおこす権利を侵害していて、憲法違反にあたるのでは?ならば、承諾書の効力も取り消されるのでは?とさえ感じています。

 その後、市議会議員さんからの情報によると、私がまた、ものを申しているということが、田原市消防本部の署長のところに届いたらしく、
 署長自ら、「駐車場を借りるのに、ヒグチ以外で、他に適当なところは無いのか?」ともらしていたそうです。

 事故前、一度も使用許可をとることも無く、病人を搬送するときに、こちらから挨拶しても
 「すみません。駐車場をお借りしています。ありがとうございます。」という言葉をかけてもらったこともありませんでした。

 でも、私は、大事な救急の仕事だし、市民の皆さんのためだから、それでも「良し」としていました。
 そのことで消防署員に「使うな!」と言ったことも、思ったこともありません。
 だから、それについては、とやかく言いません。
 事故後、お礼を言われるようになり、姿勢が低くなったなあと感じていましたし…いい傾向だけど、そこまで気を遣わなくても…と思うくらいでした。

 ただ、先日、新任の分署長が借用のお願いにみえたばかりなのに、一転、「ヒグチ以外で…」と、組織のトップである署長が言い出したことについては、もの申したいです。

 またも、市民のためを思って、駐車場をお貸ししている私の気持ちを踏みにじるのですか?
 私の店の駐車場が適しているから、ずっと使ってきたし、これからも使いたいのではないのですか?

 皆さんは、こうした消防署の一連の対応について、どう思われますか?

 また、昨日のコロナと休業要請の件については、どう思われますか?

 どちらか1つで結構です。
 ご意見・ご感想を募集します。簡単でも構いませんので、是非、一言お寄せください。
 よろしく、お願い致します。

   higu.fi@f4.dion.ne.jp

 ※ 当HPに掲載させていただく場合、お名前の公表はしませんので、できましたら、メールにはお名前をご明記ください。
 ※ ご意見のうち、掲載を控えてほしいものは、その旨を書き添えてください。

ついに休業   4月25日

 コロナがニュースになり出してからも、3密に当たらないということで、釣具業界はしばらく、売り上げ面では影響を受けませんでした。
 それどころか、3月20日頃までは、平年よりも暖かで穏やかな日が多く、どちらかというと売り上げは上々でした。

 ところが、その後、コロナの影響で、外出自粛の声が広まり、さらに、土日ごと悪天候で、売り上げは一気に激減。
 4月7日に緊急事態宣言が出され、さらに激減。
 好天の日でも、エサや仕掛がパラパラ売れる程度。そして高額商品の売り上げはほぼゼロとなりました。

 そりゃそうです。ほとんどの製造業が生産を縮小。今まで残業代があったからこそ、釣具を買うことができたんですから。
 今が厳しく、今後もどうなっていくのか?分からない状況の中、釣具にお金を使うことはなかなかできません。

 地元の農業も施設園芸は壊滅的。今冬は露地のキャベツも良く無かったですし…。
 厳しいことだらけです。

 そんな中、地元田原市では、サーファーのマナーが大問題になっていました。

 これについては、先日、このページに書いた通りです。

 市民の方から私に、「今後、海岸沿いの駐車場を閉鎖するかもしれない」という情報が入ってきたので、
 私は、なるべくそうならないように動きました。

 でも、もう手遅れで、1日か2日後に駐車場は閉鎖。
 その知らせも、同じ市民の方から聞きました。

 現場へ様子を見に行ったところで、偶然、見回りに来ていたサーフィン協会の方や市議会議員さんと会い、話しをしました。
 すると、次の日(4月20日)、親しい市役所の職員Kさんから電話がかかり意見を求められました。

 私が前日、現場を見に行っていたことをサーフィン協会の方から聞いたから、ということでした。

 その電話で、私は主に2つのことを助言しました。

@ 駐車場閉鎖は仕方がないかもしれないが、市役所とサーフィン協会だけで動き、釣具店に何も話しが無かったのは良くない。

A サーフィンにだけ多額の税金を投入し、安易に外から人を呼んできたつけがブーメランとなって自分のところに返ってきている。

 こうしたことを横に置いといて、問題の解決はない。そこを強調しました。

 で、このとき、すでに、田原市では、県の対象から外れた床面積1000u未満の店に対して、休業協力金を出すということになっていたのに、その話は何も無し。

 そして、愛知県までも、21日にいきなり床面積の制限を外し、HPに変更を載せただけ。
 さらに、いきなり、遅くとも23日から実施しないと休業協力金は出さない。

 そのことを、別のお客さんから聞き、慌てて愛知県のHPで確認し、さらに田原市のHPを見たら、市長から直々に釣り目的の来訪自粛というメッセージがあり、次に、田原市独自の休業協力金の存在を初めて目にすることに。
 支給される金額も締切の日付も、県と市で異なっていて、食い違いが!ただ、重複支給は無い、とされている。

 駐車場を閉鎖した市のスポーツ課の職員Kさんに電話をかけて、どういうことか?確認の電話を入れたところ…
 「県がそういう変更をしたことは知らない。市のことは、知っていたけど…」
 ということでした。
 「なら、私はどう対応したらいいんですか?行政は感染防止のため、店に休業してもらいたいんじゃないんですか?」と私が問い詰めたところ、
 「県は県、市は市だから、ずれや違いがあって当然。休業要請に拘束力は無いから、補償のこともこちらからは言えない。それに、市の休業協力金の担当はスポーツ課ではなく商工観光課だから、私じゃ分からない。商工観光課に聞いてください。」

 その返事に私はついにブチ切れました。
 事前相談無しで勝手に駐車場を閉鎖し、営業妨害をした張本人であるにもかかわらず、そして、市長までが直々に釣り自粛のお願いまでしておきながら、
 「知らない。」「違いがあって当然。」「分からない。」「関係ない。」とは、どういうことだ!

 そこから、私の口撃がMAXになったわけですが…

 結局、急遽、県や市の要請に従い、5月6日まで休業することにしました。

 正直、もう、補償が無いと生活していけません。
 でも、私が本当に希望するのは、虚しい休業協力金の給付ではなく、コロナの1日でも早い終息と

 釣具の企画・販売がまともにできる権利、そして、多くの人々が幸せになる世の中の実現です。

 今の現状では、ほぼ実現困難な願いのような気はしますが、命ある限り、諦めず進んでいきたいと思います。

※ 田原市の対応について、昨年、もっと酷いと感じることがありましたので、次回、ここに書こうと思います。


橋下徹氏をどう見るか   4月21日

 皆さんは、橋下徹さんをどう評価しますか?

 私は、最低の人間だと思っています。

 無意味な競争をも奨励し、その勝者が、多くの富と絶大な権力を手に入れるのは当然だ!

 合法的であれば、どんな手を使ってでも構わない!

 という考え方です。

 そして、社会のためではなく、自分をよく見せるために、敵を作り、攻撃します。

 私の場合、社会を良くしたいので、相手が間違ったことをしている場合のみ、異を唱えます。

 橋下徹さんとは、順番が逆です。

 どちらを支持するかは、皆さんが決めればいいことですが、私は、自分の考え方・生き方が正しいと思っているので、
 そう思えるうちは、今のままでいきます。

 橋下徹さんが「国会議員の給与も、ゼロにするくらい削減しろ」と言うのは正論です。

 ただ、「私人と公人は立場が違うんだから、俺のお金が少なくなる必要はない。」=「俺は出さない。」
 と受け取れる発言をしているのは間違いです。

 今は、国民の多くが困っています。「公人だから給与を下げ、そこから金を出して、皆に配れ!」というのでは、片手落ちです。

 今は、お金に余裕のある人が、困っている人を助けてあげることが何よりも重要ですし、当然です。
 お金持ちの人は、自分の努力だけでなく、応援・支持してくれた人が大勢いるから、お金持ちになれたのです。
 だから、こういうときこそ、自分を評価してくれた国民に恩返しすべきなのです。

 コロナで出演機会が増し、議員を攻撃することで、余計にお金を儲けて、陰で喜んでいるようではいけません。

 とにかく皆で助け合っていくことが大切です。そうしないと、この国難を乗り切れません。
 たとえ、一時しのぎで財政出動をし、国民を助けたところで、その後に待っているのは、大増税です。

 それは、少子高齢化の中で、この国を背負っていく若者たちへの負担増を意味します。

 それに、国会議員の給与を削減したところで、どれだけのお金が捻出できるんですか?橋下さん。

 そんなとろいことで、言い争いをしている場合じゃないでしょ。

 国会議員にばかり責任を押し付けて、同じ公人でありながら、自分の部下の吉村知事の給与削減の話しは出さない。

 おかしいでしょ!

 一番大事なことは、どこをどう修正していけば、こんなパニックならずに済むか!です。

 他国で危険な感染症が流行していたのに、出入国制限が遅れた。→外人に頼り過ぎない。日本人を国内経済の中心に据えていく。

 あっという間に、中小企業や個人事業主が資金繰りに困った。→富の生産と配分のシステムを煮詰め直し、皆が余裕をもって経営できる社会にする。

 医者はいっぱいいるのに、すぐに医療崩壊が起きそうになる。→全ての医師が感染症患者に対応できるように養成しておく。人工呼吸器、エクモ等の充実を図る。等


 「お前が金を出せ!」ばかりではなく、有識者には、もっとそういう視点から、先を見据えた話をしてもらいたいものです。

 橋下さんが、お金持ちだから言う資格が無いのではなく、全体的に見て、橋下さんがまともとは思えないので、そういう人の声が神の声になって欲しくないですし…

 橋下徹さんみたいな人が、金持ちになるという社会自体がおかしいし、そういう社会だから、今のパニックが起きている。そう感じています。

 国民の皆さんには、早くそういう真実に気づいてもらいたいです。


消費税の計算 少し訂正   4月21日

 4月18日の消費税の計算に少し誤りがありました。

 税務署の職員が間違えていました。
 たぶん、だまし ではありません。 間違いです。 
 まさか…税務署の職員が間違ったことを言うとは…世の中、どうなっているでしょう。

 ちなみに、田原市の税務課の職員は、消費税の計算の仕方を全く知りませんでした。
 市民税を決める際、パソコンに数字を入れれば答えが簡単に出るので、何も考えないのでしょうね。
 それでは、一般市民の痛みなんて、いつまで経っても分からないです。
 税金で食っている、しかも税務課の職員がそれですから、情けない話です。

 グラフの数字のうち、消費税は、×0.1 ではなく、 ÷1.1×0.1 でした。
 内税と外税で計算式が変わってくるのを、税務署の職員は知らなかった?気づかなかった?のでしょうか?

 ただ、大筋の論理には、変更がありませんので、ご安心ください。

 では、計算していきます。

 売上高 2000万円 ÷1.1×0.1 = 181.8万円 = 消費税分(本当に納めるべき分)

 営業経費  1700万円 ÷1.1×0.1 = 154.5万円 = 消費税分(あらかじめ払ってある分)

   181.8万円 − 154.5万円 = 27.3万円 税務署に払う税額(名前は消費税だが実質所得税

 ※ この計算だと、収入に手を付けることはありません。だから30万円引かれることはありません。

 収入を消費に回した分   300万円 ÷1.1×0.1 = 27.3万円 消費税分(生活費等で払う分)

 営業経費の消費税 154.5万円 + 生活費等の消費税 27.3 = 181.8万円 (売上高の消費税分と同じ)

 消費税0%だったときと比べ、この人が払う税負担の増額は…

 154.5万円 + 27.3万円 + 27.3万円 = 209.1万円 

 ということで、前回の質問の本当の正解は 209万1千円 となります。
 ほんの少しだけ減りました。これが実際に払っている額です。

 税務署の職員になり替わりまして、お詫び申し上げます。 
 ただし…

 国は、消費税という名のもとに、国民をだまして、所得税を2度取っていたのです。
 そして、それとは別にさらにとんでもない額の消費税を貧乏人からむしり取っていたのです。


 というのはなんら、変わりません。

 つまり、国が詐欺をしていたのも、なんら変わりません。

 とにかく、収入300万円の人に、新たに209万1千円の税負担が掛かっているわけで…
 経済社会において、こんな税制がまともに機能するはずがありません。


駐車場閉鎖に思うこと   4月19日

 また、田原市のことを話題にします。

 ただ、すべてにつながっていることです。
 釣りのことはもちろん、コロナにも、税金にも、ヒグチオリカラにも、バイプレーンにも…

 だから、田原市以外の皆さんも、真剣に考えてみてください。

 ついに、あかばねロコステーションのサーファー・釣り人用の駐車場が封鎖されました。
 そこだけでなく、赤羽根地区の海辺の駐車場は、ほぼ全面閉鎖です。

 そのことを知り、今日、現場の状況を確認してきました。
 ありがたいことに、サーフィン協会の方が、警備にあたってくださってみえました。

 どうも、ことの発端は、千葉県で、サーファーのマナーが悪く、住民がコロナ感染の危険を感じて駐車場を閉鎖し、サーファーをしめ出したから、のようです。 
 追い出されたサーファーが伊豆へ流れ、そこも禁止。さらに御前崎へ流れ。そこも禁止。
 それでも、やりたいというサーファーが、コロナ疎開で流れに流れて皆、渥美半島へ。

 マナーの良いサーファーが来てくれるのならいいのですが…
 そこまでしてやって来る人は、だいたいマナーが悪いうえに、権利だけを主張する人が多いです。

 それで、4月15日に書いたような状況になりました。と思ったら、あっという間に駐車場閉鎖です。

 私は、釣具店を経営していますが、サーファーが田原市に来てくれるのには、賛成です。
 釣りが楽しめるというもの、サーフィンが楽しめるというのも、浜で散歩が楽しめるというのも、すべて渥美半島の海の魅力です。
 来ていただくことで、渥美半島の海の魅力に惹かれ、愛着が湧く。そういうふうになっていってほしいなあと思っています。

 私が、年に一度シーバスパーティーを開催しているのも、単に競技ということではなく、参加者の皆さんに、伊良湖シーバスの魅力を感じとり、渥美半島の海に愛着をもっていただく。
 そして、その魅力を末永く大切にしてもらう。それが最大の狙いです。
 IRGヒグチオリカラもそういう思いから生まれ、多くの釣り人に愛されてきました。

 何よりも大切なのは、渥美半島の海を愛する心です。皆がそこでお世話になっているという気持ちがあれば、今回のようにはならないはずです。

 そういう視点で、田原市の行政をみていくと、どうも、サーフィンをレジャー・観光の柱にしたいが故に、そこに税金をつぎ込み、施設を整備し、大会を開く、という流れだったように思います。
 大きな大会を開催し、注目をあびることが悪いわけではありませんが、どうも、注目と集客が優先され、心の問題がおきざりになったきたように感じます。

 そういう行政の姿勢が、ブーメランとなって今、田原市に返ってきているようにも感じます。

 「来てください」と力いっぱい呼びかけておいて、コロナが流行した途端に、「来ないでくれ」というのも、複雑な心境です。

 サーフィンも釣りも、マナーを守り、静かに海の魅力に浸りながら楽しんでもらうなら、コロナ騒動の今でも、こんな大きな問題にはならないはずです。

 今後は、2度とこういう事態にならないよう、先手先手の導きを、皆で行っていきたいものです。
 とにかく、私利私欲しかない人のせいで、善良な人が楽しむ権利まで奪われてしまうことは避けなければなりません。

 釣り人にも、無断で駐車場の立ち入り禁止の柵をどかして入った人がいたようです。
 コロナ対策としてそうしているわけで、一時的なものなのでから、少し辛抱してもらいたいです。

 皆さん、もしも、こういうふとどきな釣り人を見たら、注意してください。
 注意できない場合は、人や車を証拠写真として撮り、警察に通報しましょう。
 と同時にSNS等で非難し、拡散させることで、皆の釣り場を守っていきましょう。
 私のところに連絡を入れていただいても構いません。

 是非、よろしくお願い致します。

※ 4月15日の「お願いがあります」にも対策を書いておりますので


天下の悪税、消費税 B   4月18日




 すべてに10%の消費税が掛っていたとすると、店が税務署に支払う消費税は、

 売り上げ − 経費  これの ×0.1 となります。

 売り上げ − 経費 = 収入  ですから

 (売り上げ − 経費) ×0.1 = 収入 ×0.1 = 税務署に支払う消費税 となります。

 だから 収入300万円 × 0.1 = 30万円 となります。

 この計算自体は、税務署の職員が言う通り、間違いではありません。

 それに対して、私が言った「貧乏だから、買い物でお金を全部使わざるをえないから、
  またそこで、10%(計30万円)消費税を払うことになるから、消費税だけで60万円近く負担になっている。」

 これも間違いではありません。

 では何が問題なのでしょうか?

 それは、消費税なのに、必ず収入×0.1になるということです。
 ならば、税率10%の所得税と同じじゃないですか。

 なんでこんなことになるでしょう?

 それは… (売り上げ − 経費) ×0.1 = 収入 ×0.1 = 税務署に支払う消費税
 という式にあります。

 売り上げ×0.1は、お客さんから預かった消費税の額です。

 経費×0.1は、私が前もって別の人(業者等)に支払った消費税の額です。

 お金の増減の計算としてとらえるならこれでいいかもしれませんが、消費税として考えたら…

 対象となる人が違う=質が違う、なのに、引き算をするというのは論理的に考えて、絶対におかしいです。

 くだものが6個あります。そこからりんごを2個食べました。りんごは何個になったでしょう。
 で、6−2=4(個) と答えを出しているようなものです。くだものすべてがりんごだったなら問題はないですが、
 りんごが3個、みかんが3個だったかもしれません。
 だから、計算できません。りんごを2個食べたわけですから、最初、りんごが2個〜6個あったことしか分かりません。

 つまり、消費税の計算式は、根本的におかしいのです。

 そんな計算式で計算された税額だから、絶対におかしいところがあるよなあ…

 まてよ、上の店が消費税として払うことになる30万円って、お客さんが先払いした消費税の一部だけだよなあ…

 じゃあ、上の店は、本当はいくら消費税を払っているんだろう?

 @ お客さんが先払いしてくれた税金を、上の店の人ががまとめて払うと考えると…

 売り上げ×0.1 だから  2000万円 × 0.1 = 200万円 という数字が出てきます。

 えっ、上の店は、収入が300万円なのに、その2/3にあたる200万円も支払うんだあ。
 こりゃあ、とんでもない額だあ。
 他の税に加えて、新たに30万円を支払うだけでも大変なこと。
 それなのに、目に見えないところで、先に170万円も払っているんだあ。超びっくりです。

 A 上の店の人が先払いした税金を、後で別の業者が国に払ってくれていると考えると…

 経費×0.1が税金だから 1700万円 × 0.1 = 170万円 
 収入のすべてを消費に使ったから 300万円 × 0.1 = 30万円
 170万円 + 30万円 = 200万円  となり、@とピッタリ答えが一致しました。

 やっぱり、どちらの側から考えても、200万円となります。

 当たり前です。でも、この当たり前のことが、見落とされていたのです。

 どういうことかというと…

 では、もう一度、上の店が、最終的に国に支払った消費税がいくらになるのか?計算してみましょう。
 時間の流れにそって考えていくと分かりやすいです。

 @ 店の人が営業経費として、多くの業者に先払いした税金 1700万円 × 0.1 = 170万円

 A お客様から預かっていた税金の一部を税務署に支払った額  30万円 (収入 ×0.1)

  (30万円を収入から支払ったので、手元には、270万円残ります。)

 B その270万円全部を消費に回すので 270万円 × 0.1 = 27万円

 170万円 + 30万円 + 27万円 = 227万円  となります。

 これが、最初の質問の正解。つまり上の店の事業主が国に支払った消費税の総額となります。


 正解した方、いましたか?

 またまたびっくりですよね。収入300万円に対して、消費税200万円でも、とんでもない額なのに、
 さらに、27万円を上乗せして余分に払っていたのです。
 しかも、収入(使えるお金)が30万円減らされているのです。

 消費税導入前は0円だった税金が227万円!しかもおかしな額になっているのです。
 どうしてこんなことが起きたのでしょう?

 それは、上の緑字Aのところだけ質が違う、所得税になっているからです。

 つまり…

 国は、消費税という名のもとに、国民をだまして、所得税を2度取っていたのです。
 そして、それとは別にさらにとんでもない額の消費税を貧乏人からむしり取っていたのです。


 なんと!国が詐欺をしていた!
 なぜ、こんなとんでもないことがまかり通っていたのでしょう?

 @ 税務署へ払う額が、収入の10%、つまり手元に90%残るので、不満が出にくい。

 A 仕組みを複雑にしておくと、国民は、何が何だか分からなくなるので徴収しやすい。
   (無税だとか、軽減税率だというのも、分かりにくくすることで、税理士やコンピューター任せにして、徴収しやすくするためにやっている。)

 B 1年間のうちに支払った総額はめちゃくちゃ大きいけれど、物やサービスを購入するだびにちょびちょび払っているし、
   それを商品代金と一緒に相手(提供者)に支払っているから、損をしている意識が生じにくい。
   (保険の掛け金の支払いやローンでの物品の購入で、1日コーヒー1杯分、というコマーシャルをするのと同じ)

 C 他にも、陰でさらにずるいことがいろいろできる。

 D 気づいた学識者たちも、皆金持ちだから、公表すると自分が損になるし、周りから干されるから何も言わない。

 ということだと思います。

 ようは、国民(貧乏人)はバカだから気づかない!だからふんだくれ!ということでしょう。

 で、こういう考え方をしている人が、提案したのが、今度のコロナ騒動での30万円給付でした。

 ようは、困っている貧乏人からせっかくふんだくったお金なんだから、出したくない。
 そういう気持ちの人が考えた案なのですから、まともな訳がないです。

 たぶん、30万円あげるよ!と多めの額を提示すれば、ごまかせると考えていたのでしょう。

 でも、人々は、直接(=目の前)のお金のことには、真剣になります。

 少しでも早く、少しでも多く欲しいのに…

 複雑で分かりにくい、申告制で、市役所に言って手続きをしなければいけない。
 手間がかかるだけでなく、感染リスクまで高まるのに、どういうことだ。
 しかも、1世帯あたりということは、1人の家も8人の家も同額か!
 審査に時間がかかるので、給付が遅れる。
 結局、もらえない人が多い。ということは30万円の人と0円の人が出てしまうということ。

 最悪、難しい計算式で頭を悩ませ、手間と時間をかけ、申請にでかけたけど、窓口が混んでいてコロナに感染して、
 苦しんで、余分にお金を使って、2か月後に、給付はゼロでした。そうなるかもしれません。

 そういった問題点が、バレてしまったわけです。

 で、結局、全国民に一人当たり一律10万円を支給、と変更されることになりました。

 初めの30万円の案よりも、ずっとまともですが、一番の心配は、多額の税金が投入されるということです。

 休業協力金もそうですが、すべてが税金です。

 ということは、国やほとんどの都道府県が多くの借金をかかえることになるわけで、それをどうしていったらよいのか?
 そこを今から考えた上で「自粛と補償はセットだろ」を叫んでいかないとマズいと思います。

 何しろ、国のホンネは「お金と身分はセットだよ」なのですから。

 それではおかしい!ということを筋道立ててしっかりと主張して行かないと、
 今とは違う案をしっかり提唱していかないと、
 また知らないうちに、貧乏人ほど多額の税金を取られているという事態が延々と続きます。

 感情論では、ダメなのです。大切なのは「理」です。

 私は「理」をもとに、みんなが幸せになる世の中をつくりたいと思い、こんな長い文を書き続けています。

 コロナ騒動で政府が後手後手に回ってしまったために、今のような事態になってしまったわけですが、
 それも、「貧しいやつらに金を出したくない」という国のホンネがもたらしたものです。

 とにかく、世界を変えていこうと思ったら、先を見据えていくことが大切です。

 皆さんに、私と同じことをしてください、とは言いません。

 でも、コロナのせいで、家で退屈している時間が多いんだったら、この機会に、しっかりと世の中のことを勉強し、
 よくしていくための自分なりの方策を考えてほしいです。

 そうすることが、1人1人が世の中のためにできる最大の貢献だと思うし、自分が幸せになるための道でもあると思うんです。

 私と同じように、説明するのは難しいかもしれません。そういう場合は、優しくて、賢い人に、この資料の存在を紹介していただきたいです。
 SNSを利用しても、電話でもいいです。
 このページをプリントアウトして手渡しでもいいです。
 3密にならない方法で、思いを伝え、心の輪を広げていきましょう。

 そうすれば、コロナが終息したとき、一気に世の中がいい方向へと変わっていくように思います。


※ 「店主の主張」を読まれた感想、特に、コロナの感染予防策や税金(給付金)のこと、そして政治の有り方に関するものを募集したいと思います。

  皆さん、是非、ご感想を、下記のメールアドレスまでお寄せください。よろしくお願い致します。

   higu.fi@f4.dion.ne.jp



天下の悪税、消費税 A   4月17日

 今日の午後、愛知県の大村知事から、休業要請をする事業所のリストが出されました。いきなり明日から実施という、とんでもない発言に困っています。
 個人経営の釣具店として、どう対応したら良いのか?悩んでいます。

 でも、とりあえず、そのことはおいといて、消費税の話題に戻します。

 ひょっとしたら、誰も言ってこなかったことかもしれません。
 ネットでいろいろ探しても、今のところ、私と同じ考え方の人は見当たりません。

 別に難しいことではありません。
 だから、誰か気づいて、分かりやすく説明すると思うのですが、何故か?やる人は誰もいません。
 分かっているけど、利害関係から言わないだけなのか?どうなんでしょう?

 でも、テレビで政治家の言動を見ていると、東大出のお方でも、かなり頭の悪い人が多いです。
 だから、テストが出来るとか、知識が豊富とかと、本当に頭がいい(思考・判断力がある)とは、大きく異なるのかもしれません。

 やっぱ、考え方の方向を変えないと気づかないことなので…
 バイプレーンを考えついたときと同じで、普通の人には、気づきにくいことなのかもしれません。

 だから、消費税のこの理論も、ひょっとしたら、誰も気づかなかったことかもしれません。
 とにかく、よく考えてたどり着いた結論なので、たぶん正しいと思います。

 とんでもない事実なので、もしもあなたが良心をお持ちで、このことが理解できたなら、消費税は絶対反対!になるはずです。


 長年、店を経営してきて、消費税が上がるたびに、どんどん生活が苦しくなってくるのを感じていました。
 でも、ずっと、仕方がない。世のために支払う税金だし、みんな同じようにがんばっているんだから、協力しようと思っていました。
 ほとんどの人と同じで、工夫しながらがんばっていれば、いつかは報われるだろう。そう思っていました。

 ところが、消費税が8%になったところで、ついに、その消費税を税務署に払うことすら難儀になってきました。

 そして、今回の10%でとどめを刺されました。

 で、今年(昨年度分)の確定申告の時、税務署の会場で、職員に質問をしたのです。

 消費税が無い時に、1人で経営していて、下のような決算になった店があったとします。
 消費税が10%になりましたが、これと全く同じ状態をキープしたとして、この人は消費税をいくら負担することになるでしょう?
 (数値はすべて内税、売り上げと経費の全てのものに10%の消費税がかかるとして計算してください。)

 という質問でした。
 皆さん、答えを出してみてください。



税務署職員 「収入に10%を掛けた額になるから、30万円ですね。」

私 (一瞬、えっ?と思ったけど、私が出した答えと金額が同じだったので) 「ですよね。」

私 「それだけ払っても、収入が少ないので、買い物でお金を全部使わざるをえないから、
  またそこで、10%(計30万円)消費税を払うことになるから、消費税だけで60万円近く負担に
  なっているんですよね。昔、0円だったのが、この所得で60万円取られて、生活していけると思いますか?」

税務署職員 「ここはそういうことを言いに来る場所じゃない」

 そう言われて私は仕方なく、税務署をあとにしました。


 実は、このやりとりの中で、税務署職員は、税金の金額で大きな間違いを犯しているのですが、
 あなたはそれを見破れますか?

※ 答えは次回!今晩か、明日。お楽しみに。


お願いがあります   4月15日

 急遽、皆さんに、お願いすることができましたので、消費税のことを一度中断し、そちらについて書きます。

 現在、関東方面では、次々に海釣り公園など、釣り場が閉鎖されています。
 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐのが狙いで、行政がそのように対応しています。

 他のスポーツ、レジャーと比べ、釣り自体は感染リスクがとても低いと思いますが、大切なのは釣り人一人一人の責任ある行動です。

 現時点で、田原市内での感染者数はゼロですが、1人でも感染者が出れば、そこから感染爆発を引き起こしかねないという点は、他の自治体と同様です。
 医療施設のキャパが小さい田原市で、もしもクラスターが起きたら、すぐ医療崩壊につながります。

 そうした状況を憂慮し、田原市では、集団で行うスポーツが一時禁止となっています。
 また、表浜のサーフィンについても、遠方からお越しいただくのはとてもありがたいことなのですが、サーファーの中には、砂浜や駐車場に大勢集まり、談笑されてみえる方や、コンビニにマスク無し、アルコール消毒無しで、多人数で来店される方がおり、地元住民の中に不安が広がりつつあります。

 こうした危惧は、釣り場・釣り人についてもあてはまります。今のところ大きな問題にはなっていませんが、一部、休日になると人出の多い釣り場がありますし、例年、GW頃から本格的なシーズンインとなり、釣り場が一気に混みます。

 そうした展開を先読みしまして、田原市にお越しになる釣り人の皆様、及び、地元の釣り人の皆様に下記のことを強くお願い致します。

・コンビニ、飲食店等に入られる際は、マスクの着用とアルコール消毒の徹底をお願い致します。

・店内へ大勢で見えて、接近して長時間おしゃべりするなど、密集、密接が起きることのないよう、気をつけていただきますようお願い致します。

・上記の項目につきましては、当店でお買い物をされる場合も同様ですのでよろしくお願い致します。
 (密閉の回避につきましては、私どもが定期的な換気を心がけて参ります。)

・当店では、入口に無人販売所を設けておりますので、感染防止のためにも、是非、そちらを積極的にご活用いただきますよう、お願い致します。
 (詳細につきましては、このページの4月10日と「お知らせ」「販売方法」のページに掲載しておりますのでご一読くだちい。)

・港の防波堤等、他の場所よりも混みそうな釣り場につきましては、状況に応じて避けることも念頭に、釣り場選びをお願い致します。

・釣りをされる際は、隣りの方との間隔を十分取るなどされ、密集、密接を避けるようご努力ください。

・さらに、田原市以外の釣り場へお出かけになる場合も、同様の点にご留意くださいますよう、お願い致します。

・以上のような状況を鑑み、一部釣り場への人の集中を防ぐため、当HPの「釣果情報」のページへの情報の掲載ならびに、電話、メールでの釣況のお問い合わせを一時休止させていただくことにします。

以上、コロナ感染防止のため、釣り人が一丸となって取り組んで参りましょう。

※ 上記の項目を守らない方を見かけられた際は、当店へのご連絡(情報提供)をお願いします。

※ 守られない方がおり、田原市にて釣り人経由で感染者が出た場合、防波堤、港内への立ち入り禁止、田原市への釣り人の移入禁止などの措置が取られるかもしれません。
  皆様、一人一人の自覚と責任ある行動を切に願っております。


天下の悪税、消費税 @   4月15日

 政府は、「税金が足りないから消費税率をあげざるをえない。」と言って、国民を納得させ、少しずつ消費税を上げてきました。

 「所得税は頑張って儲けた人からたくさん税を取る制度だから、あほらしくなって労働意欲が湧かなくなる。」
 「皆、消費者なんだし、お金持ちになりたければ、自分の消費を減らせばいいんだから、どうせ増税するなら、消費税のほうがいい。」
 そういう声もあります。

 じつは、これらはすべて、でたらめな論理です。

 自分にお金が手に入るということは、誰かがそのお金を出してくれたということです。
 それは自分のがんばりや才能だけによるものではありません。

 人生には、必ず運・不運がありますし、高収入が役職等で保証されているから多額のお金が手に入っただけかもしれません。
 いずれにせよ。自分が儲けたということは、誰かが損をしているということです。

 その凸凹を少なくし、みんなで助け合って暮らしていくのが、税金の一番の役割です。

 だから、収入がたくさんあった人がよりたくさん、そして高い税率で税金を払うのは当然のことなのです。

 今は本来あるべき、助け合って、なるべく大勢の人が幸せに生きていくという理念が急速に失われています。

 それを端的に物語っているのが、消費税です。

 北欧では、消費税率が約20%ではないか。それと比べたら低いじゃないか。
 そう言われるかもしれませんが、それもまやかしです。ここは日本です。
 それに、北欧の国々は、日本と同様かそれ以上に、国や人民が多額の借金を抱えているのです。

 だいだい、昭和の時代まで消費税が無かったのに、それでも皆、それなりに暮らしていたというか、その頃の方が良かったという人も大勢いるでしょう。
 それが10%になっても金が足りない!なんて「理」から考えておかしいと思いませんか?

 少子高齢化により医療費がかさむからしかたがない!と言われる人がいるでしょうが、それもほとんどだまされています。

 だって、国民が消費するものやサービスのほとんどに10%税が加算されているんですよ。すごい額になります。
 そこまで、税率をどんどん上げていっても足りなくて、国の借金は増えていくし、どんどん貧富の差は拡大していく。

 増税効果ゼロどころか、マイナスです。

 つまり、消費税の増税は、国の借金を増やすとともに、貧富の差をさらに拡大するために行っているととらえるべきでしょう。

 その結果、中小企業とそこで働く労働者や個人事業主はどんどん貧しくなっていきました。
 はっきり言って、消費税は、今までお世話になった国民の多くを、政府が切り捨てる税制度なのです。

 そうして貧しくなった人は、いわば、太平洋戦争の特攻兵のように儚く死んでいくのを決定づけられた存在です。
 違うのは、むしりとられながらも、長期間、瀕死の状態で生かされる点です。死なれたら税金は取れないですから。
 つまり、強者に貢ぎ続けさせるために、ぎりぎりの状態で生かされているのです。

 それは見えにくい=分かりにくいから、皆、そのことに気づかないで
 「今は景気が悪いからしかたがない」「工夫しながらかんばり続けていけば、いつかは報われるだろう」と今までの経験に基づいて、そう考えてしまいます。

 貧しくさせるのが狙いなのですから、コロナで瀕死の状況でも、政府が休業補償でそういう人を本気で助けるわけがないです!

 今回の給付金もたぶんまやかしです。
 コロナが終息したら、頃合いを見て、また消費税の税率を上げるなど、また善良な貧乏人から金を取ろうとするので、気をつけておいたほうがいいです。

 だから、「自粛と補償はセットだろ」と叫ぶのもいいですが、その先の手を打っておかないと、また、えらい目にあいますよ。

 なにせ、政府のホンネは「お金と身分はセットだよ」=「だから、身分が低いあなたにはお金はあげないよ」なんですから。

 ※ 次回からは、このからくりに迫ります。


お金と身分はセットだよ!   4月14日

 今、ちまたで、「自粛と補償はセットだろ」という言葉が流行しています。

 その通りです。

 でも、経済うんぬんではなく、国は、弱い者には、お金を出したくないのです。
 政治や経済がそういう流れでずっと来てしまっているのです。
 そして、これからも、そういう流れで行きたいと、国は思っているのです。

 だから、「自粛と補償はセットだろ」が国民に支持され、一時的に補償されたところで、コロナが終息したら、善良で経済的に弱い人たちから、またお金をふんだくるんです。

 国(政治家ほぼ全員)のホンネ、それは「君たち、お金と身分はセットだよ!騒いでも無駄だよ!」なんです。

 ここを変えて行かないと、いつまで経っても、善良な人が報われる世の中にはなりません。

 どうです、皆さん、この機会に、「自粛と補償はセットだろ」とセットで、国のホンネ「お金と身分はセットだよ!」を広めて
 政府をイジることで、国を良くしていきませんか?

 私が、消費税を例に、政府のこんたんをあばいていきます。

何故 炎上?   4月13日

 コロナ関連で、有名人のSNSが立て続けに炎上しているようです。

 私は有名人ではないので、たまにお客さんからお叱りをうけるだけですんでいます。
 それだけ影響力が無いということなので、いいのやら!悪いのやら! 

 東日本大震災の時は、「みんなでがんばろう」という励ましの言葉が称賛されたのに、今回は違います。

 どこに原因があるのか?東日本大震災とコロナ騒動とを比べて論じれば、答えは明確ですが、
 それをここで書くと、また長くなり、肝心な箇所へ行きつくまでに、読者が息切れしてしまう可能性が高いので、コロナ騒動にしぼって書きます。

 炎上する理由は簡単です。

 「みんなでがんばろう」と言っておきながら、手を取り合っていないからです。

 今回、貧乏事業主とその下で働いている貧乏労働者が「がんばる」ということ、それは感染防止のために、休業要請に従って休業する、または、出社せずに働くということです。
 貧乏で困っている人たちに、働くな!会社に行くな!これは、死を意味します。

 給料が下がらない公務員やお金に困っていない海外チーム在籍のスポーツ選手にとって、家に居ることは、退屈だけどがまん、のレベルですが、貧乏な一般労働者にとっては、生活や生命そのものがかかっています。
 それが医療現場と同様にひっぱくしています。

 そのことを考えずに、強者が送る「がんばろう」のメッセージは、ただ、むなしいだけです。

 その最たる例が、安倍首相の動画だと思います。この有事に、ペットの犬を撫でながらくつろいでいる。そんな動画を流して何の効果があるのでしょう。
 国民の反感を買うだけだということが分からないのでしょうか?
 こういう人が我が国の総理だと思うと、悲しくなってきます。

 そんな動画をつくったり、多額の税金をかけてマスクを2枚ずつ配ったりするよりも、他にしなければいけないことがあるでしょ!

 私がすごく気になっていること、それは、この国難に及んでも、自分の立場だけでものを言う人とあえてものを言わない人の多さです。

 先ず、国のトップがそうです。「感染拡大、医療崩壊を防ぐために、外出自粛を!休業を!」と呼びかけておいて、補償はほぼゼロ。

 医療従事者は、「経済よりも医療が最優先」と叫ぶばかり。

 公務員は誰も「自分たちの給料を下げてください」と提案しない。

 他の人がやらないときに、多額の寄付をする英雄も、今回は、率先して金を出さない。
 (こういうときに自分が出すと、みんなも出さざるをえなくなる。そうなると自分がヒーローどころか、みんなから「おまえのせいで」と悪者呼ばわりされるからでしょうか?)

 私は、国が出すと同時に、公務員や今お金に余裕のある人に出してもらえばいいと思うんです。有事、国難なんですから。
 私にお金の余裕があったら喜んで出したいです。
 メディアがそういうことを推奨すればいいのに、そちらも金持ちの集団だから何も言わないし、メディアにとって都合の悪い人は番組に呼ばれることもない。

 今海外で活躍しているサッカー選手達も、昔は、日本でお世話になったんでしょ。
 そのおかげで今があるんじゃないのでしょうか?
 リフティングをやっている動画を流すのもいいですが、それだけではなく、今こそ、過去にお世話になった日本の人々のために、お金を出すべきなのではないでしょうか?

 医療従事者の多くは富裕層なのだから、コロナに関係ない医療関係者からだけでもいいから、お金を出してもらう。
 だって、民間で、一番税金のお世話になっているのは、医療関係者なんですから。

 そうして集めたお金を、休業等で協力してくれている方々のために使う。
 休業している人は、サボりたくて休業しているわけではないんですから。

 私が考えていること、おかしいでしょうか?

 私は、貧乏だし、日々、やることがいっぱいありますが、今の日本の状況を見ていいて、
 私が、なんとかしなくては、誰もやる人がいないのでは?と思えるので、書いています。

 世の中が良い方向に変わり、少しでも多くの人が幸せになるまで、貧乏なままでいいから、命の続く限りがんばり続けたいです。


悪者は誰?何処に居る?   4月12日

 関西テレビ「胸いっぱい!サミット」に出演した橋下徹さんから、下記のようなメッセージがあったようです。

 2012年に成立した新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき緊急事態宣言が発令されたが、橋下氏は「この新型インフルエンザ等対策特別措置法という法律に大欠陥がある」と指摘。強制力がないことなどを例に挙げ、「国、政府が、責任を負わない法律をつくった。どうしようもない法律」と切り捨てた。

 また、憲法に「営業を止めるためには正当な補償を与えなければならない」と記されていることを前置きし、「なんで今回補償していないかというと、この特措法が官僚の悪知恵を集めた法律で、あれは要請なわけ。営業の停止を強制していない。あくまでもお願いしてるから、お店は(営業を)やろうと思えばやっていい」と説明。「国の立場としては“強制的に営業を止めていないから補償はしませんよ”と。こんな悪知恵の法律ありますか?」と怒りをあらわにした。


 もっともな発言です。これ自体は正しいです。

 でも、法律を除く、政府の対応のマズさについては、既に一般市民である私ですら、随分前から指摘していることです。
 今になって、橋下さんが言うのはどうしてでしょう?

 この正論から、橋下さんは、「だから、吉村知事は遠慮せず、飲食店等の補償を国に請求しなさい!」それが言いたいんでしょうね。
 (裏のホンネは、お世話になった料亭の大将やキャバクラのお姉ちゃんを助けたいというのが一番なのかもしれないけど。)

 これら(カッコの中)も、ある意味正論なんですけど…国を悪代官と見立て、それを成敗するヒーロー水戸黄門になっているんですよね。

 それだけをとったら、まあ、良いことなんですけど…


 私なら、もっと、根本的な問題を提起します。

 それができないのは、橋下さんは、常に誰か敵を作って、その敵を強烈に攻撃することで、自分を正しく見せ、ヒーローになるという生き方をしているからなんでしょうね。
 だから、格好の敵ができたときに登場してきて、声を荒げるんですよね。

 それに、たぶん、橋下さん、本当の本当が分かっていないんですよね。見えていないんですよね。論理的な思考ができていないんですよね。

 数年前、テレビで いかにもという感じの女子高生2人を捕まえて、橋下さんが「君たちはより良いサービスを受けたくないのか!それを希望するなら、競争しかない!」と断言し、女子高生2人を少しビビらせ、黙らせていました。

 それを見たとき、私は、おいおい…と思いました。

 相手が、ストライクゾーンど真ん中という感じの女子高生であったことと、しかも人数が2人という絶妙な設定であったこと!そこがキモですねえ。(笑)
 1人ならいじめか恫喝に見えるし、3人以上ならギャーピー言い返されますからねぇ。(笑)
 まあね、関西系のお笑い番組として済ませるなら、それでもいいんでしょうけどねぇ。

 ところで、橋下さん、それと同じこと、私の前でも出来ますか?
 あなたよりもいかついおっさんですけど、ほぼ無名だし、人数は1人ですよ!

 まあ、それはおいといて…
 「競争」、これは一歩間違うと、人々全員を不幸にしてしまう。
 私なら、そちらを力説します。

 橋下さんの主張には、一番大事なこの視点が欠落しています。

 つまり、橋下さんも、安倍さんも同じことをしてきたのです。

 その結果、大阪府も、国も、財政難と事業者の疲弊という両方の重荷をしょいこんでしまったのです。

 で今回、国の財政は現在、大幅な赤字が蓄積しているし、ここで財政出動すると、コロナが終息したときに、さらに財政赤字が膨らむわけだし、
 ましてや、長期化したとなると…結局どうしていいか分からないので、感染防止のため休業要請するしかないけど、「補償します」とは言えないのです。

 今までは、消費税を上げることで、善良な人々に借金をさせてでも銭を巻き上げてきました。
 その結果、疲弊した業者達が、今回のコロナでさらに瀕死の状態になってしまいました。

 結果、今後は、そうした業者から、銭を巻き上げることすらできなくなってしまうのです。

 過度な「競争」の結末です。

 それをどこかにほかっておいて、国が「補償しない」と言った途端、ここぞばかり国に噛みつき、後輩、吉村知事を後押しする。

 私には、怪獣(国)と一緒になって街を破壊するウルトラマン(大阪府)と同じに見えます。

 まあ、あれは、フィクションの世界なので、次の週までに、模型の東京タワーは建て直されるからいいですが…
 現実、亡くなってしまった人の命は戻らないとともに、破壊された都市の経済とそれに関わる人々の生活を修復するのは、並大抵のことではありません。


多くの人を助けたい   4月12日

 私が、今回のコロナ騒動で、政府の対応に最も怒れること、それは、ホンネとタテマエがあるということ、そして、ホンネが非情過ぎるということです。

 私が既に書いていますし、東国原さんも言っているように、今回、こんな事態になってしまった事の発端は、外国との往来をしている強者の動きを止めるという点で後手に回ってしまったことにあります。

 日本は島国でかつ他国とかなり距離が離れており、ある意味、天然の要塞なのです。なのに今回はその長所を活かすことができませんでした。
 
 政府は、経済の国際化を推進していたので、日本人が海外へ渡航するのも、外国人が旅行で日本を訪れるのも止められなかったのです。
 だから、東国原さんが言うように、大半が人災、一番悪いのは政府なのです。

 さらに政府は、国民(弱い事業者)に金を支給したくないので、行動自粛を呼びかけるだけ。
 「緊急事態宣言」を出し、店に休業要請をするという対応をなかなかとりませんでした。
 これが、さらに感染を拡大させてしまいました。

 なにかにつけて損をするのは常に弱者です。政府がそうなるように決めているのですから、必ずそうなります。
 だから、「国民の生命と生活を守るために」と言っていますが、それはタテマエです。
 ホンネは、「強者の生命と生活(財産と地位)を守るために」なんです。

 こんなことを書くと、「すぐに樋口さんは他人のせいにする」と言う人がいるでしょう。
 今でも「人は努力をすれば必ず成功し、報われる。」「努力を怠っている人ほど他人のせいにする。」という人がいるでしょう。
 一昔前なら、確かにその通りでしたが、今は違います。
 経験から「報われる」と断定してしまうのでしょうが、状況が変わってきているのだから、経験から判断してはダメです。

 今は、努力するだけでは、報われない時代なのです。
 今回のコロナ騒動でよく分かったはずです。

 店側は、何にも悪いことをしていないのに、それどころか、必死でなんとかしようとしているのに、感染者の増加とともに、店の経営状況は悪化していくばかりです。
 その流れはどうしようもないのです。

 今、世界各地で活躍しているスポーツ選手達から日本国民への応援メッセージが届いています。
 「皆さんの大切な命を守るために、感染の拡大を食い止めなければなりません。だから家に居てください。」
 こうしたメッセージは、国民の多くが励まされ、コロナと闘うパワーを注入してくれている部分があります。

 ただ、何度も言うように、皆が家に居ることで、経済は停滞・縮小します。
 そのことで、生命の危機に瀕する人が大勢出ることも忘れないで欲しいです。

 世界の英雄達が発する言葉には絶大な影響力があります。
 世界の英雄達にはお金の貯えがいっぱいあり、しかも、貧しい人々の生活をしっかりとサポートしてくれる国に居る場合がほとんどです。

 対して、日本では、日々貧しい暮らしを続けてきた人が、今度のコロナ騒動でさらなる打撃を受け、瀕死の状況なのです。
 場合によって、その苦しみは、コロナで死んでいく人よりも大きなものになるかもしれないのです。

 今、上記のような英雄たちからのメッセージを後押しにして、行政の対応が、感染拡大防止だけにウエイトを置くようになってきていると感じています。

 ですから、世界の英雄達には、外出の自粛とともに、行政によるしっかりとした補償を呼びかけて欲しいと思っています。 

 より多くの人を救うためにも、是非、よろしくお願いします。 


無人販売所   4月10日

 今日、突然急用ができてしまい、見出しの件について対応するのが遅くなってしまいました。

 ということで、申し訳ありません。明日から実施します。

 釣りは自体は、自然との対話ですので、コロナに感染するリスクはかなり薄いと思いますし、家から弁当・水筒を持って、マイカーで釣り場まで来ていただければ、そこの感染についてもほぼ大丈夫だと思いますが、一番心配なのが、釣具店に寄って買い物をする場面だと思います。

 この機会にネット通販で道具を買うようにしてしまうのも一つの手段かもしれませんが、今までお世話になった釣具店があるでしょうし、エサや仕掛けを買うのにネット通販というわけにもいきません。
 また、当店としましても、今まで当店を気に入ってくださり、伊良湖への通り道ではないのにも関わらず、わざわざ足を運んでくださったお客様には、出来る限り当店を利用していただきたいです。
 そういうことから、簡易無人販売所を入口(自動ドアの右外)に設けることにしました。

 そこには、好天の日に、青イソメ、投げ仕掛、根魚用の仕掛(ルアーを含む)を置くとともに、電話かメールにて注文のあったものを指定の時間に代金とお客様名を袋に明記して置いておきます。
 ですから、お買上げの代金を、横の入金箱にお入れください。
 正直、監視カメラはありません。が、あえて実施することにしました。
 もしも、泥棒が多発するようなら、また、そのときにやり方を考えます。

 あと、ルアーやライン等についてもできれば5000円までは、そちらで対応したいと思います。

 但し、ロッド、リール等の高額商品を購入される方や、店内で商品を吟味されたい方は、ご入店ください。ただし、いつもよりもなるべく私との会話を少なくしていただけますよう、お願い致します。

 購入商品を検討されてみえる方、ご質問がある方は、あらかじめメールを頂けるとありがたいです。

 ご注文メール、購入商品検討メール、ご質問メール、「店主の主張」へのご感想メール、をいただいた方には、新型コロナ拡散防止への協力御礼として、その直後のお買上げ1回分につきまして、全品、当店の通常販売価格から10%引にいたします。

 何度もメールをくだされば、その都度割引になりますので、是非ご利用ください。

 コロナの影響で、ほとんどの方が、給与・収入の減少が予想されます。
 それでも、釣りは感染リスクが少ないですし、自然とふれあういい機会でもあると思います。

 是非、世の全ての皆様と共に、新型コロナウイルスに対して、痛み分けの精神で、手を取り合って対応していきたいです。
 また、これを契機に世の中を少しでも良い方向に向けていきたいです。

 ですから、遠慮なさらずに、是非、対コロナ協力メールをご活用ください。

 ※ 電話ですと、、対応がバタバタしてしまうと思いますのでメールに限定します。
  誠に勝手ですが、来店の6時間前までに、メールにてお願いします。

・レジに立つときとお客様と会話するときのマスクの着用は引き続き継続いたします。

・お客様と会話する際は、なるべく距離を取り、短時間にて行います。

・お客様におかれましては、入店時には、入口に置かれましたアルコール液での消毒を必ずお願いします。

 以上、よろしくお願い致します。

東京都の対応について   4月10日

 私は、昨日の小池知事のコロナ対策については、かなりの部分を支持します。
 小池知事の人格に対しては、一向に「良し」とは言えませんが、今回のコロナ対策に関しては、国よりもはるかに良いです。

 だいたい、昨日になって「都と国が事態が深刻であるという意識を共有することができた」なんて、あきれます。
 それも、すばらしいことをしています、と自慢げに語っている。おかしくないですか?
 そんなこと、「緊急事態宣言」が出される前にやっておくことでしょ!
 そのせいで、多くの事業主が協力したくてもどうしたら良いのか?路頭に迷っているし、そのせいで感染がどんどん拡大しているんですよ!
 そういうことが分からないのでしょうか?かなりおつむが弱いですね。

 さらに、意識を共有したのに、対策にズレがあるってなんなのよ?

 特に、国は「緊急事態宣言」を出してから2週間程度様子を見てから…なんて、何言ってるんですか!
 東京なんて、もうそういう状況じゃないでしょ!

 それに、補償は難しいと言って、休業のお願いだけをするとは?
 それでいて雇用を維持しろ!そんな手品みたいなことができる人、います?
 みんな死んじゃいます。
 誰だって自分や家族の命は守りたいでしょ。
 なら、営業を続けますよね。
 そして、日頃その店にお世話になってきて、その店(事業主と従業員)を助けたいと思う優しい常連さんは、来店しますよね。
 そういうことが分からないのですか?

 昨日に引き続き、何度も言います。アホの極みです。

 その点小池知事は、店舗や施設に対して、国が考えていた「休業要請」よりも、一歩踏み込み「休業の協力要請」として、協力してくれた事業主には、「協力謝礼」を出すとしました。
 国の案よりも、休業の徹底と休業補償の両面で優れており、評価できます。

 但し、いつも私が言っていることですが、これが小池知事のどういう思いから下した対応策だったのか?
 ということが重要です。

 もしも、 これが、財政にゆとりのない地方の県で、補償を国に頼るしかない県知事をしていたら…
 商業に従事している人の割合が少ない県の県知事をしていたら…
 オリンピックが無かったとしたら…
 小池知事は、同じ決断をしたでしょうか?

 少し前まで、今年、オリンピックを成功させる!それが第一だったために、いろいろな対策が遅れました。

 なのに、オリンピックが延期に決まった途端、国に「早く緊急事態宣言を出して欲しい」的な発言に変わり、
 そして、オリンピックが来年の夏開催に決まった途端、 また発言の内容が変わってきたように感じるのです。

 小池知事の判断は、選挙に勝つこと、オリンピックを成功させること、それらに傾き過ぎているように、私は感じます。

 一番大事なこと、それは、なるべく多くの人々を平等に幸せにすることです。
 すべてのことは、その願いを実現させるために行われなければなりません。


 多数派の意見が採用される裏で、少数派の貴重な意見が闇に葬られるようなことがあってはなりません。

 感染を防ぐこと、経済損失に対応すること、それが何よりも大事なのは分かります。
 でも、その結果、一番弱い人が切り捨てられたり、本当に優しい人が辛い思いをするようなことがあってはなりません。

 外で感染リスクが少ないから、ゴルフの練習場は、セーフ、だけど、ネットカフェは室内だからアウト、だとしたら、
 裕福な人には、娯楽としての行き場が残されたけど、ネットカフェに泊まらざるをえない人の生き場が無くなります。
 それでいいのでしょうか?

 せめて、ネットカフェしか泊まるところがない人限定で、営業を続ける店を残しておくことも大事なのではないでしょうか?
 当然、店の売り上げが減り、経費分も出ないでしょうが、その分は都が補填すればいいじゃないですか!
 そのために店側に支払う協力金なんて微々たるもののはずです。

 そういう視点に立って、もう一度見直していただきたいなあと感じています。


アホの極み   4月9日

 どうも、明日から、愛知県も「緊急事態宣言」の対象地域に加えられる状況になってきました。
 当店のある田原市ではまだ感染者の報告はありませんが、大都市名古屋はもちろんのこと、近隣の豊橋でも、感染者がちらほら出てきましたので、時間の問題のような気がしています。

 渥美半島はいなかですし、釣り自体は、自然との対話を楽しむレジャーですので感染リスクは大変少ないと思いますが、店内での会話及び、商品及びドア等へのウイルスの付着により感染する可能性があります。

 そこで、当店としましては、さらなる感染予防の対策を講じます。
 明日4月10日(金)から店の入り口に無人簡易販売所を設けます。詳しくは、明日早々、このHPの販売方法とお知らせのページに掲載しますので、ご覧ください。


 昨日、ここに書いた、政府からの給付金のことを、今朝、フジテレビの「とくダネ」で小倉さんが「先に一律給付しておいて、年度末の確定申告のとき、払い過ぎた分を返納してもらえば済むことじゃないか!」と強い口調で主張していました。

 私もそう思います。全国民の多くが、日々の生活にも困る状況になってきているのだから、早く給付することが大事です。
 それを、複雑な仕組みにした上で、さらに、自己申告だの、煩雑な審査を経て給付するだの、なぜ?わざと遅らせるのでしょう?
 正直、多くの人が、給付金が出される6月・7月までもたないです。

 おまけに、少しの違いで30万円もらえる人と0円の人に分かれるし、収入が低い人がもらえないのに、高い人がもらえることがあるわけで、到底、公平だとは言えません。
 こんなアホな仕組み、誰が考えたのでしょう?
 仕組みは、極力、簡単で公平であることが重要です。この仕組みは真逆です。
 何度も言います。アホの極みです。

 たぶん、先に給付すると、もどってこない心配があるから、政府はそうしたくないんでしょうね。

 あのね、もっと国民を信じましょうよ。

 政治家や金持ちはずる賢い人が多く、自分だったら返さないという人が多いから、こういうことになっちゃうんでしょうね。
 (私がこう言うのには、ちゃんとした理由があります。明日にでもこのページで解説します。)

 先ずは、感染が沈静化するまで、公務員の給与を減らして、さらに、公務員やコロナのマイナス影響がほとんど無くてお金に余裕のある事業主や高額給与をもらっている人とその家族を給付金の対象から外す措置を取り、労働者全員に一人当たり最初に15万円給付(労働者が3人いる世帯なら45万給付か若干少なくする額で給付)するなどすればいいんじゃないでしょうか?

 そこまで国がしっかりやれば、もらい過ぎた国民の多くは、ちゃんと返してくれるはずです。
 それを、やらない、お金もなるべく出さないとくるわけだから、国民が不安に思ったり、怒ったりするのは当然です。

 まあ、緊急事態宣言を出してから、休業要請をどの業種にしたらいいのか?なんてことを国と都がごちゃごちゃ勝手に言ってるって、いったいなんなのよ!!
 本当にすべてが遅くてチグハグ!!
 あきれて、他の言葉が出てこないので、何度も言います。アホの極みです。


何のための対策なのか?   4月8日

 昨日、政府が「緊急事態宣言」を発令しました。

 が、その内容と、それに伴う経済対策に失望しました。
 最初は、ようやく!ではあったものの、とにかく重い腰を上げたことを評価しようと思っていましたが、ここまで愚かだったとは…

 とにかく、現実離れした対応・対策に呆れ果ててしまいました。

 イベントの開催、夜の飲食店の営業は、完全にさせない!方針なのに、
 昼の仕事に関しては、「できればテレワークで」
 鉄道はそのまま運行させる。

 じゃあ、今まで通り家から会社まで通う人がいっぱいいますよねえ。
 東京都心にオフィスを構えるのは大企業だから、結局、大企業に遠慮し、一部の業種や中小零細企業をさらに追い込んでいます。

 コロナウイルスって、昼はお休みで、夜だけ活性化するのでしょうか?
 電車の中やスーパー・薬局ではお休みで、イベント会場や飲食店内でだけ活性化するのでしょうか?


 前にも書いたように、私が政治家なら、在宅勤務か、都内へのホテル暮らしで会社へ歩いて出勤、にさせます。
 とにかく行動範囲を制限させます。
 そして、食品の購入で、スーパー・コンビニへ人を集中させるのではなく、利用店名を明確にし、レストランのテイクアウトが利用できるようにします。
 店内飲食からテイクアウトへ切り替えた飲食店に、協力謝礼を出すことで事業と雇用の継続・維持をはかってもらいます。
 以上のようなことをすれば、今困っているホテル業界、飲食店のある程度を救うことができ、在宅勤務オンリーよりも企業の業務効率も上がります。
 結局、余分に税金を投入しなくても済みます。

 こうすれば、人の移動範囲が制限されるので、感染しにくくなるし、人の動きが分散するので、大規模クラスターが起きにくくなります。
 もしもクラスターが発生しても、行動範囲とその内容が明確になっているので、クラスター潰しができます。
 ようは、電車内や駅、スーパー等で大規模なハブ(かたまり)ができることで感染リスクが高くなり、しかも感染経路が追えなくなってしまう。
 今、東京はそれが原因で感染者数が増え、感染経路が不明な割合が高くなっているのに…。
 一番肝心な部分がいいかげんなまま、弱い人達を追い詰めるなんて…。

 これで、休業補償がしっかりしているなら、まだいいですが…。
 従業員の休業手当の9/10は国がもつと言っているのは、ある程度評価します。
 ただ、中小企業に200万円までの給付金を与えることについては、金額だけを見ると大きく感じ、しっかりとした対策をとっている感じがしますが…。

 従業員100人(小売業は50人以下)のところも2人のところも中小企業です。
 会社が存亡の危機に瀕している中、100人の企業に200万円が支給されたところでどれだけの助けになるのでしょう?
 休業手当を1人あたり月20万円支給したとしたら、会社の持ち分は2万円となり、2万円×100=200万円。
 これだけで、すべて使い切ってしまいます。

 しかも、これが給付されるためには、昨年と比べ、売り上げが5割以上落ち込んだ企業でないともらえないのです。
 今までぎりぎりでやってきて、手持ちの運転資金がほとんどなく、しかも借り入れがあって返済もしていかなければいけない企業は、少し売り上げが減っただけでも存続が危ういのに、5割減でないと給付しないなんて、さらに給付は早くても5月以降。6月・7月になるかもしれないだなんて、「死んでください」と同じです。

 ところで、開業したばかりの企業で昨年の売り上げが記録にない企業はどうなるのでしょう?
 私のように、昨年母が病気で倒れ、仕事が思うようにできなかったうえに、KaiMの事業では、クロスツーの下で販売したバイプレーン(旧パッケージ品・塗装不良品)の店頭在庫回収を行わざるを得ず、返品分の商品代金と営業経費がまるまる赤字になっていた等々の理由で、昨年、売り上げを減らしていた企業はどうなるのでしょう?
 そこから5割減なんて!そうなる前に、潰れます。

 つまり、本当に助けを必要としている人を助けることにならない方策なのです。

 世帯給付金も約2割の人しかもらえないようです。
 今、生活に困窮している家庭は2割だけなのでしょうか?
 しかも、30万円とかなり額を示したものの、もらえる人はごくわずか、ということは、ほとんどの人が0円なのです。

 「いつもなら税金が払えない場合、延滞金がつきますが、今回は納税が遅れても延滞金はつけません。」と安倍首相は言っていますが、
 税金が遅れる人の90%以上は、わざと遅らせているのではなく、払えないから遅れるのです。
 当然、分かっていますよね。分かっているから、「今回は…」と言っているのです。
 これ以上、税金が払えず、生活保護を受ける人が増えれば、さらに税金が使われます。
 それも分かっていますよねえ。だから、貧乏人はいつまでも生かさず殺さず、とにかく貧乏人から取れるだけ取る!なんですよねえ。
 多くの人を貧しくさせておいて、口先だけいいことを言う、もううんざりです。

 多くの善良な市民は、過度の競争社会と極悪な税制度の犠牲者なのです。
 そういう社会を、金持ちと手を組んで政治家たちが自分たちでつくっておきながら、何を言っているんだ!と私は叫びます!

 このままいくと、貧乏人から取ることもできなくなり、金持ちも困ります。
 つまり、すべての人が困る世の中になるのです。

 そんなことを言っても、今回は、時間が無いから、完璧な方策は無理なのでは?と言う人がいるかもしれませんが、
 それも大きな間違いです。

 目的に対して、対策がずれているのですから!
 できないのではなく、敢えてやらないのです。

 皆さん、知っていますか?源泉徴収の税負担がもの凄く細かく決められているのを!
 そして、住民税の計算が一般市民では理解できないほど、複雑な計算式になっており、本当にそれが公平なのかさえ分からなくされていることを!

 つまり、貧乏人から金を取るときだけは、用意周到で、あげるとなると、いいかげん!しかも、なるべく出さない!

 国民を助けようという意志が無いのか!おつむが弱い!どちらかか両方に間違いないです。

 そんなとき、楽天の三木谷社長が個人で所有している大阪の高級ホテルを、軽症者の受け入れ先として、大阪府に無償提供しました。
 ネットでは、これが神対応とかなり称賛されていますが、どうなんでしょう?

 というのは、三木谷社長の本業は何なんでしょう?
 楽天傘下で通販事業を展開している釣具小売店の多くが、今、売れども売れども利益が上がらない状況になっていると聞きます。
 でも、深く足を突っ込んだ以上、もう抜けられないんですよね。
 釣具販売不況下でさらにエスカレートしている価格競争。反対に楽天本部へ払う上納金の率の高さ、そして撤回したものの、送料一律無料化を義務付けようとした姿勢。
 今、釣具業界は、アマゾン、楽天などの巨大ネット通販会社の傘下で通販に傾倒した店舗だけでなく、リアル店舗を中心に展開する量販店、そして、対面販売を主体とする個人釣具店等、そのほとんどが過当競争により苦境に立たされています。

 楽天は銀行業務でも同じように、弱者を一旦抱え込み、頃合いを見て突き放す。そういうことを繰り返しています。

 本当なら、ずっとお世話になってきた小売店や個人を大切にしなければならないと思うのですが、さにあらず、得た利益で高級ホテルを建てる。それでいいのでしょうか?そのお金はどこから手に入れたものなのでしょうか。

 楽天に限らず、ほぼすべての大企業が同じことをしているように感じます。
 日産のゴーン元CEOは、自社の社員を大量首切りしておきながら、勝手に会社の金をわけのわからないところで使っても、私が居なければ日産は潰れていたんだから、当然!のような振る舞いですし、そうして、ゴーン被告が年10億円以上使っていたことを、「それくらいもらっても当然なんだから、当然の権利として主張すれば良かったのに…」と橋下徹さんは擁護していました。
 私の感覚からすると、信じられません。

 今、ここで大阪府が三木谷社長からホテルを無償提供を受けることで、今後、行政が裕福な大企業の言いなりになり、貧乏人がさら追い込まれる事態になるのでは?
 近未来がそういう結末にならないことを願うばかりです。

 そのためにも、今こそ人々は、目先の私利私欲を捨てるとともに、多面的に物事を分析できる賢さをもち、皆で手を取り合って歩んでいかなければなりません。

 国難とも呼べる今が、世の中をいい方向へ変える最大のチャンスなのです。

※ なんか、これで前々回のA〜Cの答えを、ほぼすべて書いたような気がします。


行政による差別待遇   4月5日

 物事はすべていろいろと結びついて成り立っています。
 国際化が進んだ現代は、特に、そうなっています。

 なのに、いつの世も、人々の判断は、その場だけ、見えるものだけ、自分だけ、になりがちです。

 それでは正しい判断ができません。

 人々が、正しい判断を心がける習慣づけをしておかないと、やがて、欲が深く、ずる賢い一部の人間が得をするだけになります。
 そして最終的には、ずる賢い人間も得することができなくなり、全員が不幸になります。
 えっ?と思うかもしれませんが、そういうものです。

 残念ながら、世界は、今そちらの方向に向けて、かなりのスピードで進んでいます。
 これを止めなければいけません。

 私は、今回のコロナ騒動がそのいい機会になりえると思っています。
 ここで、判断を踏み誤ると、状況は、さらに一気に破滅への方向へと進んでいくような気がします。
 なんとかしなければいけません。

 自分が幸せになりたいと思ったら、不幸になる人を出さないようにしながら、多くの人のためになることをして、幸せの総量を増やすべきです。
 そういう社会にすべきです。

 博愛の精神が重要だという私の考えは、そういう思想から生まれています。
 人類平和のために、それを貫く必要があるので、間違った考えの人に対しては、異を唱えます。
 周りからは、「強情過ぎる」と言われることが多いですが、私がやらないと、やる人はほとんどいないし、やる人が1人でも多ければ、そこから変わるかもしれないし、
 しっかり主張しないと実現できないと感じるので、やっているだけです。

 とにかく、判断は、広い視野で多面的に!これが大事だと思います。
 目の前の1点だけで判断するのではなく、その裏側にあるもの、ようは見えにくいものに、目を向けていくべきです。
 難しいことですが、これを怠るとあなた自身も含め、人々の幸せはないと思います。

 幸せの総量を増やすためのキー、それは、富の生産と分配の両方をしっかり行うこれに尽きると思います。


 では、こうした理念をもとに、前回の@〜Cについて、順番に解説していきます。

 志村けんがなくなったとき、小池知事がその死を「最後の功績」と、人の死を讃える、ようは「死んでくれてありがとう」ともとれる発言をしました。これに対して蓮舫議員が「あまりにも冷たい言葉」と噛みついたわけですが…
 正直、言うほうも言うほうだし、噛みつくほうも噛みつくほうだ!と思いました。なぜなら、蓮舫議員は過去に「1位じゃないとダメですか?2位でもいいでしょ!」という言葉で、国の援助を求めている人を冷たくあしらった経緯があるからです。

 小池知事の言葉は、冷たいと同時に、私の感覚からすると、ありえない言葉でした。
 蓮舫議員のように言葉尻のみで噛みこうとは思いませんでしたが、なぜ「最後の功績」というありえない表現をしたのか?
 それが気になりました。

 目の前の1点だけで判断するのではなく、その裏側にあるもの、ようは見えにくいものに、目を向けていく!そうした私の思考パターンからです。

 たぶん…こうなのでは?…思うことがありました。
 で、今回の都や国の対応を見ていて、やっぱり!と、ほぼ確信に変わりました。
 但し、ほぼ!です。絶対ではありません。他人の心の内のことですから。

 当初は触れない予定でしたが、都や国の対応を見て、書くことにしました。

@ 生活支援策として、困っている家庭に現金を給付するのは悪くないが、選定の仕方に問題があるため、とても不平等である。
と大きく関わっているからです。
 @の給付者の選定にはいろいろ問題がありますが、その中で最もおかしいのが、クラブなど夜の接客業に従事している女性には給付しないとしている点です。
 暴力団のような違法組織ならいざ知らず、都や国が営業を認めているお店です。そうである以上、差別はいけません。

 大阪に1軒、私が行きつけにしているスナックがあります。
 そういうプライベートなことをここに書くべきではないかもしれませんが、今回は、敢えて書きます。

 毎日、仕事に追われ、早朝から夜中まで働き、いなか暮らしで、電車・バスが通っていないところに住んでいる私にとって、仕入れや営業で関西に出かけたとき、夜、そのお店に寄るのが、唯一の息抜き時間と言ってもいいくらいになっています。

 その店は大都会の繁華街にありながらとてもリーズナブルで、私のような貧乏人でも、2・3か月に一度くらいでしたら、行くことができます。
 1人カラオケをしながらお酒を飲むのとあまり変わらない金額なのですから。
 しかもママや女の子の質が良いです。女の子が着飾り、色気で男に甘えてくるような店ではないのが、また良いです。
 さらにお客さんの質がとても良いです。
 そんな店で、お酒を飲みながら、カラオケをしたり、おしゃべりをしたりするのは、釣りとは違った楽しさがありますし、何よりも元気をもらい、次の日からの仕事の励みになっています。
 さらにママをはじめ、その店で働いている女の子は優しくて賢い子が多く、私のことを心から応援してくれるとともに、仕事のヒントをもらうこともたびたびあります。
 そうした意味でも、とてもありがたい存在です。

 ママは納税に対しての意識も高く、ブログに、「税金を納めることは大切です。」と書いて実行しているくらい。何かにつけて良心的です。
 なのに、今回、給付金の対象から外すというのは、どういうことでしょう。

 私は、自分が行きつけにしている店とか、それに類似した店だけは対象にしろ!と言っているわけではないのです。
 自分が行かない高級クラブやキャバクラであっても、行政が経営を認めていたわけですし、
 それぞれ、世のため人のために貢献している部分もあるはずなのに、すべて切り捨てるなんて!酷過ぎます。

 志村けんがコロナに感染したのは、クラブでは?といううわさがあったので、小池知事は、志村けんが亡くなったとき、そういう店を一掃し、オリンピックを成功させるのに、好都合だと考えたのでは?
 クラブのような店を利用するのは、ほぼ日本人で、外国人旅行者はほぼ利用しないですから。外国諸国からの世間体という観点からも…。
 「最後の功績」という言葉から、どうしてもそう推理してしまいます。私が見る限り、小池知事、性格が悪いうえに、おつむが?なので、そういうところがうっかり出てしまうことがたまにあるんですよねえ。

 志村けんは、情が深く、お世話になってきたクラブがコロナ騒動で経営が成り立たなくなってきたことを察し、「俺はどんなことがあっても来るから」というように言っていたという話もあります。
 それが事実だとしたら、思いやりが悲劇を呼んだということになります。

 こうした悲しい事態を引き起こさないためにも、差別のない手立てを打つべきだと思います。
 市民に「自粛しろ」と言って、店に補償無し。ならば、店側は営業を続けざるをえないです。

 私が行政の長だったら、感染が下火になるまで店を閉めさせ、公務員の給与を減らしてでも、経営者と従業員への補償にあてます。地権者への固定資産税も無しにします。

 大阪の橋下元知事・市長は、ちょくちょくクラブに出入りしていた時期があったようですが、部下である吉村府知事の今の対応に対してどういう考えをもっているのでしょう?人を攻める(責める)ときは威勢がいいですが、こういうときに素知らぬ顔を決め込むとしたら、それこそ「あまりに冷たい」と言わざるを得ないと思います。

※ これはあくまで私の今の考えです。そうとらえてください。



コロナの経済対策に不満と不安有り!   4月5日

 私に対して、「志村けんのことを書いたり、行政のことを書いたりするよりも、釣りのことをにしぼって書こうよ。」「書くのはやめて、釣りをしようよ。釣具を売ろうよ。」という意見があることは重々承知しています。
 私のことを思いやって言ってくれていることも重々承知しています。ありがたいとも思っています。
 それなのに、私がこうして一見釣りとは関係のない内容にまで踏み込み、『店主の主張』を書き続けるのは、より多くの人を幸せにするためには、先ずはこれをしなければならないと思えるからです。

 経済の国際化が進み、過度な競争が激化したことで、自分と自分の周りだけを考えていても、うまくいかないことが多くなってきました。
 それだけでなく、才能と努力だけでそれなりに成功する時代でも無くなってきました。
 それどころか、才能があって、正しいことを一生懸命頑張る人の多くが、闇に葬られる時代にさえなってしまいました。

 私は、博愛主義のもと、そういう社会を是正したいのです。
 是正していかないと、タイラバ バイプレーンも売れていきません。
 世の中が良くなることとバイプレーンが売れることは同じこと。だから、訴え続けます。 

 それに、今回のコロナ騒動は国の一大事ですが、だからこそ、世の中がこのままでいいのか?と問い直すいい機会でもあると思います。


 コロナショックに対して、ようやく政府が様々な生活支援策や企業支援策を打ち出し始めました。
 全体的には、まずまずの出来だと思います。、

 でも、私的には、4つの点に大きな不満と不安があります。

@ 生活支援策として、困っている家庭に現金を給付するのは悪くないが、選定の仕方に問題があるため、とても不平等である。

A 中小企業に無利子での貸付枠を増やすといっても、借りたお金は返さなくてはいけない。政府や地方自治体が営業妨害をしておいてそれでいいのか?

B 終息後、「旅行券」「イベント券」を配布するといういつものバラマキは、財政赤字が膨らむとともに、そこからもれた業種がさらに大きな痛手を負うことになる。

C 上記の経済対策でさらに莫大に膨らむ財政赤字をどうようにして穴埋めしていくのか?いままでの「貧乏人から金を取れ」ももう通用しないのに!

次回以降、先ず私の基本的な理念を示したうえで、上記の内容を順番に解説していくことにします。


志村けんの魅力   4月3日

 大好きだった志村けんが亡くなりました。悲しくて残念で仕方がありません。

 志村けんのコントには、独特の魅力がありました。
 他の人があそこまで悪ふざけすると、だいたいは、逆に笑えなくなるのですが、志村けんだとそれが許されるどころか、笑いが増し、おかしくておかしくて仕方がないのです。
 不思議です。

 志村けんは、高校卒業間近でコメディアンを目指し、いかりや長介の付き人になります。
 その後、ドリフターズのメンバーで当時、けっこう人気のあった荒井注が突然「メンバーを抜ける」と言い出し、棚ぼたでチャンスが巡ってきました。
 ある意味、運が良かったわけですが、そのチャンスを生かし、頂点に上り詰めたのは、志村けんに才能があり、かつ人一倍の努力をしたからだったんだと
 下の本を読んだとき、強く感じました。



 この本が発行されたのは、1998年。私が釣具屋のおやじになる少し前。仕事(前職)がうまくいってない時期でした。
 私は、日々悩み、成功している人の本を読めば何かヒントがつかめるかもしれない。
 大好きな志村けんの本を読めば、もっと笑って過ごせる日々になるかもしれない。
 そんな藁をもすがる思いで、この本を買い、読みました。

 この本ですが、決してバカ笑いするようなおもしろさ満載の内容ではありませんでした。
 でも、志村けんの人間性がよく出ていて、おもしろいコントが生まれてくるその裏側をかいまみることでできました。
 見えにくいものを大事にする、その思いの強い私にとっては、ためになることがいろいろあり、勉強になりました。
 そして、勉強したことが、前職でも、今の釣具の販売でも生き、生き続けている。そう感じています。


 志村けんが「8時だよ全員集合」に登場するようになった当初、番組内でも、他のメンバーから名前で呼ばれず、「新人」とか「見習い」とか呼ばれていました。そんな身分でした。
 でも、その頃から、すでに才能の片りんを見せており、おもしろくて、すぐに人気者になっていきました。

 そして、その地位を不動のものしたのが、「8時だよ全員集合」の「少年少女合唱団」の最後に披露した「東村山音頭」です。
 あれには、本当に、毎回笑いました。分かっているのに笑えるのだから、本当に不思議です。

 一昨日、久しぶりにその動画を視てみましたが、やはり笑えます。
 1丁目の直前に、はっぴの内から白鳥のバレリーナが出てくるシーンなんて、もう最高です。
 後ろでアイドルの女の子たちがキャーと声を上げながら後ずさりしているのに、何故か?女の子たちの顔は笑ってる。
 志村けんはもちろんのこと、それもサイコーにおもしろいんです。

 この本には、「東村山音頭」に関して…
 何故、テレビで披露することになったのか?
 何故、音頭に2丁目がないのか?
 そのわけがが綴られています。
 読んでいて、なるほどと、思うことばかりです。

 この本には、じつは、志村けんが、いいかげんな性格っぽく見せる悪ふざけとは真逆の実直で努力家だったその素顔がいっっぱい記されています。

 深くかかわった多くの人が、志村けんのことを
 情の深い人だった。
 日頃は、口数がすくなく物静かな人だった。
 ネタを考えるときは、特に眉間にしわを寄せ、真剣そのものだった。
 と評しています。

 それに、私まで、なるほどなあ、と納得するのは、この本を読んだからでしょう。


 じつは、今回、志村けんが亡くなったことを、最初に娘(二女)から聞いて、知りました。
 娘は、志村けんが新型コロナウイルスに感染したことを知ってから、志村けんの体調をずっと心配していました。

 何を隠そう、娘も志村けんのファンで、しかも、私以上に筋金入りの大ファンです。
 なにせ、小学校の卒業文集で、好きな芸能人を書く欄に、皆がジャニーズのメンバーやきゃりーぱみゅぱみゅの名を書いているのに、1人だけ志村けんと書いていたくらいですから。

 だから、志村けんが亡くなったことを知り、すごく悲しんでいましたし、ここ3日程は、志村けんのお笑いネタを親子で語り合っていました。

 娘が一番好きだったのは、バカ殿で志村けんが白鳥のバレリーナ姿で入ってくるシーンだったそうです。
 やはり、親子!血は争えないものなのでしょうか?
 娘はこれを録画し、ビデオテープが擦り切れるまで、何度も視かえしていたようです。
 釣具屋の仕事に燃えて、娘のことをほったらかしだった私は、娘が何を視てゲラゲラ笑っているのか分かりませんでしたが、十数年経って真相が判明しました。

 そんな娘も今年から大学生。昨日は、姉の家にある中型トラックを借り、私の運転で娘を下宿に送り届けるとともに荷物を運びました。

 トラックを運転しながら、志村けんのコントで、私のお気に入りの1つを娘に紹介しました。

 志村けんが海外旅行に出かけるという設定で…いろいろなものを完璧に用意し、いざ空港へ行ったら、係の女の子に「パスポートを見せてください」と言われ、そんなものが必要だったなんて、初めて知って「ハア?」となり、そのまま大きな荷物を引きずって、とぼとぼ家へ帰る、というコントです。

 志村けんのコントには、日常のごく自然な光景からスタートし、最後に強烈なオチが来るものが多く、そこで見られるシュールさと哀愁が笑いを誘うものが数多くあります。

 まさか、こんなことは無いだろうげと、ひょっとしたら有るかもしれない。
 今回、志村けんが新型コロナウイルスで亡くなってしまったのが、正にそれなのかなあと思えてしまいました。
 ただ、全く違うのは、今回の死は、悲しいばかりで、全然笑えない!だったことでしょうか。

 私の娘、志村けんのような笑いのセンスを持ち合わせていない代わりに、コントでネタになるようなことが現実に起きてしまう天然ボケ(これも親からの遺伝?)があるので、1人暮らしをスタートさせるにあたり、とても心配です。
 今回の引っ越しでも、自炊器具、各種電化製品、その他諸々まで、妻(母)がいろいろ買い与え、きちんと用意してきたのに…
 引っ越し前日の夜になって「どうしよう。不動産屋さんから、『ライフラインの会社に、入居する日時を樋口さんから連絡しておくように。』と頼まれていたのに、忘れてた。」と言い出したんです。

 せっかく、いろいろな物をきちんと用意したのに、電気も水道もガスも使えないなんて…
 私は慌ててうちの店頭にあった販売用のランタンをおろし、荷物に加えました。

 まあ一晩、ランタンの明かりを頼りに1人キャンプ気分で過ごしただけで済んだし、今朝聞いたら、「ぐっすり眠れた」と連絡が届いたので一安心でした。

 そちらは笑える一件で済んだから良かったのですが、新入学に当たり、コロナウイルスが本当に心配です。

 何事もありませんように…
 そう、ひたすら願いながら、娘の下宿先をあとにし、帰路につきました。

 最後に、この場をお借りして、志村けんさんのご冥福を心よりお祈りいたします。


数字をどう読むか   3月31日

 今回のコロナ騒動、特に東京都の対応が後手後手になってしまっているように感じます。

 正直、私は、あのブラックバスの一件以来、小池知事のことが大嫌いです。
 ただ、そのことにより、白を黒にするのは良くないです。
 でも、やっぱり黒なのでは?ということのうち、皆の幸せを考えたら書くべきだろうと思われることは書きます。

 このまま感染が拡大すれば、医療崩壊が起きて大勢の方が亡くなるだろうし、自粛期間が長期化するのでは?
 そうなれば、ますます後々の財政出動額も大きくなると思うんですが!皆さん、どう思います?

 だったら、経済的に打撃を受けている人への補償を具体的に示して、きちんとした対応をとったほうがいいのでは?と、思うのですが…
 イベント自粛のときもそうでしたが…
 今も、都民に、カラオケ店やライブハウスやバーやクラブへ行かないで欲しいと呼び掛け、いわば、店への営業妨害をしておきながら、
 店への補償のことについて、具体的なことをしっかり言わない。おかしいと思いませんか?

 どうも対応がチグハグです。

 そうだから、街角で外出している若者にインタビューすると
 「だって東京は人口が多いし、人口密度が高いんだから…その東京が北海道の患者数を超えたといっても、たいしたことないでしょ。」と言われるのでは?
 今、北海道は落ち着いてきましたし!

 この若者の言うことも一理あるように感じます。でも、それは今までのことです。
 今、東京では急速に感染者数が増えつつあるわけですし、何よりも、感染経路を追えない人の数が多すぎます。
 前回も書きましたが、人口が多く、人口密度が高く、往来が激しいということは、今後、感染爆発が起きる確率が北海道などと比べても格段に高いということです。
 初期に北海道で感染者が多く出たのは、雪祭りが主な原因です。そのあと大規模な感染爆発を防げたのは、鈴木知事の対応が迅速だったことと、北海道が広大で人口密度が低いことによるものです。

 東京の場合、雪祭りのような状況がそこかしこにあり、さらに人口が多く、人口密度が高く、人の往来も激しいのです。
 おまけに潜伏期間が長いので、一旦、感染の急速な拡大が確認されたときには、それよりもはるか多くの人が既に感染しており、どうすることもできなくなるのです。

 さらに4月は、新入学、新入社の時期です。大都市で感染し、潜伏期間だったり症状が出なかったりで、そのまま地方へ移り住んだ若者達が、地方に感染を広げてしまわないか?
 真剣に危惧しています。

 数字から物事を多面的に読み解かないといけない。私はそう思います。
 なんとか、医療崩壊による死者続出、経済崩壊・財政崩壊による困窮者続出という事態にだけはならないよう、願いたいです。

 推理力を磨くということは、ルアーフィッシングの腕を上げ、釣りをより楽しむという点でも、とても大切なことだと思います。

※ 次回は、亡くなられた志村けんさんのことについて書こうと思っています。

理に適うということ   3月29日

 昨日来店されたお客さんの1人から「『店主の主張』いつも楽しみに読んでいます。更新されたのも早速読みました。良かったです。ためになりました。」というありがたい言葉をいただきました。

 そういうお客さんが1人でもいるということは、希望が持てて、とても励みになります。
 なぜなら、0と1は大違いだけど、1と2はあまり変わらない。それどころか1と10もあまり変わらないし、1と100もあまり変わらない。
 そういう理が私の内にあるからです。

 0と1 1と2 を差でみると、1−0=1 2−1=1 となり数量的には同じです。
 ですが、0は何度何倍しても0のままですが、1に数字をかけ続ける場合、数字が2のような小さな数であっても、1よりも大きい数が続けば、瞬く間に答えの数字は大きくなっていきます。
 ですから、1人が私を支持してくれるということは、それが大きな広がりとなっていく可能性があります。しかも、相手が人の場合、かける数字が1よりも小さい数は無いですから、何かアクシデントが起こらない限り減ることはありません。

 これと同じことが今回のコロナウイルスについても言えます。それが理です。

 じつは、私が開発したタイラバ バイプレーンも理から生まれたものです。
 それ故、その理をつかんでいないと正しい使い方ができないので、釣果があがりません。
 反対に理をつかみ、バイプレーンに適した状況下で正しい使い方をすると素晴らしい釣果があげられます。

 とにかく、人が幸せな生活を送っていくためには、理がとても重要になります。

 では、話題をコロナ対策に戻して、理から対応策を考えていきましょう。

 日本でコロナウイルスが広まったきっかけは、ウイルスに感染した人が日本国内に入ったことによるものです。

 初期に北海道で大勢の感染者が出たのは、雪まつりで大勢の観光客が中国等の海外から北海道唯一の大都市札幌に押し寄せ、と同時に道内在住の日本人も札幌に集まったからでした。
 寒い会場で暖をとるために、仮設テントが設けられ、密閉空間の中で人が密集。飲食しながら会話が弾み、密接な関係が築かれました。
 こうして感染した人が、道内へ分散したことで、感染者が一気に増えました。

 これに対して、北海道の鈴木知事は政府に先んじて迅速で徹底的な対応をとり、感染の拡大と経済への打撃の両方を最小限で食い止めました。
 聞くところによると鈴木知事は元高卒の都庁職員だったそうです。これだけでもめずらしいですが、そこからさらに財政破たんした北海道夕張の市長を買って出ました。給料が半分になっても大勢の人々のために自分の力を発揮する道を選んだのです。
 そして、今は北海道知事です。
 高卒でも、若くても、そんなの関係無しに能力があって誠実な人に託す。それはとてもよいことだと思います。

 対して、今、対応で難しい局面に差し掛かっている東京都はどうでしょう?

 昨日テレビを視ていたら、感染症の専門家が、「1日の感染者数が47人になったというのは他県と比べると多いが、東京は人口が多いのだから、人口比で考えると決して多くは無い。」と、さも自分が凄いことに気付いていると自負しているかのような発言をしていましたが、私はとんでもない!と感じました。
 その専門家の発言には、肝心な、空間と往来の要素が欠如していたからです。
 人口は、500万人強の北海道に対して、東京は1300万人強。2.6倍の人口なのだから、北海道を少し超えたからといって、決して多いわけではない。そういう発言でした。
 確かにその通りです。でも…

 この専門家、頭、大丈夫でしょうか?それに同調し、首を縦に振っていたアナウンサーやコメンテーターの頭も心配になりました。
 だって、考えが逆なんですから!!!
 感染者数が同じで、人口が多いということは、今後感染する可能性のある人が大勢いるということです。
 つまり居住人口比だけで考えても2.6倍の危険性があるわけで、さらに東京都は感染者数が急激に増えていると同時に感染経路が特定できない人の割合が他県と比べて多いのです。普通ならそこに注目しなければいけないのに…。

 東京都には近隣の県から毎朝1000万近い人が流入し、夕方再び家へと帰っていきます。つまり昼間人口は2300万人。北海道の4.6倍です。
 これを人口密度で見ると、な、なんと北海道の170倍になるのです。
 まあ、実際の感染確率はここまでの倍率差にはならないでしょうが、北海道と比べ、危険度がとてつもなく高いということについては認識していないとマズいと思います。

 また、東京都が他県と比べ、感染者数に対して感染経路が特定できない人の割合が多いのは、人の往来の激しさに加え、感染していても症状が軽い若い世代の割合が多いということもあると思います。そう考えると、オーバーシュートが起こる確率はかなり高くなるだろう。そう読まなければいけません。

 さらに、東京都で感染した人が隣接県へ戻り、さらに感染を広めていく可能性が考えられます。東京都ほどではないにしろ、隣接県のホームタウンも人口密度が高いところが多いため、東京都に端を発したオーバーシュートが一気に隣接県へと広がっていくことになります。

 事実、中国も、ヨーロッパも、アメリカも、大都市から同様のパターンで感染が一気に広まっています。
 だから、そのことを踏まえて対応しなければいけないと思うのです。

 この難局に際して、小池知事が正確で最善な対応をとることができるのでしょうか?

 環境大臣としてブラックバスを害魚に指定したときも、希望の党の党首として衆議院議員選挙で惨敗したときも、とにかく見栄と、その場の損得勘定だけで動いてきた政治家。信念が無いため、自分に味方してくれそうな人の顔色ばかりうかがうだけで、献身さや判断力に欠けるだけに、疑問符が付きます。

 もしも私が政治家だったら、コロナ拡散の危険性の度合いを考え、状況や地域によって、対応を区別していきたいです。
 もうそろそろ、じっぱひとからげから脱却すべきだ!という判断からです。

 私としては、今政府や各自治体が行っている対応策に加え、次のことを提案したいです。
 具体的に禁止事項を示すことが大事だと同時に、もっと緩和、推奨事項を示すことも大事だと思います。
 その結果、経済的にプラスになったところから、税を取り、マイナスになったところに補てんする。それでいいと思うんです。

@ 若年層から高齢層への感染防止を徹底するため、集う場所や時間の分離などを行う。同様のことを家庭内でも気をつける。

A 嗅覚・味覚異常のような初期症状が出た段階で、素早く救急車で病院に搬送するなどの手立てを打つ。

B 地方から大都市への出張や旅行をなるべく控える。
  (釣具業界では、早速これに取り組んでおり、問屋主催の小売店を招いてのメーカー展示会を中止にしています。)
  (どうしても大都市へ行く用事があるなら、安全と思われる場所を選んで行動することが重要。)

C 地方への移動規制は緩和するが、なるべく途中で人と接触しないようにする。

D 都市に住む人は、休日、家に居るか、なるべく自家用車を使っていなかへ出向き、自然を満喫することで余暇を楽しむ。

E 海外からの入国者が激減したことで、地方で感染が拡大する確率は低下したので、なるべく経済活動等を正常に戻す。

F 大都市については当面、通勤等による人の往来を制限する。

 Fについて、現時点で特に危ないのが東京都を中心とする首都圏だと思います。大阪圏や名古屋圏と比べても、はるかにそして急速に危険性が高くなっています。
 東京でオーバーシュートが起こると、数の問題だけでなく、政治・経済の中枢がある程度マヒするため、日本全体が大変なことになります。
 これだけは防ぐべきだと思います。
 ただし今、経済を完全にストップさせるのは良くないと思うので、3週間程度、半ロックダウンすることで、東京都内で生活する人と都外で生活する人を分け、物資だけを入れ、経済活動もなるべく維持する、というのがいいのでは?と思います。
 さらに人々の行動範囲を小さくし、行動する場所を決める。これが一番だと思います。そうすれば、万一感染した場合でも経路が追いやすいですし、ほぼ拡散も防げます。

 具体的にいうと、都内で働くと決めた人は、しばらく会社の近くのホテルに宿泊するなどして、都内から出ない。食事も会社やホテルの近く(歩いていける距離)にて、外食で済ます。ようはプチ単身赴任です。
 それを個々が毎日なるべく同じように繰り返すことで、不特定多数の人との密な接触を防ぐことができるし、万一感染した場合も二次感染を防ぎやすくなります。宿泊施設や外食産業も今の都の対応よりも可動し、経済的な落ち込みは少なく、高い感染防止効果が得られます。
 鉄道やデパートなどはさらに大きく落ち込みますが、売り上げマイナス分については、できる限り国が補償する。それでいいと思います。

 Bについてですが、私の場合、今後、カイム事業(営業)でどうしても大都市の小売店を回らなければならない場合が生じるかもしれません。その際は、くれぐれも気を付けて行動したいと思います。

 以上、基本的な対応策として、何か生かせるところがあったら、生かしていただけるといいなあ、と思いつつ綴ってみました。

 あと何よりも大事なのは、コロナ騒動が沈静化したら、マイナスの影響を受けたであろう業種に対して、特にこれまでお世話になってきたところを中心にお金をしっかり落とすことだと思います。
 国に対しては、そこまで皆が持ちこたえられ、手を取り合えるよう、支援をしてもらいたいものです。

※ 東京都の感染者が急に増えていることについて…
 ひょっとしたら、東京オリンピックの延期が決まるまで、感染者の数を伏せていたのでは?という疑念もあります。政府も大阪と兵庫間の往来のことについては言及しておきながら、東京のことは、オリンピック延期が決まるまでほとんど発言がありませんでした。なんとなく不自然さを感じます。ひょっとしたら、今の感染者数も怪しいかもしれません。
 皆さんには、理に照らし合わせ、情報の中からおかしいことを見つけ、自分の頭で考え直してみる習慣を身に着けることをオススメします。


対策 …人として…よく考える   3月28日

 ここのページにコロナウイルスのことを書いてから1ヶ月強が経ちました。
 私が予想した以上にコロナの感染が長期化し、人々の生活に大きな影響を与えそうだなあ、というのが一番の思いです。

 その点、私の予想は、甘かったです。
 対して、レプトンの名和さんはさすがです。ズバリ、現在の状況を1ヵ月前にほぼ正確に予想していました。
 こうした読みの深さが、釣りの上手さやルアー造り・販売の上手さにつながっていると再認識しました。

 人が気づかないところに気づく、ちょっとした変態!(勝手に変態呼ばわりして申し訳ありませんが)という点では、私と名和さんはかなり共通していると思うのですが、思いの方向に多少の違いがあり、それがそれぞれの個性となって現れているように感じます。
 理想追求型の私に対して、名和さんは理想と現実のバランスが良いです。物事に対して一途過ぎて見通しが甘くなり、失敗しがちな私に対して、最悪の事態を想定して慎重に動くこともできる名和さんは、ご意見番としてありがたい存在です。
 そして、私の周りには、私の短所を補い、アドバイスをくれる存在の人が他にも大勢います。とてもありがたいことです。

 余談はこれくらいにして、コロナウイルスの対策について…

 今日ネットを開いたら、偶然メンタリストDaiGoの意見が載っていました。
 私の考えと同じですし、私としては納得!なので紹介したいと思います。

 それは…
 「感染を防ぐためにイベントの自粛ばかり叫ばれているが、満員電車での通勤移動はいいのか?」というイベント関係者の思いに対して、「コンサート等のイベントは遊びだけど、私たちは生活がかかっていますから!」という声が多くあるということに対して、DaiGoが「イベントに関わっている人も生活がかかっているんですけど!」と反論した。
 という内容でした。

 私は、「DaiGo、よく言った!」と称賛したいです。
 だからといって、私は「すべて、イベントを開催すべき!」と言うつもりはありません。
 大事なのは、感染リスクの高低(国民の生命)や人々の生活基盤(経済面)、双方を公正・公平な視点で把握し、平等で且つ最善と言える対策をとることだと思います。
 イベント開催も満員電車での通勤移動も感染のリスクがかなりあると同時に、双方とも生活がかかっている。それは同じです。なのに、対応に大きな差があるというところ、そこを直すべきです。

 私が先月、このページで競馬の開催の仕方を批判しました。大好きな競馬ですが、「ずるい」と思いました。ただ「競馬はいいなあ、釣りのイベントもやらせろよ。」とは思っていません。足並みがチグハグだと感じたから、問題を提起し、対応策を示しただけです。
 その後、すぐに競馬は無観客開催にしました。当然!いや遅すぎだと思いました。
 国が周りにあれほど、イベントの自粛を要請しておきながら、国の管轄なのに。感染リスクが高いのに。無観客でも営業できたのに。他のイベントよりも対応が遅かったですから。

 世の中は、強い者(金持ちや権力者)や多数派の意見が間違っていてもまかり通り、正しいことをしている弱者や少数派が犠牲になるという不条理が横行しています。
 それでいいのでしょうか?

 コロナウイルスの感染を防ぐということ、経済危機を乗り越えるということで一致団結しなければいけないこの時期に、強い者(金持ちや権力者)や多数派が、自分の都合や利益だけでものを言うのは最低だと思います。

 今、一番大事なのは、国民が足並みを揃え、助け合って、この難局に対応していくということではないのでしょうか?

 前回も書いた通り、釣り自体は一部を除きコロナウイルスのマイナス影響を受けにくい業種かもしれません。
 先週末の日曜日は久しぶりに風が無く暖かな休日だったので、当店にも釣り人が予想していたよりも大勢来てくれました。
 それはありがたいことですが、だから「ラッキー、良かった」とは思っていません。
 世の中全体が落ち込んでいるこのときに、自分だけ得をしても喜べないですし…実際は、得にもなっていないです。

 当日来店されたのは、ほとんどがにわか釣り師のような方で、家に居ても退屈だし、人ごみは危険だから、釣りに来たという感じでした。
 エサや仕掛はよく売れましたが、高額商品はまったくといっていいほど売れませんでした。だから売り上げは落ち込んだままです。当然です。経済の先行き=これからの仕事や収益に不安があるのですから。食料品や日用品の購買が最優先です。

 どうしても、趣味・レジャーは低価格で!という流れになりやすいです。

 そうした流れを受けて、今年は例年以上に、伊良湖の菜の花畑がにぎやかだったようです。
 渥美半島はいなかで、移動手段の主役が自家用車であること、広々とした屋外イベントであること、お金がほとんどかからないことの3条件が揃ったからだと分析しています。
 人が大勢来てくれたことで、ホッと安心、ととらえがちですが、それも大間違いです。
 なぜなら、道が混んだ割に経済効果は薄く、菜の花畑と同じ道沿いで、しかもすぐ近くにある当店のお客様が経営している農園のイチゴ摘みはガラガラで困っていたからです。
 しかもその状況が、今シーズン、ずっと続いています。

 経済は、一般的に何かが膨らめば何かがへこみます。今回は全体的なパイが縮小したうえで、さらに大きな凸凹が生じています。
 そこをなんとかしなければなりません。


 そこで私は、一般労働者や消費者、そして行政に関わる人たち全員に以下の4つのことをお願いしたいです。

 @ 自分の都合ではなく、全体的な立場に立って判断。平等を旨とし、足並みを揃えて対応する。

 A 事業者は、感染拡大は防ぐけれど、経営ダメージを最小限にとどめる手立てをうち、国民がそれに協力し助ける。(行政による法的な措置や呼びかけも重要)
   例えば、小売店や飲食店等については…
  ・時短営業にしたり、換気・店内消毒の時間を取ったりする。
  ・年代別に消費時間や場所を規制(区分け)する。
  ・在宅勤務ではすまない一般サラリーマンには分散出社や時短勤務などの手立てをうつ。
  ・店内の人数制限(席の間隔を空ける)。個人客・少人数客中心の営業スタイルにする。
  ・政府支援で、飲食店は一時的に、テイクアウトメインにシフトする。
  ・なるべく利用客の情報を記録する。(万一のとき、感染経路を追えるようにするため)

 B また、個々としては、今までお世話になってきた人の中で困っている人を大事にし、助けるよう心がける。

 C お金持ちが国を通して困っている人にお金を寄付する。
  ・弱者の雇用を維持する。
  ・できる限りの対策をとっていているのに、経営危機に陥った事業主を助ける。

 細かなことまで解説したいのですが、時間の関係で概略になってしまい、すみません。

 連日、テレビで経済専門家が経済・雇用対策として、無利子融資、各家庭への現金支給、消費税率の引き下げ等を言っています。これらには、どれも財政赤字がさらに増える危険性が高いという大きな問題点があります。
 その場は救われた気がしますが、未来への負担が増え、しかもそれが将来、さらに弱者にのしかかってきて苦しめられます。そのことを覚悟しておく必要があります。

 さらに、政府に、限定割引券の配布・現品支給等、自分を支援する一部の業種(事業者)だけに税金を使い助け舟を出そうとしている動きがあるようですが、これもおかしな話です。

 何分、金持ちの政治家や専門家たちは、弱者を救う最善策を言うと、自分たちが損をするので言いません。マスメディアも同様です。
 本当のことを言う人は、マスメディアに呼ばれません。だから公正・公平な報道が行われません。

 それを是正していく有効でかつ重要な手段が、このネットの世界なのですが、今流行のSNSは「映え」等外面的な事項ばかりに傾倒していて、内面的な「本質」が疎かになっています。
 これでは片手落ち!せっかくネット世界が普及し、一個人の考えが世に問える機会が生まれたのに、もったいないです。

 よく考えてみてください。今回のコロナウイルスの多くは、国境をまたいで往来できる強者達が外国から日本に入った際、強者達に気遣うばかり、島国としての利点をうまく生かさなかった政府のまずい対応により、感染を広めてしまった。それで今のような事態になっている部分がかなりあるのです。
 なのに、経営が切迫している業界の事業者に対して、一方的に「営業を控えなさい」と言うだけで、分け隔てなく本当に助けるための手立てを提示しないというのは、あまりにも冷酷です。
 外国人や強者ではなく、海外へ行くことのない弱い立場の日本人をメインに商売を営んでいた店が次々に閉店をしいられていく今の現状は、見ていて目を覆いたくなります。
 バイキング形式を売りにしていたばかりに、今月大量閉店に追い込まれた「すたみな太郎」はその典型例。中小個人店に至っては、国の一大事だから、なんとか頑張って耐え凌ぎたくても、多くの業者が、もう頑張るにも頑張りきれない状況になっているのです。

 何があっても、公務員は変わらず安泰。すべてにつけ、自営業者は自己責任。それでは世の中は良くならないと思います。
 誰か、「こういうときこそ、期限付きで(コロナ問題が終息するまで)、政治家や公務員の給与を減らしたり、余裕のある業種やコロナで恩恵を受けた業種から余分に税金を徴収すればいい」という声を内部から上げる人はいないものなのでしょうか?私が政治家や公務員だったり裕福だったら、率先して声を上げたいです。


 私は釣具屋のおやじ、釣具メーカーの代表として、釣りへ行くことも大事ですが、こういう問題点を指摘することも大事だと思っています。

 世界が平和で、政治・経済と自然環境が豊かで健全でないと、近い将来、一般市民は釣りさえ楽しめなくなる。
 今その一歩手前まで来ています。


 釣具業界も疲弊し切っています。あと少し売り上げダウンが続けば、さらに乱売が激化し、その結果、総崩れになる可能性が大です。
 本当ならこういうときこそ、小売店は今までの売り逃げスタイルを反省し、良い品を見極め、その使い方を把握し、仕入れ、価格を維持しながら販売することで、その良さをしっかりと釣り人に伝え、釣り人を育てるようにしていかなければならないのですが、それとは真逆の販売をしてきた店がほとんどなので、もうどうにも修正できないところにまで来てしまっているようにも感じます。

 でも、あきらめず、なんとかできる限り修正していき、釣りの魅力を後世に伝えていきたいと、私は考えています。

 最後に当店のことを…
 こんな厳しい状況だからこそ、ということで、気をつかわれ、シーズン前であるにもかかわらず、助け舟を出してくださり、いろいろと買ってくださるお客様がいらっしゃいます。
 外面は、あえてさりげなく、でも内心は、だぶん思い切り奮発して、困っている店主を助けようと、高額商品を買ってくださる方もいます。
 とてもありがたいことです。
 こうした方々の優しさが、全国民に広まり、多くの方が助けられますよう、切に願っています。


対策…原点回帰   2月24日

 書くべきときに書くべきことを書くというのが大切だと思うので、私自身も忙しいですが、前回、イベントの開催・中止について、私の思いをしっかり書かせていただきました。

 ただ、それがたとえ正しくても、今すぐに良い方向に向かい問題が解決するわけではないというのも事実です。

 物事への対応は、長期的な対応と、短期的な対応をバランスよく組み合わせて行かないとうまくいきません。

 そうした観点で考えると、1人の釣人として、先ず真っ先に皆がすべきことことは、この新型コロナウイルスが広がってきているこの状況下でどうしたらいいか?しっかり考え、実践する!だと思います。

 釣りを自粛したり、買い物を自粛したりすれば、業界の傷口はさらに広がり、取り返しのつかない事態になっていきます。

 幸い、釣りは外で人と接触しなくても楽しめるレジャーです。この機会に、原点に立ち帰り、釣果情報に惑わされず、1人で車に乗り、あえて空いているいるだろうと思われる釣り場へ出かけ、自然と語らいながらのんびり釣りをするというのも、いいのではないでしょうか。(釣り場での安全にはくれぐれも気をつけて)

 今まで、あなたは、他人と比べ、他人よりも釣果を上げ、それを他人に見せることで、他人から認められる。それを第一義して釣りをしてきませんでしたか?
 私は、それを完全に否定しようとは思いません。そういうのがあってもいいと思います。

 ただ、それに振り回され過ぎて、釣りそのものの持つ一番の魅力が、ないがしろにされることが多くなった。それが世の現状だと思うし、それでは、釣りの本当の良さを実感しないままで、釣りから離れていってしまう人が続出すると思うんです。

 「もう記録ものの大物を釣ったから、いいや!」みたな感じて!

 そうした意味で、今回の新型コロナウイルス騒動は、本当の釣りの魅力に浸れるよい機会!であると思うのです。

 そして、この機会に、釣り場だけでなく、釣具店にも足を運んでみてはいかがでしょうか?

 イベントのセミナーで有名プロの話を一堂に会して聞くのも悪くないですが、釣人が行く釣り場の状況や攻略の仕方を一番理解しているのが釣具店の店員さんというのも、よくある話です。
 なぜなら、本来、釣具店は、自分の知識+お客さんから現場の情報をいっぱい仕入れ、それをもとに商売をしているからです。

 当店でも、バイプレーン、ペニーサック、ムイムイクワッド、渥美メロン(ソルト用のマット)カラー等は、私から発信したものですが、アスリートバイブやハイスタンダードはどちらかというとお客さんが発信源になり、私が広めるお手伝いをさせていただいたものです。

 いずれにせよ、地域に根ざした本当の発信源は小売店にあるというか、釣人のためにも、小売店に無ければいけないというのが、私の思いです。

 けれど、一時のルアーブームや情報氾濫社会に乗って、「釣具の良し悪しでは無く、人気の有る無し=手っ取り早い売りやすさ」で仕入れ・販売を繰り返してきた小売店もあります。
 というか、そういう小売店か多かったように思います。やがてそうした小売店は行き詰まり、価格競争、物量や商品回転の速さで勝負(=大型店の新規出店)、ネット販売等、いろいろな方向へと業態を変えていきました。短期的には、うまくいったものもありますが、すぐにうまくいかなくなることが多かったように思います。

 今一度、1人の釣人兼消費者として自分自身の購買の仕方を見つめ直す時期に来ていると思いますし、小売店の経営側についても同様のことが言えると思います。

 この状況下では、複数名を一度に集めるような店内イベントは、しばらくできない確率が高いですが、店員さんと一対一で相対するだけなら、お互いが感染していなければ、大丈夫ですし、その方がきちんと話しができます。

 そう考えいくと、何よりも私の店の場合、先ずは私が保菌者にならないようにすることが重要になります。
 ということで、なるべくマスクをする、手をアルコール消毒するなどして、十分に気をつけたいと思います。

 お客さんにおかれましても、各自、「うつらない、うつさない」の十分な対策を講じてください。

 潜伏期間が長いですし、保菌してもほとんど発症しない人もいます。だから症状の有る無しに関わらず、全員が気をつけることが大切です。
 そのためのキープキャスト中止なのですから。

 当店では、入口にアルコール消毒液を置きますので、是非、積極的にご利用いただきたいですし、入口に水道がありますので、それをご自由にお使いいただいて構いません。
 それと体調が優れない人、特に風邪のような症状が少しでもみられる人は、なるべくご自宅で安静にお過ごしくださるよう、お願い致します。

 国内で、もうこれだけ感染者が出てきたのですから、封じ込めは失敗したわけで、今後、患者の数は急激に増えていくことが予想されます。
 菌はどこにでもあると考えて行動すべきです。かといって外出しない生活、他人と関係を完全に立つ生活を続けるは不可能です。

 ということで、各自、防御策を講じるしかありません。
 夏になれば、間違いなく終息していくはずですから、今から2ヶ月間位がヤマになるのではないでしょうか?

 それまでに感染者を少しでも少なくしないと、病院もパンクしてしまうし、大変な事態になってしまいます。

 釣り業界の健全化を図りつつ、重篤に至る発症者が最小限でとどまるよう、切に願っています。


わだかまり   2月23日〜24日

 キープキャストと西日本釣り博が中止になりました。
 主催者側もかなり悩まれた末の苦渋の決断だったと思います。
 ですから、ある意味、それはそれで仕方がないと思います。

 ただ…今、釣具業界が置かれている状況を考えると、今回の「中止」は、かなり深刻な痛手です。
 そのことは、皆さんも釣人の1人として認識していたほうがいいと思います。

 と同時に、今回は、それ以上、皆さんに考えてもらいたいことがあります。

 タイトル「わだかまり」に関することです。

 それは何かというと、新型コロナウイルスへの対応が、主催者によってあまりにもバラツキがあるという点です。

 例えば、私の好きな競馬。
 今日もしっかりと開催されていました。
 中央競馬を運営するJRAは、農林水産大臣の監督を受け、国(政府)が資本金の全額を出資する特殊法人。いわば親方日の丸企業です。

 そのJRA、一部の特殊イベントは中止しているものの、依然として競馬場への来場は可、という対応です。
 テレビを見ていたら、今日は今年初のG1レースがあるということで、東京競馬場には黒山の人だかりができていました。
 新型コロナウイルスがこれほど問題になり、イベント中止や縮小が相次ぐ中、その様は、別世界を思わせるものがありました。

 どういうことなのでしょう?中止にまでしなくとも、インターネット投票のみにするという措置はできただろうに…。

 どうして?同じレジャーなのに?…どう見てもキープキャスト以上の密集度なのに?…多くの人が最後の直線でつばを飛ばしながら大声で叫ぶだろうに?…
 しかも国が経営に大きく関わっているのに?

 そこに、善悪に関係なく、弱者(少数派)は強者(多数派)に屈するしかない、この世の不条理な掟のようなものを感じてしまいました。

 つまり、年1回開催の弱小団体から少数の感染者が出ると問題になるだろうから、主催者はイベントを全て中止にせざるをえない。
 対して、毎週2日間、3か所で開催されている強大団体ならば、感染者が多数出るであろうが、結局、感染源はよく分からなくなり、焦点もぼやける。
 しかもバックには不測の事態になっても潰れない国がついている。だから主催者は普通に開催する。

 電話でそのことについて、「不平等だと思う!不満がある!」とある人に話したら、
 「樋口さん、立場によって正義か変わるのは当然だから、それは仕方がない。」
 と言われてしまいました。

 で、私は、それに反論して、結局、プチ口論になってしまったんですが…。
 正直、私のことを考え、私を諭そうと思って言ってくれているのはよく分かります。だから、ありがたいことだとも思っています。

 でも、だからといって私は首を縦に振れないんですよね。

 たとえ今現在、大国の利益になることが正義としてまかり通されている地球人類社会であっても!

 人類社会の中で、絶対に、立場によって正義は変わっちゃいけないと思うんです。
 どう考えても不平等だろうと思えることには、声をあげるべきだと思うんです。
 上手に穏便に対応することも大事です。別にけんかをするつもりもありません。
 でも、それが、信念は曲げることになってはならないと思うのです。

 そう考え、実践する私のような存在がいなくなったら、釣具業界はますますおかしな方向に行くだろうし、ますます世間のカモにされると思えるのです。
 それは、ひいては、回りまわって必ず、釣人一人一人に負の影響をもたらし、返ってくる。
 そういう結末にはしたくないです。

 長くなりました。今日はこのへんにしておきます。

※ 次回をなるべく早く書きます。
  新型コロナウイルス問題とそれへの対応について、です。

MGX Θ(シータ) の実力は?  2020年1月29日

 本来なら、伊良湖シーバスについて続きを書かなければいけないのですが、今日、アブカルシアのNEWスピニングリール MGXシータが入荷して来ました。
 2016年以降、アブの最新スピニングリールの主だった機種を紹介し、その動向を皆さんにレポートし続けてきましたので、今回も引き続き、私の見解を書かせていただきます。

 価格帯でいうと、MGXシータは小売定価が3万円台ですから、アブガルシアのトップグレード MGエクストリームの下、という位置づけになります。
 但し、このMGXシータから、フリクションフリーという新機構が初めて採用されることになりましたので、価格帯的には2番手でも、最上級のMGエクストリームを進化させたモデルととらえることもできるでしょう。

 で、今回の目玉は、そのフリクションフリー構造。これがとにかく凄い。単にシャフトの支持方法を少し変えただけの超単純な発想なんですが、これだけ効果があるとは!!
 正に、私が考案したバイプレーンのような感じです。
 違うのは、バイプレーンは目に見えない深く遠く離れたところで凄さを発揮するので、その凄さを科学的に理解していないと、生かし切ることができないのに対して、フリクションフリー構造は、その仕組みが分かっていなくても、リールを回してみるだけで、大きな違いに気付くということ!
 目に見えなくても、リールの回転性能って、簡単に体感できていいなあ、解説の必要も無くていいなあ、と思ってしまいました。

 フリクションフリー構造は、今まで、シャフトがピニオンギアの内部に擦れながら上下していたのを、擦れないように改良したものなのですが、これにより、シャフト(スプール)が上下する際の摩擦抵抗を極限までゼロに近づけることに成功しています。
 今までのスピニングリールの場合、スプールを斜め下にして、超ゆっくり回し続けると、どうしても次第に回転が重たくなったり、回転が微妙にギクシャクしたりしたものですが、このMGXシータには、その現象がほぼありません。
 これは、私のように、メバリグ(超スローに巻き続ける夜の釣り)を好む釣り人には、とてもありがたい存在というか、大きなアドバンテージになります。

 また、速い釣りしかされない方でも、豪快な釣りをされる方や大物志向の方なら、魚とのファイト時のようにリールに高負荷がかかる時ほど、従来のリールよりも軽く巻きとれるそうですので、こちらの場合もアドバンテージがあります。

 しかも、どう回しても、回転ノイズが極端に少ない。これもMGXシータの特長です。
 フリクションフリー構造だけでなく、ギアそのものとギアの噛み合わせの技術も進化しているのでは?と思わせます。
 とにかく低負荷と高負荷の両方でアドバンテージがあり、どんな釣りをしていても快適な巻き心地が得られるので、最高です。

 ただ、これだけ巻き心地が軽くなると、逆に、海の中の情報も釣り人に伝わりにくいのでは?と心配になってきます。
 こればかりは実際に使ってみないとなんとも言えません。
 事実、シマノの高級リールは巻き心地が良い反面、釣り人に海中の情報を伝えにくいというディメリットをよく耳にします。
 その点で、今までのアブ レボシリーズはどの機種も優れていましたが、今回は今のところ不明です。
 また、使ってみてから、感想をこのページに書きたいと思います。

 フリクションフリー以外の箇所についてコメントすると…

 ベールにアルミ合金を採用。軽量、一体成型で高強度・ノントラブル。
 機能的には向上しましたが、カラーをレッドにしたことで、好き嫌いが大きく分かれそうです。
 (アルマイト加工なので、色が剥がれ落ちる心配はまず無いですが!)

 メインギアを支えるボティは軽量マグネシウム合金。リールフットまで一体成型。
 前MGXとMGエクストリームは、ギアボックスのみがマグネシウム合金で、リールフットはカーボン樹脂だったので、強度や感度の面で、今回のMGXシータの方が、優れていると言えるでしょう。

 こうしてみると、最上級機種MGエクストリームよりも、性能的に上なのでは?と思えてきますが、そうばかりとも言えないです。

 やはり、MGエクストリームにのみ採用されている高級パーツや先進機能・性能も多々あります。
 超軽量CMGローター。
 超軽量高級スプール。
 と、上の2つによってもたらされた防水・防塵性能は、MGXシータよりも優れています。

 MGXシータのドラグはロキサーニと同様の2WAYドラグシステムを採用しています。どちらのセッティングでも効きはとても滑らかです。
 個人的には、MGエクストリームのような1WAYの方が好みですが、大きな問題にはならないでしょう。

 あと、2017年までのレボ スピニングは、突然壊れるという現象がしばしばありました。
 ストッパーの逆転、シャフトのズレ・ゆがみによるギアの食いつき、各所パーツの外れなどです。

 これらに関しては、2018年のMGエクストリームから、ほぼ皆無になりましたが、まだ、強度・耐久性の面で、依然として心配な面が残されています。

 特に不安なのが、海水や砂によるつまり(固着)、サビ、傷等です。
 そうした意味でも、せっかくMGエクストリームで進化したスプールやローターの技術が今回のMGXシータに活かされていないのは少々残念です。

 優れたキャスト性能、ラインドラブルの無さで、ここ4年間のレボシリーズは他社製品を上回っていましたが、今回もその性能が継承されていることを願います。
 これについても、実際に使ってみないと分からないので、また、感想を書いていこうと思います。

 最後に、切なる願いとして一言!
 これだけ高性能のリールを作ることができるようになってきたのにも関わらず、4000番・5000番といった大型機種がほとんど無いのが、アブの残念なところです。
 今回のMGXシータは3000番までですし、5月に発売を予定しているALXシータは、4000番・5000番があるものの、定価が2円台のモデルです。

 当初、ロキサーニも3000番までしかなく、「最低でも4000番までは造るように!」と要望を出して造ってもらった経緯があります。
 しかも、その追加で造った4000番が、史上空前の売り上げで、生産が追い付かない状況になっているのです。
 にも関わらず、相変わらず高級リールに4000番のラインナップが無いというのはどういうことなのでしょうか?

 これは、シマノやダイワにも言えることです。
 アンダー200gを謳う超軽量リールや500gを超える大型で頑丈なリールのラインナップは豊富で、しかも高級品がいろいろと揃っているにも関わらず、300g前後で、伊良湖周辺のランカーシーバス、ブリ、大型ヒラメを狙うのに適したサーフ用のリールはほぼ皆無です。

 正直、今のシマノ、ダイワの4000番や5000番では、スプールが気持ち小さいんです。
 かといって、6000番になると急にゴツくなる。自重が500gもあるリールをロングロッドと組み合わせて1日中サーフで振り続けるなんて過酷すぎます。

 オフショアでショートロッドと組み合わせ、ヒラマサやカンパチを狙うリールと、ショアから最大でブリまでを狙うリールが同一になるというのは、おかしな話です。

 メーカーの皆さん、もっと考えを柔軟にし、市場の隠れたウォンツに対応するリールを造ってください。
 よろしくお願いします。



伊良湖シーバスに思いを寄せる @  2019年12月29日

 ついに、伊良湖でメーターオーバーのシーバスがキャッチされました。

 そのシーバスが当店に持ち込まれるまで、正直、伊良湖でメーターオーバーのシーバスは出ない!そう思っていました。

 河川と異なり、伊良湖は塩分濃度の高い海水域です。しかも、波が荒く、流速の速い場所が多いため、シーバスの魚体は必然的に筋肉質になります。
 その結果、細長くなりにくい。
 しかも、シーバスは長距離移動や自分にとって適正環境でない場所を嫌います。
 したがって、伊良湖沖がシーバス産卵の代表的な場所ではあるものの、愛知県および伊勢湾のシーバスすべてが伊良湖沖に集結し、産卵するわけではありません。
 伊良湖で釣れるシーバスが相対的に、長さに対して体高があり、ウエイトの重い個体の割合が高いのは、そうした理由によるものです。

 昨年、産卵期前に、伊良湖で97cmのシーバスがキャッチされたという情報が、私の耳に入りました。
 しかし、よくよく聞いてみると、魚体の特徴が、河川・港湾部のシーバスに合致していました。
 私は、何らかの理由で、そのシーバスが釣られる少し前に伊良湖へ移り住んだ、と考えました。

 対して、今回捕獲されたメーターオーバーのシーバスは、釣果情報の写真の通り、今まで釣られてきた大型の伊良湖シーバスの特徴と、かなりの部分が合致しています。
 顔が小さめで、体高がある。その魚体を見て、嬉しくなるとともに、改めて自然の神秘さを感じました。

 と同時に今後のことが不安になりました。
 ブリが釣れ始めたときと同じように、釣り場が乱れないか?その結果、伊良湖シーバスそのものが終焉をむかえてしまうのではないか?という心配です。

 最も怖いのは、多くの人が簡単にメーターオーバーが釣れるかもしれない、釣れたらSNSで自慢出来る、有名人・釣り名人になれると考え、釣り場に人が殺到するというシナリオです。
 釣りの技術レベルの高低以上に、そういう安易な考え、自分の利しか考えない思考回路にこそ最大の問題があるように思います。

 人にケンカを売るつもりは無いですし、釣り場を今までの常連さんで独占したいという思いもありませんし、伊良湖シーバスで金儲けをしたいという欲もありません。
 ただただひたすらに、伊良湖シーバスの魅力をできる限り永く保ち続け、後世まで繋いでいきたいという思いから書かせていただきました。

 それが、ひいては、他の釣り場の正常化にも繋がるとともに、多くの人の幸せとも結びついていく、そうなるといいなあ、と思っています。

 今回のメーターオーバー捕獲をきっかけに、今後もそういう観点で、このページを書いていこうと思います。



ミッドナイトモンスターLTD 〜ロッドのさらなる進化〜  2018年4月27日

 毎年秋に1アイテムずつ発売されていくGクラフトセブンセンスのLTD(リミテッド)シリーズ。今年はミッドナイトモンスターです。

 夜の釣りはしないから関係ない!とか、シーバス以外の魚種をメインターゲットにしているから関係ない!とか思われている方、それは大きな間違いです。
 なぜなら、このロッド、とても汎用性の高いロッドに仕上がっているからです。あくまで私個人の感想なんですが……4月初めの展示会でロッドに触れてそう感じました。
 正直、渥美半島の随所で、いつでも、快適に使用できるロッドに仕上がっています。

 では具体的に他のセブンセンスシリーズとどう違うのか?
 当店で今もっとも売れているモンスターサーフのシリーズと比較すると…
 モンスターサーフシリーズがモンスタージェッティーのパワーを上げ、レングスを伸ばしたものであるのに対して、ミッドナイトモンスターはモスのレングスを短くしたものになります。端的に言うと、モンスターサーフがテーパーで調子を出しているのに対して、ミッドナイトモンスターはカーボンの巻きの厚みで調子を出しています。
 だから、シャープな調子を求めるならモンスターサーフ!しなやかさの中にトルクを求めるならミッドナイトモンスター!となります。

 スペック表にもここら辺のことが表れていて…
 モンスターサーフ 1072TR  ルアーMAX 45g   ベスト ミノー 24g  バイブレーション 28g
 モンスターサーフ 1092TR  ルアーMAX 50g   ベスト ミノー 28g  バイブレーション 35g
 ミッドナイトモンスター1002TR LTD  ルアーMAX 45g   ベスト ミノー 28g  バイブレーション 28g

 上記のように、モンスターサーフシリーズは、ルアーのベストウエイトがルアーの種類によって差がついています。
 モンスターサーフはシャープな調子が故に、コンパクトで比重の高いルアー(シグやバイブレーション)を扱うのに最も適しています。そういうルアーを長いロッドでもシャープに振り抜けるようにしたことで、かつてない飛距離を実現しています。
 ただ、この調子で同じウエイトのミノーを扱うとなるとどうなるか?ミノーは浮力がある=比重が低いため、容積が増し、当然キャストの際の空気抵抗も増します。そうなるとジグやバイプレーションのときのようなスピードで振り抜けなくなります。だからベストウエイトが低めになります。

 対してミッドナイトモンスターLTDは、レングスがモンスターサーフよりも短かく、さらにその差以上にバット部が細くて肉厚です。だから、大型ミノーをキャストする際でも、他のルアーの時と比べて、さほどスウィングスピードを落とさずに振り抜くことができます。しかも、今までのLTDと異なり、シャンとしているけれどしなやかに曲がる調子、万人が扱いやすい調子にしてあるので、多少スウィングスピードが落ちたとしても、しっかりとロッドが曲がりやすく、ロッドの反発力を生かしやすい設計になっています。その結果、ミノーのベストウエイトをバイブレーションと同じウエイト(28g)まで引き上げることができるようになりました。これがこのロッドの最大の長所であると、私は判断しています。

 晩秋、渥美半島のナイトゲームでランカーシーバスを狙う際、ボリュームのある大型ミノーがメインルアーになります。ニューシートプス135(28g)、K2F142(26.5g)、ペニーサック初代(32g)、コモモSF145(26g)、バサロット128F(30g)など、アベレージウエイトは約28gです。そして、夜が明けてからは、アスリートバイブのように28g前後のバイプレーションがメインルアーになります。シーバスは夜、大型ベイトを捕食し、夜が明けると、狙うベイトのサイズが小さくなる傾向があるからです。こうした条件にぴったり合った1本が今回のミッドナイトモンスターLTDというわけです。
 さらに、このロッド、しなやかさとパワーを兼ね揃えているので、夜が明けてから、竿を替えずに、ヒラメ狙いやブリ狙いに移行しても大丈夫!!ルアーの対応幅が広く、18g前後のJH+ワームや40g前後のメタル系ルアーにも難なく対応できるはずです。私が考案した魔法の玉(キャストバイプレーン)にも合うこと間違いなし!!いろいろな使い方でいろいろな魚が狙えそうです。

 現行のミッドナイトモンスターTRとスペックを比較してみると…
 ミッドナイトモンスター992TR  ルアーMAX 45g   ベスト ミノー 24g  バイブレーション 28g   自重 171g
 ミッドナイトモンスター1002TR LTD  ルアーMAX 45g   ベスト ミノー 28g  バイブレーション 28g  自重 166g(プロト)

 同じミッドナイトモンスターTRでも、ノーマルとLTDでは、やはりだいぶ差が出ます。
 先ず、ルアーのベストウエイト。ノーマルのTRだと、ミノーとバイブレーションにウエイト差が出ています。ここら辺が、リミテッド製法か否かの違いでしょう。
 さらに把握しておくべきなのが、レングスとロッドウエイトの差。
 LTDの方が、3インチ長いのに、あくまでプロト段階ですが、5g軽くなっています。この違い、わずかなようで大きな差です。
 たとえば、一本のロッドで磯場へも入りたいとなったとき、やはり最低でも10FTの長さが欲しくなります。でも重たいロッドでは、長くなる程疲れるし、取り回しも悪くなり、釣りをしていてストレスを感じます。磯からサーフに戻り、長時間釣りをするとなると尚更です。こうしたストレスを払拭してくれるロッドが今回のミッドナイトモンスターLTDと言えるでしょう。

 結論!!
 磯をメインに攻めるならモスのシリーズ。サーフをマヅメやデイに攻めるなら、ベビーウエイトバイプやメタル系、そして中型ミノーが扱いやすいモンスターサーフシリーズ。夜・昼関係なしにサーフメインで長時間釣りをするならミッドナイトモンスター。特にLTDはサイコー!!そういう感じになるでしょう。

 以上、ロッドを選ぶ際の参考にしていただけたら幸いです。

 なお、ミッドナイトモンスター1002TR LTDは9月末頃発売予定ですが、今から予約を受けさせていただきますので、よろしくご検討ください。



レボMGエクストリームの発売に寄せて  2018年2月28日

 前回このページを更新してからほぼ1年が経過しました。べつにサボっていたわけではありません。その間、いろいろなことを一生懸命やっていました。
 特に、自分が考案した鯛ラババイプレーンの良さを皆さんに知ってもらい、その良さを生かす使い方をしてもらうことに全力を注いでいました。
 今までの鯛ラバとは全く異なる発想から生まれたものであるが故に、先ず、その利点を理解していただく段階で困難を極めました。ですから、バイプレーンの普及を全国規模でやっていくというのは大変なことでしたが、それが自分に授けられた天命だと感じています。天命に背く生き方は、私にはできません。

 自分しか気付かないこと、自分にしかできないことを大切にし、世の役に立っていくこと、そしてそのことを通して自分と関わり、自分を大切にしてくれた人たちを幸せにしていくこと、その思いで日々精一杯生きる!それだけです。

 そうした意味で、今は鯛ラババイプレーンが私の人生のかなりの部分を占めているのですが……
 アブガルシアのスピニングリールについては、2年前、このページで私の思い・考えを詳細に綴りました。
 だから、つい先日最上位機種レボMGエクストリームが発売になった以上、そのことに触れないのは、無責任だと思い、書くことにしました。

 2015年までのアブガルシアのスピニングリールには、高級・高性能リールとして皆さんにオススメできるものはありませんでした。
 その状況が大きく変わったのが、2016年に発売されたレボMGX、PRM、ALXのシリーズからでした。
 その段階で、ダイワやシマノを超えたと思われたのが、キャスト性能の素晴らしさ・ライントラブルの無さとドラグ性能の素晴らしさでした。塩噛みやサビに対する対策もなかなかのものでした。加えて、デザインの良さは伝統として受け継がれており、見た目も3社の中で最も洗練されていました。
 しかしながら、使用中にギア関係やストッパーの不具合が多く発生し、お客様をがっかりさせたことが何度もありました。その点が本当に残念で、私も度々落ち込みました。

 それでも私はアブガルシアのリールを売り続けました。お客様には正直に、不具合が発生する可能性があることを伝えてでも、そうしてきました。
 私は、それもすべて新しいことに挑戦しているが故、通過点として起きていること!ととらえていたからです。
 リールのボティ構造や材質・精度は素晴らしいのです。ドライブギアも良くなりました。ただ、他のパーツや組み立て技術が追いついていない。
 人間でいうと腹筋と背筋の両方をバランスよく鍛えずに、一方ばかりを強くすると、ぎっくり腰になってしまう!いわばそういう状況だと見立てていました。

 チャレンジしない限り、失敗は起きません。キャスト性能・ライントラブルの無さとドラグ性能では、ここまでやれたのだから、近い将来、今トラぶっている箇所も必ず改善される。私はそう予見しました。そして、その考えに理解を示していただき、不具合発生後もアブガルシアのリールを買い続けられるお客さんがかなり居ました。私は、そういうお客さんに心から感謝したいです。

 今、その見立てが間違っていなかった、と思えています。正直、まだ完璧ではありません。シマノの最上位機種と比べれば、ギアやシャフト関係の精度と強度、設計の巧みさでは、依然としてやや劣っているように感じます。でも、かなり改善され、進化したなあ、とMGエクストリームを回して感じました。

 入荷した2000S、2500SH、3000SHを回して感じたことは、2500SHと3000SHの回し出しの軽さ、軽快な操作感、ノイズの無さです。史上最高の軽快な操作感を誇っていたヴァンキッシュをも超えたのでは?と思えるほどです。それだけに、逆に、これだけ軽くスムーズな回転で、大物を掛けたときや耐久性は大丈夫か?と心配になります。
 対して、2000Sはノーマルギアのため、回し出しこそ軽いものの、硬さを感じる仕上がりになっています。シャリシャリ感も多少あります。個体差でしょうか?それとも何か意図があってのことでしょうか?
 普通考えると、サイズの大小で逆の味付けが無難な気がするので…何か意図があってのことのように感じ、私なりに理由を想像しています。
 私の考えをここに書きたいですが、想像の域を出ないことをいっぱい書くのはどうか?とも思いますので、今回は書くのを止めておきます。

 肝心な不具合の有無については、実際にフィールドで使ってみないと分からない部分もあるのですが、2016年のレボ各機種でいろいろあったので、そのせいか?おかげか?かなり店頭で回すだけで見定める方法をつかみました。それで判定した限りでは、今回のモデルは、かなり改善された2017年のレボ ロケット以上にしっかりと造ってある。そう感じています。結果、不具合もほぼ無くなるのでは?そう思います。

 それから…これが一番重要なのですが…今回のMGエクストリーム、とんでもない凄い進化を遂げた箇所が一箇所あります。
 昨年10月の内覧会で触り、今年になってからも問屋の展示会で触り、フィッシングショーで触っていたにも関わらず、その凄い進化に気づきませんでした。
 今日になって初めて気がつきました。盲点でした。バイプレーンの穴の形状と同じように、凄いことなのに、ほぼ100%の人がスルーしてしまう。世の中にはそういうことがいっぱいある!改めてそう感じました。
 それがリールのどの箇所か?これも具体的なことは書けません。私が書くと他社にその情報が筒抜けになってしまうからです。
 土田舎の小さな小売店ですし、リールをたくさん売っているわけでもないのですが、私が書くこと、私がやっていることが皆、気になり、このHPを多くのメーカーや小売店が見ています。
 釣り人のためだからこそ、私の意見に耳を傾けながらリールを造ってくれている貴重なメーカー(ピュアフィッシング)が、私の安易な一文で不利益を被ることがないようにしないと申し訳ないです。

 とにかく、よくぞここまで造り上げてきた!と言える。今の感想はそういう感じです。
 他のメーカーが高級リールの部門から撤退していった中、3万円台のリールを世に送り出してから2年後に、今度は4万円台のリールへとステップアップしてきました。
 そして、出来もなかなかのもので、「よくぞここまで造り上げてきた!」そういう感じがしています。

 早速、私は3000SHを試しにおろし、かなりハードに使って、強度・耐久性がどうか?確認してみようと思います。

 よろしければ、是非皆さんも、買う買わないは抜きにして、店頭にてその進化の度合いをご体感いただければ!と思います。 

 最後に、今後、ピュアフィッシング社にお願いしたいことを一言!
 それは、リールを改良していく際、今までの経験にとらわれ過ぎないようにしてほしい!ということです。これはピュアフィッシング社のリールだけでなく、すべてに通じることなのですが…
 自分の経験を最優先して物事を判断していくと、ものの見方が一面的になってしまい、改良の方向を見誤りがちになるように思います。

 私は、歳をとってきて、自分の経験だけから結論を導き出さないよう、心がけるようにしています。世間一般の人とは真逆の考え方かもしれませんが、そういう気持ちでいないと、より良いものを見定めることはできないし、より良いものを作っていくこともできない。より良い新しいものを作っていく際には、経験が邪魔をする!そのことをひしひしと感じるようになったので、そうしています。

 結論、お客さんがくれる数多くのデータが何よりも貴重だと思うのです。それを理に照らし合わせながら今までと違う角度から分析し、製品にいかにフィードバックしていけるか?これがキーになると思っています。


楠ノ瀬直樹氏と名作ペニーサックA  2017年3月3日

 一時は全国各地でワゴンセール品となり、そのまま消えていきそうだったペニーサックでしたが、やがてその流れに変化が出てきました。
 当時、伊良湖での爆釣に加えて、山口県の下関からも「ペニーサックはよく釣れる。スゴいルアーだ。」という声が頻繁に聞かれるようになっていました。HALの大作氏は、その情報を全国のアングラーや小売店に広めていきました。そのかいあって、いつの間にか、全国のアングラーの間に「そんなにいいのなら、試してみようか」という空気が生まれてきました。もともと優れた性能をもったルアーです。この流れができたことで、ペニーサックは特売品どころか、通常価格でよく売れるようになっていきました。

 それからは、とんとん拍子です。やがて、ヒグチオリカラを発売するようにもなりました。少なめの数量でも好意的に対応してくださったHAL社には、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
 既にその中に、オリカラの定番中の定番になっている「渥美メロン」や「恋路コノシロ」があったわけですが、当時の名前は「マットゴーストライムチャート」と「ハーフミラーコノシロ」でした。しばらくしてこれらに、思い切って「渥美メロン」と「恋路コノシロ」というローカルネーム(御当地名)を併記するようにしました。そういうネーミングを採用しているメーカーや小売店は皆無に近く、まさに冒険でした。最初はお客さんにも戸惑いがあったようですが、お蔭様で、今では皆さん、ローカルネームの方で呼んでくださるようになりました。

 HALからも、ペニーサックの第2弾としてMOKKAが、第3弾としてタングステンが、第4弾としてバプルスターが発売され、ペニーサックの地位はさらに高まりました。そして、ついに、HALとの契約が無いにも関わらず「良いルアーだ」ということで、全国的に有名な泉裕文氏からオリカラのリクエストが入りました。こうして、泉氏個人のオリカラ「イズミジャイアン」が、HALから限定発売されました。ついにペニーサックは、押しも押されぬ名作として名をとどろかせることになったのです。

 このペニーサック成功のベースになったのが、開発者、楠ノ瀬直樹氏のルアービルダーとしての才能と情熱でした。ほとんどの方が知らないと思いますが、実は一度、楠ノ瀬氏がひょこりと当店を訪れてくださったときがありました。アポなしでしたので、びっくりしました。が、嬉しくて感激もしました。当店がペニーサックを力売しているということで、片田舎の小さな店なのに遠路はるばる足をのばして下さったのですから!ただ…中野大輔氏が言われるように、楠ノ瀬氏は、とにかく話しが好きで、しかも長い。このときも、いつもお客さんと長話しをすることになんの抵抗も感じない、そんな私ですら、ビビりました。
 話しがエンドレスなんです。同じネタを何回聞かされたことか!!私が暇なら別に問題ないんですが、やらなければいけない仕事があるのに…4時間くらい拘束状態だったでしょうか。空気を全く読まず、お構いなしです。でも、それが彼らしく、憎めませんでした。そこに、ルアーづくりに対する情熱、釣りそのものに対する情熱を感じたからです。

 「ペニーサックは最初、駄作で、まともに泳がなかった。それを何度も手を加えて、良い動きをするように仕上げていったんだ。」と、何度も繰り返す彼の語りには、ルアー職人としての意地と誇りがありました。
 もしも過去に、こうした彼の努力が無く、できそこないのまま売られていたら?ペニーサックはワゴンセールのまますぐに消えていたことでしょう。ということは、輝かしい過去も、先日の釣果報告も無かった、ということになります。
 すべての好結果は、いろいろな偶然と必然が重なり合って生まれてくるもの!ペニーサックの歴史を振り返るとき、必ずそんな感慨に浸ります。
 そして、私は、釣具店の店主として、誇りをもってペニーサックの素晴らしさを、これからも少しでも多くの人に伝え続け、それを生かし続ける努力をして行かなければならない。
 それが楠瀬氏の熱意に対しての最高の恩返しなるはず!そう思っています。

 最新号(4月号)の雑誌『ソルトウォーター』に、『楠ノ瀬直樹氏の追悼特集』が大々的に組まれています。そのなかには、中野大輔氏が語る「MOKKA誕生の秘話」もあります。是非、ご覧ください。


楠ノ瀬直樹氏と名作ペニーサック@  2017年3月1日

 昨日の朝、シーバスの持ち込みがありました。「夜中に釣れました。ヒットルアーはペニーサック初代の石門ボラです。」(写真とデータは釣果情報のページに掲載しました)
 嬉しい報告。天国に居る開発者、楠ノ瀬直樹氏の耳にその知らせは届いたでしょうか?

 昨年の12月半ばに、HALの大作氏から、一本の電話(突然のとても残念な知らせ)が入りました。「今朝、楠ノ瀬が亡くなりました。」突然死だったそうです。釣具業界は、また1人優れたルアービルダーを失いました。

 思えば、その頃、伊良湖シーバスで、やけにペニーサックが好調で、良型サイズが連発していました。ここ最近は、毎年、飛距離で勝り、汎用性も高いニューシートプス135がランカーシーバスのキャッチ数では、最も多かったのですが、昨シーズンの終盤(12月上旬〜1月上旬の1か月間)は、ペニーサックが断然でした。
 12月3日に、ペニーサック初代の伊良湖菜の花(ヒグチオリカラ)で、87cm 5.30kgのシーバスがキャッチされ、12月12日には、ペニーサック初代の渥美電照菊(ヒグチオリカラ)で、86.5cm 5.42kgのシーバスがキャッチされました。そして最終的には、この2尾が、昨期のLST(ロングスパントーナメント)に登録された総数181尾の中で、3・4番を占めるかたちとなりました。
 シーバスだけでなく、なんとヒラメまで好調で…12月13日に、ペニーサックMOKKAの伊良湖夜桜(ヒグチオリカラ)で、70cm 3.28kg、1月11日に、ペニーサック初代の石門ボラ(ヒグチオリカラ)で、74.5cm 4.22kgがキャッチされました。
 名作の力は偉大で、永遠不滅!それを再び知らしめた、そんな1か月間でした。

 今でこそ、ランカーハンターとして名をはせているペニーサックですが、発売されてしばらくの間は、決して順風満帆なスタートではありませんでした。バスルアーならともかく、シーバスルアーにあるまじき、そのキテレツなフォルムが仇となり、ほとんど売れなかったのです。
 でも私は、キャストし、泳がせてみて、条件さえ合えば、このルアーはかなりイケるはず!と読んでいました。しっかりと水を押していながら、重すぎず暴れすぎない動きの感触。バランスの良い動き+時折見せる左右へのダート。秀逸なところが多々ありました。
 そして、このルアーが火を噴くときがやってきました。かれこれ10年以上遡った12月。雨前の凪の夜、伊良湖岬西磯にて…私が竿頭となる5尾ヒット達成!がそれでした。

 私は確信し、お客さんにペニーサックを薦めました。最初は半信半疑だったお客さんも、徐々に積み重ねられていく他のお客さんの好釣果の影響を受け、「これは釣れる」という思いへと変わっていきました。こうして当店では、ペニーサックが一大ブームになりました。
 しかしながら当時、全国的には、真逆の動きが起きていました。多くの店がワゴンセールの一品として処分し始めていたのです。
 今でもそうなのですが、ほとんどの店が、そのルアーの良し悪しを吟味して売るのではなく、人気があるものを積極的に仕入れて売る!人気が出ないものは仕入れるのを止めて処分する!そういう感じでした。だから、ある店があるルアーを特売品にすると、どの店も同じルアーを特売品にして処分するという図式になっていたのです。そして、その対象としてペニーサックが指名されていました。
 ペニーサックは、その素晴らしさを理解されないまま、世の中から消えていく…これを変えることは難しい、そんな流れができていきました。

 ここから先は、次回、ペニーサックの復活劇へと続きます!


付け足し  2017年2月22日

 新製品関係で書き忘れたことがありました。私が今一番時間を割いている鯛ラバ関係のことです。「鯛ラバ道」のページに書いてもいいのですが、先ずは、こちらに書くことにしました。後日よく似た内容が「鯛ラバ道」にも掲載されるかもしれませんが、よろしくお願いします。

 鯛ラバのヘッドそのものについては、当然バイプレーン中心になるのですが、ロッドやリールについては、気になるものがありました。

 先ず、ロッドですが、テンリュウのレッドフリップ早掛けモデルを取り上げたいです。正直、絶対的にオススメしたいというわけではありません。というのは、超極端な調子なのです。これ、カワハギ竿では?と思えるくらい、ティプしか曲がりません。メーカー曰く「アタリがあった瞬間にすべてアワセていく竿」だそうです。それを聞いて、ひょっとしたらフックにトレブルを推奨するのか?と思いきや、ストレートのシングルが良いそうです。ではヘッドは?それについては、何もありませんでした。そこまでやるなら、「バイプレーンが最適」とか、具体例をあげて言えるようじゃないとおかしいでしょ!フッキングを一気に決めようとしているのに、ヘッドの力学的特性に目を向けていなくて、大丈夫か?メーカーの今後の発言と展開に注目していたいです。

 一方では、全体的にしなやかなフルソリッドのロッドやティップのみソリッドだけど全体的によく曲がるロッドもありました。こちらはこちらでおもしろいなあと感じました。代表例としては、オリムピックのヌーボパグロ69UL−GS、ショーではなく問屋での展示でしたが、メジャークラフトのフルソリの鯛ラバ用の一番柔らかなモデルなどがそれにあたります。

 そして、これも問屋展示会で見つけた…ピュアテックのロッド。エボラバーZZ。北近畿用として開発という、コンセプトがはっきりしているところがいいなあと感じました。ディープ中心の釣り、丸型リール、ヘビーウエイトのヘッドに対応、といろいろ考えて作られています。伊勢湾口も共通項がいくつかあるし、調子的にもオススメしたい一竿です。

 リールは、アブガルシアのレボ TRVです。これには感動しました。昨年10月に行われた内覧会ですでに展示されていました。そのとき、「だいだいの箇所は良いけど、ドラグの精度がイマイチ。鯛ラバ用としてこういうふうに極めてほしい」と私がリクエストしたのですが…ショーまでに見事に調整してくれてありました。
 リールでそういう対応をしてくれるの、ピュアフィッシングだけです。私がアブガルシアを推すことが多いのも、そういう理由によることが多いです。別に私の意見だから「言うことをきけ!」というわけでは無く、私としては、釣り人のほうをどれくらい向いてくれているか?釣具業界のの未来のためにどうしたらいいか?が重要なのです。

 最後に、一番肝心なフックについてですが、ルアー用フックは、フッ素コーティング一色でした。確かにフッ素コーティングを施すと刺さりやすくなりますが、バレやすくもなります。「悪い」とは言いませんが、ユーザーの皆さんには、一長一短あることを伝えていきたいです。


フィッシングショー雑感A  2017年2月21日

 早速続きを書きます。リールについてです。

 昨年、私はこのページでアブガルシアのスピニングリール、レボシリーズを紹介しました。
 それから1年、大勢のお客さんにレボシリーズをお買上げいただきました。私も現在、3台(MGX2000S、PRM4000SH、2500SH)を使用しています。先ずはその感想から…。
 正直、ほとんどの面で、大手2社(ダイワ、シマノ)を超えたと思います。1・2年の間によくぞここまで性能を高めた!と思いました。ただ、残念だったのが2点。その1つがリールの個体差(アタリハズレ)が大きいということです。お買い上げいただいてすぐに、一部パーツが外れ、お客様にご迷惑をお掛けしたこともありました。これは他社についても言えることなんですが…。組み立て職人のスキルを上げるとか、検品体制をしっかりするなどして、未然になんとかして欲しいというか、そうするのが当然のことだと思っています。
 そして、もう1つ、こちらも個体差と関係があるのですが、レボシリーズの多くのリールに見られたので、別枠で取り上げます。それは、ギアの固着が度々あったという点です。リールに課せられた最大の使命は、ラインを巻き取ることです。ギアが固着し、それが一瞬であれ、ストップしたり、重たくなったりしてしまっては、それをスムーズに行うことができません。これは釣りがスムーズに行えないことを意味しています。販売した1/3位のリールにその症状が発生しました。このことでは、さらに大勢のお客様に大変ご迷惑をお掛けしました。そのリールをオススメした身として、大変申し訳なく思っています。
 そんな状況の中で、救いだったのが、ピュアフィッシング社リペアセンターの対応の誠実さでした。このトラブルに対し、早く無償で対応してくださいました。会社としても対策を講じ、最近製造されたリールについては、ほぼ100%ギアの固着が起きないようになっているようです。実際、最近仕入れたレボシリーズのリールについては、この手のトラブルが無いようです。(但し、理想は、こういう不具合が起きないよう、店頭に並ぶ前に、きちんとテストをしておくべきです!)

 そんな折、今年、レボのNEWバージョンとして、史上最速の巻き上げを誇るロケットが、間もなく発売されることになっています。フィッシングショーでも展示されていましたが、かなりの仕上がりです。担当者から「ギアの固着については、もう大丈夫!」とお墨付きを頂いているので、今までよりも安心して使えそうです。このリールですが、ギア比が1:7.0。過去のスピニングにない超ハイギアです。同じ方向にギアを回転させればいいベイトリールと違い、スピニングリールは回転方向を変えなければなりません。それだけにハイギアになればなるほど、難しい点がいろいろと出てくるもの。だから今までベイトでは8.0のギアがあるのに、スピニングではせいぜい6.0を少し超える程度でした。まあ、すべてにハイギアが有効というわけではなく、私のように、ナイロンやフロロラインを使った夜の釣りがメインの者にとっては、出番が多いわけではありませんが、それは私の話であって…巷で過半数を占めているPEラインを使うソルトゲームやバスのワーミングなどでは、糸ふけを素早くとったり、ルアーを速く回収したりできますから、かなり重宝することでしょう。
 で、このレボ ロケットの凄いところは、超ハイギア故に負荷が強くかかるピニオンギアにアルミニウム青銅が使われている点です。この材質はとても硬く、強度と耐久性がありますが、加工に手間がかかり、高価です。だから、従来のリールでは、ソルティガクラスにしか採用されていなかったのです。それを今回、なんと定価2万円台の小型リールに採用したというのが驚きです。しかもベアリングは全部で11個、うち4個がソルトシールドタイプです。このスペックは、定価3万円後半のMGXと同じです。シマノが数千円のリールにハガネギアを採用したというのも驚きでしたが、私的には、レボ ロケットの方が驚きでした。

 ダイワ、シマノではやはり、モアザンと、ツインパワーXD、エクスセンスが気になりました。その3機種の中で、私的に使ってみたいのは、ツインパワーXDです。モアザンはかっこいいですが、前作からあまり変化がないようにも感じましたし、モノコックボディの3500はさすがに重たいです。これだとソルティガとデザイン以外どう違うのか?よく分かりません。その点、ツインパワーXDは上手に隙間をついてきた感があります。但し、売る方としてはアイテムばかり増えて大変です。ユーザーのためにも、もう少し小売店が売りやすいようにはできないものでしょうか?エクスセンスはヴァンキッシュベースだけにボディが軽くて、回転も軽くスムーズです。でも、高価な割にデザインは…。個人的な好みはあるでしょうが、私的にはいただけないというか、どうしてここまでして無理やりシーバス専用を作る必要があるのでしょう?ライバル企業がやってくるから?そう思えてしまいます。

 ラインで注目したいのが、すでに新入荷で紹介しました。ゴーセンの光るエステル ルミナシャインとよつあみのWX4F1です。WX4F1は、伸び率が違うためうまく組み合わせられないと言われていたPEとフロロを合体させたものです。もしもこれがキャスティング用として使えるなら、風や波に強くて、感度がバツグンのラインになるのでは?ラインの画期的な進化になるかもしれません。

 以上、フィッシングショーで私が気になったものをあげてみました。あくまで私の目線ですし、忙しくて見逃したものも多々あるはずです。その点をご承知おきください。


フィッシングショー雑感@  2017年2月20日

 このページ、久しぶりの更新です。『鯛ラバ道』の更新に追われていて、全然できていませんでした。
 ですが、この時期になるとフィッシングショーがあるので、やはり書かなくては…と思い、久しぶりに更新することにしました。
 但し、今年のフィッシングショーでは、自らが開発した鯛ラバ バイプレーンの販促が最優先でしたので、ほとんどクロスツーブースにいました。そのため、全体的にじっくり見ることができませんでした。ということで、分かっている範囲での感想になりますし、当店で売れそうなものに焦点を絞りたいと思いますので、ご承知おきください。

 ルアーで一番気になったのは、まだプロトの段階ですが、アピアのドーバー140Fでした。メガバスと業務提携してアピアがどのように変わるのか?興味もあります。先日、名古屋キープキャストでメガバスのある社員さん(バスバブル時代に入社された方)と話をしたのですが…ずいぶん変わりましたね、メガハスさん!しかもかなりいい方向へのチェンジです。もう、バブルで浮かれていた頃とは全然違います。しっかり作り込んで、息の長い商品にしていこうという決意があります。ドーバー140Fも今徹底的にテストしているそうです。どのように仕上がるか?期待して待ちたいです。

 次にルアーで注目したいのが、自分が常駐していたクロスツーブースに展示されていたルアー。バイブレーション フェニックスと、ジグミノー エクシア鰹です。フェニックスについては、私もテストに携わりました。最初から飛距離はバツグンだったのですが、泳ぎがなかなか安定せず、ダメ出しをしました。それから改良が加えられて、ようやくかなりいい感じてアクションするようになったので、クロスツー初のバイブレーション(鉛製)として発売決定となりました。一方、エクシア鰹は、クロスツーの優秀な社員、大石さんがデザイン+徹底的にテストをして完成させました。35gと45gがあり、35gは伊良湖西磯等のシーバスにもまず間違いなくイケるはずです。
 今年は、先にあげたドーバー140Fと、フニックス、エクシア鰹が伊良湖シーバスの注目株になりそうです。

 あと、ライトソルト系のプラグやワームが目立ちました。こちらは、入荷次第、「新入荷」のページに紹介していこうと思います。

 ロッドでは、がまかつのティガロが気になりました。Gクラフトほどのパワーと感度は無いですが、軽く、しなやかで且つシャープです。ルアーが楽に飛ばせ、疲れないロッドですね。今までのがまかつのイメージ一新です。

 あと、ロッドでは、宇崎日新が張りの強い攻撃的なロッドをいっぱい展示していました。特にアジングロッドは、やり過ぎでは?と思えるくらいパシパシの調子です。「ゆったり」のイメージが強かった宇崎日新もイメージ一新です。

 今回は、ここまでとし、ラインとリールについてはAで取り上げます。


NEWバイプレーンの発売に向けて  2016年6月2日

 最近、このHPで告知していますように、私が開発した鯛ラバ『バイプレーン』が、この夏、新たに60g〜160gまでのフルラインナップで全国発売されることになりました。当初は、来春発売の予定でしたが、釣りビジョン ギアステーションの収録の関係で前倒しになりました。
 ですから、正直、そのことで、今とてもバタついています。発売までにやらなければいけないことが多々ありますので!!
 その中の1つが、『バイプレーン』のどんな部分が、他の鯛ラバよりも優れているのか?他の鯛ラバにない魅力とは何か?そこらを釣り人の皆さんに分かりやすく解説をしていくことだと考えています。
 そうした思いから、これを機会に、今まで、私が鯛ラバをやりながら、考えてきたことをまとめてみようと思いました。このページに綴っていってもいいのですが、全国発売を控えていますし、せっかくだから、別のページを起こしてみるつもりです。
 すでに実用新案を通しているし、どれだけ手の内を公開しても、マズいことは、ほとんどないハズなので、いつも以上に超マニアックな内容で、鯛ラバの世界の核心に迫っていきたいと思っています。


レボMGX 使用レポートB  2016年5月10日

 またまた前回の続きを書いていきます。
 後、リールの評価として考えられる主なものとしては、デザイン、軽さ、感度、耐久性があると思います。
 デザインと軽さは、使ってみなくても、店で触れてみれば分かります。
 デザインについては、人それぞれ好みがありますから、主観的要素が強くなると思いますが、お客さんの評判としては、全体的にアブ→ダイワ→シマノの順です。アブのデザインは派手すぎないのにオシャレだということで概ね高評価です。それに対して、最近のシマノのデザインはダサいし、外見だけでは、1万円のリールも5万円のリールも同じ価格に見えてしまうと、評価があまりよくありません。私の評価も同じです。
 軽さについては、すでに紹介しているように、レボMGXの軽さは素晴らしく、大変満足しています。
 次に感度ですが、これは評価が最も難しいです。人によって感じるレベルや感じる場面が大きく異なるからです。私の場合、シーバスやマダイの前アタリ(ルアーやフックに触れる前のアタリ、ルアーに近づいた瞬間)は分かることが度々ありますが、メバルのような小さめの魚の前アタリは分かりません。そんな私ですが、最近は、今まで感じられなかった新しいアタリを感じられるようになりました。ラインを通して手元に伝わる感触が硬くなるというものです。普通のアタリが(ハムッとか、モゾッとかいうアタリすら)全く出ないくらいメバルが上手にワームをくわえてじっとしているときに、そういう特殊なアタリが出るように思います。メバルがワームをくわえることで、ワームの揺らぎが消えるため起こるのでは?と考えています。
 PEラインよりも感度で劣るフロロラインを使っているからかもしれませんが、今までそれが分かりませんでしたが、リールとロッドを替えたら、かなりの確率で分かるようになりました。リールは当然MGX2000Sで、ロッドはアレスのベルダンディ ガンマです。ロッドを替えた効果が一番大きいでしょうが、リールもプラス効果をもたらしていると思います。いずれにせよ、今回のレボは硬いギアを使っていますし、ギアの噛み合わせもしっかりしているので、ノブはEVA製ですが、感度は悪くないと思います。
 ということで、EVA製のノブについても、滑りにくく感触がとてもいいので、気に入っています。
 最後に耐久性ですが、こちらはもっともっと使ってみないと、なんとも言えません。ダイワやシマノの場合、ほとんどのスピニングリールで最初におかしくなるのは、ラインローラー周辺です。ダイワのマグシールドやシマノのコアプロテクトにより、耐久性は向上しているはずですが、それでも数年経てば、かなりの確率でダメになります。そんなとき、重要なのが、アフターサービスの対応です。正直言って、ダイワやシマノは概ね対応が遅いです。その上、高額リールになると、とんでもない修理見積額を提示されることが多々あります。
 その点、ピュアフィッシングの対応は、親切で迅速です。修理代金も、よっぽとのことが無い限り、高額請求はされないと思います。そこらへんは助かります。後は、ソルトシールドベアリングの耐久性が通常の防錆ベアリングよりもかなり優れているのか?ギア・シャフト関係やラインローラー周辺の強度・耐久性は十分か?そして、マグネシュウム合金ボディが内部腐食することはないか?などが気になります。これらの点については、また分かり次第随時お知らせしていきたいと思います。
 では、最終評価を…。
 前回予告したように、メバリングを釣りのメインに考えるということで、重量のあるセルテートやツインパワーではなく、価格は少し安いですが、敢えて良く似た色合いのルビアスやストラディックCI4+を比較対象と考えます。
 先ず、キャスト性能、ライントラブルの少なさ、ドラグの性能と使いやすさでは、レボMGXが一番だと思います。デザインもレボMGX。軽さは、3機種、ほぼ互角。感度は、レボMGXについてのみ判定すると、水準以上というところまでは言えます。
 ギアの噛み合わせと回転性能については、ルビアスが一番巻き心地が軽く、安定しているように思います(私は、こちらも昨年から使っているので、ほぼ正確な評価のはず)。レボMGXも通常、巻きは軽いですが、一時的に回転不良が起こる可能性が高いというのが、大きなマイナスです。それと、個体差がやや大きく、たまに最初からギアのゴロツキが酷い個体があります。これは、ダイワやシマノにも見られることですが、アブはその頻度が高いように思います。
 どのメーカーにも、リールの販売は、安全(命)に関わるほどのことではないから…という甘えがあり、コストダウンが優先され、組み立て精度の向上がなされていないし、検品もしっかりできていないように感じます。精密工業製品でここまで生産品質管理がずさんなのはリール(釣具業界)だけではないでしょうか?
 ピュアフィッシングの場合、先にも書いたように、修理や交換の対応は誠実で迅速です。これは大きな救いですが、その前に、小売店が頻繁にリペアセンターに送らなくてもいいようなリールを流通させていくことが何よりも重要だと感じています。
 話しが少々横道にそれました。ストラディックCI4+については、展示会で触れただけですが、そのときは、なかなかの仕上がりだなあと思いました。何よりもCPが高いのが魅力だと思います。但し、頑丈さを売りにしていたストラディックシリーズに、軽量モデルを加えるのはどうなのか?という声はあります。私も、別の名前にすればよかったのに…と思います。それと、シマノの場合、同じ色合いで、素晴らしい完成度を誇るヴァンキッシュがあります。だから、シマノを選択するなら、ランクを上げて、ヴァンキッシュを!という方は多いのではないでしょうか?
 以上、長々と綴らせてもらいました。
 正直、個人的な思いとしては、ピュアフィシングを応援したいという気持ちが強いです。それは企業経営の姿勢に対する私の評価からきています。(書き出すと長くなるので、また別の機会に書くつもりでいます)
 ただ、だからと言って、嘘をついて、評価をゆがめ、アブばかりを薦めるようなことはしたくありません。だから、自分の見立てで、公正・公平に分析・評価し、分かっている範囲で、良いことも悪いことも、正直に書いたつもりです。
 今までのアブのリールと比べ、今回のNEWレボスピニングは格段に進化しており、国産メーカーと肩を並べ、追い越すのでは?というところまで来ているのは事実です。後、どれを選ぶのか?最終的な判断は、お客さんにゆだねられています。

 ※ もしも当店で買われたアブのリールに不具合が発生した場合は、遠慮なくお申し出ください。場合によっては、すぐにリペアセンターに出すなどの対応をしていきたいと
   思いますので、よろしくお願い致します。

 ※ お約束通り、先日からレボPRM4000SHも使い始めています。ある程度の回数使用しましたら、こちらのインプレも紹介したいと思います。お楽しみに!


レボMGX 使用レポートA  2016年5月8日

 では、前回の続きを書いていくことにします。今回は、ドラグ性能の評価から入ります。
 これもキャスト性能と同じく、絶品レベルに仕上がっていると感じています。はっきり言って、こちらも大手2社を超えています。私の場合、魚とやりとりしながらドラグを調節することが度々あるのですが、そんなとき、ドラグノブの回し角度とドラグの効きの変化のバランスがとれていることが重要になります。そのセッティングが今回のNEWレボシリーズは絶妙なのです。使ってみて、細いラインで、大きなメバルとやりとりして、はっきりと実感しました!
 最もマズいのがダイワのドラグです。高級リール程、ドラグノブを何度回してもドラグの効き具合がほとんど変化しないセッティングになっています。ドラグの作動を正確にするため、効き具合を緩やかに変化するようにせざるを得なかったのでしょう。でも、これでは困ります。とっさの調節が間に合わないからです。
 一方、シマノは、急に効き過ぎる傾向があります。それと、ドラグノブをもとに戻しても、ドラグの強さが前と同一に戻らないというか、滑り出しの際に、強い引っ張りが必要で、その後は、若干効きが弱くなる傾向があります。
 今回のNEWレボのシリーズには、大手2社に見られるような欠点がありません。売りにしているカーボンマトリックスドラグは、もうだいぶ前からアブのリールに採用されていましたが、過去のリールのドラグ精度は悲惨で最低なものでした。それが1年足らずの間に、最高になっているのだから、びっくりです。
 ただ、1つ、気を付けたほうがいいことが…。ドラグワッシャー部には、水が入りにくい設計になっていますが、ドラグノブとスプールの間には、かなり水が溜まります。ということで、帰宅後に水洗いをしたら、手間はかかりますが、ドラグノブを外し、スプールの淵にたまっている水をふき取ったほうがいいと思います。
 次に、リールの出来を評価する上で、キャスト性能と並んで、最も重要視すべき性能の1つ、巻き動作の快適さについて…。
 こちらは、不具合が生じたことがあったわけですから、とても完璧とは、言えません。それと、巻き動作の快適さを評価していく際、釣りのスタイルに合わせて評価することが重要で、2000Sのような番手は、ゆっくりした釣りにも対応するためのモデルなわけで…それなのに、ゆっくりした釣りで、回転に多少なりとも不具合が生じたというのは、いただけません。
 その点でいうと、最近のシマノのリールは全体的に優れています。特に、前モデルは悲惨でしたが、今春発売になったヴァンキッシュは素晴らしい仕上がりになっています。’14ステラが発売された際、その回し出しの重さに愕然としました。確かに速く回した時のノイズは少なかったですが、これでは、ゆっくりした釣りが快適にできない!そう思いました。それが、今回のヴァンキッシュは、ステラと同じようなマイクロモジュールギアを採用しながら、回し出しの軽さ、ゆっくり回した時の快適さが際立っています。もちろんマイクロモジュールギアにより、ノイズの少なさの面も優れています。ローターを改良するとこれほど回転が変わるのか!と驚かされました。後は、マイクロモジュールギアのパワーと耐久性がとうか?ですが、メバル釣りに使うということなら、そこらへんは、クリアできるのでは?と予想しています。
 ダイワのリールでメバル釣りに使うなら、セルテートよりもルビアスがいいと思います。ギアのセッティングがソフトになっており、耐久性やパワーではセルテートに劣るでしょうが、巻きの軽さやノイズの少なさは勝っていますし、ボディも軽いですから…。
 で、メバル釣りのようなライトでスローなゲームを中心に、巻き動作の快適さについて、大手2社との比較で評価していくと、正直、NEWレボの優位性は微妙です。ワンピースボディを採用し、ギアも国産の硬いギアを使っていますし、ギアがいかにもしっかり噛み合わさっている感じがあるので、パワーと耐久性はいいんでしょうが…店で空回しすると、多少の差はあれ、ノイズが気になることがあります。但し、この点については、ロッドに装着して実際に釣りをすると、ほとんど感じなくなりますし、不具合さえ生じなければ、スローに回しても、回転はスムーズで軽いです。何よりも回し出しが軽いのがいいです。そして、魚を掛けて、やりとりする際も、大手2社の高級リールと同様に快適です。
 結論、巻き動作の快適さについて、レボMGXを超えていると感じるのは、NEWヴァンキッシュです。但し、価格は、レボMGXよりも買値で2万円近く高くなります。そう考えると、価格は少し安めになりますが、ダイワのルビアスか、シマノのストラディクCI4+あたりがライバルと言えそうなので、次回は、それらと比較を中心に、レボMGXの評価をさらに進めていきたいと思います。


レボMGX 使用レポート@  2016年5月7日

 レボMGXシリーズが発売されてから約2ヶ月が経ちました。皆さんにお約束したように、発売と同時に2000Sをメバル釣りに使用し始め、既に8回釣行しています。使い続け、見えてきたことがいくつかありますので、書くことにしました。
 当店では、MGX2000Sを4台仕入れました。皆さんもご存じのとおり、リールには、微妙な個体差があります。特にギアの噛み合わせにその差が出やすく、それは、店で空回ししただけでもある程度分かります。で、私は、仕入れた4台の中で、一番ギアノイズが大きく、お客さんが敬遠されるだろうと思われるのを自分用としておろすことにしました。
 すると2回目の使用時の途中に、特定の場所で回転が重たくなる(つっかえる)現象が起きました。ロッドを下げてゆっくり巻き続けないといけない状況で、それを長時間続けていたら、不具合が起きました。次の日になっても不具合が消えないので、ピュアフィッシングにリールを出すと、すぐに無料でリール本体(スプールとハンドル以外)を交換してくれました。ギアノイズが少ない個体になり、もう前回のような不具合は起きないだろう…。
 次の使用では、大丈夫!やはり、前の製品が運悪く不良品だったんだと思いました。ところが、2回目の使用の際、同じ状況で、程度こそ軽いものの、また同じような不具合が発生したのです。ショックでした。
 とりあえず、今度は、ドライブギアの両サイドとシャフトにオイルを差して置いておきました。すると、次の日に、不具合が消えたのです。そして、3回目の使用では、最後までスムーズ。4回目の使用で、少し重たくなることがありましたが、程度としては微かでした。
 再度、同じ個所にオイルを差して置いておきました。また、不具合は消え、その後、5回目、6回目の使用では、一切不具合は起きませんでした。
 不思議です。毎回同じように使っていて、どうして2回目に起こるのか?そして、一度悪くなったものが、なぜ回復していくのか?
 気になって、同じMGX2000Sを買われたお客さん2人に確認をしたところ、1人は、私と同じような釣りのしかたで、同じような不具合が発生していました。2回目の使用中というのも同じでした。もう1人は、釣りのしかたが違っていたので、既に何度か使っていましたが、そうした不具合は一度も起きていませんでした。
 その後、PRM2000SHを買われた方から、同じような使用方法で、同じような不具合があったとの報告を頂きました。どうも、NEWレボの2000番に起こりやすいようです。
 こうした不具合が起きていることは、既にピュアフィッシングに伝え、早急に対策をうつように、お願いをしてありますが、かなり限定的な釣り方でのみ起こるため、まだ全国的にも事例がほとんどなく、原因も分かっていない、ということでした。
 私の考えですが、ロッドを下向きで釣りをすることで、スプールの重みにより、シャフト前部が前方・下方へ引っ張られ、シャフト後部が前方・上方へ引っ張られることで、想定外の負荷がギア周辺に掛かることが第一の原因になっているのではないか?と思うのです。
 ゆっくり回すことで動くパーツの慣性は低下し、パーツ接触部の摩擦が増大します。そのため、思わぬ負荷が掛かったり、少しでも歪みが生じたりすれば、つっかえる現象が起きる。そういうことではないでしょうか?
 具体的に、もう少し細かくここら辺が怪しいと感じている箇所はありますが、ここから先は勝手な想像でものを言ってはいけないと思うので書くのは止めます。但し、そこら辺のこともピュアフィッシングには伝えてあります。
 限定的な使用時であれ、一時的であれ、そして軽度(とりあえず釣りはできる)であれ、不具合が発生するということは決して良いことではありません。すみやかに問題解決されるよう、お願いしたいです。
 それにしても、MGX2000Sは不思議なリールです。一時的に起こる不具合が消えていく…なんか、負荷を掛けすぎて筋肉痛になった人間が、次第に負荷に慣れ、体力を向上させていくような…ある意味、人間的なリールだなあ、と感じています。
 一時的な不具合はありましたが、総合的にMGX2000Sを評価すると、そのポイントは高いです。
 先ず、ラインの巻き具合とキャスト性能。これは絶品です。レボネオスの頃は、スプールのストロークとオシュレート(シャフトの上下動)のストロークが合っておらず、ラインはヨレやすいは、キャストの際、度々バックラするは、で、イマイチでした。それが今では、ラインのヨレにくさ、バックラにしにくさ、飛距離の伸び、すべてにおいて、ダイワ、シマノを超えたように感じています。
 シマノのリールは全体的にラインの出はいいのですが、ラインの出易さとしばらく使用してからのラインのヨレが仇となってなってバックラが起こりやすい気がします。ダイワについては、多くの人が「シマノよりもライントラブルは少ない」と言っていますが、スプールの側からややラインを引っ張り過ぎているのと、スプールの形状から、ラインが螺旋状のまま広がって出やすいのが原因して、少し飛距離が落ちるように思います。また、しばらく使っているとラインローラーの角度がずれてくることが多々あり、その場合、ラインがヨレやすく、バックラを引き起こします。その点、NEWレボは、現時点では、よくできていると言えます。最初、オシュレーティングが、大手2社よりもややスローになっているので、バックラが起きやすいのでは?と心配していましたが、全然大丈夫でした。スプールの形状、ベールの開き具合等も含めて、キャスト性能に関しては、すべての面で、絶妙のバランスをとり、上手に仕上げていると感じています。
 長くなりましたので、今回は、ここまでにして、次回続きを書いていくことにします。


ロッドの技術革新  2016年4月6日

 一昨日、Gクラフトの川崎専務が、今年の夏から秋に発売予定となっているロッドを持って、立ち寄ってくださいました。小売店回りを一切せず、書面だけで注文を取ろうとするメーカーが多い中、シーバスパーティーでのロッドの展示といい、今回の実物を持っての小売店訪問といい、そうした地道な営業姿勢に頭が下がります。
 「是非、ヒグチさんに、新作ロッドを見ていただきたくて…」とかなり自信ありげな言葉…。3本の新作の中で、一番見てもらいたいのが、今秋発売予定の『モス北西スペシャルのリミテッド』ということでした。
 実物を見るまで、北西スペシャルのリミテッドかあ…と私は少し消極的な気持ちでいました。同じ北西スペシャルのPEバージョンを大勢のお客さんに買ってもらっていますし、つい先日モス11ftのウネリスペシャルが発売になったばかり。11ftには他にもモスリーフがラインナップされており、そちらも大勢のお客さんに使っていただいています。今までのリミテッドのようにオリジナルよりも長さが少し長くなるなら話は別ですが、同じ長さ…11ftのロッドはもう需要が…。しかも、リミテッドということでこれまでの北西スペシャルPEをパワーアップしたとなると、ガチガチの竿になるはず!そうなると、特殊なロッドになってしまい、人も状況も極端に選ぶロッドになってしまう。そう思っていました。
 ところがどっこい、実物に触れて、びっくり仰天!!同じ北西スペシャルの名が付いていても、PEバージョンとはもはや別物!!それくらい、私の予想(不安)とは真逆の進化を遂げていました。
 何よりも進化を感じたのが、超軽量で全体的にとてもマイルドでしなやかな味付けになっているのに、信じられないくらいの高反発力と高トルクが備わっている点でした。
 今回の北西スペシャルのリミテッドは、ティップがとてもしなやかで、魚の吸い込みに追従する設計になっています。さらにベリーもマイルドな仕上げになっています。普通ならそうなるとフッキングのほうは甘くなりやすいはずなのですが、そこからフッキングモーションに入った時のパワーがハンパではないです。だから、しっかりフッキングさせることができるに違いないと感じました。
 こうした設計は、キャストや魚とのファイトの際も生きてきます。現行の北西スペシャルが風の抵抗を利用してロッドを曲げるように設計されているのに対して、今回のリミテッドは、超細身のブランクスになっているので、風を切りやすく(風の抵抗を極力軽減し)、向かい風でもスイングスピードを上げやすい仕様になっています。それにより、風の助け(抵抗)でロッドを曲げるわけではなく、振り切りやすさとブランクスそのもののしなやかさでロッドが曲がり、高反発力でロッドが速く返り、ブレが瞬時に止まることによって遠投できる設計になっています。向かい風の助けが無くてもロッドを曲げやすいので、無風の状況下での超遠投が可能になります。今までの北西スペシャルPEでは、硬すぎてミノーが扱いにくく、ノーマルのモスでは、だるすぎてバイブやジグが扱いにくいという悩みも解消されます。
 さらに、魚とファイトする際、ロッドがしなやかなので、魚の動きに追従してくれます。だからバラシもかなり減るはずですし、ロッドが曲がり込んでくれるからこそ、高反発力・高トルクが生き、より楽に魚の動きをコントロールすることができます。一昨日は、私が魚の側、川崎専務に釣り人の側になって試してもみましたが、川崎専務がロッドをリフトしていくとき、私(魚)にかかる負荷が、他のロッドとは比べ物にならないくらい強烈でした。そのパワーはモスリーフをも上回るのでは?と感じました。川崎専務曰く「PE2号で90cmUPのブリが普通に獲れます」ということでした。このロッドなら、ブリ以上に獲りにくい西磯のスーパーランカーシーバスもかなりの高確率で獲ることができるはず!という手応えを感じました。
 はっきり言って、この一本ががあれば、伊良湖周辺でのシーバス&青物はほぼ完璧にこなすことができると思います。価格は高いですが、それ以上の価値があるはずです。今秋、ロッドの新調を考えてみえる方には、是非、候補の1つにされるよう、お願いしたいです。他社の高額ロッドとは比べ物にならないくらいの高性能を手に入れることができますから!リールをワンランク安いタイプにしてでも、このロッドを購入されたほうがいいと感じました。
 モンスタージェッティーのリミテッドが発売されたとき、その出来の素晴らしさに、もうこれを上回るリミテッドは当分無理だろうと思いましたが、それが、驚異的な進化により、1年足らずで覆されるとは…。Gクラフトの技術力と熱意に脱帽です。
 多くのメーカーが高級ロッドにトルザイトリングのガイドを採用するようになって、Gクラフトとの格差が詰まっていくのでは?とか、ダイワやシマノのような大手の巻き返しがあるのでは?と思っていましたが、逆でした。もう、高級シーバスロッドの分野ではGクラフトの独り勝ちです。他のメーカーは当分、Gクラフトに無い範疇(長さや調子の違い、価格)でなんとかしていくしかないように思います。
 今回、いい意味で、かなりの衝撃を受けたので、ここに書きました。これからも、タックルのことについて、私が強く思うことを、しばしば綴っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。


名古屋キープキャスト 2016年2月23日

 つい先日、名古屋キープキャストが開催されました。XUブースに、私が考案した鯛ラバ『バイプレーン』を展示し、私もほぼXUブースに常駐していました。2日間、大勢のお客さんに立ち寄っていただき、嬉しく思いました。本当にありがとうございました。今後、全国展開をしていくための大きな一歩になったように思います。
 でも、成果ばかりではありませんでした。というよりも課題をより多く感じました。先ず、ルアーフィッシングのイベントでありながらバランスが悪いということです。入場者の8割がバサーのように感じました。そのため鯛ラバに興味を持っている人も少なかったです。(鯛ラバ人口が少ないのではなく、やる人の多くが来場していない。)出展者はそれに合わせて、総合メーカーでありながら、バス関係の展示しかしないとか、セミナーをバスにしぼって展開するというメーカーが多くありました。「バスフェスタ」からスタートした催しの色が、ずっと残っているように感じました。バス関係が盛大なのが悪いわけではなく、もっとソルトやトラウトの分野にももっと力を入れてほしい。そう感じました。自分ができる範囲で、なんとか働きかけをしていきたいと思っています。
 それから入場者の注目するところに偏りがあるのが気になりました。ロッドやリールについては、新製品や小売店に置いてないものを実際に手に取り、曲げたり、回したりができるのですが、ルアーはどうしても展示のみになってしまいがちです。そのせいか?スルーしてしまう人がほとんどでした。私は、ルアーについても、新製品を吟味する場にすべきだと思っています。現実は厳しい、と感じましたが、現在の、有名人のトークショーや限定品・特売品の購入が最大の目的、新製品を吟味するにしても、ロツド・リールのみ、という現在のイベントの雰囲気をなんとか変えていきたいです。
 そのためには、ルアーの紹介方法を変える必要があると思いました。ルアー1つ1つの特長をより分かってもらえるようにしなければいけない、そう思っています。
 余談になりますが、今回のキープキャストでは、当店のお客さんの多くが、アブガルシアのNEWレボスピニングに注目され、吟味され、そして、ほとんどの方が、過去のアブガルシアのスピニングリールからの変貌ぶり(進化)に驚いてみえました。そして、実釣主義の方が口をそろえて言われていたのが、ダイワ、シマノの高級リールでも、調子が悪くなるし、修理代が高いということに対する不満でした。思えば、今やシーバスロッドの代名詞にまで上りつめたGクラフトのセブンセンスシリーズですが、発売当初は、当店をはじめとする一部の小売店しか注目しませんでした。同じようなことがスピニングリールでも起こるかもしれません。コスパが違いすぎる(アブガルシアのほうが大手2社よりもはるかに優れている)からです。キーになるのは、依然としてステータス目的で釣具を選択する人が多くいるので、そういう人たちが今後どういうふうに動くか?によると思っています。
 今回のイベントでは、XU(加藤精工)さんに大変お世話になりました。私が考案した鯛ラバをショーで多くの皆さんに紹介できるようにまでなったのも、第一に、加藤精工さんのお蔭です。そして、昨シーズン、バイプレーンを使ってくださり、結果を出していただいた大勢のお客様のお蔭です。お世話になった大勢の方々に心から感謝したいと思っています。
 来場者にバイプレーンのメリットを解説すると、ほとんどの方が、その画期的な原理に感心されていました。その表情からかなりの手応えを感じました。特に印象的だったのが、近隣ショップのルアー仕入れ担当者さんが、私の解説を真剣に聴かれ、販売に前向きな雰囲気になられていたことです。同じ愛知県、東海地区の小売店が考えたものは扱いたくないという心理が働くこともあるはずですが、それ以上に、いいものを先に見つけ、積極的に販売しようという、いわばお客様第一主義でいるように感じました。というか、そういうショップさんが立ち寄ってくれたんだと感じました。ありがたいことです。
 今後は、これを全国に広めて、鯛ラバの世界を進化させ、大勢の釣り人をより幸せにしていけるよう、頑張っていきたいと思います。


問屋展示会、大阪Fショーが終わってA 2016年2月22日

 では、ロッドについて…
 こちらは、リールのように「これは凄い!」と思わせるものは、なかなか見当たりませんでした。
 一番不思議に思えたのが、トルザイトリングモデルへの移行がほとんど進んでいないということでした。はっきり言って、現モデルのロッドがあまり売れていないので、新しいロッドを発売できないというのが実情ではないでしょうか?ロッドはリールと逆で、メーカーが多すぎて、アイテムもメチャクチャ多くなっているために、1アイテムごとの売れる本数は、激減しています。そのため、業界全体でみると、在庫過多になってしまっているわけです。こうした実情が、新製品の開発のスピードを鈍化させてしまっています。
 私から言うのも何ですが、コンセプト無しに、外注して、ラベルだけ自分のブランド名でロッドを出すというは、いいかげん止めにしては?と思うのですが…。そんなやり方をしているから、ラベルが違うだけで中身はほぼ同じというものばかりがあふれているのです。
 例えばアジングロッド。どれも「えっ、こんな硬いロツドで何釣るの?」というくらい硬すぎるものが多いです。どうしてでしょうか?メバルロッドと差別化しないと余分に買ってもらえないからです。もとはと言えば、アシングの先駆者であり、今やカリスマ扱いされている人が、硬いロッドをリリースし「これがアジングに最適」と言い出したのが始まりでした。確かに硬いロッドを使うと、感度やフッキングパワーは増します。しかし、ワームは吸い込まれにくくなるし、口切れも多くなります。一長一短があります。なのに、どのメーカーも、新鮮味を売ろうとするが故に、どんどん過激な方向にばかり走っています。
 画一的な方向ばかりではないけれど、同じくどんどん過激なものが増えているものの一つに鯛ラバロツドがあります。いつの間にか鯛ラバロッドに「乗せ調子」と「掛け調子」という差別化が生まれるようになりました。まあ、これ自体を完全に否定するわけではないですが…現状、バイプレーン+即掛以外、鯛ラバ自体の性能がイマイチなせいで、スッポ抜けが多発しているのに、掛けにいってより高確率でマダイを掛けることができるのでしょうか?ブラックバスみたいにワームをハムっとくわえたままでいてくれる魚ならいいけれど、鯛ってそういう魚じゃないし、鯛ラバってそういう釣りじゃないでしょ。だからアワセを入れにいってもスッポ抜けることが多いんですよね。それ、分かっているのでしょうか?まあ、偶然針先が刺さり始めている時に、偶然アワセを入れて、うまい具合にフッキングするということはあるんでしょうが…それって、掛けにいったから?腕がいいから?成功率2・3割でそれはないですよねぇ。普通なら。でもこの業界、普通じゃないから、成功した2割・3割のシーンだけ映像で流せば、「進化」「革命」になるんですよね。
 あまりボヤいてばかりいても仕方がないので、次は、建設的な見方で…。
 アピアでサンプル展示されていたFoojinXXはおもしろいと思いました。少ない力で曲がり、速いスピードで戻るように、というコンセプトで企画されたものだからです。もしもこの通り機能するなら、楽な力でルアーを遠くまでキャストすることができます。期待しながら発売を待ちたいです・
 次にルアーですが、もう出尽くした感が漂っていました。決してそんなはずはないと思うんですが…もう、ほとんどのメーカーに、先陣を切って革新的なものを造ろうという、体力も気力もない感じです。針やラインについても同じです。これらは、全体的に見て、ロッドよりも低調だったように感じました。
 ただし、一部、「これはかなりの進化が期待できるのでは?」と思わせるものもありました。具体的に何か?については、わけあって、今回は、あえて触れないようにしますが…。
 それから、余談になるかもしれませんが、かなりのメーカーで一番新製品が多かったのは、バッカンや帽子、Tシャツ等でした。上のロッドのところでも述べたように、これらはメーカー名をプリントすれば、簡単に販売できますからねぇ。そうした安易な方向ばかりに走っていて、おたくはメーカーとして存在する価値がありますか?この機会に苦言を呈したいと思います。

次回は、キープキャストの報告をしたいと思います。ご期待を♪

問屋展示会、大阪Fショーが終わって@ 2016年2月19日

 タイトルの内容に入る前に……明日・明後日、名古屋で開催されるルアーフィッシングのイベント(展示ショー)「キープキャスト」で、XUブースに私が考案した鯛ラバヘッド「バイプレーン」を展示することになりました。ということで、私も2日間、会場に出向き、XUのブースで「バイプレーン」の紹介等をしていますので、来場される方は、是非、お立ち寄りください。但し、私も皆さん同様、いろいろなブースを回り、新製品等を確認したいので、XUのブースに私が不在の場合は、私の携帯(090−1410−5281)へご連絡ください。
 今は、当店と上飯田様だけで販売している「バイプレーン」ですが、第2弾以降は、XUブランドとして、正式に全国展開をしていく予定になっています。時期は、来春になると思いますが…。(あくまで予定です。変わったらごめんなさい)
 私が言うのもなんですが、「バイプレーン」は唯一無二の超画期的な性能を持った有能な鯛ラバヘッドです。大勢の方に使っていただき、その凄さを実感していただくべきだ、と思っています。今回は、そのための布石ということでの展示です。よろしくお願いします。

 では、本題へ…
 問屋の展示会では、アブガルシアの新作リール、NEWレボシリーズの出来具合に一番興味がありました。ピュアフィッシングが大阪Fショーへの出展がありませんでしたし、先日、このコーナーですごく気合を入れて紹介していましたから。既に10月末の内覧会で見てはいましたが、微調整を終えた最終段階の品を吟味したいという思いがありました。
 それで、出来具合ですが、一抹の不安があったドラグの精度やスローでの回転のスムーズさもバッチリですねえ。自分が予想していたよりも、さらに上を行く仕上がりでした。このリールが2〜3万円で買えるなんて、夢のようです。あと、気になるとすれば、耐久性だけだと思いますが、この点は、しばらく使ってみないと分かりません。
 幸い、ピュアフィッシングは「キープキャスト」に出展しますので、NEWレボを実際に手に取って確認できると思います。よろしければ、そこで品定めされ、もしも早々にご購入を希望される機種がありましたら、当店にご予約下さい。先客順に確保致します。
 「キープキャスト」に行かれる方向けに1つアドバイスを…このシリーズ、すべてワンピースボディでドライブギアを支持するという他社にない方式を採用していて、それが大きな売りの1つになっているのですが、機種によって微妙に味付けが違うんです。だから、PRMをMGXの安い版としてとらえるのではなく、PRMはシャキッと感とパワフルさ、強度・耐久性を重視したモデルで、MGXは、繊細さ、感度、軽さ、デザインを重視したモデルととらえたほうが正しいです。また、同じPRMでも3000番までと4000番では味付けが少し違います。4000番は、さらにシャキッと感とパワフルさ、強度・耐久性に力点を置いたモデルに仕上げられています。そこらへんの違いまで確認していただけると嬉しいです。

 他社のスピニングリールでは、シマノのNEWヴァンキッシュが気になりました。今回のモデルには、前作とステラの失敗が生かされていて、好感が持てました。ローターを進化させたことでマイクロモジュールギアの欠点がほぼ払拭されていたからです。ここまでくると、心配なのは、耐久性がどうか?ですね。シマノの場合、今までは必ず、ラインローラーのベアリングから異音が発生しやすかったですし…。
 ダイワはNEWセルテートをイチオシ品として展示していました。今回、ATDドラグが搭載され、ドライブギアの両端にもマグシールドベアリングが入りました。そのため少し価格は上がりましたが、かなりお値打ちといえるように思います。但し、NEWセルテートに初採用された革新的なものは何もなく、今まで耐久性の面で問題のあった箇所はそのまま置き去りにされたまま。そこらへんがいかがなものか?と思いました。さらにいくら耐久性が高くなったとはいえ、リールは数年使っていると、必ずどこかしら壊れてきます。マグシールドのような特殊で高価なパーツを使うようになってから、修理代がやたら高くなりました。そこらへんも問題では?と感じています。それから、今回のNEWセルテートでは、3500番と4000番が復活しましたが、そのウエイトは400gを超えており、キャタリナとどう違うの?ショアから長時間使うには重たすぎないか?という質問にも、明確な答えがありませんでした。たぶん別々の部署でそれぞれリールを開発しているので、横のつながりがないんでしょうね。だから会社としてこのリールをこのように位置づけるというものがないんです。残念なことです。別に、アブガルシアをゴリ押しするつもりはありませんが、PRMの4000番は、強度・耐久性を謳いながら、265gです。(ほんの少しサイズは違いますが)140gの違いは大きいです。しかも、NEWセルテートよりも2万円近く安く買えるのです。皆が待ち望んでいるのは、キャタリナとほぼ同じのちょい安い版ではなく、以前のセルテートハイパーカスタムの3500番・4000番のようなリールの復活だと思うのですが…いかがでしょう?

 次にロッドやそれ以外のものについて書こうと思いますが、長くなったので、次回以降に…。


スピニングリールの勢力図が変わる? 2016年1月15日

 スピニングリールの分野では、ダイワ、シマノの2社による寡占状態が長く続いています。かれこれ10年以上になるのでは?
 それ以前は、リョービやオリムピックもリールを作っており、ベイトリールだけでなく、スピニングリールの製造にも積極的な時代がありました。マイコンブランドで一世を風靡した大森製作所のようなリール専門メーカーも存在していました。ところが、やがて種々の事情から、ほとんどが撤退!それ以来、小売価格1万円以上のスピニングリールについては、市場の売り上げの95%以上が、ダイワ、シマノの2社で占められるようになってしまいました。
 1社の独占になっていないのは、せめてもの救いですが、それにしても、2社では少な過ぎます。釣り人の皆さんの中にも、そう思われている方が、大勢みられるのでは?
 私もその一人です。2社では、リールの進化の方向性が画一化しやすい。どちらかの会社が、ある箇所や機能を進化させ、それが好評ということになると、もう一社も、同じようなことをして、人気回復を図るという具合です。現実、それが繰り返されています。そのおかげで、リールのいくつかの機能・性能は、以前と比べて格段に進化しました。ですが、その陰で、進化が完全にストップしたままほったらかしにされてしまっている箇所や機能も存在しています。私は、2社の寡占状態になってしまっている最大の弊害はそこにあると思っています。
 特に、見えにくい部分や感じにくい部分は、必ず軽視されます。それが重要であっても…。
 今、スピニングリールで早急に改善が求められる部分は…
@ いまだに起こるキャスト時のライントラブル
A ゆっくり巻いた時の巻きのスムーズさ(巻きの軽さと均一性)の不足
B 細かな箇所の強度や耐久性の不足
 私としては、以上の3点を強調したいです。いずれも重要でありながら、見たり、普通に持って回しただけでは分かりにくい部分です。
@については、スピニングリールだから、軽いルアーを使っているから、風や波が強いから、仕方がないとあきらめているというか、あきらめさせられていると感じます。
Aについては、多くのユーザーがそういう繊細で奥の深い釣りをしておらず、リールを巻くときは、一定のスピード以上でしか巻かないから、気付かないし、どうでもよくなっていると感じます。
Bについては、長く使わないと分からない部分だから、ごまかしがきく、そして、故障すれば新しいのが売れるのだから好都合というメーカーの思惑さえ感じてしまいます。
 私は、こうした釣具業界の残念な部分は、絶対に改善していくべきだと考えています。そのためには、釣り人がもっと賢くなり、釣具に対する見方を変えていくことも大切ですが、先ずは何よりも、2社による寡占状態に終止符をうたせることが重要だと思っています。
 景気の低迷が続く釣具業界においては、とてつもなく難しい課題ですが、最近、それが実現しそうな…光明が見えてきました。アブガルシア(ピュアフィッシング)の存在です。
 今までも、アブガルシアは、ベイトリールをいろいろ造り続けてきましたし、スピニングリールも2万円台までの価格のものは、いくつか造ってきましたが、先進的な高級スピニングリールの範疇については、未参入でした。そこに、最近、大きな変化が起きました。新たに定価3万円後半の価格帯のものまで製造・販売すると発表したのです。
 これはBigニュースです。高級モデルの中核に位置し、不動の地位を築いて久しいダイワのセルテートとシマノのツインパワーの牙城を崩そうとしてのチャレンジと受け取れるからです。私はこのチャレンジを高く評価したいと思っています。
 昨今、プロアングラーが独立し、次々にメーカーを立ち上げていますが、その多くが、ルアーやロッドを発売するものの、リールまでは(ダイワのリールの一部デザインや機能を変更しただけの物を除くと)、なかなか手出しができていないのが現状です。特に、高級スピニングリールは特許・製造技術・コストなどの面からも敷居が高く、ほぼ不可能と言っていいでしょう。
 3万円後半のリールを造ってきていて、その廉価版として2万円のリールをリリースするなら分かりますが、今回、アブガルシアは、その逆のプロセスに挑戦するのですから、それは凄いことです。
 で、肝心のリールの出来具合ですが、なかなかのものです。10月末に行われたピュアフィッシングの新製品内覧会でしっかり見て、触った感じでは、従来のアブガルシアのスピニングリールと比べて格段の進化を遂げていると言って、間違いないはずです。(内覧会で展示してあったものと同じ仕上がりのものが販売され、尚且つ、ふれこみ通りの耐久性があるとすれば!)
 3月に発売が予定されているレボMGXシリーズがそれに当たります。
 実は、アブガルシアのリールには、レボMGXシリーズで採用されている先進的な構造に近いものが、既に、1年以上前に発売されたクロスフィールドシリーズ等に使われていました。サイドプレートを使わず、ワンボックス(ワンピースボディ)でドライブキアを支持するというアブカルシアだけの仕組みです。しかし、そうした先進的なボティの良さを生かし切る精度の高いギアが搭載されていなかったので、リールの完成度としてはイマイチでした。ところが今回は、ギアの精度が大幅に向上されており、それが回転性能に大きく反映されています。
 ドラグの精度とタッチの良し悪し、キャスト性能とライントラブルの減少、ベアリングの耐腐食性能ついても同様です。今まで、NEWモデルに移行するたびに、少しずつ進化させ、そして、今回、ほぼ完成領域というか、大手2社と同等レベルに達したように感じています。
 そして、驚くべきことは、主要箇所の耐久性と使い心地を追求しながら、ウエイトの軽さも際立っているということです。同じ2500SHのモデルで比較すると、ほぼ同じボティ構造が採用された昨年春発売のディサイダーが230g、ボディ構造が異なり、軽量化を優先させたレボLTが214gなのに対して、レボMGXは185g!です。ちなみにセルテート2508PE、ツインパワー2500S共に240g、超軽量を謳ったダイワの最高級モデル(価格はレボMGXのおよそ倍額)のイグジスト2508PEですら195gなのです。いかにレボMGXが軽量かが分かると思います。しかも、軽量化を徹底したデザインが、またカッコイイのです。別売で購入すると、ハンドルとノブだけで1万円以上するのでは?と思われる豪華なものが、最初から純正で装着されています。スプールも同様です。
 今のところ、私は、今年の春から、スピニングリールを新調する場合、アブカルシア中心でいく予定でいます。先ず、メバルはレボMGX2000S(この機種だけに用意されたノーマルギアモデル)を使うのが、ほぼ確定的です。そして、伊良湖シーバス&ライトジギング用として、定価約3万円のレボPRM4000SHを選択するつもりでいます。このサイズがMGXシリーズに無いとのと、PRMシリーズは軽さと強度・耐久性の両面を高次元でまとめあげたモデルというふれこみだからです。
 今後は、アブガルシアが、上に書いた@〜Bの項目にもっと力を入れて、さらにスピニングリールを進化させていってくれるとありがたいです。今まで私が感じてきたメーカーの姿勢から、少なくとも大手2社よりも期待できる!と私は感じています。そうなれば、ここ最近の努力に敬意を表しつつ、未来の可能性に投資することで、少しでも釣り人の役に立てるような業界にしていく!その一助になりたい!それが私の思いなので、その方向で動いていくつもりです。
 お客さんがダイワやシマノを選択されることを、妨げるようなことはしませんが、アブガルシアのリールが大幅に進化してきていることと、今後の動向には、是非、注視していてほしいと思っています。
 そうした意味で、アブガルシアの新作スピニングリール、NEWレボシリーズに、注目していてください。当店では、既にメーカーに注文済みで、発売と同時に、ほぼ全機種入荷するはずですので、よろしければ、入荷次第、手に取ってお確かめいただきたいです。よろしくお願い致します。


シーバスパーティーを終えて 2015年12月5日

 シーバスパーティーが終わり、そして、ルアーニュースTOKAIの原稿書きも今週の水曜日(12月2日)に終わり、ようやく激務から少しずつ解放されつつあります。これからは、釣りに出かけるのは、もちろん、すべての面で、もっと余裕をもって生活していきたいです。より発展的なことを考え、それを実践していくためにも…。まだ、やっていくことは山ほどあるので、あくまで、できれば…という願望ですが!!
 今年のシーバスパーティーの参加者は、134名。昨年がMAXの160名だったので、26名減になりました。偶然用事と重なり参加できなかった人も大勢いましたが、それだけでなく、「シーバスパーティーでは、必ず当店で購入したルアーを使うこと」という新ルールに対して、不服で参加されなかった方も、みえたようです。それはその方の考えですので、今はしかたがないと思っています。
 ただ、私は、今回の大会を運営してみて、このルールを今後も継続していったほうがいいように感じました。誰が優勝しても、主催者として「おめでとうございます」と心から笑顔で握手ができるからです。それは、何度も書いていますが、自分の店だけがいい思いをすればいいという考えからではありません。どんな大会でも、主催者、協賛各社、参加者、お手伝い等陰で支えてくれた方、関わっているすべての方々が、素直な気持ちで喜びを分かち合えるようにしたいという思いからきています。
 たとえ釣れなくても、さらに、じゃんけんで負けても、価値のあるいい大会だったと思えるような大会にしていきたいです。
 そうした意味で、釣るのが難しい日になったからこそ、自然の奥深さを感じることができたでしょうし、ご自分の釣りの足りない部分を見つめ直すことにつながった方も多かったのではないでしょうか?
 ブリが2尾キャッチされましたし、6kgの素晴らしい魚体のシーバスも出ました。こうした魚が持ち込まれることで、その場に居合わせた感激を共有された方が大勢みえたようにも感じました。私は、そういう思いが、とても素敵だと感じています。心から、参加者の皆様、お世話になった皆様に、感謝したいと思っています。
 明後日発売の週刊ルアーニュースTOKAIですが、今までとは違った視点で原稿を書きました。「伊良湖で釣れるシーバス」について、紙面を大きく割きました。伊良湖シーバスを愛するすべての釣り人にとって、とてもためになる記事に仕上がっていると思いますので、是非、皆さん、お買い求めの上、お読みください。
 今回の号については、コンビニだけでなく、当店でも特別に販売致します。10部限定ですので、ご入用の方は、できましたら、予め、電話等にてご予約されますよう、よろしくお願い致します。
 また、今当店でも配布しているプリーペーパー季刊誌「MOTTO」にも、私が「伊良湖シーバス」について書いていますし、これから本格的なシーズンを迎えるメバルゲームについても書いていますので、ご来店の際は、是非、お持ちください。


ルール改正への対応について 2015年11月27日

 毎日、仕事に追われ、この見出しについて説明をするのが、今日(シーバスパーティーの前日)になってしまいました。大変遅くなり、申し訳ありません。
 質問形式で、解説していこうと思います。

Q ヒグチ釣具店で購入したかどうか?定かでないルアーがいくつかあるのですが、どうしたらよいのでしょうか?

A 釣りをされる前に、店長に見せてください。使用の「可」「否」を判定します。
  シーバスパーティー当日ならば、受付の際、ルアーを持ってきて、見せてください。

Q フックもすべてヒグチ釣具店で購入したものでないといけないのでしょうか?

A 原則的には、その通りです。
  ただし、ルールで「ルアーとフック」にしたのは、ワームの場合、ジグヘッド等のフック部についても、品名を公開するからです。
  プラグの交換したトレブルフックまで細かく制限をしたり、チェックをしたりすることはしませんので、ワームを使用する場合のみ、
  気をつけてください。

Q カラーがはげたので、ペイントし直したルアーは、どうなりますか?

A 使用していただいて構いません。

Q 今回のルールの場合、他店で購入したルアーを使い、釣れた時に、嘘の申告をする人が出やすいように思いますが、
  いかがですか?

A 確かにそうかもしれません。ただ、こういうことは、釣り人1人1人の良心の問題だと思いますし、そういうことをする人は、
  たいてい、どこかでバレるものです。そして、嘘が発覚した場合は、厳しい措置をとらせていただきます。


 取り急ぎ、上の4点を説明させていただきました。シーバスパーティーやLSTにおいて、ルール違反にならないよう、くれぐれもお気をつけください。

 なお、皆様からのご意見については、追い追い伺っていきたいと思っています。


共に歩む その4 2015年10月4日

 「共に歩む」ためには、私がお客さんにアドバイスをする・情報を提供するということと、お客さんから私がアドバイスをもらう・情報を提供してもらうことの両面が大切だと思います。お金儲けやカリスマ性だけを考えたら、催しで使える全ての釣具を当店で買ったもののみに限定すれば手っ取り早いかもしれません。でも、それはできません。私はそこまで完璧な人間ではありません。なるべくこの地域に合ったものを揃えている自信はありますが、それでも掴み切れていないこともいっぱいある、まだ不十分な人間です。自分の店で売っているものだけがいつも「最高」と思い込み、全てにおいてそれだけをお客さんに強要するなら、もはや私は裸の王様と同じだと思います。
 お客さんに教えていただくことが、今でもたくさんあります。そして、教わったことを自分の中でまとめ上げ、お客さんのために生かしていく、それが大切だと思っています。それと、他の小売店さんが存続していくことも重要です。当店だけが儲ければいいという考えではいけないと私は思います。それぞれの店には、その店に合ったそれぞれの役割があると思うのです。それをきちんとまっとうし、釣り場やお客さんのために歩んでいくことが大切では?…私自身、できていないことも多々ありますが、そういう気持ちは忘れたくないです。
 ただし、シーバスパーティーは当店のお客様が集うイベントとして開催しますし、感謝祭という意味合いで開催していることでもあります。そして1日・2日のことですので、詳細情報をルアーニュースに公開しなければならないヒットルアー(仕掛け)についてだけは、当店で購入されたものを使っていただくようにしました。
 で、LST(ロングスパントーナメント)についてですが、こちらは、長い期間をかけて実施するイベントです。3ヶ月以上に渡って、すべて当店で購入したルアーで釣らないと魚を登録しないというのは、当店が実施しているイベントではありますが、あまりにも酷な話だと思います。当店で買いたかったけれど、使いたいときに当店に売っていなかったから他店で買われたというルアーもあるはずです。そこで、制限を緩めることにしました。「無くす」ではなく、「緩める」にしたのは、やはり、当店が当店のお客さんのために力を入れて実施しているイベントであり、ヒットルアー名を公開する・しないという案件もありますので、ある程度は当店で購入されたルアーを使って釣っていただくのが、ことの道義だと思うので…その結果、一見分かりずらいルールになってしまいました。(慣れてくれば、ごく簡単なルールだと思いますが)
 今年のルールなら、少し制約はありますが、お客さんが買いためてきたルアーすべてを使い続けることができます。そして、当店で買われていないルアーがヒットルアーになることで、私(=当店)の足りない部分が見えてくることもあります。とにかくお客さんからいただくデータや考えはとても貴重だなあ、と感じることが多いです。それをつなぎ合わせて、自分を高めることで、お客さんにもさらに還元していく、今後もそうしていきたいと思っています。
 他の店で買われたルアーで釣られた場合は、原則、細かなルアー名、カラー名を書かず、ぼかして書くとしたのは、ある意味お客さんの権利を守るためでもあります。釣り場を「西磯」とか「恋路ヶ浜」というふうに書かず、「伊良湖周辺」と書いているのと同じです。誰でも自分だけの裏ワザとしてとどめておきたい、親しい仲間だけにしか教えたくないということがあって当然だと思うのです。当店で買われていないルアーだからこそ、それが可能になる部分もあります。伊良湖周辺の釣り場は、皆のものですが、情報をすべて公開し、詳しく解説すると、それだけを盗み見し、釣れるときだけ、やって来るという釣り人が増える可能性が高くなります。私はそれではいけないと思います。ホームページに記載されていることはあくまで、釣りの入口。そうしていかないと、いつまで経っても情報に頼るしかない釣り人になってしまったり、釣果だけでしか釣りを語れない釣り人になってしまったりするような気がします。ただし、お客さんから「是非、ルアー名・カラー名を掲載して欲しい」という要望があった場合は、その意思を尊重し、記載したいと思いますので、よろしくお願いします。
 最後にですが…遠方からお見えになる方が当店や伊良湖という釣り場を大切にしてくださることはとてもありがたいと思っていますが、今まで通い、お世話になってきた地元の釣具店や釣り場も大切にしていっていただけたら、と思っています。「そんなことは個人の勝手だ」と言われるかもしれませんが…。それぞれの釣具店、そして、それぞれの釣り場に、それぞれの良さがあると、私は思います。確かにそのときの「物が有る・無い」「値段が高い・安い」とか、「いい魚が釣れる・釣れない」とかで言えば、優劣のつくことがあると思いますが、物事って、そういうことだけで良し悪しを決めてしまうのはどうか?と思っています。
 もしも、これを読まれている方の中に、他店の催しに出られる方がみえるなら、その際は、是非、ヒグチ釣具店で買われたルアーを使わずに、そのお店で買われたルアーを使っていただけたら、嬉しいですし、間違ってもヒグチオリカラを使い、それで釣られることのないように、願っています。
 意味のない競争が、殺伐とした世界をつくってしまうことが多々ある、そう思えるし、私は、他店よりも勝りたくてオリカラをリリースしたわけでも、自分のステータスを上げるためにリリースしたわけでもありませんから…。
 次回は、今回のルール改正に関して、既にお客さんからいただいている問い合わせの中で、説明しておいたほうがいいと思うことについて、書いていこうと思います。



共に歩む その3 2015年10月2日

 当店で売っていないルアーを大会で使いたいという思いをお持ちの方は、是非、当店に注文してください。条件さえ合えば、なるべく客注品として入れるよう対応したいと思います。
 但し、次のような場合は、お断りするか、そうでなくても対応できないことになるかと思いますので、そのルアーは、大会では使えません。ご承知おきください。
@ 最低発注数が高く設定されていて、お客さんの注文数と隔たりがある場合。
A メーカー、問屋在庫切れで、後々の入荷予定も定かでない場合、または大会に間に合わない場合。
B 当店や伊良湖シーバス(渥美半島でのシーバスゲーム)を大事にしていないメーカーのルアー。
C 経営者や社員、テスターの言動に、倫理的に許せないことが多々あるメーカーのルアー。
 以上4つの場合が該当することになると思いますが、ひょっとしたら、これら以外にも、お客さんのご希望に沿えないことが起きるかもしれません。その際は、できる限り納得していただけるような説明をしたいと思います。
 上記の4つの中で、@とAは仕方がないと思っていただけると思いますが、B、Cについては少し解説がいると思いますので、説明をしていきます。
 先ずBについて…
 私は、商品を多く扱っているメーカーには、協賛をお願いしてきましたが、そのすべてが協賛をしてくれたわけではありません。協賛を拒否されたメーカーが過去にいくつもありました。1度、納得のいかない理由で断られると、さすがに事情が変わらない限り、次の年からは、頼めません。私は、釣り場を大事にしたいと思っていますし、それは、お客さんを大事にすることと表裏一体!つながっていくことだと思っています。その考えに賛同しようとしないメーカー、上から目線で小売店や釣り人をさげすんでいるメーカー、売り上げの数字だけしか考えず、大手チェーン店のみを大事にするメーカー、メーカーにはそれぞれの経営理念があるのだから、それらをすべて否定することはできないでしょうが、少なくとも、私の考え、伊良湖(渥美半島)という釣り場、そしてそこで釣りをする釣り人を大事にしようとする意志がないのだから、当店がそういうメーカーをできるだけ軽く扱うのも当然のことだと思うのです。
 それに対して、毎年協賛をしてくれて、さらに、毎年遠くからシーバスパーティーに来てくださるメーカーもあります。それが単に、作ったものの売り込みだけが狙いなら?でしょうが、顔を出してくださるメーカーのほとんどが、大会を、ユーザーの実態を把握し、意見を聞く絶好の機会としてとらえ、そこで得たものを商品開発に生かそうと考えているように思います。お客さんから見ても、そういう意志を感じたメーカーがあったなら、そのメーカーを大事にしていくべきだと思います。今はベストのものが発売できていなくても、将来、ご当地での釣りにに凄くマッチした画期的な釣具を作り出してくれる可能性がかなりあると思うからです。私は、そういう真摯なメーカーの未来を助けることこそが釣り人とメーカーとの橋渡しをする小売店の大きな役割の1つだとも思っています。
 ですから、できることなら、大会では、当店うんぬん抜きに、しっかりと協賛してくれるメーカー、釣り場やユーザーを大事にしてくれるメーカーの道具を積極的に使い、それで釣果を上げていただきたいとも思っています。
 次にCについてですが…
 バスブームの頃から、カリスマ性を高めて、人気を上げ、そのメーカーの名が付けば、何でも売れるようにしたい。そういうやり方をするメーカーが後を絶ちません。正直、メーカーだけでなく、それに乗せられているユーザーも問題だと思います。
 だって、明らかに実現不可能なことを言っているのに、それを鵜呑みにしているのですから…。これでは、振り込め詐欺にひっかかっている人と同じです。例えば「今まで大事な魚をバラしたことは一度もない」というようなことを雑誌に書いている人がいました。もしもそれが事実なら凄いことです。そんなことが本当にできるのなら、「神」として崇められても不思議ではありません。でも、、そんなこと有りえるはずがありません。少し、冷静に考えれば分かることだと思うのですが…大勢の人がだまされてしまうのです。とっても魅力的に思えてしまうから…。しかも、少し経ってから、新しい商品を開発した理由として、「今までのセッティングが不十分だったために、肝心な場面でどれだけ悔しい思いをしてきたことか…」と綴っているのです。そこまで矛盾したことを綴っていながら、多くのユーザーは騙されていることに気づかないのです。
 私はそういうメーカーの商品を扱わなくすることで、お客さんを守るとともに、お客さんの判断力を伸ばす一助になること、それも小売店の重要な務めの1つだと思っています。そして、それは必ず、お客さんが釣りをするときに生きていくと思っています。
 事実、私の店では、過度の抱き合わせ商法でルアーを売りつけてきたメーカーは、人気があっても早々に、納品を断り、取扱いを止めました。例えそのメーカーが再度人気が出ても、そして新しいルアーが偶然すごくよく釣れるルアーであったとしても、その会社の方針が変わらない限り、2度と扱うことは無いと思います。
 そういうことから、Cのようなメーカーのルアーの注文をいただいた場合は、理由を説明してお断りをするつもりです。すべて、釣り場や釣り人を大切にしたいという思いからくる対応ですので、ご理解いただけるとありがたく思います。
 次回は、LST(ロングスパントーナメント)のルール変更に関する考えを書こうと思います。



共に歩む その2 2015年9月26日

 日々の仕事に追われ、なかなか更新できず、気づけば半年が過ぎてしまっていました。遅まきながら、続きを書きます。10月からシーバスパーティーの申し込みと、ロングスパントーナメントが始まりますし…。
 最初に核心的な部分から書きます。今年から、当店のイベントや私の船では、ルアーとフックに関して、「当店で購入されたものか、当店の催しの景品に入っていたものを使用していただく」という条件を設けることにしましたが、その最大の理由は、当店のHPやルアーニュースの釣果情報にそれらのデータを掲載しているからです。
 私は、釣れる品、より楽しめる品を販売することで、釣り人の皆さんに貢献したいという思いで小売店を営んでいます。そして、その品を実際にお客さんに上手に使ってもらい、「釣れる」「楽しい」を皆さんに実感・認識していただくために、シーバスパーティー等のイベントや船で一緒に釣りをしていただくということをしています。そうすることで、お客さんの釣果データや声もたくさんいただくことができます。それが、自分自身の向上→店の質の向上→お客様へのさらなる還元につながっていくと思っています。
 日々そういう思いで経営をしていますので、渥美半島先端付近で釣りをするなら、当店で販売しているものでだいたいはまかなえるはず!と思っていますし、なるべくその釣り場に合い、よく釣れるものを置くように心がけていると、自負しています。
 それに、イベントや乗船に関しては、原則、かかる経費だけしかお客様から徴収していませんし、経費の面では、マイナスになる場合のほうが多いです。お客様の都合に合わせることで、忙しい中、店を留守にすることもあります。それでもやっているのは、先に書いたように、、その後の大事な部分がプラスなると思うからです。
 そういうことでやっているわけですから、当店のイベントや私の船への乗船で、目的を踏まえたある種の制約を加えるのは、しごく当然のことだと思うのです。
 だからと言って、何から何まで規制するというわけではありません。あくまで、ルアーとフックのような仕掛け類のみです。先にもふれたように、それはデータ公開をしているというか、ある意味、公開せざるを得ないからです。そして、私自身、「釣りは一部を除き、魚に近いほうから重要」という自分のポリシーがあるからです。
 但し、当店で販売しているものが、常に「絶対」とか「最高」というわけではありません。それも承知しています。それし、大勢の人が当店で買われた特定のルアーを使えば使うほど、当店で売っていないルアーをこっそり使ったほうが効果的という場合が往々にしてあるのも分かっています。それを使用することで、イベント(大会)で優勝の可能性が高まるかもしれません。
 でも、それってどうなんでしょう?私は、物品販売を主としている小売店のイベントに参加するのだから、好ましくないと思います。加えて、物事はある種の制約があるからこそ、楽しいという部分もあると思います。当店主催のシーバスパーティーは他店と比べて、時間や場所の制約が厳しいです。それでいて2尾のポイントで順位が決まります。だからこそ、実力と努力が結果に反映されやすく、大会とか集いとしての意義が大きい。私はそう考えています。ルアーとフックの制約もそれと同様の流れととらえていただけたら、と思います。
 どうしても、私の方針が気に入らない人はいると思いますし、そのことで、当店のイベントに参加されないという方も出るでしょうが、それは仕方がないと思います。ですから、私の趣旨に概ね賛同されたうえで、イベントにご参加いただきますよう、お願いしたいと思います。
 乗船についても同様です。他の遊漁船は、物品販売を主としているわけではありませんし、経費以上の代金を徴収しています。特定のルアーの使い方や優劣を吟味してもらうのが仕事ではありません。船長の仕事は、あ客様をよく釣れる場所に釣れていき、他者に迷惑を掛けない範囲で自由に釣りをしてもらうことです。だからどんなルアーを使ってもいいのは、当然です。もしも、他店で買ったもので釣りたいなら、遠慮なく、遊漁船に乗ってください。遊漁船を取り持っていただくこともとても重要だと私は考えていますし…。
 長くなりましたので、今日はここまでにします。次回は…当店で売っていないルアーを大会で使いたい場合はどうしたらいいのか?という点とか、ロングスパントーナメントの扱い(規約)等について書こうと思います。とにかく、まだすべてを書いたわけではありませんので、ご意見は、一通り私の考え(今年の規定)を綴り切ってからお聞かせいただけたら、と思いますので、よろしくお願い致します。



共に歩む その1 2015年2月27日

 今年から、当店のイベントや私の船では、ルアーとフックに関しては、「当店で購入されたものか、当店の催しの景品に入っていたものを使用していただく」という条件を設けることにしました。
 ずいぶん横柄かつ傲慢なルールだと感じられた方もみえるでしょう。お客さんの立場からすると当然かもしれません。
 それだけに、こう決めた意図をちゃんと説明しなければいけない。そう思っています。でないと、儲け優先じゃないか!上から目線じゃないか!という誤解を生んでしまうかもしれないからです。
 はっきり言って、私の思いは全く逆です。儲け優先ではいけない!上から目線ではいけない!と思うからこそ、こういう決断をしました。それは、一言で言うと今日のタイトル「共に歩む」という思いからです。
 『釣り』で大切なこと、それは第一に、釣り場での感動的な魚との出会いであり、それを通して築かれる人と人との絆であると思っています。
 私の店では、いろいろな催しを通して、釣果を競い合う場面を設けていますが、それは、あくまで、競い合いを通して、お客様に釣りの腕を磨いていただき、より感動的な魚との出会いを味わってもらいたいとか、私も勉強しなければいけないとかいう思いからで、決して、たくさん釣る者が偉いとか、大物を釣る者が偉いとかいう考えからではありません。
 そして、その思いを実現するためには、「共に歩む」ことが不可欠だと考えています。私がお客さんに的確なアドバイスを差し上げることができれば、お客さんと魚との距離は縮まるはずです。当然、私一人の力では足りない部分もたくさんあります。そういうところは、お客さんやメーカーさんの力を借り、得たものをお客さんに還元させていただく、これが大事だと思います。
 では、それがどうして今年のルール変更につながるのか?次回以降、少しずつ綴っていこうと思います。



『中村工房』復活!! 2015年2月11日

 中村理さんが亡くなられたという訃報と一緒に、問屋の担当者さんから「中村工房さんは、中村理さん一人でやられていた会社なので、樋口さん、たぶんこれで終わりになると思います」という話しがありました。
 なんと悲しい結末か…「ともにがんばっていきましょう」と、固い約束を交わしたばかりなのに…。
 どうすればいいのか?どうしょうもない…私ができることはたった一つ、今まで私を大切にしてくださったお礼として、弔問に伺う、ただそれだけ。
 訃報を受けたその日(2014年10月29日)、私は家族の了解をとって、すぐに、大阪堺市で執り行われる中村理さんの通夜式に参列するため、電車を乗り継いで向かいました。
 会場には、つい先日まで釣りに出かけ、魚をキャッチして微笑む中村理さんの何枚もの写真が繰り返し映し出されていました。そして最後の対面、棺の中で眠る中村理さん、横には「JACK NAKAMURA」の文字。合掌した瞬間の深い悲しみ…今でも胸に焼きついています。
 トンボ返りで家に帰ってから、私は、次に自分ができることを考えました。それは、訃報を連絡してくださった問屋さんに残っているムイムイ1.2インチをできる限り仕入れ、少しでも長い間売ることでした。メーカーが無くなったので、『ジャックナカムラワーム』を激安処分する小売店があるだろうということを承知の上で!それが、中村理さんと問屋の担当者さんへの恩返しとお礼になるし、釣り人への貢献にも必ずなると思いました。それくらいムイムイ1.2インチは名作だという自負があったので、私は踏み切ったのです。
 それからしばらくして、中村理さんの奥さんと電話で話しをしました。奥さんは、「いろいろとありがとうございます。実は、私もワームの袋詰めの手伝いをすることがありまして…そのときに、ヒグチ釣具店さんのことは、主人からよく聞いており、記憶に残っています。」と話してくれました。私の心は改めて、中村理さんへの感謝気持ちでいっぱいになりました。そして、私は「できることならこれから先も「中村工房さんのワームを末永く販売していきたい」と伝えました。奥さんの返事は「ありがたいですが、釣具業界のことは全然わかりませんし、今後のことは、まだ…」でした。
 やはり無理かあ…私は、「仕方がない」と、ほぼあきらめていました。そんな矢先、事態は急転換、問屋の担当者さんと中村理さんの奥さんから「今までワームを造ってくださっていた工場、ドミクラフトさんが、引き続き『ジャックナカムラワーム』を製造・販売してくれることになりました。」という連絡が入りました。大きな前進です。たとえオリカラが無理だとしても、ムイムイ1.2インチを継続して売っていくことはできる。ありがたいことです。
 私は早速、ドミクラフトさんに電話をしました。すると意外や意外、ここでも「中村理さんから、ヒグチ釣具店さんのことはよく聞いており、とてもいい印象をもっておりました。」が第一声だったのです。そういうこともあって、話しはとんとん拍子で進み、「オリカラも是非やらせていただきたい」とドミクラフトさんはすぐに快諾してくださいました。まさに起死回生の瞬間でした。
 実は、『ジャックナカムラワーム』の継続を中村理さんの奥さんに提案されたのも、ドミクラフトさんだったのです。ドミクラフトさんは、中村理さんとの付き合いの中で、その人柄と作品を「素晴らしい」と感じてみえたし、中村理さんが亡くなられた後、大勢の人から「中村工房『ジャックナカムラワーム』を継続してほしい」という要望があったことが伝わり、継続を決意されたようでした。本当にありがたい話しです。
 中村理さんの奥さんにも「継続」の要望が数多く寄せられていたので、奥さんの気持ちも、「引き続きやっていただけるなら、皆さんが喜んでくれるし、亡くなった主人もきっと天国で喜んでくれるだろう」というふうになられたのです。
 とにかく、中村理さんの人柄と中村理さんが生み出した名作が、関わりのあった大勢の素晴らしい人々の心を動かし、復活することになったのです。それは、いろいろな幸運が重なり実現したことでもありました。
 このようなドラマを経て、2015年2月5日、ムイムイ1.2インチ『ヒグチオリカラ』の販売がスタートしました。私にとって、それはとても感慨深い出来事でした。
 今の釣具業界は、ブームに乗って物を作り、購入されたお客さんがそれを使い捨て、すぐに次の物に代わっていくことで、成り立っている部分がかなりあります。私は、それではいけないと思います。釣り人に長く愛される物を提供するのが釣具を企画・製造・販売していく者の務めであるべきです。
 中村理さんの生涯は、志半ばで終わりを告げてしまいましたが、ムイムイ1.2インチをはじめとする名作ワーム達の活躍の歴史は、今始まったばかり。中村理さんの情熱と才能から生まれ、関わった人々により引き継がれた、本当によく釣れる名作ワームが、釣り人の間で末永く愛され続けていくことを願いながら、大切に売り続けていきたいと思っています。



中村理さんとの出会い、そして別れ… 2015年2月5日

 今日、「新入荷」のページにムイムイ1.2インチのオリカラを紹介しましたが、そのブランド『ジャックナカムラワーム』を手がけた会社『中村工房』の代表、中村理(さとる)さんは、今、この世に居ません。昨年の10月末に急死されました。前日まで精力的に釣りに行かれたり、ショップでセミナーを開かれたりしていたのに…40歳の若さで…。
 私にとって中村理さんは偉大な方でした。釣りにかける情熱が素晴らしく、発想も豊かで、良く釣れてかつ独創的で魅力的なワームをいくつもリリースされてきました。そして、何よりも素晴らしいのが、それだけの能力を持ち、努力をされていたにも関わらず、とても誠実で謙虚だったということです。小規模小売店の店主である私の意見にも、しっかりと耳を傾けてくれました。
 はっきり言って、釣具業界で私の考えをしっかり聞こうとするメーカーさんは少ないです。ほとんどのメーカーの姿勢は一方通行!「作ったから買ってくれ」です。なかには、もっと俺様モードのメーカーさえあります。私は、釣具の製造・販売は、まず「釣り場と釣り人のため」にあるべきだと思っています。だから、私はいつもそういう視点でメーカーさんとも話しをします。そうすると、メーカーさんの多くが私を嫌います。めいどくさいんだと思います。真剣だから話しが長くなる。真剣だからダメ出しもされる。いろいろな質問をされるけど、十分な答えが言えない。挙句の果てに買ってもらえない。それが嫌なんです。ほとんどのメーカーからしてみてたら、何も言われずに、さっとたくさん買ってもらえる、それが理想なんです。なんといっても、楽で儲かるんですから!!たがら、売れているものの物まねをするんです。嘘までついてステータスを上げ、人気を出そうとするんです。でも、それって本物じゃないと思います。
 そう考える私の性分を理解し、ある問屋の担当者さんが「この方なら樋口さんと合うと思います」と紹介してくれたのが、中村工房の中村理さんでした。
 中村理さんは、ライトソルトゲームのスペシャリストで、アジ、メバル、カサゴ、クロダイなどのワームゲームにとても造詣が深い方で、問屋さんの展示会で話しているとためになることがいっぱいありました。先に書いたように、中村理さんは、私の話しにも耳を傾けてくれ、私のことを「なかなかここまでメバルのことを分かってくれて、話しができる小売店さんはいない」と評してくれました。ありがたいことです。
 そういうこともあって、私は『ジャックナカムラワーム』に魅力を感じ、いろいろな種類を仕入れて、当店が主力としているメバル釣りに試してみました。
 その中で、とてもつもなく優れたワームが1つありました。ムイムイ1.2インチというワームでした。はっきり言って、私はこのワームを試す前に、他のワームをいくつか試していました。よく釣れるものもありましたが、「すごい」という強烈な印象は持ちませんでした。それは、ワームが優れていないというのではなく、その釣り場で狙おうとしている魚に合っていなかったのです。簡単に言うと、アジによく効くワームがメバルに効くわけではないのに、アジメインとして開発されていたものを使っていたりしたからです。
 なぜそんな遠回りをしてしまったのか?それは一重に、まだまだ私にワームを見定める力が身についていなかったからです。裏を返せば、それくらいムイムイ1.2インチが、従来のメバルワームからすると常識はずれの形をしていたのです。それだけに、このワームを世に送り出した中村理さんの凄さに感銘を受け、爆釣報告とともに、称賛と感謝の意を伝えました。
 迎えた10月のはじめの問屋さんの展示会で、『ヒグチオリカラ』の話しがまとまりました。「お客様にもっと釣っていただくために、まずこの3色を作っていただきたい」という私の提案を快く承諾してくれたのです。私は嬉しくてたまりませんでした。
 ところが、それから1ヵ月もしないうちに、問屋の担当者さんから「樋口さん、実は、今日大変残念なお知らせがありまして…」という電話が入りました。「残念な知らせ?いったい何ですか?」私は皆目見当がつきませんでした。「中村工房さんが亡くなられました。」
 信じられなかったです。受け入れたくないという気持ちがそうさせたのでしょう。同じ業界人として親しくもあり尊敬していた方が、若くして、志半ばで急死されたことがあまりにも悲しかったし、自分が楽しみにしていたことが何一つ実現されないまま終わってしまった…そのむなしさがありました。
 では、なぜ、今になって、『ジャックナカムラワーム』ブランドのまま、ムイムイ1.2インチのヒグチオリカラが実現することになったのか?そのことについては次回、綴りたいと思います。



再々復活… 2015年2月4日

 長いことこのコーナーが途切れていましたが、別に仕事をサボっていたわけではありません。むしろその逆!ほぼ毎日休みなしで、全力で頑張っています。というか、頑張っていかないと自分の生活すら危ういぐらい今の釣り具業界のうち、日本国内の販売に関しては厳しいです。(海外での販売は堅調のようですが)
 そんな中、私は、真剣になっていい商品を見つけて、販売し、お客さんに少しでも釣っていただきながら腕を上げていただくことに力を注いできました。そうした取り組みは今後も継続していくつもりですが、最近、それだけでは、マズいと感じるようになってきました。
 その理由はというと…
 @ いろいろな人にすぐにジャマをされる。
 A メーカーの請負(受け身)になってしまい、自分の良さが生かし切れていないし、やるべきこともできていない。
 まず@の、すぐにジャマをされるということですが…マネをされるまではまだいいんです。でも、マネをされたうえで、ジャマをされたら、たまりません。
 資本主義経済は『競争社会』だから、他人のジャマをするのは「当然」と考える人もいるでしょうが、私は、それは間違いだと思います。「競争」にもモラルはあるべきです。そうしていかないと、最終的には大勢の人が不幸になってしまいます。(ここらへんのことは、また追い追い話していこうと思います)
 せっかく、当店の心温かいお客様のために全力でやっていることが、陰湿なジャマにより、私の幸せにも私がお世話になっている方々の幸せにも結びついていかない、こうした状況を打破するため、今後は積極的に動いていきたいと思います。「倍返し」をするのではなく、正当な施策でわが身を守りつつ、先を進んだり、本物を末永く大切にしたりする姿勢をもっと磨いていこうと思います。(これはAの問題とも関係しています。)
 そのためには新しいことをしていかなくてはなりません。ただし、今までやってきたことをすべてやりつつ、新しいことまでやるというのは、不可能です。だから、これからは、もっと的を絞っていこうと思います。その結果、少しお客さんに不自由を感じさせてしまうところが出るかもしれませんが、私のできることをお客さんや釣具業界のために最大限生かそうとしてすることです。そういう視点で見守っていただけるとありがたく思います。

 ※ 今回から急に語尾が丁寧語になっていますが、これも心境の変化ととらえてください。



再復活… 2010年5月14日

 一年半前に復活すると約束したのに、一日坊主になってしまい、そのまま、月日が過ぎ去ってしまった。情けない。狼少年ならぬ、狼おじさんになってしまった。
 タイトルには、「再復活…」となっているが、まあ、あまり力強く継続を宣言するのは、やめにしておく。みなさんも、あまり期待せずにいたほうが、いいかも…。ごめんないさい。
 いきなり、オレらしくなく、弱気な展開で幕を開けたが、書きたいことは、いっぱいある。
 そのなかで、今日は、木崎湖の催しの一部について触れることにする。
 今年、昨年まで8年ほど続けていた木崎湖へのツアーを模様替えすることにした。
 昨年まで、当店で観光バスを貸し切って出かけていたのを、各々、自家用車で現地集合にしたのが最大の変更点だ。
 観光バスを貸し切って、バスフィッシングのツアーを実施するというのは、全国でもめずらしく、ひょっとしたら、何年も同じ場所へということで継続実施していたのは、当店だけかもしれない。
 どうしてそうふうになるのかというと、第一の理由は、リスクが大きすぎるということ。実施するには、先に観光バスを予約しておかなければならない。これが最大のリスクだ。一度予約したら、ツアーの申込者が少なくてもキャンセルするわけにはいかない。これはバス会社に対しても、お客さん(ツアー申込者)に対しても当然のこと。ということは、申込者が予定よりも少なければ、当然赤字になり、その赤字分は、主催者が負担しなければならない。これも当然のことだ。
 そして、現実は厳しい。いろいろと工夫しているつもりだが、毎年赤字になってしまう。ということで金銭面では苦しいところもあったが、でも、心の面では満たされていた。毎年必ず20名ほどのお客さんが参加してくれた。これには感謝しなければいけない。なかには皆勤賞の人やそれに近い人も大勢いた。本当にありがたいことだ。そういう熱いバサーがいるからこそ、今の俺があるし、バスフィッシングの世界も守られている。だから、続けるつもりでいた。
 でも、でも昨年の変化は大きく、催しの模様替えをせざるをえなくなってしまった。
 
 

超久しぶりに… 2008年9月29日

 超久しぶりにこのコーナーを再開することにした。
 今年の初めに、何人かのお客さんに「今年こそは『店主の主張』を再開する」と約束してなかなか再開できずに半年以上が過ぎてしまった。このコーナーを楽しみにしてくださっていた皆さんには大変申し訳なかったと思う。
 べつに約束を忘れていたいたわけではないのだが、なかなか踏ん切りがつかず、約束は「今年中…」だから、まだ「○ヶ月ある」と都合のいい解釈をしているうちに、ずるずるとここまで来てしまった。
 何度も「これではいかん」と思っていながら、なかなか実行できない自分がいた。約束は絶対に守るつもりでいたんだけど…。
 そんな折、あるお客さんに喝を入れられ、重たい腰を上げることにした。いいかげん再開しないと自分でも自分自身に納得しないし…。
 せっかくの再開だから、まあ、毎日とはいかないまでも、ある程度の頻度で更新していきたい。そのためにも一回の文章の長さをほどほどにしていくことが大切かな?読む側にとっても、あんまり長いと結構大変だろうし。
 はるか昔に書いた前回は、業界の暗部について書き出した。これはまた早いうちに続きを書いていこうと思うが、その前に、どうしても書いておきたいのが、法や行政の面から見たバスフィッシングの行方。
 特定外来生物被害防止法の制定以来、わりと締め付けがないように感じている人が多いかもしれないが、現実は違う。どんどん外堀を埋められているというのが実態だ。
 たとえば、地元田原市。バスの駆除を最大の目的とした野池の水抜きが各所で行われるようになった。そのため、そのせいもあって、渥美半島野池のバスの生息数はかなり減少している。
 たとえば、当店主催のツアーで毎年お世話になっている長野県木崎湖。今年の6月1日から長野県ではバスやギルのリリースを禁止した。野尻湖と木崎湖は特例ということで、外来魚が湖から流出しないように網を設置するということを条件に、猶予措置となったが、これも今年の12月までと短期間のもの。漁協や地域が一丸となってバスを地域活性の柱にしようと考えている野尻湖は、網の設置に向けて、ほぼ予定通りに進んでいるそうだが、木崎湖は難航しているようだ。当店と当店のお客さんがお世話になっているモダンボートさんも一生懸命動いてくれているのだが…。
 芦ノ湖に続き、河口湖までがワーム禁止になったのも、大きな出来事だ。
 琵琶湖のリリ禁問題についても、今は滋賀県が新幹線の新駅建設問題で揺れているので、静かになっているようだが、今後どうなるのか不透明。なにしろ元琵琶湖博物館の学芸員が知事をやっているのだから…。
 釣りは、たしかに釣れれば楽しいし、今釣りができれば、それでいいという考えができないこともない。でも本当に釣りを愛しているのなら、将来のことを考えて行動すべきだと思う。
 今回の『店主の主張』再開に際して、俺もそうした姿勢で臨むことを宣言したい。



方向を転じて… 5月19日

 今まで俺はこのコーナーで延々とバス問題を扱ってきた。これには、おれ自身がバス業界の一員でありバサーの一人でもあること、ちょうど世間でバス問題がクローズアップされたことの両方が強く影響している。
 一方、業界やバサーを援護する側に立って論を進めてきたのは、決して自分がそういう立場にいるからではない。バスやバサーは悪くないのに、悪者に仕立てられている場合が多く見られるからだ。こうした誤解についてはきちんと反論を述べる必要がある。それを実践しているにすぎないわけだ。
 では、バス業界やバサーがすべて正しいかというとそういうわけではない。バス業界やバサーにだって問題点はいっぱいある。全体的に見て、行政や内水面漁業者や魚類学者やマスコミと比べると量的には少ないが、だからといってそれをないがしろにしておくのは俺の性分に合わない。それだけでなく、バス業界やバサーの至らない点が湖沼の理想的な利用を実現していく上で大きな障壁にもなっている。
 というわけで、しばらくの間は、方向を転じて、バス業界やバサーの中の多くの人たちに対して辛口の指南をしていこうと思う。俺はバス関係の商品を売っているわけだから、儲けのことを考えたら本当なら我慢しなければならないのかもしれないが、バスが正式に市民権を得ようと考えるなら黙っているわけにはいかない。自分に近い人たちばかりをかばって、他の人たちばかりを悪く言ってたんでは、世間一般の人たちが賛同してくれるばずがないからだ。
 先ずは、バス業界というかメーカーやバスプロたちの言動について書くことにする。
 本当なら、一般バサーよりも上に立つこれらの人たちこそバスフィッシングが世間で認められるようにうまく動いてくれなければならないのだが、実際はそうなっていない面が多い。
 その原因となっているのが、メーカーやバスプロたちの間に根付いている利益や釣果やかっこよさを優先する姿勢だ。別に俺は利益や釣果やかっこよさを求めることが悪いと言うつもりはない。業界人なら誰でも利益を考えて営業するし、釣り人なら誰でもいい釣果をあげたいと思うはずだ。そして人間ならはほとんどの人がかっこ悪いよりかっこよくなりたいと思っているだろう。しかし、現在はそれが前面に出すぎている。
 次回はこの問題点について具体的に例をあげていきたいと思う。
 
 今回はおもしろくもなく、短いが方向を転じるということでお許しを…。
 他人にばかり厳しいことを言っておいて、自分だけ許してくれなんて言ったところで、俺んとこのお客さんが許すはずがないことぐらい分かっちゃいるけど…。
 それから、店でいじられキャラになっている分だけ、このコーナーでは反動が出るのか、どうしてもいじりキャラになるんだよなあ。しまった。またしても言い訳をして、さらにいじられるネタを提供してしまった。うーん週末が怖い。
 


理想的な湖沼の利用 2月12日

 今日は前々回の続きとして、湖沼の利用を今後どうしていったらいいのか、俺の考えを書いていきたいと思う。
 前々回は自分勝手に密放流するのはいけないことだと書いた。
 ではどうしたらいいのか。より大勢の意見をともに、地域の実情に合わせて公平に湖沼の管理の仕方を決め、決まったことに従って運営・活用をしていくのだ。
 以前書いたように、湖沼によってその環境は異なっている。そこを利用する人々の思いも多様だ。だからそれぞれの湖沼というか地域に合った利用の仕方を実践していけばいいというただそれだけのことだ。
 すごく当たり前で一見簡単そうなことだが、これが難しい。俺の目から見て、まともにできているところなんてほとんどない。できていないからこそ今、全国各地でバスのことがこれほどまで大きな問題となってきてしまったのだ。
 その原因は前々回に書いたように確かに釣り人の側にもある。しかし見方によっては釣り人が密放流のような身勝手なことをしてもべつに悪くないと思える土壌がわが国にはあると俺は思う。
 中井克樹や秋月岩魚が「密放流をすればするほどバス釣り場が増えてバサーにとって都合がいいという今までの状況はおかしい。」と言っているのはその通りだ。しかし、だからと言って彼らが言う「バサー=犯罪人」という図式は成り立たないと俺は思う。何度も書いているように外来魚の移殖を禁止する拘束力のある法規はつい最近まで存在しなったからだ。法律がないのだからやる人が出てきてもある面仕方が無い。おまけに固有種の宝庫琵琶湖でさえ、行政は勝手に湖の環境を破壊する工事を行っているし、漁師は勝手に琵琶湖から固有種を出したり琵琶湖に移入種を入れたりしている。
 つまり行政や漁師も密放流をするバサーと同じように湖沼を自分たちの手で自由に変えられるものと考え、ならば自分たちの都合のいいように変えたほうが得、そう「やり得」と考えて実行していたわけだ。
 魚類学者だって同じようなものだ。生態系の維持や生物多様性が人類の未来にとってどうして重要なのかをはっきりと述べていない上に、俺から見ればめずらしいからとか気に入っているからというような身勝手な理由でバスを悪者にし、特定の在来種をVIP待遇しているように感じる。
 一般民衆だって同じだ。めずらしいとかかわいいということになるとすぐに「保護賛成」となる。俺が地元の商工会で他の小売店の経営者たちと話をしていたときのことだ。バス問題が話題になった。皆、「バスは害魚だ」と決めてつけていた。俺が「どうしてそう決めつけるのか」と尋ねると、「バスは何でも食べちゃう悪いヤツだから。バスがいると他の魚がいなくなる。」という答えが返ってきた。俺が「そんな簡単に決めつけられることじゃない。琵琶湖じゃあバスが入ってからアユが増えている。」と言うと、「バスが入ってアユが増えるばすがない。なんかの間違いだ。」と反論された。「よそからやってきて、他の魚を食べるのがいけないんだったら、アザラシのタマちゃんだって同じじゃないか。タマちゃんは問題にしなくていいのか。」と問うと、「タマちゃんはいいんだよお。だってかわいいもん。」という答え。これには参った。答えの幼稚さに愕然としたが、結局、一般的な日本の大人のレベルなんてこれくらいなんだろうとも思えてきた。まあ、しょっちゅうマスコミに洗脳されているんだから仕方がないのかもしれない。
 いかん、いかん、いつの間にか話がまた琵琶湖の問題の繰り返しになっていくので、話を別の方向に進めるとしよう。
 要するに今まではいろいろな立場の人々がそれぞれ自分の都合のいいように湖沼の管理や活用を行っていた。そのうち釣り人(特にバサー)のすることだけが公の権利として認められなかったのだ。
 それはなぜか。理由はいろいろある。ここですべて書くとまた長くなってしまうので、次回以降にしようと思うが、とにかく現在のような不平等な立場を払拭しなければバス釣りの未来は暗いものになってしまう。
 その手立てはいろいろあるだろうが、1つは行政への訴えかけ。滋賀県のような凝り固まった大きな自治体を動かすのは難しいかもしれないが、各市町村や各地区のような小さな自治体ならば、こちらがしっかりとした根拠を示せば前向きに対応してくれる可能性は高いように思う。
 もちろんこのご時勢、簡単にはいかないだろうが、無理だと決めつけて何も働きかけをせず、バサーが個々にひっそりと釣りをするようなことのみを続けていたんでは、いつまで経ってもバス釣りは市民権を得ることができない。それどころか、ますます肩身の狭い状況になり、アングラな世界へどんどん深く入り込んでいかざるをえなくなる。AV業界のようなアングラモードならまだいいが、それこそナチスの追跡から逃れるために身を隠して行動するユダヤ人のようなモードになりかねない。すでに場所によってはそれに近いところもあるのではないだろうか。
 ちなみに俺はAVもバス釣りも好きだ。まあ「好き」の方向性というか質は違うが…。いかん、いかんバカなことを書いていると話は進まないし、またお客にいじられるネタを提供しているだけになってしまう。話を戻そう。
 前回も書いたように、地元渥美半島では幸い、渥美半島の野池を守る会の人たちの努力によって光が差してきつつある。とにかくこれからは行政の担当者や地区の管理者に加えて、地域住民の理解が得られるように今後の取り組みを発展させていかなければならないと思う。そしてこのことは会のほとんどの人も同様の思いに違いない。(自分が十分やれてないくせに、勝手に断言してすんません。)
 理想的な湖沼の利用は、大勢の人を巻き込み、いろいろな人の立場になって柔軟に物事を考えていくことによって初めて実現されると思う。
 俺にはすべてバス釣り優先の池になればいいなんていう考えはない。バス釣りができる池の近くに在来種のみが生息していて、その環境を楽しめる池があっていい。場合によってはバス釣りと在来種の観察が同時に楽しめる池があってもいい。それぞれの池が持つ特性を考慮した上で、池を使用する人たちと地元の住民が話し合っていろんな立場の人が納得できるようにしていけばいい。それだけだ。
 しかし、これを実践していくにあたっては大きな障壁がいくつもある。次回はそれらが一体何かということについて書いていこうと思う。



ようやく再開 1月5日

 超久しぶりに「店主の主張」を再開する。
 前回からなんと5ヵ月が経過した。その間、多くの皆さんからこのコーナーの再開を望むお声を頂戴した。ありがたいし、少しでも早く再開したいと思いながら、ついつい今日まできてしまった。他のページはしばしば更新していたのだが、こちらを更新するとなると、ある程度時間をかけ、気合を入れて臨まないとなかなかできない。それくらいこのページを更新するにはパワーが必要だ。
 昨年の4月の途中からは正直忙しくてそのパワーが残っていなかった。見かけは体格がよく、常にパワーたっぷりのように見えるが、とうしてどうして実は結構お疲れモードだったのだ。
 ようやく子ども会の大きな行事がほとんど終わり、釣りもオフシーズンになり、正月の初売りも一段落ついた。再開できる下地が整った。本当に「やっと…」という感じだ。このページの再開を望んでいた方も同じ気持ちだろう。
 あんまり前置きばかり続けていても仕方がないので、前回の続きを書いていきたいのだが、あまりにも期間が開きすぎてしまった。陸上競技でも久しぶりに走る場合はよくウォーミングアップをしないとアキレス腱を切ることがある。ということで今日は、前回の続きを書かず、休んでいた間のバス問題に関わる出来事を簡単に振り返ることにしたい(アキレス腱の例えとどういう関係があるのか、つっこまれると困るが…)。
 まずは9月の衆議院総選挙。小泉劇場が人気を博し、自民党が圧勝。新内閣では問題の小池環境大臣の留任が決まった。この時点で、今年の9月まではバスに対する風当たりが強くなれど、弱くはならないことが決定したと言っても過言ではない。6月から特定外来生物被害防止法が施行され始めたばかりなのだから、まあ誰が環境大臣になってもそうそう変わらないんだろうけど、小池大臣が留任したのと別の人が就任したのとでは気分が天と地ほど違う。正義や真理や愛情のためではなく、損得や地位・注目を考えて行動する小池大臣の姿に俺はメチャ嫌悪感を抱くのだ。俺にとっては昨年話題になった「騒音おばさん」以上にうっとうしいヤツなのだ。それが「刺客第一号、勇気ある決断」という具合に英雄扱いされてしまうのだから世の中って恐ろしい。小池大臣が目の前に現れたら俺なんか騒音おばさんのように「退陣、退陣さっさとさっさと退陣」と叫んでしまうかもしれない(現に今この文章を打ちながら、足に掛けている毛布を定規で叩いて気合を入れている)。
 いかん、再開したと思ったら新年早々暴走癖が再発してしまった。お客にこっぴどく灸をすえられるとまずいので話を進めることにしよう。
 特定外来生物被害防止法が施行され始めた当初は大きな動きはないように見えたが、それはあくまで行政側の様子見。次第に全国各地でバスの駆除=バサーの締め出しに乗り出す自治体が増え始めた。特定外来生物被害防止法がそうした動きを後押しするだろうという予想が現実になってきた。
 滋賀県は今になって琵琶湖のレンタルボート屋に立ち退き命令を出し始めている。行政は「ボート屋に対して住民から苦情が寄せられている。以前から違法行為であることを忠告してきたが、ボート屋は無視し続けてきた。」というようなことを言っているが、俺から見ればタイミングを見計らって立ち退き命令を出したように思える。ここでいうタイミングというのは、外来生物法の施行によって全国に広がりつつあるバス駆除の動きだ。これは滋賀県が琵琶湖で2年間続けてきたリリ禁の強力な後押しになっていると俺は分析している。ようするに「赤信号みんなで渡れば怖くない」式の考えだ。みんなが付いてきてくれれば滋賀県は先頭に立って次の段階へ歩を進めることができる。おまけに外来生物法の施行とマスコミの報道により、バス釣りに関わっている人は完全に大衆から悪者と見なされるようになってきている。そうなれば怖いものなしだ。その結果が今回のボート屋の立ち退き命令だと俺は考える。
 確かに法的にみると県の指導に従わないボート屋が悪いのだが、行政側のいやな魂胆が見え隠れしているだけに胸くそが悪い。滋賀県の国松知事が俺の目の前に現れたらやっぱ「退陣、退陣さっさとさっさと退陣」と叫んでしまうかもしれない。
 いかん、いかん、このままでは同じような暴走を繰り返してしまう。これじゃあ、環境省や滋賀県がやってることと同じレベルになってしまう。話題を変えよう。
 悲観的な話題が続いてしまったが、望みのある話題もあった。それは渥美半島の野池を守る会の活動努力により、野池開放の可能性が出てきたこと。会の人たちが取り組んできた月一度のゴミ拾いが認められてきていることの現れだと思っている。加えて、会の中心的な人たちがゴミ拾い以外の面でもいろいろと積極的に動いてくれているというのが大きい。まだ今後どうなるかはっきりしない段階なのでこれ以上のことは勝手に書けないが、いい傾向であるというのは事実だ。
 日曜日に店に居なければならず、なかなか会の活動に協力できないことが多かった俺だが、自分のできる範囲でお手伝いができれば…と思っている。今年はスタートしたばかり、どんな1年になるか不透明だが、とにかくバス釣りに限らず、将来を見据えて、釣りの問題に積極的に関わっていきたい。そして、少しでもいい流れを作っていきたい。
 結局、まじめな決意でこのコーナーの再開と1年のスタートをしめくくることになった。うーん、やっぱ俺って冷静沈着なんだよなあ
 もう一つの悪い癖、自己陶酔と自己賛美が出始めたので、そろそろ終わるしかないね。ではまた次回をお楽しみに。次回はちゃんと5ヵ月前の続きを書くから。
 


いまだになくならない密放流 7月22日

 先日あるお客さんから驚く話を聞いた。最近岐阜県のある湖でスモールマウスバスがよく釣れるようになったといううわさだ。どうも6月1日の特定外来生物被害防止法施行前に入れてしまえということで別の湖からかなりの数が持ち込まれたらしい。
 これはあくまで俺とお客さんとがうわさをもとに推測したことで、事実だと断言はできない。しかし、これと似たようなことが全国各地、そしてごく近所でもあるということは事実だ。
 何度も言っているように1992年前に放流してしまったものは仕方がない。1992年以降であっても放流が大々的に取り上げられ、問題視される前ならまだ言い訳が立ったかもしれない。けれど今は中井克樹や秋月岩魚らが「バサーはいつまでも勝手に密放流を続ける悪いヤツ」というレッテルを貼り、マスコミの後押しにより世論も同調している時代だ。バサーでなくても密放流はヤバイことという認識が定着している。こんな状況下でバサーがバスを密放流したらどういうことになるか…。
 6月1日直前にバスを放流した人がいるとしたら、施行以後だと罪が重くなるから今のうちにという気持ちでやったんだろう。たしかに1箇所放流するごとにバスが釣れるフィールドが1つ増えるわけで、一見バサーにとって好都合のように思える。しかし、このことがばれるとどうなるか。ただでさえ肩身の狭い思いをしているバサーの立場がさらに危うくなってしまう。しかもばれるのは確実だ。「全国各地で特定外来生物被害防止法施行前の駆け込み密放流が頻発」となれば、駆除派の思う壺。バス釣りそのものが全面禁止まで発展しないとも限らない。そうなれば当然放流した本人も釣りができなくなる。
 自分がおいしい思いをしたいという安易な気持ちがとんでもない事態を引き起こすことになりかねないわけだが、当の本人にはそうした危機感はないのだろう。危機感があったならこの時期に密放流などするはずがないから。
 はっきり言って自分の所有ではないところに自分の都合で勝手に他の所から持ってきた生き物を放すという行為そのものに問題がある。これはバスに限ったことではない。
 少し前にクワガタブームがあり、俺の知人で家で育てたオオクワガタを近所の山に放し、自然繁殖させようと試みたヤツがいた。オオクワガタが近所の山で獲れれば単純に楽しいと考えたからだ。結果については聞いていないのでよく分からないが、もしも繁殖したならばバスを放流し定着させたのと同じようなことをしていることになる。近所の山は公有地か他の人の私有地のいずれかだし、湖沼のような区切りも無く、しかも羽が生えた生き物なだけに広域に広がる危険性がバスよりも高いかもしれない。何はともあれ、めずらしく貴重な虫だから外来生物でも放してよいというのはおかしいと思う。
 このことは在来種についても同じだと俺は考えている。近所の学校でメダカがレッドデータブックに入っていることを理由に教室で育てたものを近くの小川に放流し繁殖させようなんてことをしているところがあるが、これもおかしな話だ。誰の許可も取らずに勝手に生態系を変えようとしているのだから、希少種だからいいとか、在来種だからいいとかいう問題ではないはずだ。それにレッドデータブックに入っていてもメダカはけっこういろいろなところに生息しているように思う。本当に絶滅危惧種なの?と首を傾げたくなったり、レッドデータブックの作成に政治的な思惑が絡んでいるのではないかと疑いたくなったりするのは俺だけか。
 国民の多くがマスコミを通して洗脳されたせいか、はたまた昔から国民の心の中にある国粋主義のせいか、メダカを放流し生態系を変えようとするすることはすばらしいことで、釣ったバスをその場でリリースするのは生態系を変える行為ではないのに罪になるなんていうのがまかり通るのだから、戦争のない世が長く続いてはいるが、別の意味で日本って恐ろしい国だとつくづく思う。
 だから仕返しとして密放流を繰り返すというのは自爆テロみたいなものだ。そうした悪質な行為は決して正当化されるものではない。
 まあ誰だって多かれ少なかれ秘密のうちにこっそり行動するということはあるだろうが、見つかっても照れ笑いをしたり、ほっぺたに赤い手形ができたりして終わりになるくらいのことで留めておくべきだ。周りの多くの人に迷惑をかけるかも知れない秘密行為は慎むというのが社会人の常識だと思うが、いかがだろうか。

 次回は、ではどうしたらいいのか、この点について書いてみたい。



3のパターン 7月12日

 しばらくお休みしていたと思ったら、なんと20日近くも間が開いてしまっていた。
 自分では1週間位のつもりでいたんだが…。ホントに時が経つのは早いものだ。最近もの忘れがひどくなってきたし、たいして使っているわけでもないのに(使わないから逆にいけないのか)無性に腰が痛むときがあるし、歳を感じる今日この頃だ。
 まあこんな言い訳じみたジジくさい話はたいがいにしておいて本題に入ろう。
 今日はいよいよというか、ようやく最終の3のパターンだ。
 3のパターンというのは、希少種が生息していないバスフィールドを指し、全国的に見て大部分がこのパターンに属している。
 希少種が存在していなければ何も問題はなく、大手を振ってバスフィッシングができそうなものだが、現実は厳しい。実際、全国各地でもめ事が起きている。もめ事の原因はいろいろあるので、分類しながらその中身を見ていくことにしよう。
 1つ目は漁業被害が原因になっている場合。これは内水面漁業が行われているフィールドでは必ずと言っていいほど問題になっている。理由は簡単だ。自分たちが獲っているいる魚がバスのエサになっているからだ。漁師はその魚を獲り、売って生計を立てているわけで、たとえバスのせいで漁の対象の魚が減ったわけではないにしろ、目の前でバスに食われる場面を見ると怒れてくる訳だ。これが自分たちが手間とお金をかけて育てた稚魚がやられたとなるとなおさらだ。この感情については漁師でない俺でも理解できる。
 霞ヶ浦、八郎潟、諏訪湖などでバスが問題視されている原因のほとんどがこうした漁業被害である。それどころか琵琶湖の問題の多くも同類だと言える。大変な問題のようだが、これについては俺も青柳さんが述べているように漁業法を見直すことで対応できると考えている。このことを書くと長くなるので後日詳しく書くことにしたい。
 2つ目は希少種はいなくても在来種がおり、その在来種の減少が「バスは昔からいる小魚を食べる悪い魚」という住民の意識となり、それがさらにバスがいることで成立するバス釣りも悪いことという具合に発展し、やがてバス釣りの締め出しへと動いてしまうというパターン。
 これについては誤解されている場合もあるし、実際に在来種の減少がバスの移入によって起こっている場合もあるのでしっかりとした調査をした上で対応すべきだと思う。
 それにたとえバスが原因で在来種が減っていたとしても、それがイコール「悪いこと」と短絡的に考えるのはおかしいと俺は思う。この理由についても書くと長くなるので後日述べることにしよう。
 3つ目はバスというよりもバサーがうっとうしい存在だと思われているというパターン。はっきり言ってこの原因のほとんどはバサーにある。つまりバサー自身が変わらない限り問題は解決しない。
 ゴミのポイ捨て、迷惑駐車、危険行為、施設の破壊など全国各地で起きている例をあげたらきりがないくらいだ。
 人間として最低限のことができなくて権利ばかりを主張していたのでは誰も味方してはくれない。大部分のバサーはきちんとやっている。なのに一部のバサーが悪いため世間ではバサーはマナーの悪いヤツと見られてしまっている向きがある。これはすごく残念なことだ。
 こうした状況を変えていくのはバサー一人ひとりの取り組みにかかっているわけだが、バサーの意識を変えるように小売店やメーカーやバス釣りを扱っているメディアももっと努力すべきだと思う。
 次回からはこうした点について具体的にバサーやバス業界について苦言を呈していきたい。かなり辛口の文になると思うので、覚悟していて欲しい。特にバス業界の方々はご用心を。俺は人気や実力のあるなしなんて関係なしでストレートに思ったことを書くから。


2のパターン その3 6月22日

 今日はバスが生態系に大きな影響を及ばしていることが明らかになった河川や湖沼の対応策について述べていきたいと思う。
 まず考えなければいけないのが、生態系に及ぼす影響の大きさと内容だ。
 生態系と言ってもバスの場合、一番問題になるのは他の魚、エビ、水生昆虫の生息数に与える影響だ。他にもプランクトンの変化やそれに伴うもろもろの水質の変化なども考えられるが、他の魚などの生息数の変化と比べれば話題性は低い。つまりそれらがネックとなってバス及びバス釣りが問題になることはまずないはずだ。
 逆に減っているのが、絶滅危惧種だと大問題になる。しかもそれが学術的に価値の高いものであったり、世間的に注目度の高いものであったりするとなおさらだ。
 ところが、世間でさかんにバスを害魚扱いしているわりに、バス釣りで有名なフィールドでバスが絶滅危惧種を減らしたという資料は探してもなかなか見つからない。最初からバスを他の魚の大敵だと感情的に決めつけて述べているものや1のパターンで紹介したようにバス釣りのフィールドとして魅力のない小さな池の事例はあるが…。
 この理由は大きく3つ考えられると思う。
 1つ目はフィールドの規模が大きい故に調べるのに手間がかかるため、今までしっかりとした調査が行われておらずよく分からないということ。
 2つ目は実際に調べてみたら、漁協が放流した魚に対する漁業被害はあったとしても、希少種が減っているなど生態系の面で大きく取り上げるような被害は見当たらなかったということ。
 3つ目はバス釣り場として値打ちがあり、かつそこに希少種が生息しているようなフィールドがほとんどないということ。
 俺も具体的にどの河川や湖沼がどのパターンになるかはほとんど分からないが、ほとんどがいずれかのパターンにあてはまることは間違いないと思う。
 ようは影響がないか、影響のあるなしがはっきりしないかのどちらかということになる。
 これではバス駆除派にとって都合が悪い。何か理由付けをしないとバスを駆除する説得力に欠ける。そこで世論を味方につけるためにいつも登場するのが、水槽実験と琵琶湖固有種のニゴロブナとホンモロコということになる。
 はっきり言って、もそんな幼稚な実験や漁師が獲っている魚を事例にしたって、バカな人が騙されるだけの話だ。しかも漁獲量のデータからは影響はほとんど読み取れないのに被害が甚大とくるから困ったものだ。
 いいかげんそういう路線から脱却し、漁業に関係していない希少種を対象にした調査をきちんとすべきだ。俺としては、そうしないかぎりバスを駆除したりハサーを追い出したりするのを認めるわけにはいかない。これは個人的な感情ではない。ものの道理を通すとそうなるはずだ。
 その結果、希少種や固有種に対する被害が大きいということが明らかになった場合はどうしたらいいのか。
 当然対策は必要だが、この場合でもいきなりバスを駆除したりバス釣りを禁止にしたりするのではなく、そのフィールドに通っているバサーの気持ちやそこでバス釣りに関わって仕事をしている人たちの気持ちも大切にしてほしいと思う。学術的な見地からすれば固有の生態系を維持することが大切だろうし、俺は学者たちのそうした思いを否定しようとも思わない。そういう思いがあったっていい。しかし、バサーにはバサーの生きがいがあり、バス釣りに関わっている人にはその人の生活があるわけで、それも大切にしてほしいということが言いたいだけだ。
 1のパターンのときにも書いたが、「生物多様性の維持は重要だ」といきなりそれが当たり前のように言い切り、バサーを悪者にするような今の状況は絶対におかしい。しかもそうした学者たちが湖のあり方についての主導権を握っているのだから変な話だ。
 別に俺は「学者の言い分を無視しろ」と言いたいわけではない。ちゃんとした根拠や理由もなしに「生物多様性は人類にとって大切」で片付けてしまうのはおかしいと言いたいだけだ。ものめずらしいからの残さなければいけないとか、自然を変えちゃいけないということではなく、人類の未来やその地域に住む人たちの生活にとってどう重要なのかを明確に説明してほしい。ちなみに今まで俺が納得するような解説をしている学者は俺の知る範囲では誰もいない。
 はっきり言って勝手な対策をする前に、しっかりとした調査をした上で、もっと多くの人の意見を聞いたり、しっかりと話し合いをする場を設けるべきだ。今までのように行政にとって都合のいいようなメンバーで話し合いをするのではなく、バサーの声やバス釣りに関わって生活をしている人の声を大切にすべきだ。当然漁師だって話し合いに参加してもらえばいいし、何よりも住民一人ひとりの思いを大切にすべきだ。
 その際くれぐれもお願いしたいのが、今までのように偏った情報ばかりを流し、駆除派にとって都合のいいような世論形成をしないということだ。
 それからできる限りバスと在来種、言い換えればバサーと他の人々が共存していく道を考えて欲しい。
 以上のことをした結果、どうしてもバスを駆除しなければならないとなった場合は仕方がないと思う。しかし、そのフィールドからバス釣りが消えてしまうことで起こるマイナス面をどこかで補って欲しいと思う。
 近くの別のフィールドを開放しバス釣り場として積極的に活用する、駆除対象となったフィールドでバス釣りと深く関わって生計を立てている人にはなんらかの生活補償をするなどの対策が考えられると思う。
 そうしたときなんと言っても琵琶湖の対応策が断然難しい。すでに琵琶湖では徹底的なバスの駆除が行われている。しかし、それは何度もいうように今の時点ではちゃんとした根拠に基づいたものではない。まずはこうした身勝手な駆除活動を止めさせなければならないが、これが一筋縄ではいかない。
 琵琶湖でリリース禁止を実施する前に滋賀県がパブコメを実施した。リリ禁反対の意見が1万以上も寄せられたのにも関わらず、そうした意見を完全無視してリリ禁を実施した経緯がある。こうした体制を崩すのは難しい。
 もしもそれが崩れたとしても、琵琶湖は日本一の固有種の宝庫であり、内水面漁業にも他の内水面と比べて多くの人が関わっている。しかもそれが琵琶湖の固有種と関わっている。湖岸沿いに民家や農地、商店、工場など人々の生活と関わっている利用形態が多く見られる。という具合にクリアしなければならないハードルがいくつも重なっている。
 一方バサーの側から見れば、琵琶湖は日本一のバスフィールドであり、琵琶湖に変わるフィールドなど日本には存在していない。ましてや琵琶湖の近くとなると中規模のダム湖がいくつかある程度にすぎない。もしも琵琶湖からバサーを締め出した場合、締め出された人たちはどこでバスフィッシングを楽しめばいいのか。そして琵琶湖でバスフィッシングと深く関わって生計を立てているボート屋や釣具屋はどうしたらいいのか。琵琶湖が大きく魅力的なフィールドだけにこうした人たちの数もハンパじゃない。今はそういう人たちの受け皿なしにことが進んでいる。これは憲法で保障されている基本的人権にも関わる大問題だ。漁業が極端に優遇され、バス関係者が極端に冷遇されるなんておかしな話だ。行政がそうした差別を平然と行っているのだから困ったもんだ。
 そこで提案なのだが、できる限り琵琶湖のバスフィッシングを残し、在来種や漁師と共存していくことはできないのだろうか。バスの影響で固有種が減少していることが調査から明らかになったとしたら、減少している固有種を保護するための特別なエリアを設けてもらっても構わない。そこではバスを駆除してもらっても構わない。
 一番話題になっているニゴロブナやホンモロコについては、まずヨシ原を昔のように戻すことから始めるべきだろう。さらに必要に応じて禁漁などの措置をとる必要があるだろうし、場合によっては両種が生息しているエリアのバスを駆除するということも考えなければならないのかもしれない。
 いずれにせよ、琵琶湖全域でリリ禁を実施するというのはどう考えてもいきすぎていると思う。駆除派は「別にバス釣りを禁止にしたわけじゃない。やってもらっていいからリリ禁だけは守ってくれ」と言うが、バサーにしてみればそれは受け入れがたい規則なのだ。そのことを駆除派が分かっていないのか、分かっていてわざとやっているのか、いずれにせよバサーにしてみれば憤りを強く感じることに変わりない。
 だいたい釣った魚をどうするかは釣った人の意志にまかされているはずだ。別に人に危害を加える魚でもないのに「絶対リリースしちゃあいけない、生き物を殺して回収ボックスに捨てなさい」と命令する条例なんて世界的にもまずないだろうし、恥ずかしい規則だと思う。しかもそれを守ると、バスを全滅させよう考えている滋賀県の政策に加担し、結果として自分で自分の首を絞めることになるわけだから、賢明なバサーほど守りたくないとなるのは当然だ。
 滋賀県はもっと別のやり方を考えていくべきだ。リリ禁よりもエリアを決めてバス釣り禁止にしたほうがまだましだと俺は思う。だいたい今の南湖の自然環境でリリ禁を強要するなんてとんでもない。コンクリートで囲まれ、ヨシ原がほとんどなくなった湖岸や水質の汚れを横に置いといてバスを殺しさえすれば、琵琶湖の貴重な自然を守ることになるというのか。本当に馬鹿げている。
 結局、琵琶湖の問題を長々と書くことになったしまった。琵琶湖もいい加減だが、ようは他のフィールドの資料がほとんど見当たらなかったので対応策についても書けないというのが現実だ。ということで、2のパターンについてしっかりとした調査がなされバスの影響が明確になったなら、また意見を述べてみたいと思う。



2のパターン その2 6月22日

 今日は2のパターンについて具体的な例をあげながら話を進めていこうと思う。
 昨日の最後にも書いたように、どうしても琵琶湖に関係した話が多くなると思う。以前から琵琶湖の話が多いが、それだけ琵琶湖が典型的な例でかつ多くの問題をはらんでいるわけだ。なにせ日本最大のバスフィールドであると同時に希少種や固有種の宝庫(こちらも日本一)なんだから。
 まあ琵琶湖の話をまた一から始めるとまたまた長くなるので、結論に結びつくことを先に書くことにしよう。
 それは、琵琶湖に限らず、2のパターン、いやほとんどの湖沼や河川について、一部のマナーの悪いバサーを除いて、バサーはほとんど悪いことをしていないはずだから、悪者扱いされ追い出される筋合いはないということだ。
 だいたい今最大の問題になっている琵琶湖だってバサーがバスを入れたのかどうか不明なのだ。こんなことを書くと生物多様性主義者をはじめとする大勢の人から反論がありそうだが、俺の言うことは間違っていないと思う。なぜなら琵琶湖の漁師が過去に他の河川や湖沼から何度もいろいろな魚を移入してきたからだ。前にも解説したように故意にバスを入れようとしなくても、混入してしまうというのはよくあることなのだ。それぞれの可能性がどれくらいかは言えないが、バサーがバスを琵琶湖に入れた疑いは、滋賀県がギルを琵琶湖に入れた疑いよりもはるかに低いのは確かだ。なにせ後者の方は確信犯と言ってもいいくらいだから。なのに滋賀県はこのことで謝ったことは一度もないはずだ。ならばバサーが琵琶湖にバスが入ったことでとやかく言われるのはおかしいはずだ。
 おまけにバスが琵琶湖に生息する貴重な固有種を減少させる原因になったどうかも定かではない。これについても以前書いた通りだ。もしもどうしてもバスが主たる原因になっていると思うのなら、公平な立場の人がちゃんとした調査をし、そのことを立証しなければいけないと思うが、いかがだろうか。第一毎年億単位のお金が外来魚の駆除費として使われているんだから、バスと貴重な固有種との関係を解明するように努力すべきだ。広い湖内のことだから完全には解明されないまでも、数百万円程度の経費とある程度の手間をかければ分かってくることはいっぱいあるはずだ。それをやらずしてバスを駆除することばかりにお金と時間を使うなんておかしい限りだ。しっかり調べたらバスの影響はたいしたことがなかったということになると困るのでやらないのだろうか。そういう変な詮索をしてしまうのは俺だけだろうか。
 話をもとに戻そう。
 細木数子くらいはっきり言うと、琵琶湖の生態系を故意にめちゃめちゃにしたのは、被害者を装っている滋賀県と琵琶湖の漁師の方だ。このことも以前少し触れたのでもうお分かりの人もかなりいると思うが、俺は徹底的にやるほうだから、ここでも書かせてもらう。滋賀県には琵琶湖総合開発でさんざん希少種の産卵場等をつぶした重罪がある。漁師には無秩序な放流や固有種を獲り続けたことによって生態系を破壊した重罪があるのだ。
 じゃあ釣り人は生態系を壊す何をしたのか。ほとんど何もしていないはずだ。水中にルアーを残してしまったこと、船外機の使用で湖水を汚してしまったことなどは確かにあっただろう。しかしこれらとて、滋賀県や漁師がしてきたことと比べたらはるかに軽い罪と言えるはずだ。
 俺の記述に対して、滋賀県は「治水や利水のためだ。それが行政の仕事だから仕方がない」と言うかもしれない。漁師は「生活のためだから当然だ」と言うかもしれない。それなら釣具屋やボート屋だって仕事としてやっており、生活がかかっているはずだし、バサーの中にはバスフィッシングを生きがいにしている人だって大勢いるはず。そう、バス釣りに関わっている人たちだって人生がかかっているのだ。
 もしもバスやバスフィッシングが今マスコミで紹介されているほど悪い種であり悪いことだとしたら、どうして今のように問題がこじれる前に手を打たなかったのか。外来魚の移殖禁止の規則ができたのは、ほとんどの河川や湖沼にバスが入り、バサーも増えた後だったのだ。芦ノ湖にバスが入ってから実に60数年に渡りこれといった対応をしてこなかった国や地方自治体にこそ責任があると思うのだが、いかがだろうか。
 以上のことから、まずは行政や内水面の漁師が自分たちが犯してきた罪を正直に認めることから出発しない限り、今回話題にしている2のパターンのフィールドにおける本当の解決はいつまで経っても達成されない。俺はそう断言する。今回の特定外来生物被害防止法のように力ずくでなんとかしようと思ったって、どこかの外国の圧政と同じで、必ずやいつかは行き詰るときが来るはずだ。
 いかん話が不満たらたらになると長くなってしまう。もとに戻そう。
 2番目ににやるべきことは今日も書いた通り、実態調査だ。その結果、バスが生態系に大きな影響を及ぼしており対策を講じる必要がある河川や湖沼のみ、フィールドごとに最善の対策を考え、実行するのだ。とにかく調査をせずにいきなり駆除するというのはものの道理に合わない。何度もいうがフィールドによって実態は千差万別なのだから。
 では調査の結果バスが希少種や固有種を減らす大きな原因になっていることが明らかになったとしたらどうすべきか。待ってましたとばかり駆除したりバサーを締め出したりすればいいのか。
 これらの対応策もフィールドによって違うべきだと思う。今日は結構長くなってきたのでここら辺で終わりにして、続きは次回ということにしよう。
 

2のパターン その1 6月18日

 「2のパターン」というタイトルを見ても何のことか分からない人が多いのではないだろうか。それもそのはず、この話題について触れたのは、もうかれこれ2ケ月以上も前なのだから。文を書いている俺だってどんなことを書いていたのか、少しあやしくなっている。いきなり情けない話からスタートですみません。ペコリ(パソコンに向かって頭を下げた)
 ということで先ずは2のパターンについて解説することにしよう。
 2のパターンがあるということは当然その前に1のパターンがある。これについては4月2日に書いているので、詳しくはそちらを見て思い出して欲しい。
 えっそれじゃあ無責任すぎるって。じゃあ、パターン分けの概要だけ再度解説することにしよう。
 俺の持論として、バスをどう扱ったらいいかはフィールドによって異なるということを何度も述べてきた。そのことはこのコーナーを見てくれている人はご存知だと思う。それでフィールド別に3つのパターンに分けて対応策を考えみることにしたわけ。
 1のパターンというのは、バスのフィールドとしては魅力がなく、希少種が生息している河川や湖沼だ。これは一見バサーにとってどうでもよいように思えるが、実はそんなに簡単に片付けるわけにはいかない。どうしてかは4月2日を見ていただければよく分かるはず。よし、ここまで書けばもういいだろう。
 そして今日扱う2のパターンはバスのフィールドとして魅力があり、かつ希少種が生息している河川や湖沼というわけだ。
 ちなみに3のパターンはだいたい想像がつくと思うが、バスのフィールドとして魅力があり、希少種が生息していない河川や湖沼ということになる。
 これから先の展開も誰でも分かるように、今日扱う2のパターンが一番難しい。バサーと生物多様性主義者の主張というか利害がぶつかり合うからだ。おまけになぜか今はほとんど後者の方が有利になるようになっている。前にも書いたように俺は原則論で言うとバスを極力駆除すべきではないと考えている。俺がバス釣りが好きだからバサーの味方をしているわけではない。どう考えてもそれが正しいと思えるからだ。そのわけについては3月24日の文を読み直すと分かると思う。
 だから、少なくとも希少種なり固有種が目立って減少していなければ、バスを駆除する必要はないと思う。今現在はバランスが保たれているわけだから。なにも誰かさんみたいにやくざのようにイチャモンをつけていきなりバスを駆除しようとするなんておかしい。そしてこれに同調するマスコミもおかしい。
 では希少種や固有種が減少している場合はどうしたらいいのか。
 これについては俺が前に書いたように、先ずは原因をきちんと突き止めることが大切だ。なのに、今は希少種が減ると、こちらもいきなりすべてバスのせいになっている。
 思いおこせば、小学校高学年とき、俺は先生に文句を言う生意気なガキだった(「今のあんたを見てるとうなずける」と言われそうだが)。ある日の掃除の時間、俺は一生懸命ゴミを拾っていた。誰かが作った松の葉をつなげたものが落ちていたので、拾い、いしみに入れようとしたところ、ちょうど担任の先生が横を通り、いきなり「掃除の時間にそんなものを作って遊んどるじゃない」と叱られ、わけを言う間もなく頭を殴られたのだった。
 生意気だったが、掃除をさぼるほうではなかったのに。先生の頭の中には悪玉としてのイメージしかなかったのだろう。もしも相手がおとなしくて自分の言うことをよくきく子だったらきっと対応は違っていただろう。理由をきいていたかもしれないし、「ゴミをしっかり拾って偉いなあ」とほめていたかもしれない。
 生意気だった俺にも少しは責任があるのかもしれないが、この事件については、はっきり言って濡れ衣以外の何ものでもない。
 今のバスは当時の俺と同じような状況にある。水槽の中で小魚を喰うから、小魚が減ればすべてバスのせいとなるわけだ。まだ俺は人間だから真実を語って濡れ衣を晴らすことができるが、バスはしゃべれないのでそういうわけにはいかない。
 何度も俺が書いているように、バスが生態系に与える影響はフィールドによって大きく異なるはずだ。このことは4月24日のバッシンポジウムで水口教授も明言している。
 なのに、在来種が減ればすべてバスのせい。だから即駆除というのはどう考えても不条理だ。
 次回はこの問題について、再び琵琶湖の例を中心に書いていきたいと思う。


木崎湖ツアーを終えて 6月8日

 春の一大行事になっているうちの店主催の「木崎湖バスフィッシングツアー」が終わり、ようやく少しゆとりがもてるようになりそうだ。でもまだツアー参加者に配布するまとめが途中になっているし、ツアーの準備や地区のお役などで忙しかったために後回しになっている仕事もたくさんある。
 このページの更新もその1つだ。なにせ自分としてはちょっとお休みしたくらいの感じでいたが、改めて日付を見てびっくり。なんと1ヶ月以上も間があいてしまった。
 昨日店に来たお客さんからは「ぼくは毎日、朝、会社に行く前と、夜、会社から帰った後に『店主の主張』が更新されているか楽しみに開いているんだけど、ぜんぜん更新されていないので『今日もだめかあ』とため息ばかりついているんだけど…」と言われる始末。いくら忙しかったとは言え、1ヶ月以上も休んでいたんでは無理もない。
 お休みしている間に特定外来生物被害防止法が施行された。4月26日の文にも書いたが、バスフィッシングが禁止になるわけじゃないから気にしないなんて気にはなれない。これを契機にバス駆除の動きが広まろうとしているからだ。この動きをなんとか食い止めていかねば…。俺の主張がどれだけバサーのプラスになるか分からないが、俺の性分としては傍観者でいることができない。ありがたいことにこのコーナーの更新を楽しみにしてくれている人もいるし、自分自身に納得するためにも、まだしばらくはがんばって続けていこうと思う。
 ただがんばりすぎるとそれが重荷になって他のところにしわ寄せがおきると思う。いままで1回の文章が長かったが、これからはもう少し減らしていきたいと思う。俺が楽だし、読む人も楽だろうから。まあそう言っててもすぐに熱くなる俺のことだから絶対とは言えないけどね。
 ということで今日はこのへんにしておいて、次回はずっと前に途中になっていた池のパターン別の対応策について書いていこうと思う。(気が変わるような大きな出来事がなければね。)


バッシンポジウムに参加して 4月26日

 売り出しや他の用事に追われていて、しばらくこのコーナーが手つかずの状態だった。早く続きを書かなければ…という気持ちでいっぱいだが、4月24日の日曜日にお客さん(渥美半島の野池を守る会のメンバー)と東京で開催されたバッシンポジウムに参加してきたので、今日はその報告をしたい。
 水口教授の講演で始まったこのシンポジウム、内容のほとんどは目新しいものはなかったが、パネリストの話と俺の考えがほとんど同じだったので安心したというか、自分の考えの正当性が確かめられた気がして、これからの取り組みのはずみになるように思えた。
 俺にとって興味深かったのが、特定外来生物被害防止法でオオクチバスが指定されるまでの裏舞台を紹介してくれたこと。
 俺が予想していたように、環境省が最初から駆除派に都合のいいような展開で審議を進めていたことがいくつも紹介された。
 特にあきれたのが、具体的な数値が示された資料なしに審議が進められたこと。たとえば琵琶湖ならば漁獲量のデータがあるのに、中井克樹はそれをもとに話し合いをすることを拒んだのだ。それもそのはず、俺が分析した通り、漁獲量の推移からはオオクチバスの影響はまず読み取れないからだ。水口教授も俺と同じ分析をしていた。
 かと思うと京都の深泥池のような小さな特殊な池でオオクチバスが小魚に影響を与えたデータだけはしっかりと提示して、どんな場合でもオオクチバスが大きな影響を与えていると発言していたということだった。
 このような結果、オオクチバスが指定されたことに対して、水口教授は「だから濡れ衣なのです」と強く語っていた。
 それからもう1つ興味深かったのは、「魚類学者なんてバスのことは私も含めてほとんど知らないんです。だから学者の言うことなんて信用できないですよ。だいたいバス釣りをしたことがない人ばかりなのだから。皆さんのようにバス釣りをしている人が一番バスについて詳しいですよ。だから皆さんが見て、感じていることが一番正しいんです。」という言葉。
 これには笑えた。魚類学者がそんなことでいいのかよ、とも思うところだが、分かることについてはしっかり話し、分からないことについては知ったかぶりをせずに「分からない」と答える水口教授の姿勢に誠実さを感じ、俺たちの味方だからということを抜きにして信頼できるなあと感じた。それとともに、バサー諸君は水口教授の発言を力に、自分の考えや行動に自信をもって進んでいけばいいと思った。
 ただ水口教授の発言の中で、安心していいのかどうか、俺としては疑問に思えたこともあった。
 それは「国がこの法律はバス釣りやリリースを禁止するものではないと言っているのだから、堂々と釣りをすればいい。」という言葉だ。
 確かに環境省は水口教授が言っているいるようなことをHPにも書いている。しかし、一方では前回のこのコーナーで俺が指摘したように、環境省は地方のリリース禁止等について「各自治体でどのよう規制を行うかについては自治体の判断に任されていると考えます」と書いている。この文がある以上、俺はいくら「安心して…」と言われても安心できない。琵琶湖のリリ禁の裁判の第一審でも原告側(バサー側)の敗訴になっているくらいなのだから。
 とにかく地方の勝手な規制を許さないようにしていくのが、俺たちの当面の課題であるということは確かだ。
 後半の部では6名のパネリストから今までの取り組みの報告と参加者へのアドバイスがあった。
 俺が3つの質問を書いて提出したところ、そのうちの1つが取り上げられた。野池を開放してもらう際にネックとなっている安全面をどうしたらいいのかという点だ。
 これに対してアイアン横山さんなどから貴重なご意見を頂くことができた。オカッパリでもライジャケを着用するように心がけること、安全面のルールづくりをすすめること、そしてそれらの実践をを行政に提示し理解してもらうことなどだ。
 できるだけ早く渥美半島の野池を守る会の人たちと話し合い、いい対応策をみつけ、実践していけたら…と思っている。
 シンポジウムが閉会をむかえたとき、加藤誠司さんと本山博之さんが肩を組み「バス釣りを止めちゃだめだよ。」と参加者に力強く呼びかけていたのが印象的だった。今回のバス問題についてとても精力的にがんばってきた2人が組織などのしがらみを外し、心を1つにして呼びかけていたからだ。
 WBS会長のアイアン横山さんは閉会後も俺たちの相手をしてくれた。その誠実で真摯な態度にも心惹かれるものがあった。ウッドリーム社長の塩沢さんは俺の声を聞いて「ひょっとしたら樋口さんでは…」とわざわざあいさつに来てくれた。その丁寧な姿勢に深く感謝と敬意を表したい。

 わざわざ愛知県からせっかく東京まで出かけたのに、シンポジウムにだけ参加し、トンボ帰りしてくるなんてバカな連中だと思う(お客さんも同類にしてすまないが…)。
 でも俺にとっては東京のネオン街でふらつくよりもずっと有意義な一日だったと思うし、こういうお出かけもなかなかいいもんだなあと思えた。別にネオン街でふらつくのは嫌いじゃないけどね。
 何よりもお客さんが一緒に参加してくれたのが嬉しかった。一人でいるのがけっこう好きな俺だが、同じ思いの人たちと一緒に歩むというのも本当にいいものだ
 帰りの車の中でいろいろな話題がのぼった。釣りに関係のない漫談もけっこうあったけど、大部分はバス釣りのことについてだった。その中の1つに「こうしたシンポジウムを中部圏でもやれたらいいのに」という話があった。これは俺を含めた参加者4人の共通する思いだった。
 バスフィッシングを守っていくためにも、できることなら実現したい、と俺は思っている。

 ※ このシンポジウムの写真を「お知らせ」のコーナーに載せておいたので是非そちらも見てください。


環境省に物申す 4月9日

 今日は、2のパターンについて書く予定だったが、6日にパブコメの集計結果が発表になったので予定を変更して、このことについて書くことにする。
 とにかく書かずにはいられないくらい環境省のコメントがひどい。マジで切れそうになってくる。
 皆さんはたぶんBFNのメールを読んではいると思うが、環境省のHPまでは見ていない人が多いのでは。そういう方は一度そちらも見てみるといい。いかにお役人がでたらめかが分かる。
 過去のパブコメで最多の意見総数が約2万だったのに対し、今回のパブコメではオオクチバスだけで10万通を超える意見が寄せられている(正確には107815通)。しかも、そのうちオオクチバスを特定外来生物に指定することに反対する意見が95620通を占めている。約89%の人が指定に反対という意見なのだ。
 なのに、環境省は平気で「賛成・反対の数の多少により特定外来生物の指定の是非を判断することは適切ではないと考えられます。」というばかげた一文で片付けている。
 確かに俺だってすべて多数決がいいとは思わない。少数意見を大切にし、正論についてはできる限り取り入れていくのが本当の民主主義だと思っている。
 だからと言って、多数の意見を完全に無視していいはずがない。もしもそれが正論でないと思っても、一度立ち止まって考えてみる必要があるはずだ。マスコミがあれだけオオクチバスを悪者扱いしているにも関わらず、これだけ指定に反対する人がいるということは、マスコミの報道に疑念を抱いている人や、指定されたら辛い思いをする人がそれだけ多くいるということだ。そのことが分からないのか。それとも分かっていて平気でやっているのか。どちらにせよ、まともな人間のすることとは思えない。環境大臣だってラジオのインタビューで「たくさん反対意見があったら考えてもいい。」みたいなことを言ってたはずなのに。
 パブコメに対する環境省のコメント(対応の考え方)を読み進めていくと、どう考えてもおかしいと思えることが他にもいくつか出てくる。
 「オオクチバスの専門家会合では、指定を見送る方向であったのに、環境大臣の発言で指定が決まるのはおかしい。民主主義に反する。」という意見に対して、環境省は「専門家会合は、専門家の立場から検討を行い、指定対象とすることが適切との結論に至ったものです。」とコメントしている。俺はこれを読んで事実(日釣振の高宮副会長の発言)と違う、環境省はうそをついている、と思った。ただよく読んでみると「指定する」とは書いていない。「指定対象とする」と書いてある。専門家会合では「オオクチバスの扱いについては釣具業界や釣り人の理解と協力がいるのですぐに指定というわけにはいかない。半年程の猶予期間がいる。」ということになっていた。これは取りようによっては確かに「指定対象としている」と考えることはできる。
 ただこうした記述はことばをあやを巧みに使った悪知恵で、うまくかわしているだけだ。知らない人が読むと、意見を出した人が事実を勘違いしているんだと思ってしまう。そこが大きな問題だと思う。
 しかも意見を書いた人は環境大臣の発言の是非を聞いているのに、環境大臣に関わることについてはまったく答えていない。どうして答えないのか。それは環境大臣の発言が正当性のない暴言だったからだ。だから部下としては立場上答えられないのだ。いくら東大出のエリートかどうか知らないが、悪知恵を使ってごまかすことに神経をすり減らすような人生を送るなんて哀れだ。俺だったらそんな恥ずかしいことをしてまで地位にしがみつこうとは思わない。今のように何の肩書きも無い貧乏釣具屋のおやじのほうがはるかにいい。
 ごまかしはこのほかにもたくさんある。というか、ごまかしだらけだ。
 水辺の環境悪化、外来魚の管理不足、人造湖や管理釣り場の扱い、漁業の問題、利権の問題、釣り人や釣具業界が被るダメージ、生き物の生命の扱い、等々いずれについてもまともな回答を書いていない。読んでいて情けなくなってくる。
 一番ひどいのがキャッチアンドリリースについてだ。「バス釣りがしたいので…」という意見に対してのコメントでは「本法は釣りやキャッチアンドリリリースを規制するものではありません。」と書いているのに、「この法によりバスがいろいろなところでリリース禁止になりそうだから指定に反対。」という意見に対しては「各自治体でどのような規制を行うかについては自治体の判断に任されていると考えます。」と書いている。
 これじゃあ、国はべつに規制しないけど、県や市町村がやることは仕方がない、ということになる。なんとも無責任な発言だ。
 ライセンス制のような進歩的な意見が出てくると、今度は「ご意見として承ります」という具合に違った手口でごまかす始末。意見として承ったら、後でしっかりとした回答をするのが当然だが、この感じては期待できそうもない。
 さらに言わしてもらうと、俺はもっと他の意見を提出しているのに紹介されていないのがいくつかある。この点も解せないので、この場でいくつかを紹介させてもらう。
・当初この法律は、農林水産業に被害を及ぼすという記述ではなく、産業となっていた。どうして途中から農林水産業に変わったのか。作為的なものを感じる。観光・レジャー産業も自然を生かした産業である。それを対象から外した理由がまったく説明されていない。これはどう考えてもおかしい。バスを指定すると釣りというレジャー産業に打撃が出るため、指定しにくくなるので、農林水産業に限定したのではないかと思えてくる。国がそう思われることを勝手にしてはいけない。この時点で中立性に欠けている。
・オオクチバスが指定され、家の近くでバスを釣ることができる場所がなくなった場合、一番つらい思いをするのは少年たちです。すべてをバスポンドにしてくれとは言いません。少年たちが自転車でバス釣りに行ける釣り場を残すという約束をしてほしいのです。なのに国はそうしたビジョンをまったく示していません。だから指定には賛成できないのです。
・オオクチバスの増え方や生態系に与える影響は、河川・湖沼の条件によって大きく異なる。だから個別に調査した上で、駆除すべきところは駆除し、その必要性がないところはできるだけバス釣り場として開放すべき。ファンが多く、経済的にもメリットが大きいのだから。今、オオクチバスを指定すれば、それが実現する前に、各自治体が駆除に走るのは間違いない。
・学者の意見も大切だが、学者の意見ばかりを鵜呑みにし、そればかりに左右されるのはいかがなものかと思う。大切なのはまず国民の生活だと思う。たとえ環境省であってもそれが行政の真っ先にやるべき仕事である。国民の多くがまったく知らない種を守るために、大勢の国民が犠牲になるのはいかがなものかと思う。
・オオクチバスが指定されそうになっている根底となる理論に「生物多様性」がある。しかし、これが人類にとってどういう意味合いがあるのか、ほとんど国民に浸透していない。これは大きな問題である。このままオオクチバスを指定してしまったら、単に日本の小魚を食べる魚を退治したということだけで終わってしまう。戦争で負けたアメリカを生き物の世界でやっつけ、殺してやったという感覚しか残らない人々が大勢出そうだ。これでいいのだろうか。生物多様性はこれから人間が生きていくために大切であるということで重要視されているのではないか。しかし、どうしてそれが重要なのかという説得力のある答えが十分に示されていないように思う。これは大問題である。「生物多様性」という言葉がブームに乗って一人歩きしているように思えてならない。
・生態系については、国土交通省とも連携をとって対応を考えていかなければなりません。なのにそれができていません。たとえば、琵琶湖総合開発でいったいどれくらい固有種の産卵や生育の場が失われたか、知っていますか。その影響は外来魚どころではありません。環境のことを真剣に考えたら、国土交通省に警告すべきです。大型公共事業であればあるほど、国から県に多額の補助金が下りる制度はなくすべきです。こういうことを隠すために国がオオクチバスを悪者にして問題を片付けているとしか私には受け取れません。
・オオクチバスを指定する背景に漁業の問題があると思う。河口湖ではオオクチバスが第5種共同漁業権魚種として指定されているので漁業被害として問題になることはない。このようにもっと漁民や地域住民の意志で簡単にオオクチバスを漁業権魚種に指定できるようにすべきである。もちろんその意志がないところは無理にそうする必要はないが、今は意志はあるのに指定がとれないために問題がおきているところが多い。遊漁料を増殖義務として使うだけでなく、漁業組合員に還元することができるようにすることも大切である。さらに琵琶湖、霞ヶ浦、北浦、八郎潟を海扱いとする法規にも問題があります。海扱いのため、漁業権魚種指定ができないし、当然遊漁料を徴収することもできません。これは水産庁の管轄ですが、今回の問題を解決する上で大変重要な問題です。50年も前の法律が、時代に合わなくなっているのに、そのままになっているというのは行政の怠慢以外の何ものでもありません。オオクチバスの問題はこれが解決できれば大部分は解決します。
・無差別な駆除は効果がなく、多額の税金を無駄に使うことになる。このままオオクチバスを指定すると必ずそうなる。なぜなら地方は国が害魚のレッテルを貼ってくれたというお墨付きをもらったことになり、被害がなくても被害を装い、補助金として税金を巻き上げようとするからだ。これではおかしい。駆除するなら被害状況を個別に明確にする必要がある。今現在それがなされていないのに、指定するのは大変危険である。国民の大切なお金が、利権めあてで使われてはならない。
 まだまだあるが、さらに長くなるのでこの辺にしておくが、こうした俺の意見はまったくと言っていいほど紹介されていない。いったいどういうつもりなのか。過激すぎるのがいけないのか。誹謗・中傷になるのか。
 もしもそうだとしたら、指定に賛成の理由として、「駆除や管理のための費用は釣り業界から捻出させるべき。」というのが紹介されているのはどうしてか。こんなばかげたことを言うのはだいたい誰か想像はつくが、そいつと同じ意見なんてそうはいないはずだ。少数のばかげたしかも誹謗・中傷にあたる意見なのに取り上げられて、俺の意見が無視されるとはどういうことだ。差別もはなはだしい。
 日釣振との話し合いでは、環境大臣は忙しくて時間がないということで、当初からたった30分だった会談時間を、なんと10分未満に短縮した。いったい数分で何が話し合えるというのだ。
 そのくせ、バス駆除派のシンポジウムには最初から最後まで参加し、「大臣としてあれくらいのことをして当然」と独断でバスの指定を決めた自分のばかさ加減を正当化し、駆除派からよいしょの拍手をもらって喜んでいる。
 ようは、最初から最後まで指定に反対派は無視という考えなのだ。いろいろな人の意見よく聞き、真摯に物事の善悪を判断しようなんて気持ちはさらさらないのだ。
 そして、環境省というお役所も親分がこれだから、右に倣えというわけだ。
 大臣はくそばかでも、環境省のお役人はもう少し誠意ある対応をしてくれるだろうと考えていた俺がお人よしだった。やっぱりお役所も同じだったんだ。
 だけど俺はあきらめない。あきらめたら負けだ。

 前回のこのコーナーで「俺って心はデリケート」って書いたら、さっそく次の日にお客さんから「なにがデリケートだ。バリケードみたいな図体して。」とあしらわれた。これって考えようによっては誹謗・中傷だと思うが、やさしい俺はこれくらいのことじゃあ怒らない。そう「バリケード」と言われたくらいじゃあ、仙台で起きた事件のように、アーケード街をトラックで暴走するようなまねは決してしない。それどころか、余裕で笑って対応している。それくらい俺は心が広いんだ。
 だが、環境大臣と環境省の対応については許すわけにはいかない。だいたい俺と同じで、多くのバサーが小池環境大臣には早く○んでもらいたいと思っているだろう。その意をくんで、トラックで環境省に突っ込むなんてことは、俺の命がもったいないし、他のバサーをはじめ多くの人に迷惑が掛かるから俺はやらないけど、別の方法でとことん交戦してやろうと思っている。バサーの皆さんもあきらめず、とんな小さなことでもいいから自分にできることをがんばっていってほしいと思う。



1のパターン 4月2日

 今日は、前回の1のパターン、つまり希少種が生息していてバスのフィールドとしての値打ちがほとんどないという条件にあてはまる河川や湖沼について考えていくことにする。
 正直言って俺自身、わが国の希少な固有種にどんな魚介類があるのかよく知らない。「なんだいつも偉そうなことを言ってるくせに、いきなり知らないとはなんだ」と言われそうだが、バス釣りをやり込んでいる人の多くが、俺と同様あまり知らないと思う。
 今まではそれで当然だったが、これからのバサーはそういうわけにはいかないと俺は思う。今回のようなバス=害魚という図式をとり払うためには、多面的にそれを否定できる材料をバサー側が用意していなければいけない。バス以外の種が生態系の中でバスとどのように関わっているかを知ることは、その手立てとしてとても重要だと思う。
 野池でバス釣りをしているときに、地元のおじさんから、バス=害魚→バサー=悪いヤツという先入観で見られ、注意されても、「じつは、この池ではバスと小魚の○○はずっと以前から共存しているんですよ。どうしてそうなのかというと池の環境が…」と池の状況について他の魚のことも交えて話をすればバサーを見る目だって変わってくるのではないだろうか。もちろん、マナーをきちんとした上での話ではあるが。
 だから今回の1のパターンの河川や湖沼についても、たいしたバスフィールドじゃないので、バスをご自由にしてください、と開き直って終わりにしてはいけない。バサーもよく研究し、自然保護や生物多様性を訴える人たちとできる限り協力して、フィールドの管理に積極的に取り組んでいくべきだと思う。
 まだまだ研究不足の俺だが、自分なりに調べたフィールドがいくつかあるので紹介していくことにしよう。
 栃木県と千葉県の一部のため池にしか生息していないとされるミヤコタナゴ、宮城県鹿島台町の桂沢ため池に生息しているシナイモツゴ、宮城県の伊豆沼・内沼に生息しているゼニタナゴなどの例である。いずれの池もバスが入ったことでこれらの小魚たちが激減し、なかには生息が確認できなくなった種もあるというのだ。これらのフィールドの共通点として、池の規模が小さいこと(表面積が小さく、深さも浅いところが多い)、ストラクチャーが乏しいことがあげられる。
 こういう池の場合、バスが生態系に与える影響はどうしても大きくなりやすい。この点は素直に認め、対策を考えていくべきであろう。もしも希少種の減少が、バサーがバスを密放流したことと密接に関係しているのなら、釈明し、駆除に協力するのも一つの方法だと思う。
 ただし、世間がバスの駆除に走る前に、俺はここでいくつかの問題点をあげておきたい。
 第一は、どうしてバスを駆除して希少な固有種を守らなければならないのか、というのがはっきりしていないことだ。
 学者の中に「生物多様性を維持することは人類が未来に向けて生活していく上でとても大切なことである。」と言う人がかなりいるように思うが、俺には、どうしてそれが大切なのか今一歩よく分からない。バスが生息しているということは、それなりの自然がそこに存在しているわけで、決して悪いこととは言えないと思うからだ。生物多様性が維持されないと人類は滅びたり、大きな打撃を被ったりするのだろうか。うーんやっぱり俺には理解できない。学者たちがどうしてこんな発言をするのか、秋月岩魚さん、教えてください。いけない、質問する相手が悪かったね。どうして相手が悪かったのかは言わなくても皆さんなら分かるでしょ。言ってくれても分からない、上のような一部の学者の発言とえらい違いだ。
 まあそれは置いといて、もしも学者たちが単に「めずらしいことはいいことだ」というレアもののコレクション的な考えで希少種を保護しているとしたら、バサーがバスを密放流することと大きな違いはないような気がする。両者とも自分にとって心地よいという発想からその種を大切にし、増やそうとしているからだ。
 「いやいや違う。バサーは自分の楽しみのためだけに密放流して自然を壊しているが、我々はそうしたならず者から自然を守ろうとしているんだ。」と言われるかもしれない。一理あるような気にさせられるが、はたしてそれでいいのだろうか。
 だいたい自然というのは、生物だけでなくすべての面で変化している。いわゆる無常の世界だと思う。人間がその変化を加速させてはいるが、人間がいなくても自然は絶えず変化している。変化を加速させるのが罪だとしたら、変化を無理やり止めようとするのも罪のような気がするのは俺だけだろうか。生態系を保護することがすべて悪いこととは思わないが、それが行き過ぎると、人間の手によって生物の進化とか淘汰のプロセスを止めてしまうことにもつながりかねない。その点も考慮して対策を講じないといけないと思う。
 第二は、希少種が現在置かれている正確な状況がほとんど一般民衆に伝わっていないということだ。
 だいたい「希少種の魚の名前をあげろ」と言われてもほとんどの人が1つもあげられないのではないだろうか。それほど現状に対して無知なのに、バスに対しては小魚を食べ尽くし絶滅に追い込む悪い魚だから駆除すべきという偏った認識だけは、一般民衆の多くの人がしっかり持っている。
 無理もない、今の報道では、希少種を守るという建て前のもと、徹底的なバスとバサー叩きが行われているからだ。たしかにバスが最大の要因になっていて、それを取り除くと希少種の勢力が盛り返してくる場合もあるだろう。でもそうならない場合も多々あると思う。では、どういう対策を取ったらいいのか、きちんとした分析をもとにいろいろな具体例を民衆に紹介してほしい。その際は、当然希少種の名前やそれが生息する場所を例としてあげることなると思うが、正確な状況を伝えるためにも、くれぐれも偏りの無い報道をお願いしたいものである。
 今はフィールドの状況を明確にしていないにもかかわらず、バスの駆除だけが絶対条件として一人歩きしているような気がしてならない。それでは本当の解決策にはならないと俺は思う。
 第三は、ミヤコタナゴやシナイモツゴやゼニタナゴが絶滅するかもしれないほど少なくなったきっかけの多くは、人間の手による環境破壊や競合種の混入によるものだったということだ。
 これらの絶滅危惧種について紹介しているホームヘージを見るとそのことがよく分かる。
 絶滅危惧TA類に指定され、極めて危ない状況になっているミヤコタナゴについては、完全に人間による環境破壊が激減の主要因になっている。
 ミヤコタナゴは明治の後半になって東京都文京区で初めて発見された種である。まあ昔から関東地方に生息していたんだろうけど、当時は今のように種の研究がさかんではなかったのでなかなか発見されなかったというか、見ていても気にもとめていなかったのだろう。
 それはいいとして、文京区という東京の都心で発見されたことからも想像できるように、ミヤコタナゴは市街地やその近くのため池や小川に生息していたのだ。そのため高度経済成長期に生息環境が一気に破壊され、その数は激減していったのである。
 ゼニタナゴは以前東北地方のいたる所に生息していた。それが、琵琶湖などからのアユなどの移殖をきっかけにして激減してしまった。競合種であるタナゴの仲間のタイリクバラタナゴとカネヒラが混入したからだ。特にカネヒラはゼニタナゴと同様、冬に二枚貝に産卵する習性をもっているため競合の度合いが高い。現在東北地方ではカネヒラが生息域を広げているらしい。こうなるとゼニタナゴを激減させた主犯がバスだと簡単に言い切れないと思うのだが、どうだろうか。だいたいタイリクバラタナゴのような外来種やカネヒラのような関西にしかいなかった固有種が東北地方で元から居る種を駆逐して生息域を広げるということ自体、環境の変化が作用しているのではないかと考えることもできるのでは?
 琵琶湖の場合でもそうだったが、今回の特定外来生物被害防止法に関する報道では、こうした面からの分析がほとんど紹介されていない。そのことに対して俺はものすごい憤りを感じている。
 ミヤコタナゴやゼニタナゴのように以前はいたる所に生息していた生き物を人間の都合で勝手に絶滅に追い込んでおいて、絶滅の危険性が高まったら、今度は勝手にバスのせいにして、ものごとを解決しようとする。なんともおかしな話だ。
 俺はすべての人がそういう考えだとは言わないが、肝心な環境省をはじめとする行政、そしてマスコミ全般、さらに多くの学者たちがそういう態度なのだから本当に困る。
 是非上の三つの問題点をきちんとさせてから、バスの駆除を論じてほしいと俺は切に願っている。

 うーん、このコーナー、最近はずいぶんとまじめでレベルが高くなってきたなあ。これが俺の本当の姿なんだよなあ。生態系と一緒で奥が深いんだよなあ。そのことを分かって欲しいよなあ。
 ちなみに俺の店は店主のあくの強さに加えて移入種が入りにくい立地条件(単にへき地にあるので知られていないだけ)という環境のため、お客さんの数も質も限定されている。
 とにかく常連になればなるほど生命力の強いお客さんが多いと俺なりに分析している。キワモノにこだわる姿はハンパじゃない。それがもとで、俺はゼニタナゴのように駆逐され、ひっそりと店の片隅でしゃがみこむことがある。図体と声がでかいのでそうは見えないだろうが、心はデリケートなんだよな俺って。そのことも分かって欲しいよなあ。

 
生態系の変化とバスと対応策 3月26日

 前回の最後に示した問題点のうち、先ずは、バスが移殖されることによって起こる生態系の変化についてどう対応したらいいのか、述べていくことにしよう。
 以前書いたように、バスが生態系に与える影響は条件・状況によって大きく異なってくる。今までバス釣りの関係者はこのことをしっかりと述べずに「バスが入っても小魚はいる。だからバスが入っても問題ないんだ。もしも小魚が減ったとしたら水辺の環境破壊が原因だ。だからバス釣りをやらしてくれ。」といった感じの発言が多かったように思う。
 こうした発言のすべてが間違っているわけではない。しかし、すべてが正しいわけでもない。ここが問題なのだ。いくら多くが正しくても、何割か間違ったことがあると、バスを敵視している人たちは必ずここを突いてくる。そうなるとバス釣りの関係者の発言が、自分たちの楽しみや金儲けのために事実を歪めているという形で民衆に紹介されてしまう。実際の思いはそうではなく、自分が感じていることをストレートに伝えているだけでもだ。
 今の世の中、自然保護とか環境保全という言葉を口にすると即、正義の味方として歓迎されるような風潮がある。これはおかしな現象であり、これこそ大いに問題にしなければならないと思う。俺は別に自然保護や環境保全が悪いことだとは思っていない。これ自体は俺だってとっても大切なことだと思う。それが一種のブームになって言葉だけが独り歩きしている感があることに納得できないだけなのだ。
 根拠もなしに自分の勝手な都合でバスとバサーを徹底的に悪者に仕立てる発言をしている中井克樹や秋月岩魚が正論として扱われているのがその代表例だ。とんでもないことだが、これが現実だ。
 話し合いをするときの最初の条件がすでに平等ではないのだ。バス釣りの関係者は弱く、不利な立場にあり、駆除派は強く、有利な立場にあるのだ。そのことを胆に銘じて勝負しないと戦えない。
 相手と同じ次元で論を展開していたら、普通ならイーブンになる場合でも、今回は完敗の判定をされてしまうのだ。
 バスを悪く言う生物多様性主義者の論は何度も言うようにまともなものが少ないのだから、うまく対応さえすればチャンスはあるはずだ。
 先ずはバスが生態系というか河川や湖沼に生息する種の割合を変化させる可能性があるということを認めるところからスタートするのが有効な手段だと思う。
 そんなことを言ってたら最初から敗北を認めているようなものじゃないか、と思うかもしれないが、俺はそうとは思わない。大事なことは自分を守るために肩肘を張ることよりも、大勢の人の幸せを守るというという観点で事実を伝えることだ。そうしなければ、民衆は絶対にわれわれの思いを理解してくれるようには向いていかないと思う。
 このコーナーで何度も言っているように、バスがすべての河川や湖沼で生態系に大きな悪影響を与えているわけではない、したがって対応も一律すべて駆除というのはおかしいと言えば説得力が生まれてくると思う。その証拠として前に紹介した芦ノ湖や入鹿池などの例を紹介すればいい。使える事例は全国に数多くあるはずだ。今できつつあるバサーや釣り業界のネットワークをうまく生かしてこうした情報を集めるようにしたい。今まではどうしても水の流れと同じく上から下への通達という形で情報やお願いが流されたが、そろそろポンプで下の水を上に吸い上げてそれを整理し、再度下へ流すという循環型にする時期ではないかと思う。これは大変なことだが避けていてはだめだと思う。
 そうして集められた情報をまとめ、調査し、原因を究明した上で、各河川や湖沼ごとにしっかりと筋の通った対応策を提示していくべきだ。対象の河川や湖沼はたくさんあるが、対応策はたいていいくつかのパターンに集約されると思う。
 たとえば、日釣振が理想的な対応策をいくつかパターン別に示し、細かな点については各地域ごとに対応してもらうというのはどうだろうか。
 俺が考える対応策は次の通りだ。なお、漁業被害については生態系とは別の視点で後日対応策を述べることにしたい。
1 希少種が生息していて、バスのフィールドとしての値打ちがほとんどない河川や湖沼はバスを駆除してもらっても構わない。現在その希少種に目立った被害が出ていないフィールドでも念のため駆除するとなれば理解を示す必要があるだろう。人間の都合で勝手に生き物を犠牲にするのは忍びないが、一歩引かなければならないこともあると思う。
2 希少種が生息していて、バスのフィールドとしても値打ちがある河川や湖沼は、先ず希少種が減少しているかどうかを調査する。たいした変化が見られないのなら、今の種の構成で生態系が安定していると考えられるわけだからそのままにしておく。もしも減少しているとしたら、その原因の究明を先に行う。バス以外のことが原因として考えられる場合は、そちらもきちんとを対処する。バスが原因だということが明確ならば、バスに対しても具体策をとる。この際できる限り、希少種とバスの両方を大切にするという姿勢で臨む。なんとなく、希少種よりもバスを大切にしているように感じられるかもしれないが、前回書いた原則論をもとにするとこうなる。決してバサーに肩入れしているわけではないと自分としては思っている。
3 希少種がいない河川や湖沼は、その下流の水系に希少種が生息していなければ、なにもバスを駆除する必要はない。希少種以外に大きな影響が出ていて、対策を考えなければならない場合があるかもしれないが、この場合も極力バスを駆除すべきではない。これも前回書いた原則論をもとにするとそうなる。あとはそのフィールドを利用する人たちや地域住民が話し合い、なるべくみんなが納得する形で利用していくことが望ましいと思う。
 以上、大きく3つに分類してみたがいかがだろうか。
 次回からは1〜3について、具体的な事例をあげながら述べていきたいと思う。

原則論で言うと… 3月24日

 先日紹介したように、バスは繁殖力が強い魚だとは一概には言えない。テレビの報道は一部の例のみを紹介したものや、事実を誇張したり歪めたりしたものが多く、決して適切だとは言えないのだ。
 前々回に書いたように、さまざまな条件・状況により、バスの繁殖力は変わるのだ。当然、バスが他の魚たちに与える影響もさまざまな条件・状況により異なったものとなる。
 したがってバスをどう扱うか、つまり活かしていくのか、駆除するのか、何らかの中間策をとるのかについても状況をしっかりと見極めたうえで、臨機応変に最適な手立てを講じていくべきだと俺は考えている。
 まず、原則論で言うと極力バスを駆除すべきではないと思う。特にオオクチバスは正規な手続きを経て日本に移殖されてから、すでに80年も経過しているのだ。今の若者からすれば、生まれた時から近所の池に生息している身近な魚の1つなのだ。バスフィッシングの広まりにより、一度市民権を得たととらえても差し支えない魚なのだ。なのにどうして今になって日本から一掃しなければならないのか。まったく筋が通らない。
 ごくわずかなわがままででたらめな生物多様性主義の学者の言うことに振り回されて、200万人近くもいるバサーの思いが無視され、楽しみが奪われるなんてバカげている。
 バサーの多くが自分たちの楽しみだけのために密放流をくり返す悪人であるかのように中井克樹や秋月岩魚は言うが、ならばどうして内水面漁師が自分たちの都合で勝手にさまざまな移入種を全国の河川や湖沼に放流しまくっていることには何も言わないのか。固有種の宝庫琵琶湖に外来魚をも含めたさまざまな移入種を放流しまくっていたことには何も言わないのか。秋月岩魚にいたってはブルーギルについてさえ何も言わず、バスとバサーばかりを一方的に攻撃している。矛盾しているにもほどがある。いかん、秋月岩魚のことになるとついつい反論が多くなって話が進まなくなるので止めておこう。
 バスが全国に広がっていった原因は、バサーの手による無秩序な放流以外にも考えられる。漁業者がアユやワカサギなどを他の水系に放流する際にバスの稚魚や卵が混じっていたことにより広がった混入拡散がその1つだ。
 バスがある程度の河川や湖沼に定着すれば、必ずと言っていいほど、それよりも下流地域への流出が起こる。水は高いところから低いところへ流れていくからだ。
 俺の店がある渥美半島の野池の場合、バスが広まった原因の半分近くかひょっとしたらそれ以上は、この流出によるものだと俺は考えている。豊川用水を伝わって灌漑用のため池に入ったのだ。だから構造上、用水から魚類が入りやすい池ほど早い時期にバスの生息が確認されている。だいたい、できたときには魚は何もいなかった人工の灌漑用ため池にいろいろな魚が生息しているのが動かぬ証拠だ。バサーがバス以外の魚を放流するなんてまずありえないし、豊川用水上流に生息している魚と同じ種が多く見られるからだ。
 では、豊川用水の上流域(宇連ダムなど)にバスが生息するようになったのはどうしてか。密放流と混入のどちらが原因なのか、俺には分からない。ただし、琵琶湖固有種のハスが渥美半島の野池のいくつかに生息していることを考えると混入の可能性も大いに考えられる。ハスは釣りの対象にはまずならないからだ。となると琵琶湖からアユなどを移入するときに混ざってハスが入ったと考えるのが妥当であろう。バスは釣りの対象として人気があるため、同じ扱いはできないが、混入の疑いは捨てきれない。
 では、もしも豊川用水の上流域のバスがバサーの放流によって定着したものだとしたら、その水系のバスは駆除されるべきか。俺の答えはこちらもNOだ。
 1992年に水産庁から外来魚の移殖禁止の通達が出されるまでは、国やほとんどの自治体で規定がなかったからだ。規定があった自治体でも今の琵琶湖のように規定が大々的に取り上げられることはなかった。むろん強制力を発揮することもなかったのだ。豊川用水の上流域にバスが定着したのは、外来魚の移殖禁止の法整備が行われる前のことだったわけで、これを悪と判断し駆除するのは、常識的に考えておかしいのではないだろうか。
 もしも駆除しなければならないほど悪い生き物だったとしたら、どうしてもっと早く法規定を作り、PRや取締りを行わなかったのか。バス釣りを生きがいにする人やバスで生計を立てている人が増えてから、バスを駆除し、バサーを追い出そうとするなんて不条理だ。政治に携わる者の怠慢が原因で今の事態が起きているいるのに、そのことは棚に上げておいて、責任をバサーと釣り業界に押し付けるなんて許せない。どうしても駆除しなければならない事態が起きたなら、政治に携わっている者がまず最初に自分たちの不手際をわびなければおかしいはずだ。
 俺が、原則的にバスを駆除すべきではないと言うのは以上のような理由があるからだ。
 こう書いてくると、じゃあ、生態系の変化はどうするのか、漁業被害はどうするのか、バサーは今後も放流をくり返すのではないかという声が駆除派から聞こえてきそうだ。
 次回はこうした問題点について1つ1つ俺なりの解決策を示していきたいと思う。


バスが増えない湖沼 3月18日

 日本に一番最初にバスが入ったのは、皆さんご存知の通り、芦ノ湖だ。バスがとんどん繁殖し、他の魚を蹴散らして生息範囲を広げていく魚だとしたら、80年間もバスが生息し続けている芦ノ湖は、現在、湖じゅうバスだらけになっていないとおかしいはずだ。
 でも実際はどうかというと、バスを釣るという面ではかなり難しい湖の1つになっているようだ。俺も芦ノ湖で釣りをしたことがあるが、バスの姿を見ることはなかった。ちょうど解禁の日にトラウトを釣りに行ったので、時期的なことを考えると仕方がないのかもしれないが、他の人に言わせると夏でもバスの姿はまばらだそうだ。いくら食性の面で競合するトラウトをたくさん入れたからといっても、トラウトのほとんどは短期間のうちに釣られて持ち帰られてしまうらしく、ほとんど定着しないらしい。そう考えるとバスの割合がもっと多くても良さそうなものなのだが。
 フィッシングショーでヒロ内藤さんが紹介していた話によると、最近ではあまりににもバスが釣れないので、芦ノ湖でバス釣りをするお客さんが激減しているらしい。これに危機感を抱いた芦ノ湖の漁協は八郎潟からバスを買って入れる作戦に出ているが、なかなか思うように増えないそうだ。バスを長年にわたり保護・管理しているのに、そういう状況なのだ。
 芦ノ湖は中栄養湖であり、貧栄養湖よりもましだが、バスの生育に適してはいないということがたいぶ影響しているにちがいない。他にも低水温やトラウトなどの競合種の影響などいろいろな要因が複雑に絡み合っているのだろう。
 じゃあ、今年もバスはほとんど釣れないかというと、春先から例年以上によく釣れているそうだ。そしてこの理由もよく分からない。分かることは結局、つくづく生態系というのが難解なものであるということのようだ。
 愛知県にはバス釣りがブームになる以前にバスの生息が確認された入鹿池というフィールドがある。愛知県のバストーナメント発祥の地でもある。この入鹿池も芦ノ湖と同様というか、それ以上に、現在ではバスが釣れないフィールドになっている。バストーナメントを開催すると、ウェイイン(バスを釣って本部に持ち込むことが)できる人の割合が10%を切るのが当たり前、場合によっては1%ほどのときもあるくらい激シブフィールドなのだ。このことは多くの皆さんがご存知だと思うし、入鹿池をホームグランドにしているバサーなら俺よりもはるかに詳しいはずだ。
 俺はこの原因を、長い期間にわたってここでのトーナメントに関わってきた名古屋市のとあるショップに電話をかけて聞いてみた。俺はてっきり池の増減水が激しくてスポーニングがうまくいかないせいだと思っていた。ところがそのショップさんの見解はこうだった。
 「増減水は昔と比べて激しくなくなったし、増減水が原因で産卵がうまくいってないとは考えられないです。バスと生息域がある程度重なるフナやコイばどんどん増えているのに、なぜかバスはどんどん減っているんですよね。エサになるワカサギはいつもものすごくたくさんいるのに。」「私が思うに、入鹿池は底質が赤土のところが多く、それがバスの生息に不向きだから増えないような気がするんですよ。」「テレビなどでバスは繁殖力が強い魚だと報道されているけど、入鹿池の実態を知っていたらとてもそんなことは言えないですよ。」「最近はカップルや家族でボートに乗って楽しむということも少なくなってきたので、バスがよく釣れると犬山の観光面での集客UPにつながるんですけどね。」
 うーん、俺が大学生の頃(かれこれ20年以上前の大昔)は彼女を口説く定番と言えば、池のボートか公園のベンチだったのに…。時代は変わるものだ。いかん、またいらんことを書いてしまった。
 とにかく全国には、他にも芦ノ湖や入鹿池と同じようなことが言える湖沼がたくさんあるはずだ。俺はそういう事例をバス問題解決の切り口の1つとしてうまく生かしていけたらずいぶんと状況も好転してくるように思っている。
 
 では今日はこの辺で終わりに…。えっ、あっけないって。それじゃあ、期待に応えてダジャレを一発。
 「入鹿池にバスはいるか。」なあんて、どう?
 くだらんと思ったあなた、よく考えてみてね。文末の「いるか」は「居るか」と「要るか」の両方の意味合いが込められた言葉なんだよ。レベル高いでしょ。
 調子に乗って、もう一発。
 「2個の幸せは芦ノ湖に」はどう?
 右から読んでも、左から読んでも「ニコノシアワセワアシノコニ」なんだよね。「2個」って何と何のことかって。それはいろいろ当てはまると思うよ。たまには自分の思いでご自由にどうぞ。
 最後になって読者に振るところが俺らしいでしょ。


バスの繁殖力は? 3月17日

 パブコメが終わり、そして後回しにしていた確定申告も終わり、これでようやくホッとできると思っていたら、この前の日曜日にとんでもない展開が待ち受けていた。地区の子ども会の世話人に当たってしまった。2/7の確率だったのに、俺ってそういうくじはなぜか妙に当たるんだ。懸賞みたいなものには全然当たらないのに。つくづく運がないと思ったよ。それとも日頃の行いが悪いせいかなあ。別にお客さんをいじめ倒してはいないと思うんだけど。うーん、やっぱ、「店主の主張」のページでの暴走が災いしてるのかなあ。だからと言って暴走せずにいられるかというと、やっぱだめなんだよなあ。
 別に子ども会の世話人をやるのがいやだというわけではないんだけど、どうしても土日に用事が集中するので、俺のようなレジャー関係の仕事だと困るんだ。なんといっても土日は書き入れ時だし、うちの店の場合、遠くから来てくれる方も多いしね。そういうお客さんに迷惑をかけるのが忍びない。それにどうせ子どもの面倒をみるなら、自分が深く関わっている釣りでみたいというのが本音だ。
 周りの人は「子どものためなんだから、それくらい仕方がないじゃないか」って言うけど、子ども会をがんばったために、店がつぶれて自分の家族が食いはぐれるようになったら、しゃれにならない。バス問題といい、どんどん心配ごとが増えていく。
 まあ、こんなことばかりぼやいていても始まらない。気持ちを切り替えて、本題について書いていくことにしよう。
 今まで、琵琶湖の問題を中心に書いてきたが、今後はそれを全国レベルまで広げ、バス問題や釣り全般の問題について述べていきたいと思う。
 まず今日は、バスは本当に繁殖力が強い魚か、という点について考えてみたい。
 よくマスコミでは、バスが池に入ると、そこに従来から生息していた小魚やエビ類などをどんどん食べ、大繁殖を起こし、やがて小魚やエビ類の姿がほとんど見られなくなる、と紹介している。
 俺たちバサーからしてみると、おいおいちょっと待てよ、って感じのことが多い。なかには、バスは池じゅうの小魚を喰い尽くし、食い物がなくなってバス自身も全滅する、と書いている全国版の新聞紙まである始末だ。
 もしもバスがそういう魚だとしたら、とっくの昔にバスと多くの小魚がこの世から姿を消しているはずだし、だいたいそんな魚なんて進化の過程の中で誕生することさえありえないはずだと思うのは俺だけだろうか。冷静に考えればそれくらいのことは分かると思うのだが…。
 俺はバスの繁殖力が強いとか弱いとかは一概には言えないと思う。湖沼や河川の環境によって大きく異なるというのが一番もっともな答えではないだろうか。
 水温、水質、底質、水深と増減水、流れ、ストラクチャー、湖沼の規模、人的プレッシャー、生態系とそのサイクルなどいろいろな要因が重なり合ってバスの繁殖の度合いは決まってくる。したがって湖一つ一つによって状況は異なるし、同じ湖でも時期によって異なることがある。
 だいたい人間だってそうだろ。いろいろな条件によって繁殖力は変わるもんだ。いかん、せっかくいいペースになっていたのに悪い癖が出そうになった。人間についての具体論になり、またお客さんにねほりはほりつつかれることになる前に話題をもどそう。18歳未満マル禁の話題にでも発展するとタチが悪いから。
 水温があまりに低すぎるのはオオクチバスの生息に適さない。バスは白濁を嫌う。貧栄養湖は一般的に透明度は高いが、生命の源となる植物プランクトンが少なく、生息できる魚も限られるため、バスにとっては厳しい環境である。底質や増減水は産卵と大きな関係がある。バスは多少の流れには適応できるが、秋月岩魚が言うように川をさかのぼり源流にまで生息範囲を広げるなんてことはないですから、残念!ストラクチャーが豊富であればあるほど、そして湖沼の規模が大きければ大きいほど、小魚とバスが共存、共栄していく上でプラスに働く。人的プレッシャーがきつくなれば、バスの生息数は抑えられる。など、上げ出したらきりがないくらいのことが関係している。
 マスコミで紹介されているように単純なものではない。そんなことは俺が言うまでもなく、いろいろなフィールドに足を運んでいるバサーなら皆、承知しているはずだ。
 なのに、こうした現場から導き出された正しい見解がほとんどどこにも生かされていない。俺はこれをうまく生かしていくことがバス問題の解決につながっていくと考えている。次回はいろいろなフィールドの例を上げながら、このことについて書いていきたいと思う。

パブコメを終えて その2 3月11日

 以前書いたように、うちの店ははっきり言って全国でもかなりいなかにある釣具店だ。しかもバス専門店でもなければ、ルアー専門店でもない。店の売り場面積もなんと10坪以下だ。そんな店のお客さんがじつに全国の1%近くのパブコメ
を集めてくれた。これは驚異的な数字だ。もちろん私の予想を大幅に上回る結果だった。
 そりゃあ私も真剣だったけど、何よりもお客さんの熱意があってこそ達成できた。
 というのは、お客さんが集めてくれたパブコメの80%以上が、バス釣りをやらない人が書いてくれたものだったからだ。うちのような店がパブコメをたくさん集めようと思ったら、いくら店主ががんばってても限界がある。おまけに時期が悪すぎる。ほとんどの魚が釣れず、お客さんもほとんど来ない2月だからつらいものがあった(まあ、そういう時期だからパブコメに没頭できたということも言えるけど)。そんな厳しい状況を打破してくれたのが、一部のお客さんたちだった。熱意あるお客さんが知人にもパブコメを書くように勧めてくれた。これが大きかった。しかもその多くが、無理やりではなく、ちゃんと資料を見せたり現状を話したりして納得してもらった上で書いてもらっていたようだ。これもすごいことだ。
 その結果、1000通近いパブコメを集めることができた。こうしたお客様の尽力に対して、この場を借りて私からお礼が言いたい。「お忙しい中、本当に、ありがとうございました。」
 他のお店でも、うちの店と同じように店主とお客さんが一緒になってがんばり、うちの店よりもたくさんのパブコメを集めたお店が多くあることだろう。私はそういうお店とそのお店のお客さんにも敬意を表したい。
 それに対して、うちの店よりもはるかに大きく、バス釣りをするお客さんもはるかに多いのに、まったくと言っていいほどパブコメに無関心で、ほとんど集めていない店が熱心なお店以上の割合で存在したのも事実である。
 このことは、全国のショップの数を考えていくとすぐに分かる。週刊ルアーニュースにバスの釣果情報を載せている店が愛知県だけで40ほどある。実際にバスのタックルを在庫し、力を入れて販売している店の数はその1.5倍〜2倍はあるはずだ。とりあえず店舗数を70として計算してみよう。もしも各店が、うちの店の半分の500通平均パブコメを集めたとしても、愛知県だけでも3万5千通出ていることになる。これを全国まで広げると人口比でその17倍は期待できるので、バス関係の店だけで59万5千通にも上る計算になる。
 ところが実数はその1/5にも満たない10万通ほどだった。これも逆の意味で驚異的な数字だ。
 俺が先日ふれかけた2つの意味で驚異的というのはそういうことなのだ。
 10万通という数は確かにパブコメの記録を大幅に更新したものだったが、見方を変えればまだまだ到底満足のいく数字ではない。
 店の数だけでなく、バサーの数で考えても同様のことが言える。市場規模から考えて、少なく見積もってもバサーの数は全国で100万人以上いるはず。そうすると、じつにその1/10程度の人しかパブコメを出さなかったことになる。今回バサー以外の人が大勢出してくれていることを考えると、その割合はさらに下がり、1/20以下になるかもしれない。バス釣りが存続できるかどうかという分岐点にさしかかっているのに、その程度だったのだ。
 はっきり言ってここらへんに大きな問題があると思う。これはバス釣りだけに限ったことではなく、釣りに関わるすべての人の問題でもあり、日本人全員の問題でもあると俺は思っている。

 うーん、今日は久しぶりに思い切りマジに迫ってみた。俺の本当の姿もたまには見せておかないと、誤解を招くからね。たまにはこういう日もないとね。


パブコメを終えて その1 3月9日

 久しぶりの更新です。このコーナーを楽しみにしていた皆さん、たいへん長らくお待たせしました。
 3月初めまでの約1か月間、とにかくパブコメをたくさん集めるんだ、ということで全力投球したつけが今出ている。とにかく、やらなければいけない仕事をほぼ全部と言っていいほど後回しにしてしまった。だから今1つずつ片付けているのだが、そちらもなかなかはかどらない。そんなわけでこのコーナーもしばらく中断してしまった。
 そんな折(この前の日曜日に)常連客が店にやって来た。俺が忙しいことは分かっているんだから、そっとしておいてくれればいいのに、思い切り俺につっこみまくり、俺をいじり倒すんだから、ホントに参った。このコーナーの話題もずいぶん出た。「毎日アクセスしているんだけど、店主の主張、パブコメが終わった後、全然更新されていないんだよなあ。楽しみにしているのになあ。」と期待半分、いやみ半分の言葉を頂いた。
 そうやってかまってもらえるうちが華なんだけど、文を書く本人としては、嬉しさ半分、つらさ半分というのが正直な気持ちだ。だって何度も言うように、今忙しいから…。いかん、いかん、また私的なことでスペースを割いてしまった。それに俺みたいなタイプが泣き言言っても、どうせつっこまれるネタを増やすだけだ。
 というわけで皆さんの期待に応えるべく、忙しい中がんばっているわけだ。
 話題を本題のパブコメのことに戻そう。
 集まりが今一歩で、10万通は無理ではないか、と心配されたいたパブコメが、なんとか10万通を超えた。そのほとんどが、「オオクチバスの指定に反対」という内容のものらしい。その点ではとりあえず目標達成というところだろうか。
 過去に環境省が募集した数々のパブコメの中でもっとも多かったものが総数で約2万通。前回(昨年の7月〜8月の特定外来生物等の選定について)のパブコメが総数約9500通だったわけだから、いかに今回のオオクチバスをめぐる問題について反響が大きかったかが分かる。
 あとは環境省がこうした大勢の声をどのように評価してくれるかにかかっている。こちらはうまい具合にはいかないかもしれない。ただし結果がどうであれ、パブコメをがんばったということは、バスフィッシングの未来を明るくする上でプラスになっていくと思う。皆さん、本当にお疲れ様でした。
 ところで、今回の10万通という数をあなたはどう思いましたか。
 俺は、バサー一人一人の温度差と店間の温度差が改めてよく現れている数字だと思った。一生懸命パブコメを集めたお客さんは、たぶん俺と同じ思いだろう。
 うちの店に集まったパブコメの総数はちょうど300通。俺一人が出したパブコメが48通。もちろん内容は48通すべて異なっている(多少似ているものもあるが)。やり出すと止まらない俺の性格(暴走癖)がここらへんにもよく現れている。ということで俺が直接送ったパブコメの総数は348通。この他にも、俺が店頭やEメールでお願いし、「必ず出すから」と約束してくれた人がけっこういる。そうした人たちが各家から出してくれた分を合わせると400通は超えるだろう。そしてうちの店のお客さん(ほとんどが渥美半島の野池を守る会の人たち)が集め、送ってくれた分を合わせると1000通近くになるはずだ。
 もしもこの予測がほぼ正しいとしたら、全国のじつに1%をうちの店のお客さんが出したことになる。これは2つの意味で驚異的な数字だ。

 おっと、このままいくと今回もかなり文が長くなってしまいそうだ。さすがに今の俺に長編を一気に仕上げるだけの時間的な余裕はない。お客さんに「ホームページの入荷情報なんて2月18日から全然変わってないもんねえ。」とそちらのほうもつつかれているし。まあ、このコーナー、途中で「つづく」って展開は慣れっこだしね。

 そうそう、今日はめずらしく「お知らせ」のコーナーも更新したので見てください。日釣振からパブコメへのお礼が届いています。それと他のお知らせもあります。

生物多様性主義者 その2 3月2日

 早速昨日の続きを書くことにしよう。
 中井克樹は魚類生態学者であると同時に琵琶湖博物館の主任学芸員という肩書きをもっている。琵琶湖博物館は滋賀県立なので、彼は滋賀県の職員なわけだ。
 琵琶湖博物館は烏丸半島に建っているが、あそこは赤野井南端の湿地帯を埋め立ててつくったものである。当然琵琶湖固有種の産卵場になっていた場所だ。この建物の総建築費はじつに230億円。しかも年間の入館料や販売収入が1億数千万円なのに対して、人件費を除いた維持管理費だけで、じつに9億円以上かかっている。
 これを聞いて賢い人はピンときたことだろう。そう、琵琶湖の漁業者の売り上げとそれを維持するために投入している税金の関係とよく似ている。漁業者のとき、すでに目を丸くしたが、売り上げ:投入税金の割合だけで考えれば、それ以上になる。しかもこの数字は人件費を除いた額なのだ。職員数は約60名。となると人件費もかなりのものだろう。文化振興事業だから当然と言ってしまえば、それまでなんだが。それにしても額が額なので…。しかも裏では琵琶湖の自然を破壊した経緯があるというのまで同じである。
 滋賀県職員で、かつ、こうした裏事情がある中井克樹が琵琶湖の生態系について中立な目で判断できるのか、俺としてははなはだ疑問だ。まあ、判断はできたとしても発言はどうだろう?
 彼がちゃんした調査データを提示することなしに、証拠のない大規模な密放流に執ようにこだわるのもそこらへんに起因している気がしてならない。根拠のないバスたたきが滋賀県と妙に一致しているのが笑えるのは俺だけか?
 長らくお待たせしました。いよいよ秋月岩魚の登場です。
 彼が一躍有名になったのは1999年に発売された著書「ブラックバスがメダカを食う」が注目されたからだ。これがブラックバス害魚論争に火をつけたと言っても過言ではない。ただ、正直言って俺はこの本を読んでいない。というか買って読む気がしない。買えば、彼に印税が入るわけで、そんなことは許せない。まあ、読むとしたら図書館で借りて読むくらいだろう。でも読んでいくと、めちゃ怒れてくるというのは目に見えている。ただでさえ暴走しやすい俺のことだから危ない気がする。皆さん、まだ読んでいない人は図書館へどうぞ。その際、怒れてきたからといって乱れた行為に走らないこと。俺みたいにネットで理論整然と批評しないとね。えっ、言えるがらじゃないって。
 まあ、そこらは置いといて。秋月岩魚だが、中井克樹と大変考えが似ている。生態系が崩れる原因をバスに限定していること。バスが広かった原因はすべて密放流にあると決めつけていること。バサーは悪人だから、バスを完全に駆除しない限りこうした犯罪は永久に続くとしていること。極論を言うわりに、根拠となるデータをまったくといっていいほど示していないこと。あきらかに論が自分がバスとバサー嫌いであるということを柱に成り立っていること。本当によく似ている。まあ、似ているからこそマスコミに登場する回数が多くなるんだろう。根拠なんてどうでもいい。バスをすぱっと悪者にする人をマスコミは求めているんだから。
 ただ、違う点もある。あきらかに秋月岩魚のほうが、レベルが低い。とにかく、本を読んでいなくてもわかるくらい、いたるところで軽率でレベルの低い発言を連発している。この人、正気かなあと思えることもよくあるが、本人はマジなんだから恐ろしい。
 だいたい「ブラックバスがメダカを食う」というタイトルからしてレベルの低さをかもし出している。メダカを犠牲者に選んだのは、弱い者が外国からの侵入してきた乱暴者に容赦なく殺されてしまうという設定が民衆の同情をひき、大嫌いなバスを悪者に仕立てるのに好都合と考えたからだろう。まあ、そのねらいがすべて悪いとは言わないけど、もう少し現実を見ないとねえ。ブラックバスがメダカと食べるかどうかと言えば、そりゃあ、腹がすいていて、それしかいなけりゃ食べるでしょうねえ、というぐらいだ。それが本のタイトルになってしまうのだから恐ろしい。事実を歪める表現の誇張は彼の十八番だ。はっきり言って、バスとメダカはほとんど生息域がちがうし、あんな小さな魚を捕食していたら効率悪くてたまんないでしょ。まあよっぽどの小バスなら別かもしれないけど。とにかくメインベイトにはなりえない。
 以前立教大学で行われたパネルディスカッションで、水口教授に「生物多様性とは?」と質問され、「日本にライオンがいないこと」なんて発言し、会場の笑いものになったことも彼のレベルの低さを現すエピソードの1つだ。
 こんなにも笑われたんだから、もうやめておけばいいのに、また去年「警告!ますます広がるブラックバス汚染」なんて本を出しちゃって。あんたどういうつもり?
 そして本の内容はゼゼラノートの解説を読むかぎり、またまた、ブラックバスの広がりのほとんどが「密放流」という犯罪行為によって…と同じ主張が徹底的に強調されている。
 あげくの果てには、密放流されたバスは今では川をさかのぼり…人里離れた秘境の源流域にまで入り込み在来の生き物を食べながら繁殖している。なんてとんでもないことを書き出す始末だ。バスが川をさかのぼるとか、秘境の減流域まで入り込み、といったバサーが聞けば、絶対にありえないと分かっていることを平気で書いている。自分の好きなイワナが源流でバスに食われそうになる夢でもみたんじゃないの。夢と現実が錯綜しているとしか考えられない。もしもマジでそう思っているとしたら、あんた大バカよ。そしてわざとうそをついているとしたら、あんた詐欺師よ。
 かと思うとブルーギルについての話題は、2冊ともまったく出てこない。バスを徹底的に叩いているのとは対照的だ。
 はっきり言って、生態系や生物多様性を守りたいんじゃなくて、単にバスやバサーが嫌いだから、いじめているだけじゃないの?
 TBSの「情報とってもインサイト」にゲストとして出演したときも、まさにこの乗りだから困ったもんだ。
 「環境省や農水省に行って、バスを特定外来生物の中に入れてくれと要求している。バスは必ず入れなきゃいけない、そのための法律なんです。」といきなりきた。おいおい、特定外来生物被害防止法がバスを指定するための法律だなんてこと言っちゃって。だれがそんなこと決めたんだよ。お前の勝手な願望だろ。公共の電波使ってそんなこと流していいの?言いたいんだったら俺みたいにインターネットの中でつつましやかにやれよ。
 そのあとも彼のハチャメチャな論は続いた。「自然とか釣りは文化ですから、自然が壊れてしまうと文化も壊れてしまう。」と言い、バスがいることで日本の自然が壊れ、釣り文化が壊れてしまうことを強調した。でも、自然破壊のことを言うんだったら、バスよりもっと他に言うことがあるんじゃないの?日本の文化っていっても、日本人の生活や経済のほとんどは外国から取り入れたもので成り立ってるでしょ。それはほかっておいていいの。日本の文化しかいけないんだったら、あんた洋服を着ずにはかまで出演しなきゃ論が通んないでしょ。それをしなくて釣りにだけ日本の文化を強調するのはどうして?自分が渓流釣りが好きで、バス釣りが嫌いなだけでしょ。
 さらに彼の暴言は続く。芸能人の一人が「釣り場をいくつか決めて、そこでバス釣りをやるようにすればいいじゃないの。」ときいたところ、「芦ノ湖しかいなかったはずのものを、そこらじゅうに広めた人たちが、場所を決めてやることにして、誰が守るんですか。そんなのできっこないですよ。」とバサーが無法者ばかりであることを強調。あいかわらず、組織的な密放流を繰り返すというところに話をもっていきたがる始末。「それじゃあ、囲いをした釣堀みたいなところでやってもらってはどうですか。」ときかれて、「まあ、どうしてもやりたいならそれしかないですねえ。」としぶしぶ認めたが、どうみても本心とは違うのがばればれ。彼の本心はバス釣りはいかなる条件でも許さないというものだから。なんかここまでくるとナチスのユダヤ人狩りに近いものを感じてしまう。
 結局「バスを指定してもらわないと困る」ということが、出演者全会一致で確認され、番組終了。ようはここへもっていきたかったわけだ。岩魚もたいがいなら、マスコミもたいがい、ホントに困ったもんだ。
 小池環境大臣が暴言を吐いた当日、それ以上の暴言を秋月岩魚が吐いた。「バスが指定されるのは当然。バス釣りでもうけてきた釣り業界に駆除のための費用を払ってもらったらいい。」という発言だ。これを見て、俺はつくづくこいつの愚かさと傲慢さにあきれ果てた。お前にそんなことを言う権限があるのか。渥美半島の野池を守る会のやまさんが指摘してくれたように、お前こそバスをネタにしてもうけているじゃないか。「バスを駆除すべき」と先頭に立って叫んでるのはお前だろ。だったら、お前こそ金出せよ。だいたい俺の店はバス釣りの道具売ってるけど、ほとんど儲かっていないんだよ。なにせ「春が迎えられるか…」って言ってるくらいだからな。これを「秋月岩魚のせいだ」なんて思っていても言わないぜ。いいかいこういうのを逆恨みっていうんだ。お前の得意なやつだ。分かったかい。
 いかん、いかん。また暴走ぐせが出て、がらが悪くなってしまった。これ以上書くと、マジで俺の命が危なくなりそうだから、ここらへんでやめておこう。

 今まで書いてきたように、バスは、根拠もなしに感情や感覚だけでものを言う生物多様性主義者と、自分の罪隠しと金めあてに動く琵琶湖の漁業者や行政と、そして真実よりも視聴率を重視し勝ち組に乗ろうとするマスコミによって、世間一般の人からも完全に悪者のレッテルを貼られてしまった。ほとんどが事実と異なるにも関わらず、これを覆すのは並大抵なことではない。しかし逆に、バス害魚論が注目されている今だからこそ、真実を理解してもらうチャンスだとも言えるのではないか。
 少なくとも俺はそうした思いで、このコーナーにバス問題に関する自分なりの分析と主張を綴ってきた。せっかくの機会だから、もうしばらく続けていきたいと思う。
 バス釣りをしない人には申し訳ない気もするが、これはバス釣りに限らず釣り全体の問題とも関わっているし、今後は社会的にもそうした方向で波及していくような気がするので、その点を理解してお許しいただきたい。
 パブコメが終わったから終わりではなく、これを出発点として取り組んでいくことで、この問題の解決に少しでも貢献できれば幸いだと思っている。

生物多様性主義者 その1 3月1日

 お待たせしました。いよいよ話題の生物多様性主義者2人の登場です。なんといっても今注目されているからねえ。テレビにもよく出演しているし。しっかりとスペースを割いて紹介しないとね。
 まずは中井克樹から紹介しよう。彼は魚類生態学者と琵琶湖博物館の主任学芸員という肩書きをもった人物だ。もうこの肩書きを見ただけで、彼の主張はだいたい想像できる。そう琵琶湖の固有種が減少した原因はほとんどすべてバスをはじめとする外来魚にあると徹底的に主張しているのだ。
 ところがだ、では何を根拠にそれを言っているのかというと、これといったデータを提示しておらず、ほとんどを自分の感覚で話しているに過ぎない。TBSの「情報とってもインサイト」にも出演していたわけだから、有効な資料があれば番組で紹介しているはず。なのにそういうものは示されず、例のホンモロコ(実際はモロコ全部のデータと作為的に入れ替え)の資料が紹介されたのみだった。あれは漁師による漁獲量をもとにしたもので、あまり学術的なものとは言えない(無いよりはいいので俺も利用したが)。しかも前に指摘したように視聴者をだますために、近年の資料のみを提示しているのだからますますいただけない。
 俺はインターネットで琵琶湖の固有種の減少を示すいい資料はないものかと探してみたが、見当たらない。ようは彼に限らず、しっかりとしたデータを提示できる者は誰もいないんだろう。まだホンモロコやニゴロブナなんてましなほうだ。経済的な価値が高いから、漁獲量としてちゃんとした記録が残っているから。
 あるホームページを見たらものすごい数(30種は超えていたと思う)の琵琶湖の固有種が紹介されていたが、写真で簡単な紹介がされているだけで、詳しい生態や生息数の変化についてはほとんど説明されていなかった。俺が勉強不足なのか、ほとんどが初めて名前を知った種だった。そのとき俺は、こりゃあ「琵琶湖の固有種を現モーニング娘の人数分だけ答えろ。」と言われて答えられる人がいるかなあ、と思った。たぶんほとんどの人にとって、現モーニング娘全員の名前を答えることよりも難しいだろうし、琵琶湖のほとりに住んでいる人に聞いても、答えられる人はごく一部だろう。ちなみに俺はモーニング娘が現在何人で構成されているか知らない。それといまだに卒業した加護と辻の区別がつかない。一緒に並んでいても分からなくなるときがある。「おいおい、またわき道にそれてるぞ」って言われそうだけど、ようはそれくらい認知が薄いってことが言いたいわけよ。
 こんなことばかり書いていくと、中井克樹から「あたりまえじゃないか。琵琶湖は広いんだぞ。固有種の数も多いわけだし、研究していたって、分からないことだらけで当然だ。」と反論されそうだ。もしそう言われたら「それじゃあバスについてだけ妙に断定的な結論を出せるのはどうして?」って言い返したい。
 TBSの「情報とってもインサイト」を見ていて一番びっくりしたのが、「1980年代終わり頃、バスが爆発的に増えた。これは一釣り人や一個人ができる仕事ではない。なんらかの大規模な放流行為がないと説明がつかない。」と言っている点だ。バスが琵琶湖で爆発的に増え始めたのが1983年。そして1990年頃、生息数がピークをむかえたと言われている。中井克樹の発言は若干ずれているが、まあ、それはいいとしよう。問題なのは、爆発的に増えた原因をすべて放流、しかも大規模な放流行為によるものと決めつけていることだ。
 彼は本当に魚類生態学者なのだろうか。俺はバス釣りをやるのでよく知っているが、ある時期を境にして、一気にバスの生息数が増えるというのはよくあることだ。近所の野池でも、バスがいるのが目撃されてから数年間は個体数がほとんど増えず、まともに釣れなかった。それが急に爆発的に釣れるようになった。もちろん大規模な密放流なんて考えられない。何か別の要因で増えたのだ。
 だいたい琵琶湖の広さを考えたたとき、いったいどれだけの量を密放流すればいいのか。想像を絶する量になるはずだ。それが事実としたらどこかに記録が残っていたり、放流現場を目撃した人がいたりしてもいいはずだ。ところがそういう話は聞いたことがない。いくら琵琶湖が巨大なバス釣り市場になるだろうとはいえ、あまりにも現実味の薄い話だ。第一それだけ魅力的な市場だったらもっと早い時期に大規模な放流を行っているはずではないだろうか。1980年代終わりというのは、全国にバスが広まっていった時期と比べてあまりにも遅すぎる。
 琵琶湖で最初にバスが見つかったのは、1974年、彦根だった。その後順番に琵琶湖全域に広がっていき、湖の南端まで生息域が広がるのに10年以上もかかっているのだ。もしも大規模な密放流があったとするなら、普通考えてこの時期に行われるのが妥当だろう。しかし、広がり方から考えてそれはなかったと言える。だいたい新しい生き物というのは、最初は既存種の中に割って入らなければならいので、群れにかなり負担がかかると思う。増え方がにぶかったのはそのためだろう。しかもより住みやすいところを求めて生息域を広げている最中なので、増加していることが分かりづらいという面もあっただろう。それが湖全域に広まった途端に、勢力が他の種よりも一時的に優勢になって急増したのではないだろうか。これは生物学的にみてかなり理に合ったことだと思うのだが、皆さんはどう思う?池によく釣りに行っている人なら俺と同じことを思うのではないだろうか。
 こうしてみると、中井克樹ってバスやバサーが嫌いだから、ありもしない変な言いがかりをつけて、排除しようとしているのではないかと思えてくる。
 もしも好き嫌いだけですべて決められるなら、俺だってニゴロブナからできるフナ寿司は嫌いだから、ニゴロブナが絶滅してくれればありがたい、なんてことになる。だいたい俺はヨーグルト以外、発酵している食べ物はどうもだめだ。におい、見た目、味、すべての面で苦手なものが多い。納豆なんて最悪だ。あの糸のひき具合はどう見ても腐っているとしか思えない。キムチもだめだ。ヒグチとキムチ、名前は似ているがまったく親しみが湧かない。そんな俺だからフナ寿司なんてだめに決まっている。だから食べたこともないし、見たいとも思わない。いかん、また話がそれてしまった。
 俺は今説明したくらいフナ寿司が嫌いだが、ニゴロブナは絶滅させたくないと思っている。ニゴロブナはある意味琵琶湖の自然環境でしか生息できない魚だからだ。今までいろいろな湖に放流してきた(これ自体はよくない)が、どこにも定着しなかったのだ。それくらい貴重な魚なのだ。バサーよりもはるかに数は少ないだろうが、フナ寿司が大好きという人だっている。
 ただ、だからといって、いきなりバスを駆除、バサーを締め出しって考えるのはいただけない。ちゃんとした根拠も提示せずに、一方的にバスのみを悪者扱いするのは学者としての資質に欠けると言わざるを得ない。どうして学者なら「琵琶湖の固有種が減少した原因のおよそ○%は××のような開発によるものと考えられ…」といった内容のことを具体的な資料をもとに説明できないのか。このことを考えたとき、どうしても中井克樹の肩書きが妙に引っかかるのだ。

 ありゃりゃ、今日は2人紹介するはずだったのに、1人目の途中で、もうずいぶんと文が長くなってしまった。出番を待っている秋月岩魚に悪いことをしたなあ。でも、ちょうど意味深な記述のところに来たし、まあ毎度おなじみのじらしのテクを使い、「つづく」としましょう。実際は、原稿がなく、いいかげんに書いているから文が長くなり、その結果自分が疲れるからやめにする、というのが80%を占めてるんだけどね。えっ、すでにお見通しだった?いいじゃない、どうせ俺には魚類生態学者なんて肩書きはないんだし。それにちゃんと実態を%で示したでしょ。すごーく誠意があると思わない?

 俺がこの原稿を書いている最中に、日釣振とBFNからパブコメについての緊急連絡が届いた。たぶんほとんどの人がもう知っていると思うけど、パブコメが殺到したため、環境省のFAX回線がパンクして、ほとんどつながらない状態が続いているらしい。それで困っている人や今から出すという人はこれらの連絡を見て確認してから出したほうがいい。日釣振のほうは販売店にしかきていないと思うので、「お知らせ」のコーナーから見れるようにしておいたよ。別に一般の人が見ても問題ない資料だし、すぐに使える書式もある。パソコンにwordが入っていればOKだ。知っている人で困っている人がいたら教えてあげよう。


隠し合い・かばい合い 2月28日

 俺は先日、琵琶湖のバスの生息状況がどう変化してきたのかを知りたくて、詳しいことを知っている人(琵琶湖の頭文字をとってBさんとしておこう)に電話をしたんだ。最初はこのことだけを聞くつもりだったんだけど、つい話が弾んでというか、まあ俺がつっこんだこともあってか、話がどんどん広がり、じつに1時間近くも会話が続いた。
 話の内容のほとんどは琵琶湖の漁業者と滋賀県政についてだった。すでに、ここ3回続けてこの手の話題を書いてきてはいるが、はっきり言ってそんなの序の口と言えるくらいたまげたことが出てきたので、紹介することにしよう。
 俺にとって何よりも印象的だったのが、Bさんが最後に言った「今の琵琶湖ではホンモロコやニゴロブナよりも漁師の方がよっぽと絶滅危惧種だ。」という言葉だ。
 これが何を意味しているのか、Bさんが教えてくれたことをもとに説明していこう。
 琵琶湖における現在の年間漁獲高を金額で見ると15億円で、漁業者の数はというと1200人いる。これだけを言われたぶんには、「ふん、それがどうした」と言い返されそうだが、1人あたりいくらの売り上げがあったのか計算してみるとびっくりする。15億円÷1200=125万円。いいかい、儲けた額じゃないよ。売り上げ額だからね。当然、経費がかかるので儲けた額はさらにだいぶ少なくなるわけ。
 まあ、俺の店も儲けはあまりないけどな。体格がよくて、声がでかいから勢いがあるみたいに思われがちだけど、これがけっこう苦しいわけよ。最近なんか、お客さんが買い物をしてくれたとき、冗談半分で「ありがとうございます。これで春が迎えられそうです。」なんて言って笑わしているけど、ようは半分マジだからさ。いけない、またわき道へそれてしまった。「自分の家の貧乏自慢しててどうすんねん」ってつっこみ入れられそうだから話をもとに戻すけど、そんな俺の店でも琵琶湖の漁業者と比べりゃ、何倍も売り上げはあるんだ(まあ、これも「ふん、それがとうした」という話だが)。
 年間売上高125万円では生活していけない。つまり琵琶湖の漁業者の多くは兼業漁師というわけ。なかには専業でこの数字よりもうんと売り上げている漁業者はいるだろうけど、全体的に見れば、琵琶湖の漁業が崖っぷちに立たされているのは確実だ。
 おまけに漁業者の平均年齢は60才。後継者もほとんどいないときた。もうこうなれば、まさにひん死の状態と言わざるを得ない。「崖っぷち」だとか「ひん死」だとか、けっこうやばい言い回しになっているけど、俺は間違っても琵琶湖の漁業者に対する殺意は無い。文章は暴走しているが、それくらいの理性や思いやりはある。そう、バスとバサーを一方的に悪者に仕立てている人たちと比べればはるかに。
 こんなことを書くと滋賀県の行政から「お前、何言ってるんだ。漁業者がひん死の状態(=絶滅危惧種)だからこそ助けてんだ。弱い者を助けて何が悪い。それが思いやりだろ。」って言われそうだ。たしかにそれだけをとれば一理ある。だけどだよ、かといって手段を選ばないのが、本当の思いやりって言えるのかい?
 滋賀県の罪、それは琵琶湖総合開発によって湖の自然環境を破壊したこと。これにより、河川や湖岸はコンクリートで固められ、フナやモロコが産卵し、その稚魚が生育する水辺のヨシやヤナギの多くが消失。水を浄化する砂地の浅瀬まで無くなった。他にもどえらい罪だろうと思えることはある。バスよりもはるかに問題なブルーギルを琵琶湖に入れたのではないかという点だ。滋賀県水産試験場が西ノ湖で飼育していたものが逃げたしたのがことの発端であるというのはほぼ間違いない。じつはバスだってあやしいのだ。まあ、俺は良識があるから、真偽の度合いに応じてちゃんと語尾を変えている。どうだい、誰かさんたちみたいに、やたらと確信犯を仕立てないところに、俺の理性と思いやりがにじみ出ているだろ。
 漁業者の罪、それは乱獲と無秩序な移入種の放流だ。今まで紹介してこなかったが、琵琶湖の固有種を他の湖沼や河川に放流してきたこともある意味罪だ。勝手にそんなことしていいのかい。しかもそのせいで、稚魚や卵が混入していた外来魚まで一緒に放流してしまったと思われることも問題だろう(うーん今度も語尾を優しくしたよ)。
 どうして彼らはお互いの罪を隠し合い、かばい合うのか。理由は簡単だ。そうすることでお互いが得をするし、そうしなければ、いろいろな意味で自分たちが現在のバス以上にやばい立場に置かれるからだ。
 その最たるものが琵琶湖総合開発だ。なんといっても1973年〜1997年の20年以上に渡り、琵琶湖の自然環境を壊し続け、国から国民の税金を総額1兆9055億円も巻き上げてきたんだから。これが生態系、特に固有種の減少に一番の影響を与えていたなんてことになったらえらいことだ。県はもちろん、国まで責任を追及されかねない。
 それで次のようなを裏取引をしたんじゃないだろうか。これはあくまで私の憶測だから、信じる信じないは各自の自由だが、とにかく考えてみてほしい。
1 滋賀県知事が原案を作成した琵琶湖総合開発が漁業にマイナスの影響を引き起こすことが予想できたので、滋賀県は漁業者に補償金を与え、口封じを図った。この開発でもたらされる利権と比べれば、補償金なんて微々たるものだ。
2 漁業者が県のやばいところにはつっこまないのなら、県も漁業者のやばいところには決してつっこまないと約束した。その上で、琵琶湖総合開発と時を同じくして琵琶湖に広がったバスを悪者することで自分たちの罪を隠し、さらに互いのふところを肥すことを考えた。ひん死の漁業者にとっては特にありがたい話だった。
 という具合だが、どうだろう。
 滋賀県が外来魚駆除のために計上している予算は年間2億円。どのように使っているかというと、漁業者から捕獲したバスやギルを1kgあたり平均350円で買い取ることだ。予算分しか買い取れないわけだが、15億円しか売り上げがない漁業者に、2億円が余分に入るわけだからこれだけでもずいぶんおいしい話だ。
 さらに、さらにだ、滋賀県は漁業者を保護するために、漁業環境の整備費やもろもろの補助金などに莫大なお金をつぎ込み続けている。その総額は年間20億円と言われている。15億円の売り上げしかない業種のために、なんと売り上げ以上の税金を投入し、県職員を20人も配置して全面バックアップしているわけだ。その多くが国からの補助によってまかなわれているんだから、おいしいことばかりだ。
 だいたい滋賀県に本気で琵琶湖の固有種を守ろうなんて気がないことぐらい俺には分かっている。ホンモロコやニゴロブナのことを考えていたら、琵琶湖総合開発でヨシ帯をなくすなんてとろいことはしていないはずだ。
 最近、この問題がばれそうになってきたから、あわててまた税金使ってヨシ帯の復元を図っているみたいだけど、過去のことをつつかれるといけないからか、これもあまりおおっぴらにはしていない。たとえこれでホンモロコやニゴロブナが増えたとしても、「バス駆除の効果が現われた」なあんて言うに違いない。いつまで経っても外づらは、悪いブラックバスからホンモロコ、ニゴロブナ、漁師といった弱い者たちを守る正義の味方でいたいだろうから。やっぱこういうのマスコミが一番喜びそうなパターンだしね。

 結局今日も最後はマスコミの話になっちゃったよ。そうそう、今日は滋賀県と漁業者のネタがありすぎて、生物多様性主義者についてまったくふれることがてきなかった。残念!マスコミに登場するのが生きがいの中井克樹や秋月岩魚がさみしい思いをするといけないから、次回はたっぷり登場させてあげるからさ。もう少し待っててね。滋賀県さん分かる?こういうふうに相手の気持ちを察して、正当な方法で実行に移すのが本当の思いやりなんだよ。こうやって冷静に諭すところなんかも、うーん俺ってやっぱ思いやりにあふれているよなあ。
 

琵琶湖の生態系とバス 2月25日

 それでは、昨日の続きを書くとしよう。
 滋賀県が「琵琶湖漁業を支える魚たち」と題して紹介している5種類の魚介類にバスによる被害があったのか。俺が滋賀県のデータを分析し、2日間にわたって紹介した記述をまとめると次のような結論になる。
 セタシジミ、ビワマス、アユ、ホンモロコの4種については、バスによる被害は認められない。そして、ニゴロブナについては警察用語でいう白か黒かはっきりしない灰色ということになる。ふつう裁判だったら、灰色は無罪になるはず。なのにバスは凶悪犯罪の主犯だとして極刑に処されようとしているのだ。
 いいかい、俺はバス釣りをやるし、釣具店だって経営している。だけど、分析をするのに、バサーや釣具店にとって都合のいいことばかり引っ張りだそうとは思わない。そんなことしたら内水面の漁師や行政やマスコミと同じことをしていることになってしまう。そういうのはいやだ。
 バサーの中にも、自分にとって都合のいい資料ばかり出してきて強調しようとする人だっているだろうが、それは間違いだ。それと感覚だけでものを言う人もいるだろうが、それも決してほめられたことではない。水辺に立って感じることに加えて、適切な資料をもとに公平な目で分析しなけばいけないと思う。そして導き出された結果をもとに、平等で適切な対応をしないといけない。現実を受け入れ、引かなければならないところはちゃんと引かないといけない。そうしないと本当の問題解決にはならない。少なくとも俺はそう思う。だから俺がときとしてこのコーナーでバサーに苦言を呈することだってあるだろう。逆に店に来たお客が俺の考えをバッサリ斬ることだってあるだろう(まあ今現在もそれに近いものはあるし)。俺はそれでいいと思う。
 そういう俺が今まで分析した結果によると、漁業被害を理由に琵琶湖で釣ったバスをリリース禁止にするのは理に合わない。それも公正な判断をするために、あえてリリース禁止を実施したその張本人である滋賀県が提示している資料をもとに分析した結果なのだ。
 バスの増減と重なる部分があるニゴロブナについても、減り方が奇異であり、他の魚介類の中にバス以外が原因で減少した種がいくつかある以上、ニゴロブナの減少をバスのせいだと決めつけてはいけない。別の視点で考えたり、しっかりと検証したりしてみる必要があるはずだ。
 こんなことを書くと、水槽で実験をしたようにバスは小魚を喰う。ならば琵琶湖でも小魚を喰っている。琵琶湖は固有種の宝庫。だからニゴロブナやホンモロコのような固有種も喰われているはずだ。琵琶湖には現在もかなりの数のバスがいる。ならばそうした固有種に被害が出ると考えるほうが妥当ではないか。なんて声が聞こえてきそうだ。
 それに対して俺は、水槽の実験を琵琶湖にあてはめて考えるというのはかなり無理がある。小さな池でミニ琵琶湖的な生態系を作り実験を行い、結論を出すのもおかしい。とにかく飛躍した論理展開をしないでくれと言いたい。確かに琵琶湖の水中においてもバスはある程度固有種を捕食しているだろう。しかし、それが直接固有種の減少につながるほど生態系は簡単なものではない。俺は琵琶湖のほとりに住んでいるわけじゃないし、学者でもないが、それくらいのことは分かっている。
 海洋生物増殖の仕事に就き生態系に詳しい知人から聞いた話だ。外国のあるところで、ある時期に雷鳥(だいぶ前に聞いた話なのでひょっとしたら鳥名は違っているかも)が減少し始めた。そこで地元住民は雷鳥を食べるワシ(これもたぶん)のしわざに違いないと考え、猟銃でワシ退治を行った。ところが雷鳥は増えず、さらに急減していった。詳しく原因を調べたところ、雷鳥に病気が広まっていたからだった。そこではじめて、以前はワシの数が多く、病気にかかり動きの鈍くなった雷鳥が先に食べられいたため、病気が広まらず雷鳥の個体数が維持されていたということが分かったというわけだ。この話は喰う側を減らせば必ず食われる側が増えるとはかぎらないという自然界の複雑さを端的に表している。
 多くの皆さんはもう見たかもしれないが、今一度、日釣振のホームページの「外来魚コーナー」を見て欲しい。「日本の在来魚種が減少した真の要因」が記されている。その中には琵琶湖の事例が多くあがっている。そしてこれを読む限り、バス以外の要因が主となって琵琶湖の固有種が減少したと考えられる。特に興味深いのが、バスが現れる前に在来魚の多くが減少していたという資料だ。漁業者が1977年の時点ですでに、「漁法の進歩とフナずしが有名になってきたことにより、乱獲が進み、近い将来ニゴロブナは姿を消すだろう」と言っており、俺の見解を後押ししてくれる資料まである。
 確かに日釣振は釣り人と釣り業界の組織なので釣り人に有利な資料を集めているのかもしれない。しかし、これに反対できるしっかりとした検証をバス駆除派が行っていないのも事実である。
 毎年、2億円ほどの税金を琵琶湖での外来魚駆除費として使っておきながら、誰もバスが生態系に与える影響や駆除の効果をしっかりと調べようとはしないのだ。できないのではない。やろうとしないのだ。
 そこを掘り下げていくと、滋賀県の行政と琵琶湖の漁業者と生物多様性主義者の本当の思惑があきらかになってくる。次回はこの点について書いてみたいと思う。

 俺がここ4回で取り上げた資料にリンクできるようにしたので、よかったら一度見て確認して欲しい。

   滋賀県HP 琵琶湖漁業を支える魚たち

   滋賀県HP 水産統計「琵琶湖漁業魚種別漁獲量」
     表なのでグラフにすると分かりやすいが、それは各自の努力でどうぞ

   日釣振HP 日本の在来魚種が減少した真の要因

 今日はいつもと違う終わり方だけど、たまにはこういうのもいいでしょ。

琵琶湖のバスと固有種の関係 その2 2月24日

 今日はいよいよ琵琶湖の漁師と滋賀県がバスの被害として問題にし、マスコミで必ず取り上げられるホンモロコとニゴロブナについてだ。
 まずは、ホンモロコ。春に浅場のヤナギの根やヨシなどの水草に産卵し、稚魚はしばらく沿岸で生活をする。冬季には沖合いの深層で群泳し、生まれて半年で10cmになり、翌春には産卵に来るそうだ。こうしてみていくと、かなりバスと生息域がかさなっている可能性がある。サイズや形から考えても捕食しやすく、いかにもバスが好みそうだ。いよいよバスの被害が歴然とするか。
 そこで、昨日と同じように滋賀県水産課の資料を見てみると、1995年以前は年間の漁獲量は200t前後でずっと安定しているではないか。なのにバスの被害として取り上げられるのはどうしてか。それは翌1996年に96t、さらに2年後の1998年には29tと急激に漁獲量が落ち込んでいるからだ。
 この急激な落ち込みはマスコミの格好のネタとなり、ここだけが大衆に紹介されるわけだ。先日書いたTBSの「情報とってもインサイト」でも、ここ10年の漁獲量の変化が紹介されていた。ただしホンモロコを紹介しているのに、グラフはモロコ類すべてのデータになっていた。さらにグラフの始まりはモロコ類が近年になく豊漁だった1992年からスタートしているのだ。どうしてホンモロコのデータではだめなのか。ホンモロコに限定すると1991年〜1994年にかけて漁獲量が増え続けていたからだ。ホンモロコの資料を出すとなると1994年以降になってしまい、期間がかなり短くなり、説得力が弱くなってしまう。だから出すわけにはいかない。そこでモロコ類すべてのデータとすり替えたんだろう。
 これで何も知らない大衆をだまして、しめしめと思っているだろうけど、俺はだまされない。ずっと以前からのデータを入手し、分析しているからだ。マスコミが示したモロコ類すべてで真っ向勝負することにしよう。
 データを見てみると、バスが爆発的に増えたと言われる1980年代になぜかモロコ類の漁獲量は右肩上がりの傾向がみられるわけ。そしてピークが1992年なわけ。具体的に言うと、1970年代後半には169tなんて年があったのに、1992年には倍以上の404tも獲れているわけ。こんなの示したらとんでもないことになる。
 そこで番組では1992年以降だけの資料が提示されたわけなんだけど、何度も言うように1990年からバスはすでに減少に転じているわけ。ふつう食べる側よりも食べられる側のほうが先に減少が始まるもんだ。これは食物連鎖のついて書かれたものを調べていくとわかる。
 ということは漁獲量を見る限り、モロコ類はバスの捕食による影響を受けたとは考えられないわけ。ましてや最も話題になっている固有種のホンモロコに限定して見ていくと、その減少が始まったのはさらに後になってからなので、なおさら影響を受けているとは言い難いわけだ。
 ならば、近年ホンモロコの漁獲量が減少しているのはどうしてか。乱獲か水辺環境や水質の悪化によるものか、もしくは1990年代に増加した外来魚の脇役ブルーギルの影響によるものと考えるのが妥当であろう。なのに、マスコミで必ず主犯とされるのはバスだから恐ろしい。
 さあ、話題はいよいよ琵琶湖漁業最後の砦、ニゴロブナだ。こちらも春に入り江のヨシ帯で産卵し、稚魚はヨシ帯で育つ。その後徐々に沖合いへと移動し、冬には北湖の深い所で過ごす。となると、ホンモロコ同様、生息域はバスとかなり重なる部分がありそうだが、どうだろう。
 ところが困ったことに、ニゴロブナのみにしぼった漁獲量のデータは1987年以降しか存在していない。これはべつに滋賀県が隠しているわけではなく、魚種の分類が大まかだったためだ。だから近年の動向しか分析できないが、まあ、とりあえずみてみると、1987年に109t獲れている。翌1988年にいったん196tと急増したが、その後の6年間で一気に減少し、1994年には34tにまで落ち込んでいる。そしてその後はほぼ横ばいとなっている。
 うーん、非常に微妙だ。1988年はバスが急増した最後の時期だ。もしもバスの被害を受けているのなら、ふつうこの時期(1989年)に大きく増えるはずはないのだが…。ニゴロブナは2〜3年で成魚になると言われており、タイムラグもほとんどないと思われるが…。漁獲量と生息数の比が常に一定とは言えないが、ある程度密接な関係があると思し、そうなると余計に分からなくなる。
 ただし1989年からの6年間の漁獲量を見る限り、生息数が減少しているのは確か。バスの生息数が最も多かったと言われる1990年よりも1年だけだが前になるので、バスによる被害があったのかもしれない。
 結局これだけではよく分からないので、フナ類全体のデータをもとに考え直してみることにする(今日も回り道してすんまへん)。
 バスが入る1974年までのフナ類の漁獲量は多少凸凹があるものの、500tから1100tの間におさまっている。じゃあバスが入ってからは、どうかというと、これがしばらくは横ばいで、漁獲量のデータを見る限りほとんどバスの影響を受けていない。バスが急激に増えたと言われる1983年以降もしばらくは横ばいなのだ。なのに1988年からは明らかに減少に転じている。しかもその減り方はやはりハンパじゃない。これが何とも不可解だ。そうしてみると、少なくとも、この減少がバスのみの影響によって起こったものとは考えずらいとするのが妥当な線だろう。
 「おいおい、せっかく回り道をしたのに、今度もはっきりとした結論が出ずかよ」って言われそうだけど…。妥当な線が出ただけでもましでしょ。
 おっと、いかんいかん。言い過ぎた。開き直っておしまいじゃあ、俺、マジで駆除されちゃうかしれないな。
 ということで付け足し。一般的にバスはフナをほとんど食べないと言われている。ようは嫌いな食べ物の1つなわけよ。「なあバス君、そうだろ。」「そうそう、まずいし、体高があって食べにくいからね。モロコやアユがいっぱいいるのに、わざわざ嫌いなものから食べたりしないよ。」「なあるほどね。そうだよね。他の池を見てもそうだしね。」
 いけない、調子に乗ってついバスになりきってしまった。あー危ない、今なんか俺の横を底引き網が通過したような気がしたなあ。

 おっと時間を見たらもう夜中の1時じゃないか。放送終了の時刻だね。ということでこの続きはまた次回のお楽しみに。えっ、「はっきりとした結論だせ」って。まあ、そう言わずに。連続ドラマだってじらしたあげくに「つづく」でしょ。そのほうが視聴率が上がるからさ。いけない、最後にきてまたマスコミのこと書いちゃった。


琵琶湖のバスと固有種の関係 その1 2月23日

 約束どおり、今日は早速本題に入る。琵琶湖のバスと固有種の関係だ。
 琵琶湖には数多くの固有種がいると言われているが、バスの被害を受けている例として必ず登場してくるのが、ホンモロコとニゴロブナだ。どうして、この2種なのか、それは昨日も書いた通り、漁業者や滋賀県やマスコミにとって都合がよく、かつ大衆が理解しやすいからだ。
 滋賀県水産課のホームページの中では「琵琶湖漁業を支える魚たち」と題して5種類の魚介類が紹介されている。アユ、ニゴロブナ、ホンモロコ、ビワマス、セタシジミだ。そしてこれらすべてが琵琶湖の固有種である。アユは全国各地に生息しているが、琵琶湖のアユの多くは湖産アユまたはコアユと呼ばれ、生態が全国の河川に生息するアユとは大きく異なる。したがって固有種ということになる。
 では、これら5種以外に琵琶湖の漁業を支えている(漁獲量や売上高が多い)魚はいないのかというと、実はいるのだ。ワカサギだ。ワカサギの漁獲量はアユを除く他の4種よりも多いのだ。なのに紹介されていない。漁協が他の場所から持ってきて放流したいわゆる移入種だからだ。都合の悪いことはできるだけ隠しておいたほうがいいからだろう。
 だから水産課のホームページのタイトルを正確に表現すると「琵琶湖漁業を支える魚たち(固有種限定版)」となるわけだ。こうした水産課のごまかし作戦はよくないことだが、これ以上つっこまないようにしておこう。またわき道へそれると本題が進まなくなるから。
 では、5種を1つ1つ取り上げていくことにしよう。
 まず、セタシジミ。これは名前からも分かるように貝だ。さすがにバスが貝を喰うことはまずない。だからマスコミで紹介されないのも当然なわけだが、実は紹介されると困ることもあるのだ。
 セタシジミは1963年まで、琵琶湖漁業の総漁獲量の実に半分以上を占めていた。それがその後一気に激減し、バスが琵琶湖で確認され始めた1970年代の漁獲量は最盛期の6分の1程度になってしまったのだ。いったいこの原因はどこにあるのか、乱獲か環境の変化のいずれかか両方であろう。ということは琵琶湖に生息する他の魚の漁獲量の減少もその主たる原因は同様だろうと疑われるはずだが、こうした視点でものが語られることはない。昨日書いたように問題が複雑化してしまい、バスを悪者にできないからだろう。
 次に、ビワマス。これはバスと同じく魚を食べるいわゆる魚食魚だ。ふつうバスが生態系に真っ先に影響を与えるとしたら競合するこうした魚食魚のはず。だが、ビワマスの漁獲量は減っていない。減っていないものは都合が悪いからマスコミでは紹介されない。生息域や捕食パターンが違うと説明すれば済むことなのにね。まあ、あまりしっかりバスと比較すると、水槽に入れて、小魚を喰うかどうか実験をしないといけなくなるからね。それじゃあまずい。悪者はバスだけにしておかないといけないんだから。(脇役でギルもいるけど)
 3つ目は、アユ。これはもっと困る。バスが琵琶湖に入ってから増えているからだ。現在、琵琶湖漁業の総漁獲量の約半分をアユが占めている。しかも一般的にアユはバスが好んで捕食する魚のうちの1つ。なのに漁獲量が増えている。こりゃあまずい展開だ。
 詳しくみていこう。琵琶湖で初めてバスが確認されたと言われる1974年の漁獲量は789t。それが琵琶湖でバスが一気に増加したと言われる1983年には1743t。バスの生息数がほぼピークをむかえた1990年には1832tになっている。そして最高を記録したのが、翌1991年の1983tだ。これはいったいどういうことだ。
 その後はさすがに減少に転じたが、それでも現在年間1000tくらいでほぼ安定しており、バスが入った当時よりも高い数字を示している。少なくともこの減少がバスの捕食によるものでないことはぼぼ間違いないだろう。なぜならバサーがよく知っているように、琵琶湖に生息するバスの個体数は近年明らかに大幅に減少しているからだ。
 ならば、アユの増加をどう理解したらいいのか。漁法の進歩とでもしておきましょうか。ごめんごめん、そんなこと言ったら、近年みられた一時的な減少が乱獲の結果ともとれちゃうね。それじゃあ、放流事業の成果としておきましょうか。ごめんごめん、そこにはふれてほしくなかったんだ。他の固有種の放流の成果はどうなんだということになると難しくなるしね。移入種を放流していたことがばれるとまずいしね。ましてや放流事業にどれだけ税金使ってんの、という話になるともっとまずいしね。あー、やばいやばい。話題を変えなくちゃ。
 バスが入ったことでアユにプレッシャーをかけていたオイカワなどが今度はバスからプレッシャーをかけらて減少し、そのせいでアユが増えたとする説があるが、正確には分かっていない。あっいけない。問題を難解にしてはいけないんだった。ごめん、ごめん。

 結局、枝葉が多くなって、肝心のホンモロコとニゴロブナに到達する前に文章の量が多くなってしまった。現在の時刻は20時30分。いつもよりずいぶんと早いけど、たまにはここら辺できりあげてもいいでしょ。毎日夜中までやってると、体によくないし、俺自身が直接パブコメを集めることもがんばらないといけないからね。
 だいだい俺みたいに、アクの強い文をしつこく書くヤツは珍しいだろうから、倒れるとなかなか代わりがいないような気もするし。そういう意味で絶滅危惧種かもしれないな。絶滅危惧種なら国で保護してくれるといいんだけど…。これ以上書くと逆に害魚ならぬ害人のレッテルを貼られて駆除されそうだからやめとこう。


琵琶湖とマスコミ 2月22日

 俺は今回のバス問題を考えていく上で、最大のネックになっているのは琵琶湖の問題だと思っている。
 なぜ琵琶湖かというと、いわずと知れた日本最大の湖であり、400万年の歴史があるからだ。ほとんどの湖が土砂が積もってしまうため、1万年で消滅してしまうことを考えると、いかに歴史が古いかが分かる。
 そのため、豊かな自然が形成されており、魚類の量、種類ともに多い。しかも固有種が多いところにその特長がある。とにかく日本の湖の中で注目度NO1、それが琵琶湖だ。
 魚がいない湖なら誰も相手をしない。だからほとんど問題は起こらない。ひとけがないために不法投棄があるなどの事件を除いて。
 魚がいっぱいいて利用価値が高いから、お互いの利害が対立して問題が起きるわけ。妙な話だが、世の中なんてそういうものだ。
 琵琶湖の場合、他の湖と比べて漁業者が格段に多い。それだけ発言権が大きい。日本は既得権を妙に大事にする国だから。それに加えて固有種が生息しているという後ろ盾がある。漁業者が固有種を守ろうなんて考えがないことはおととい紹介した通りだが、その点は表に出てこない。だからタチが悪い。そこへバス釣りが流行ったもんだから、格好のターゲットなわけよ。だから問題がどんどん巨大化する。
 それを話題の種として喜んで取り上げるのが、マスコミだ。問題が大きいほうが、話題性があり、視聴率を上げることができる。だからマスコミで一番に、そしてもっとも取り上げられるのが、琵琶湖の例だ。
 その際、必ずと言っていいほど、バスとバサーが悪者になる。どうしてか。それは最初からマスコミにとって都合がいいように番組の筋が出来上がっているからだ。問題を複雑化したら、視聴者が分かりにくい。それはテレビにとって致命傷だ。じゃあどんな展開が分かりやすいのか。悪をあばき、成敗するという筋の設定だ。ニュースでこれをやれば、マスコミは正義の味方にもなれる。
 琵琶湖でこの問題にぴったりはまるのが、バスと固有種の関係なんだ。生態系保全に向けての問題点の解明なんてことを真剣にやったら問題は複雑化するし、結論なんて出ない。根拠が明確で、量が充実していて、一貫性があるようなデータを揃えることができないからだ。
 これが、自分の命や財産が危ないなんて全国民がすごく関心をもつような話題なら、自分のこととしてとらえるから討論会をやって、最後まで結論が出なくても番組として成立するわけ。
 ところが話題が琵琶湖のバスと固有種の関係になると、俺たちみたいな水辺に立っているごく一部の人間以外は何も分からないわけ。だからマスコミのいいように番組が作られていくわけだ。
 固有種を守るって設定は今のトレンディ。バスは外国から入ってきた魚だし、小魚(固有種)を喰う。そうなればもう筋は決まりだ。漁業者が移入種を放流しまくっていようが、魚を獲りたいだけ獲っていようが、行政が水辺の環境を破壊していようが、人々が有害な排水をたれ流していようが、関係ない。そんなのを番組で紹介したら、問題が複雑になっていってしまう。そして何よりバスを悪者として強調することができなくなってしまう。
 こうした流れで出来上がった番組の一つが、おととい紹介したTBSの「情報とってもインサイト」だ。そしてどの報道番組をとってもほとんど同じような筋だから困ったものだ。あげくのはてには広島放送のようにとんでもないねつ造番組を報道するところまで出てくる始末だ。ここまでくると太平洋戦争時の大本営の発表と同じような恐ろしさを感じるんだが、皆さんはどう思う?
 
 今日は本題として、琵琶湖の漁業とバスとの関係について言いたかったんだけど、そこにたどり着く前にアクセル全開で別のところに行ってしまった。うーん、問題を複雑化してすみません。明日はきっと本題について書くから今日のところは許しといてな。忙しかったらあさってになるかもしれんけど。(つくづく無計画かつ無責任な店主でした。)


上海ガニはよくてバスはだめ 2月21日

 今日、渥美半島の野池を守る会のいわさんと電話で話したときに、大阪フィッシングショーでのヒロ内藤さんのスピーチが話題になった。
 俺は業者日に行ったので直接話を聞いてはいないんだけど、いわさんが録音してくれたのでそれを聞いて感動したんだ。やっぱヒロ内藤さんってすごいよ。キャラは地味(これは俺も同じ)だけど、説得力(こちらは足元にも及ばない)があるよ。それに何よりもバスフィッシングを心から愛しているというのが伝わってくるのがいい。ヒロ内藤さんのファンで、彼の良さを俺よりもよく知っているいわさんはもっと強く彼のすばらしさを感じていたにちがいない。
 ヒロ内藤さんの話はなるほどと思うことばかりだったけど、ここで全部を紹介するわけにはいかないから、今日はその中の一つ、上海ガニの話を紹介する。
 ヒロ内藤さんが環境省に「今回の特定外来生物の選定にあたって経済的なメリットは考慮されないんですか。」と問いかけたところ、環境省から返ってきた答えは「環境省は環境のみを問題にする役所だから経済面は一切考慮の対象にはならない。」という返事だった。
 それでオオクチバスが今回、第一陣の指定に入っている。ならば上海ガニが指定から外れているのはどうしてか。上海ガニは世界的にバスよりもはるかに環境に与える危険性が高いと認識されており、ほとんどの国で生きた状態での輸入が禁止されている。泥地に穴を掘るため、それが堤防の決壊につながるなど恐ろしい事態を引き起こす可能性があるからだ。ヒロ内藤さんは疑問に思い、「どうしてバスがだめで、上海ガニはいいのか。」と環境省に問い詰めたところ、今度返ってきた答えは「上海ガニによるそういう被害は今のところ報告されていないし、上海ガニの養殖は経済的にメリットが大きい。」だった。この発言に対してヒロ内藤さんは「前に言っていた方針とまるで違うじゃないか。どうして上海ガニがよくてバスはだめなのか、これでは納得がいかない。」とかなりヒートアップしていた。
 まさにその通りだ。これはまったくおかしな話だ。これじゃあ、養殖業者のやることは権利として認めるけど、バスを釣ることは権利として認めないとしか解釈できない。いったい善悪や、真実・虚偽の判断基準はどこにあるのか。環境省は、みんなが納得できるように説明すべきだ。
 バス釣りはしょせん遊びだから認められないのか。100万人以上愛好家がいるレジャーをたかが遊びで片付けていいのか。俺だけじゃない、全国にはそれで生計を立てているいる人が大勢いるんだ。
 それに、俺の店に来るバサーの多くは、マジでバス釣りを生きがいにしているんだ。どうしてそんなことが言えるかって。俺の店ははっきり言ってドいなかの分かりにくくて入りづらいところにあるわけ。そんな店に遠くから来るんだから、おにぎりやジュースを買いにコンビニに立ち寄るのとは、わけが違う。筋金の入っていないバサーはほとんど来ないよ(これはうまい・へたとは関係ない)。それが分かるから俺は余計に燃えるんだ(これはお客さんも同じ)。
 いいかい、俺に言わせりゃ、釣りが遊びなら、上海ガニの養殖はもっともっと遊びだ。別に上海ガニを食わなきゃ健康を損なうわけじゃないんだろう。日本中に上海ガニを食べるのを生きがいにしている人がいったい何人いるというのだ。百歩譲ってバサーの10分の1くらいの人数がいたとしても、冷凍物を中国から輸入すればなんとかなる話じゃないのか。上海ガニが経済的にメリットが大きいと考慮されて、バスが無視されるなんてあまりにもばかげている。
 俺がお客さんによく言うことなんだけど、現在の日本経済は半分以上が遊びで成り立っているんだよ。いいかい遊びっていうのは何もレジャーや娯楽だけを指すものじゃないんだ。必要最低限のもの以外はすべて遊びと同じなんだよ。豪華な服や食事、最先端の車や電気機器、すべてそうだ。別におしゃれな服を着なくたって、グルメに走らなかったって、健康に影響はないだろ。車についている優秀なエンジンや便利な機能だってそうだろ。昔は電気機器なんてほとんどなくてもちゃんと生活していたんだろ。たしかに不便にはなるけど、無くたってなんとか生活はしていけるだろ。じゃあ、これらを否定できるかい。できないだろ。そして何よりもこうした人々の遊び心を否定したら日本の経済はまたたく間に破綻してしまうんだよ。
 「釣りはしょせん遊びだから…」と言ってるヤツはこういうことが分かってないんだ。
 いいかい、皆さん、パブコメの締め切りまであと1週間しかなくなったけど、あきらめちゃいけないよ。パブコメは1人何通出してもいいわけ。もちろん同じ意見はいけないけど、違う意見ならいいわけよ。そしてそれが正当で説得力のある意見なら、なおいいわけ。俺のこのコーナーにだってパブコメのネタがあると思う。これは使えると思ったらどんどん使ってもらっていいから、よろしく。


河川や湖沼は誰のもの 2月20日

 だいぶ前のことになるけど、11月30日にTBS(テレビ)の「情報とってもインサイト」という番組でバスのことが取り上げられたのを多くの人が知っていると思う。この番組も当然のごとくマスコミの「バスはめちゃめちゃ悪い魚」という偏った考えのもとに展開されていた。
 俺はこれをジャッカルから送ってもらったビデオで見たんだけど、マスコミの陰謀にめちゃ腹が立った。なにせ、いきなり「琵琶湖の暴れん坊ブラックバス、湖のすべての小魚を食べ尽くす」ときた。その後は最後までバスとバサーの悪口ばかりが延々と続くのだ。それもそのはず、意見を述べるのは、琵琶湖博物館の中井克樹やいわずと知れた自称写真家の秋月岩魚といったバス駆除派の人ばかり。これじゃあ報道の中立性なんてあったもんじゃない。
 ようは最初からバスとバサーを悪者に仕立てるために番組作りが行われているわけ。それでバスのことなど全然知らないゲストの芸能人たちが「へえーそうなんだ。そりゃあ特定外来生物に指定して、駆除してもらわないと困る。」と言いながら、秋月岩魚を持ち上げるわけ。バスが指定から外されるかもしれないということが紹介されると、今度は「悪の軍団の裏工作がそこまで手を伸ばしてきたか。」というとんでもない展開になっていくわけ。
 まあ、怒れることはこのほかにも山ほどあったんだけど、俺が妙に心に引っかかったのが、内水面漁業協同組合連合会の桜井会長の言葉。琵琶湖のほとりにある釣具店のオーナーにマイクが向けられ「琵琶湖での釣りといえばやはりバス釣りなんですね。」と聞かれ、迷いながらも「そうですね。」と答えた直後の登場だった。
 いきなり怒った表情で「まったく身勝手な発言ですよ。」と一喝するところから始まった。そして「被害が歴然としているのに、まだ釣りを楽しみたいなんていうのはおかしい。」「ブラックバスやブルーギルのためだけに河川や湖沼があるわけじゃない。」ときついお言葉が続いた。
 俺はオーナーの発言の中に身勝手な点があったなんて全然思わない。それに加えてというかそれ以上に俺がおいおいと思ったのが「被害が歴然としている」という言葉と「ブラックバスやブルーギルのためだけに河川や湖沼があるわけじゃない。」という言葉。
 まず、最初の被害というのがいったい何に対する被害なのかがまったく歴然としていない。特定外来生物被害防止法の趣旨でいうと第一に考えられるのは生態系だろう。でも考えてごらん、漁協が生態系の被害を言うわけがない。だいたい漁師というのは自然にあるのを獲って生活しているんだから。生態系を守ろうって考えたら漁なんてできなくなってしまう。となると水産業に対する被害としか考えられない。桜井会長もそのつもりだったにちがいない。たしかにこの法律の三つ目には農林水産業に対する被害防止を謳っている。だからここまでは問題ない。俺だって漁を否定はしない。乱獲に走らないという条件付だけど、自然の恵み(天然の魚を獲ること)によってを生活を立てることは悪いことじゃないと思う。
 じゃあ何が問題かというと、水産業の実態が問題なわけ。在来魚を採るのは良しとして、それ以外にも琵琶湖の漁師は多くの移入種(もともと琵琶湖にいなかった魚)をいままで長年に渡って放流し続けてきたわけ。その合計は数十種にも上るわけ。中には外来種もいるわけ。これってありかよ。うまい具合に漁協が放流した外来種が目立った存在になっていないから許されているのか、漁業権という既得権があるので許されているのか知らないけど、これこそ身勝手だと思うんだけど、皆さんはどう思う?俺と同じで明らかにおかしいって思うでしょ。
 そう考えてくると次の「ブラックバスやブルーギルのためだけに河川や湖沼があるわけじゃない。」というもっともらしい言葉の裏に隠れた本当の意味が分かってくる。つまり「河川や湖沼は内水面漁師のためにだけにある。」ということが言いたいわけだ。だから内水面漁師に都合がいいことならどんなことをしてもいい、いじめのターゲットになるバサーはとことんいじめてやれ、ということになる。在来魚が減った原因は不明確なのにバスのせいにして「歴然」という言葉まで使うのはそのためだ。まったく道理に合わない話だけど、妙につじつまが合うでしょ。
 皆さん、だまっていたらこんな不条理がすべてまかり通っていくんですよ。力を合わせてなんとかしようじゃありませんか。


自己分析 2月19日

 今日店に来てくれたお客さんの一人が「ホームページ見ています。店主の主張がおもしろいです。」と言ってくれた。うれしいじゃないですか。俺って単純だからほめられると、理屈抜きで喜んじゃうんだ。
 だけど、ただ喜んでるだけでは、アイスクリームを買ってもらい、よだれたらしながら「わーい」とはしゃいでいるガキや、補助金をふところに入れ、影で高笑いをしている某組合員や、人気取りをして自己満足に浸っている某大臣と代わらなくなってしまう。
 それではいけない。ということで、何がおもしろいのか、お客さんに踏み込んで聞けなかったことついて、自分なりに自己分析をしてみた。
 たどり着いた結論、それは俺の暴走が読者の心を癒し、やすらぎのひとときを提供しているということ。
 じつにくだらんことを言ってると思うかもしれないけど、俺はマジだ。人は時として暴走しなければいけないんだ。暴走って言っても暴走族の暴走とはわけが違う。確かに暴走していて誰も止められないって感じなんだけど、真理を追い求めているって気概を感じるじゃないかって。そしてその中に世の中を風刺したユーモアがちょっぴり隠し味になっていて、全体のバランスを絶妙なものにしているってとこも重要かな。
 まあ、これ以上自画自賛していても仕方がない。どうせ店に来るギター侍みたいな連中(連中と書くのは一人ではないから。これがまたかなりいるんだ。)に斬られまくるだけだから。
 ということで、明日は自己分析ではなく、バス問題についてしっかりと分析するから、今日のところはこの辺で勘弁しといてな。(なぜか自分でも分からないが、最後だけ関西弁。)


すべての釣りがピンチ!  2月15日

 前に書いたけど、今はバスがピンチであると同時に釣りすべてがピンチになっているわけ。バサーは今、バスが特定外来生物に指定されそうになっているから切実感があるけど、他の釣り人はどうなんだろう。
 はっきり言ってまったく気にしていない人がほとんどなのでは。まあ一部の賢い人は気づいているんだけどね。その割合が少なすぎる。これじゃあ、マジに日本から釣りというレジャーすべてが消されてしまう日が来るかもしれない。
 俺がここまでいうのには理由がある。世間一般に、釣りがしょせんマイナーな遊びだと思われていること、釣りによって環境が破壊されていると思われていること、釣りは他の産業や人々の生活にとって邪魔な存在になっていることがはっきり分かるからだ。
 被害妄想や弱い者いじめにもほどがあると思うんだが、これが現実なんだ。
 変えていくのは大変だけどやるしかない。だいたい俺は逆境になるほど燃えるほうだから、くじけないよ。
 ただし、がむしゃらにやっているだけでは空回りするだけ。そう思って釣りをしない人も納得してパブコメに協力してくれるように、資料を作ったよ。「お知らせ」のページを見ると詳しいことが分かるから是非見て、できたら活用して欲しい。まあ、「渥美半島の野池を守る会」の人たちにとっては見飽きた資料なんだけど。


このパワーはすごい  2月8日

 昨日は疲れたけど、ためになったよ。というのは、お客さんと「渥美半島の野池を守る会」の打ち合わせがあったから。議題はもちろんバスのこと。しかもパブコメについてがそのうち7割くらい占めていたかな。
 まあ俺もかなり真剣だけどお客さんも半端じゃないね。今度ばかりはこれまでとはずいぶんちがうね。今まででもみんなバスフィッシングを守ろうという気持ちは持っていたけど、まとまった行動に出ていたのは一部だけだったわけ。「渥美半島の野池を守る会」でいうと月に1回のゴミ拾いと年1回の学習会がそれ。
 俺をはじめみんなもこれくらいで十分と思っていたのが、今では毎日でも集まらなくっち…という感じになっている。その理由はお気づきの通り、バス問題が急展開をみせているから。
 1月21日の環境大臣の発言までは、それでもなんとかなるだろうと思っていたんだけど…。それがこの日を境に絶えず全力疾走になったね。俺だけじゃなくて、バスに関わっているすべての人が変わったね。バスプロもメーカーもお客さんも。これってとてもいいことだと思う。状況は最悪だけどね。
 「今となってはもう遅い」という人もいるけど、そんなことはないと思うよ。たしかに大きく出遅れてしまったけど、望みがなくなったわけじゃないと思うよ。だからこそ、「渥美半島の野池を守る会」の人たちは真剣に動いてくれているんだ。
 俺は釣具店をやっているわけだから、人から見れば今度のことでも、どうせ金儲けしたいだけだろって思えるかもしれない。たしかに今回の法律がきっかけで生活ができなくなるのは困るけど、心の中の大部分は金儲けは度外視って感じだよ。
 とにかくやらなくちゃ気がすまないって感じだね。バスフィッシングを心から愛しているお客さんもきっと同じだと思うんだ。いったい俺たちをそこまでさせるものって何だろう。よく分からないけど、最愛のものを失うかもしれないという追い詰められた不安、弱い者いじめををする世の中の体質に対する怒り、真実が歪められることに対する憤り、などなどだろう。
 今度はそれらが頂点に達しているから、みんな強いよ。この調子ならパブコメもかなりの数が集まるんじゃないかな。とにかくあと1か月弱。俺も全力で行くよ。そうでなくちゃ一生後悔する、そう思える今日この頃だよ。

 それからバス釣りをしない人に一言。今度の法律はバサーだけがピンチになっているだけ。自分には関係ないと思っていたら大間違い。はっきりいってこのままいくと釣りそのものが世の中からしめ出されるようになるよ。だから釣り人みんなが立ち上がって釣りをしない人にも理解してもらい、協力をしてもらうくらいのつもりでいってほしい。


小池環境大臣の発言を斬る!  1月30日

 1月21日の小池大臣の発言には本当にたまげたよ。まあ人間、権力を持つと往々にして誰でもパフォーマンスをしたくなるもの。だから何か起きそうだと思っていたけど、まさか、いきなり専門部会の話し合いを無視し、あんなバカな発言をするとは予想していなかったよ。
 そりゃあ、専門家たちが一般民衆の声を全然無視した結論を出したのなら話は別だけど、すごく真剣に話し合いが行われていて、バスについてはとりあえず、半年間は特定外来生物の指定から外そうということでほぼ話がまとまっていたはず。
 だいたい話し合いをさせたのは責任者である環境大臣でしょ。任命された人たちががんばっていて、もう少しで成果が発表できるところまできたら、いきなり無視して「まずオオクチバスを指定すべき」だなんて冗談じゃない。ぱしりを散々させて、あげくのはてに完全無視したのと同じじゃないか。こりゃあそこらへんの不良生徒や一流選手をベンチで飼い殺ししている某球団よりもやることがひどいよ。
 それになによりも2月からパブコメをやる予定になっていたんじゃないの。大勢の人の意見を聞くのが政治家の務めでしょ。パブコメやる前に大臣が独断で結論を出してどうするの。しかもこの法律がバスを指定するためにあるみたいなとんでもない結論を出しちゃって。
 しかも、大臣はバスについての真実をほとんど知らないでしょ。なのにあの発言はどうして。役所の人たちに左右されない立派な政治家と思われたいから?マスコミがこぞってバスを悪者にしているから、それを信じているわけ?それともマスコミの方を向いていれば、人気とりができて次の選挙に勝てるから?まあそれくらいしないと存在感がなくなっていくからねえ。そういえば、小池大臣はもとアナウンサー、マスコミ出身だからね。上手に利用したつもりだろうけど、賢い人は見透かしているよ。だって一番大切にしないといけない湖の現場に立っている人たちの意見を全然聞こうとしてないんだもん。
こうなったら、直接抗議のメールを送るしかないね。店主はすでに送ったよ。言いたいことがいっぱいあったから5000字くらいになったよ。読んでくれるかどうか分からないけど、書かないと気がすまないからね。バサーに限らずおかしいと思った人はどしどし抗議すべし。ただ、こういう人だから脅迫のようなメールは火に油を注ぐだけ。批判は大いに結構だけど、正当な主張をしないとね。店主もここに書いた文よりもずいぶんと控えめにしたよ。俺って大人だなあ(本当に大人だというわきまえのある人はこういうことは書かない。分かる?)。

ルアーが増えて  1月29日

 お客さんに「○○入った?」と聞かれて、えっと思うことがよくある。俺の知らないルアー名がしばしば登場してくるからだ。ルアー雑誌には結構目を通しているつもりだけど、それでも追いつかない。これは俺が歳をとって物覚えがわるくなったからじゃない。日本のルアーメーカーの開発のスピードが速いからだ。特にバスのメーカーの開発のスピードには驚くばかりだ。それくらい次から次に新しいルアーが発売になる。
 これはバサーにとっても釣具店にとってもある意味いいことだ。より機能がすぐれたルアーが登場してくるわけだし、選択の幅も広がるわけだ。新しいものが発売されれば、多くのバサーはそれがどんなものか試してみたくなる。ということで必然的に新しいものが売れることになる。
 ところがこれには大きな落とし穴がある。以前売れていたルアーが売れなくなるのだ。少し前まで飛ぶように売れていたルアーがある日を境にしてパタリと売れなくなることの多いこと。本当に急に売れなくなるから、店を経営している俺にとってはむちゃくちゃ恐ろしい。だって1回目の仕入れで1週間もしないうちに完売したから次も…と意気込んで倍の量を仕入れたら次は1つしか売れなくて残りはすべて不良在庫なんてことが起こるからだ。これじゃあ、いくら新製品がバンバン売れてたって、儲かっているのかどうか分からない。
 どうしてそうなるかというと、次々に新製品が発売されるため、手持ちのルアーが多くなりすぎて、結局使うルアーが限定されてしまうからだ。ほんの少し前に買ったばかりのルアーでも、1回か2回使って結果が出なければすぐに登録抹消になってしまう。だいたい1回や2回で結果なんて出ないことのほうが多いもの。だってバス釣りに行って1匹も釣れないときだってあるんだから、もう少し長い目で見てやってほしいと店主は思っているんだが…。
 それどころか実績抜群なのにいつの間にかタックルボックスの奥で眠っているルアーだってある。これはさらに腑に落ちない。ルアーがいつの間にか、すぐ賞味期限切れになる生鮮食料品と同じ扱いになってしまっている。それが今の現実なのだ。
 こうした変な現象はマスメディアならぬバスメディアと現代人の移り気なのに絶えず何かに依存する性分とが絡み合って生まれたと俺は分析している。バスメディアが「新製品の○○でIプロが爆釣」と紹介すると、バサーはそれが無性に欲しくなり、買うわけ。ここまでは悪くないと思うんだ。より釣れる魅力あるルアーが欲しいと思うのは当然のことだから。ただその先が問題だ。それを使った瞬間いままで使っていたルアーのことを忘れてしまうバサーが多いんだから。
 何はともあれ、こうして一度隅に追いやられたルアーは往々にして二度と日の目を浴びることはない。これはバサーにとって悲しいことだと思う。
 そこで提案、たまには登録を抹消したルアーや2軍落ちしたルアーを使ってやってはどうだろうか。ひょっとしたらその実力を再認識したり、新しい一面を発見するかもしれない。
 それからルアーメーカーに一言、新製品を出すのはいいけど、もう少し狙いを絞って、既存品との違いがはっきりするものを発売するようにしてほしい。
 メーカーも小売店も一度売ったらあとはお構いなしじゃあいけないと思うのは俺だけか?